ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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前回の続きです。


第二百七十七話「セクシー・アドベンチャー 10」

のび太とドラえもんは、キュアフェリーチェの実質的な保護者であった。彼女が花海ことはとしての姿を取れるようになった後も(言動に幼児性が強いためと、長い歳月を野比家で過ごしたために)キュアフェリーチェの姿を家でも取ることが多かった。のび太は事実上、二人の『妹』の面倒を見ることになったため、精神的成長も本来より早まったのは確実であった。そして、調もプリキュア因子の覚醒が起こったが、容姿の属性が反転しているようなものなので、切歌に思いっきり文句をつけられたと、ボヤいていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「部下からの連絡で、あと三匹はいるそうな」

 

「マジかよ!?」

 

「北東地区の警官隊に被害が出たそうな。まぁ、村田銃もないような連中じゃねぇ。江戸時代の火縄銃持たせたほうが、まだいいかも知れないけど、今どき火縄銃はないし」

 

「私の固有技は加減が効かないからなぁ」

 

調(キュアズキューン)はぼやく。

 

「君らの技は、屋内や地下じゃ被害出すからね。地上におびき出せればいいんだが、そうは問屋が卸さない。それに、ティターンズ残党軍の本隊の動きが活発になってきたらしい」

 

「マジかよ」

 

「ネオ・ジオンの解体で、反連邦政府の世論の行き場を失ったからね。そうした連中があれこれの手段で、アフリカ解放戦線やティターンズ残党に合流してる。反連邦なら、ティターンズやジオンの理念なんて、どうでもよくなったんだろう。ギレン派の生き残りがジオン兵を集めてるだろうが、今更、ギレン・ザビの名を使うのもね」

 

結局、連邦政府がどう頑張ろうと、植民惑星等の不満は生まれるわけで、そうした理不尽への怒りの集合思念が『ゲッターエンペラー』を生み出すきっかけになり、ゲッターエンペラーの存在を知覚したものは『地球人に手を出すな』となっていくのである。

 

「確かに」

 

「それと、連合軍全体の軍規が改定されたんで、原則的に階級が少尉以上はどんな科でも士官にする事が正式に法的に規定された。地球連邦軍や自衛隊、米軍との兼ね合いだよ」

 

「ミーナさんを降格させて、勲章を剥奪したこととの兼ね合いかよ」

 

「日本軍の特務士官出身の義勇兵との揉め事の回避のためでもある。彼らは血の気が多いからね、扱いを心得てない連中が血を見たそうで、喧嘩の混乱で部隊が機能不全になるのを防ぐためだよ。史実で、芳佳ちゃんが『医者』であり兵科(つまり戦闘部隊)の将校として能力が欠如している事に対する措置である』ということになってたけど、その根拠にされた制度が旧軍の人事の硬直化の元凶だから、日本側が政治問題にした上、特務士官の出身者連中が海軍精神注入棒で、思いっきりケツバットしてさ、ケンカ相手の外国の士官をことごとく、病院送りにしてしまった。それ関連の揉め事が起きそうだったから、幹部らは規則自体を改定したのさ。それで処分を食らう連中は運が悪かったことにするそうだ」

 

のび太のいう通り、ダイ・アナザー・デイ以降、日本軍出身者も戦列に加えたが、正規の士官ではない『特務士官』の出身者も多く、その制度がややこしすぎたため、連合軍の前線部隊は扱いを誤り、彼らの怒りを買い、将校や下士官が血まみれで病院送りにされてしまう事例がダイ・アナザー・デイで相次いだ。ミーナは芳佳への最終的な取り扱いが『アニメ』という形で知られていたため、言い訳が通用しなかったのである。

 

「いいのかよ」

 

「日本の政治屋にとって、軍人は使い捨ての道具同然だからね。だから、優秀な軍人であろうと、おもちゃ感覚で切り捨てるのさ。あの子はその犠牲にされたのさ。人格が入れ替わったのは幸運と捉えるべきさ。日本は抗命を理由に、銃殺刑に追い込むつもりだったから」

 

「かといって、この世界じゃ、軍を途中で追い出される=社会的抹殺な倫理観だから、精神病を理由に、手出しできなくした事は、精一杯の温情だよ」

 

戦時特有の空気は人事処分の決定に作用する。ミーナの場合はそれまでが『カールスラント有数の俊英』であったため、別戦線にいる(原隊時代の)戦友らからの助命嘆願が相次いだのも事実である。醜態により、エーリカやバルクホルンからは見限られていたが、内部事情を知らぬ者らにしてみれば、『上層部の責任の押し付け』にしか見えなかったからで、人格変貌はある意味で、『ミーナの助命』にプラスであったのだ。

