ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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前回の続きです。


第二百八十五話「セクシー・アドベンチャー 15」

地球連邦の存続が宇宙戦争の連続によって約束されたのは、何が何でも生き残るという意思があったからである。直接的な侵略を選んだ者たちは銀河ごと粉砕されることすらあった。ハーロックの時代に現れるマゾーンが精神的侵略を選んだのは、直接的では勝てないからであった。しかし、ハーロックらの歴史改変により、地球連邦は絶滅の危機を伴う宇宙戦争がさらなる1000年もの間、繰り返される事を覚悟する事になり、神々も(時天空の打倒のために)意図的にジオン残党やその他の組織に幸運をもたらし、進化のきっかけを誘発していく。そのうちの一つがティターンズ残党であった。

 

 

 

 

 

 

そんな世界線を超えての神々の試みに翻弄される形の『魔女の世界』。既にニュータイプを軍事的に利用するドクトリンを持つティターンズ残党は『華々しい最期』を志向し、リベリオン合衆国を意図的に傾かせる施策を実行。たとえ、太平洋戦争後に冷戦が訪れようと、史実通りに1990年代には破綻するように仕向けた。それがリベリオンに『分裂国家』の苦しみを背負わせる事になるのである。史実のアメリカ合衆国役を背負わされる扶桑皇国もたまったものではなかったが、そうでなければ、神々の試みのせいで、世界自体が滅びに向かうからで、結局、自由リベリオンは史実でアメリカ合衆国が生み出すはずの文化を生む役目を担わされ、残された大国である扶桑皇国は否応なしに、自由民主主義陣営の旗振り役にされていく。日本があーだーこーだー言おうと、神々によって、そういう流れが決められたのだった。

 

 

 

 

 

カールスラント国家がドイツ連邦共和国の過剰な介入で実質的に崩壊すると、失脚した有力軍人や生き延びた貴族は、内乱を辛うじて生き残った親類一同を、中立国、あるいは残された大国である扶桑皇国へ亡命させていった。カールスラントが内乱の終結後に落ちぶれた状態が続いたのは、この時に人心が乱れ、土地から心が離れたせいで、黄金期と同等の資質を持つ魔女が現れなくなったからである。そこもドイツ系国家の実質的な戦前戦後の断絶を表していた。故に、日本の軍人への一方的な断罪にストップをかけたのが、元同盟国のドイツ系の国家であるのも、大いなる歴史の皮肉であった。

 

 

 

 

日本側が慌てて、私刑行為にストップをかけた時には、カールスラントの有力軍人は色々な理由で病院送りか、『戦場では有能だが、一癖ある連中』しか前線に残されておらず、連合軍は実質的に形骸化した。これは連合軍がカールスラント+αな実情であったためで、また、政治家たちが『戦場では有能だが、普段から一癖ある連中』の取り扱いに難儀した結果、日本連邦に押しつけることを進めたため、日本連邦は『戦場で有能な人材』を一点集中で働かせた。同時に、売却されたカールスラント陸軍の兵器は日本連邦が一括で購入していった。機甲兵器の質の均一化のためで、南洋では『重戦車も楽々と運用できる』ため、重戦車化の進んでいたカールスラント系装備は重宝された。史実より早いペースで強化されていたとはいえ、戦前日本式戦車はM動乱が結局は最初で最後の華であるのには変わらず、降って湧いたような、大型戦車の時代の到来に陸軍機甲本部の人員はショックのあまりに涙したというが、五式中戦車も、設計自体にノウハウ不足に伴う不備があり、より優れた戦車があれば、すぐに淘汰される運命にあったわけなので、カールスラントの戦車関連技術陣の亡命、ブリタニアからのセンチュリオンの提供は扶桑の機甲兵器技術を飛躍させる(戦後型を自力で製造する)道を拓いたのである。史実では、資源不足と揚陸艦の不足などで製造すら困難であった大型戦車だが、扶桑はあらゆる手で調達に狂奔。これはM動乱で大恥をかき、バダンの強力な機甲兵器に恐怖する羽目になった戦訓である。その結果、地球連邦軍で倉庫行きになっていた戦車輸送艦などが多数供与された。扶桑の保有する輸送艦は良くて、三式中戦車までを想定したものであったからだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