 

 

「でもよ、将官だろうが、前線で死ねってのはおかしくねぇか?」

 

「日本軍の逆張りが正解と信じてるからさ。だから、指揮官先頭を叫ぶのさ。それに、出世したエースが後方に下がった途端に、戦線が崩壊したのもザラだったから、エースは前線で死ぬまで使い倒す事にしたんだ。それに、戦時の英雄は、戦争が終われば不要の存在って見なされるからね」

 

日本が(戦後の軍縮を見込んで)軍の戦時の人材育成費を80%も削減したことから、64Fなどのエース部隊を戦後も存続させなくては割に合わないとされ、結局は人件費が却ってかかる始末となった。扶桑軍。平時の理屈で戦時を動かそうとした故の誤りの犠牲であった。

 

「あー、これだから、戦時を理解しねぇ連中は……」

 

「菅野、お前が最たる例だと思うぜ。平時になれば、お前みてぇな喧嘩っ早いのは、すぐに切り捨てられる。かといって、学のねぇお前が郷に戻っても、家に居場所はねぇぞ」

 

「分かってるさ。戦争が終わったら、のび太んちで隠棲生活でもするよ。実家に戻ったところで、兄貴や姉さんの結婚相手の邪魔になるだろうからな」

 

64Fの人員は戦後の取り扱いが下手にできないため、現状維持が既に決められていたが、自主的に隠棲生活に入ることを決めている者は多かった。解散させないのは、『いちいち再結成させてたら、金がかかるから』という日本的な理由によるものでもあった。

 

「ティターンズも、リベリオンの状況的に、意図的に決戦をさせようとするだろうね。本来、扶桑は連続的な攻勢をして、早期に休戦へ持っていくつもりだったんだ。それでそのまま大陸領の奪還に……ってつもりで。ところが、日本に散々に罵倒されて、中国があると思った日本からは『中国人を虐殺して得た土地なんぞ』と濡れ衣を被せられた。で、中国がもう滅んでる世界線だって分かったんだけど、維持ができないだろうからって、大陸領は浦塩以外の放棄が決まった。日本側も濡れ衣だって言われて、気まずくなったんで、浦塩の維持だけは認めた。オラーシャが分裂で使い物にならなくなったからね」

 

結局、扶桑はこうした政治の駆け引きの結果、大陸国家であることを放棄させられることになったが、元住民への損害補償の問題により、近年の地殻変動で、リベリオン大陸本体から切り離されて間もない、ハワイ諸島の獲得を目標とせざるを得なくなっていった。また、日本側の『絶対に対抗手段が用意される』というヒステリックぶりを宥めるため、61cm砲搭載戦艦の研究を開始せざるを得なくなる。これは当面の限界を極めし敷島型戦艦(二代)の存在を公表した扶桑海軍には『寝耳に水』であった。既に、リベリオン合衆国が46cm砲の量産に成功したという情報があったからで、モンタナ級戦艦の全面的な改良型が46cm砲を積むのは確実視されており、格上の51cm砲の実用化も時間の問題とされていた。それ故に、播磨型の主砲強化と水戸型の増産をせっつきつつ、現有砲より格上の61cm砲の開発を強引に決めたのである。

 

「だから、ティターンズが陸戦艇を繰り出した時に撃退できるように、61cm砲の開発を初めさせたんだ、日本は。地球連邦軍がバックにいるのは気づいてるから、できるだろうってね」

 

「でも、61cm砲にもなると、人力じゃ無理だぞ」

 

「連邦海軍が、一年戦争の時に使ってた洋上戦艦がそれを積んでた。そのノウハウを流用できれば、敷島の主砲を変えるだけで済む。元々はそのつもりだったけど、宇垣纏中将の提言で56cmで済まされたから」

 

「あんの黄金仮面め……」

 

宇垣纏は緊急時の電力停止時の手動装填の手を残すつもりであっただろうが、結局は戦況の都合で、さらなるランクアップを強いられる扶桑戦艦。この凄まじい戦艦のシーソーゲームに興味を抱かなかったガリア共和国は、後年に海上兵力の絶対的格差を突きつけられる事になるのである。

 

「そう言えば、連中って、こっちに来ていいのかよ」

 

「連中は宇宙時代には暇を囲ってるからね。沿岸警備隊的扱いだから、こっちに来たがってるのさ。特に、ヤマト登場以後は、宇宙軍にお株を奪われてるからね」

 

「ま、宇宙時代には、洋上海軍は無用の長物だわな」

 

シャーリーもこの言い草だが、実際、宇宙軍が実質的に海軍の果たしてきた役目を引き継いだため、洋上海軍は沿岸警備隊同然の扱いで存続しているにすぎない。そのため、扶桑に資材を提供している。

 

「だから、扶桑がソナー手を確保できたわけ。あれは10年単位じゃないと、人数が確保できないから」

 

「なるほどな。ところで、警官隊はどうする?」

 

「彼らには、住民を避難させるための生贄になってもらうよ。この時代の老人連中は土地に愛着があるからね。誰かが死んで、始めて動くような人たちだ。21世紀からすれば、信じられないけど」

 

「お前、案外にドライだな」

 

「高校ん時に元の家から引っ越す時、うちの親父がゴネるの見たからね。相続税とか、再開発関連のあれこれでゴネると、ろくな事にならないって、スネ夫のパパさんに諭してもらったから。親父もその後に一財産築いたから、親父が死んだら、あれこれの手続きが大変だよ」

 

のび助は他の世界線と違い、孫が中学生になりつつあった時代でも存命しているが、元の家から離れる時に、区と相当に揉めたらしいことを話すのび太。東京都の意向による再開発だが、ススキヶ原の人々の多くは室町時代以前からの住民であったため、所有権が明治以降に有耶無耶になっている土地があちらこちらにあり、再開発の始まりは2005年だが、完了はその3~40年後になったという。だが、その再開発も統合戦争時代には『ふりだしに戻され』、デザリアム戦役後の時代には、2001年の時の状態に戻ったという。

 

「そうか、お前の時代になると、税金とかの問題があるんだった」

 

「親から数千万もらったとしても、分割や揉め事で減るとか、ぼくの時代にはザラだからね。ぼくは幸運なほうさ。親父たちに金銭的苦労はかけないで済んだから。ガランド閣下から、調ちゃんと、はーちゃんの生活費と学費を支援してもらったのも効いたね」

 

野比家はガランドの金銭的援助や、のび助の社内での立場の昇進も重なり、のび太が中学生になって以降は次第に裕福になっていったが、元は地主からの借家とはいえ、先祖伝来の土地を手放す事に、のび助は相当に抵抗感があり、旧野比家があったあたりの区域の住民とグループを作って、再開発に抵抗を試みるなどの行動力を見せたという。だが、最終的にのび太の招来などを鑑みて、立ち退きに同意した。

 

「街の再開発の時は、親父がマンション嫌いだから、説得に骨が折れたけどね。結局、貯めといた金と補償金で、今のマンションを買ったわけ。G機関にも協力してもらってね」

 

「あのマンションにそんな謂れがあんのか」

 

「ああ。元々はG機関の拠点を確保してほしいってことだったけど、地下室の兵器を移す必要があったから、マンションごと買ったのさ。だから、君たちの部屋はいくらでも確保できるわけ。建築会社はG機関が抱き込んだから、文句も出ないよ」

 

「ある意味すげえな、お前ら」

 

感心する菅野。

 

「まぁ、今度は私がプリキュア化したから、色々と大変ですよ。まぁ、元の所属先には説明し終えてますけど」

 

調はキュアズキューンとしては、幼気な素の容姿と打って変わって、白に近めの金髪に、緑とピンクのメッシュが入るなど、大人びた外見に変わっているが、前世と違い、妖精からプリキュアに変身しているわけではないため、声色は調本来のハイトーンなもののままである。本来の属性からは正反対の属性になっているので、切歌からは相当に愚痴られたとのこと。

 

「まぁ、お前んとこ、チームが違うけど、プリキュア化したのを二人も出したしなぁ。大混乱だろうよ」

 

「そうなんですよ。こういう時に言うのもなんですけど」

 

「プリキュア化したところで、司令に勝てる気はしないですけどね……」

 

「あのおっちゃん、リョウさんに声が似てるものなぁ。あの手の声は、めちゃ強キャラって法則でもあんのかよ」

 

と、キュアズキューンとなっても、風鳴弦十郎に勝てないであろうと感じている調。彼の強さは、黄金聖闘士でもある黒江が一目置くレベルであり、フィジカルは下手なプリキュア戦士より強いのは確定している。

 

「それより、背丈が伸びまくって、感覚も違うだろうから、これからはそれを通して、感覚に慣らせ」

 

「そのつもりですよ」

 

と、シャーリーも、プリキュアとしての現役時代の大人しげな言動は取っていないため、日本のファンから色々と言われているため、声色などの細かい違いはあれど、割に現役時代との差異の少ない調のことが羨ましいようだ。

 

「とはいえ、プリキュアとしての固有技は一つしかないんですよ」

 

「安心しろ、歴代のプリキュアのほとんどはそんなもんだ。別作品の技とかで補完しろ。綾香さんから技能は継いでんだろ?」

 

「ええ、まぁ。メタってますね」

 

「こいつがめちゃ、メタってくるかんな」

 

「ドラえもんがメタるからね。それで、僕もこうなったわけ。さて、武器を渡しとくよ。長丁場になりそうだし」

 

のび太が持ってきた銃は堅実なセレクトであり、弾や予備部品が調達しやすいものであった。また、本来はキュアスカーレットに渡すつもりだったという『FA-MAS』(フランスの自動小銃)も含まれていた。

 

「M4カービンはわかるが、FA-MASなんて、なんで持ってきたんだよ」

 

「元はスカーレットに渡すつもりだったんだよ。渡しそびれてね」

 

「ペリーヌがガリア産に誇り持ってんからか?まぁ、悪くないっていうが……」

 

「M14の出始めの時代に、現用のM4カービンたぁな。うち(リベリオン)の陸軍が聞いたら、血の涙だぜ」

 

「M1903が普通に使われてますからね、自由リベリオン。トンプソンは?」

 

「あれか?あたしの周りはBARを好んでたからな…。トンプソンはマフィアの武器だってイメージあったし」

 

「で、のび太はM16のA2か?」

 

「調達が楽だし、Mr.東郷も愛用してるからね」

 

「彼が使ってるんで、米軍も使い続けてるって噂ありますよ」

 

「まぁ、ゴルゴが使うんなら、それが最適解なんだろ」

 

と、ゴルゴ13が使う銃器は愛好家や評論家の間では『過大評価である』と言われることが増えた。これは狙撃での暗殺などで鳴らしている割に、それ専門の銃器を使うことは珍しいからでもあるが、彼の早撃ちは(メカニズム的意味で)オートマチックでは実現不可能であるのと、稼働の確実性などから、古式ゆかしい回転式を用いているなどの情報は知られている。

 

「ロシアの銃器開発者がここ数十年(1991年からの数十年)くらい、自国の自動小銃の優位性を証明しようと、Mr.東郷(ゴルゴ13)に喧嘩を売っては、ことごとく返り討ちにあってるらしいし」

 

「AKの優位性を世界に売り込むためだろ?まぁ、その昔、日本のイカれた新興宗教がコピーしようと目論んだって話があるくらいに簡便な作りなのは知ってるが」

 

「まぁ、東側の銃は手に入りにくいからね。特に、統合戦争の後の時代は特に。だから、必然的に西側諸国のになるのさ」

 

「あたしらの邪魔をしてるのも、そうだろう?」

 

「暗黙の了解だよ、それは」

 

「日本は今のところ、中国とは揉めたくないですし、かといって、これ以上、ロシアを刺激するのも望んでませんからね」

 

「学園都市も余計なことをしてくれたもんだ」

 

「まぁ、ウクライナとロシアが果てしない民族紛争をするよりはマシですよ」

 

「どっちもどっちだと思うぜ?」

 

「同感だ」

 

と、シャーリーと菅野は珍しく、意見が合う。この戦争の邪魔を旧・反統合同盟の構成諸国がしているのは暗黙の了解的な事項だからだ。

 

「まぁ、いずれはゼントラーディやガミラスの攻撃で零落する運命だよ、連中は。フランスとて、統合戦争で往時の見る影もなくなって、結局、ネオフランスは民主共和制を捨てて、立憲君主制になってるようだしね」

 

と、ここで、のび太は重大なことを口にする。未来世界のネオフランスコロニーはガンダムファイトの古豪で鳴らす大国だが、政体は立憲君主制になっているのだ。結局、またも民主共和制が破綻を来たしたらしい。フランスほど、何百年かの周期で政体が変化するのも珍しい。帝政、共和制、絶対君主制、立憲君主制の全てを経験したことになるのだ。

 

「あの国も珍しいな……また政体が変わったのかよ」

 

「統合戦争のせいだそうですよ」

 

「やれやれ」

 

と、未来世界でのフランスの変容に話題が移りつつも、一同はのび太の持ってきた銃を手に、仕事を続けるのだった。

 

 

 

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