逆に、揚陸艦の基準自体が戦後の大型化した戦車を基準になった影響で、既存の揚陸艦と輸送艦が根こそぎ陳腐化してしまうのも、軍事的に困った話であった。陸戦魔女は現状では、空戦より活躍の余地が大きかったが、必然的に、次期主力装甲脚は重装傾向が強まるため、その傾向を嫌う者も多かった。既に航空脚の既存の形状での発展が頭打ちになっていたため、それに比して自由度の高い装甲脚は自由度が確保されていたが、扶桑の陸戦魔女は『急所攻撃』への自信と、近接攻撃への傾倒から、軽装を好んでいたためであった。だが、時代が変わり、一昔前であれば、重戦車と言える重量の戦車が時速50キロ近くで疾駆するようになると、そもそも、近づく以前の問題であった。また、日本連邦は(戦後式の戦車の徹甲弾を使うために)戦車の刷新を進めたが、戦後型は(背丈が伸びた時代の日本人を基準にしているために)1940年代の平均的な背丈の扶桑人では、却って扱いづらい問題があった。さらに、砲塔バスケット構造に慣れていない戦車兵が多かった問題もあった。結局、戦車兵の意識変化も必要であったため、パンターやティーガーはその教材にも供された。史実では、1945年時点で旧式化が始まっていたため、この扱いであった。

 

 

 

空母は軽空母と超大型艦に二極化され、本来、手頃な航空戦力の確保のために存在した『護衛空母』は『どうせ戦争が終われば、スクラップにするしかないから』という理由で、建造が中止され、既存艦も解体されていった。これは日本連邦の関係者の多くが『ジェット機を運用するのが正規空母だ』と認識していたからで、結局、費用を理由に、魔女用の空母に転用もされずじまいであった。日本連邦は空軍に航空戦力を半ば依存してしまっており、海軍航空隊は形骸化していた。そのためでもあった。中継基地としての運用も検討されたが、史実の日本軍が失敗した運用法(検討段階であったが)のを理由に却下された。こうして、空母の経費高額化が一挙に進んだことで、中小国は空母運用計画を破棄。大国もブリタニアが大規模な空母部隊の構築を諦めていくため、日本連邦が必然的に空母部隊を維持せねばならなくなった。この流れに、日本は困惑したが、ブリタニアは予てから財政難であり、日本の期待する規模の空母部隊を構築していくことは不可能であった。世界中の要請により、空母部隊を大規模にせねばならなくなった扶桑は場当たり的に、自由リベリオンが持て余しているエセックス級を接収し、数を増やす。烈風や紫電改も、まだまだ戦力として通用するからで、扶桑固有の大型空母の不足に伴う洋上航空戦力の決定的不足は、結局は日本式空母の時代遅れ感を助長する形となり、艦政本部は以後、空母の設計に自信を無くしてしまう。アメリカ合衆国はそんな日本連邦へ過去の空母の設計図を流し、そのパテント料で儲ける。その事も、大鳳が日本最後の自主設計の正規空母となる理由であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな既存兵器の不足は万能兵器であるMSなどで補われたが、既に第三期MS時代が到来しつつあった地球連邦軍からの援助があったため、64Fに限れば、量産型F91も受領できる破格の立場にあった。しかも、F91は(エースパイロットのみしかいないので)オリジナル機が見せた『最大稼働』を可能なように直された仕様である。サナリィは反対したが、最大稼働のメリットが大きいことは理解されていたので、敢えて復元された。これはΞの戦果が好意的に見られ、その後継機が開発再開される可能性を見込んでの売り込み策であったと同時に、軍需産業としての生き残りをかけての起死回生策であった。時代が再び、アナハイム・エレクトロニクス社に傾いたため、F91のオリジナル機の威光に頼らざるを得ない点に、サナリィの軍需産業としての落日が表れていた。

 

 

 

 

ガンダムタイプの象徴性の復活に伴い、サナリィ製のガンダムタイプにも、ガンダムのコードが正式に付与された。また、この時にFシリーズ自体は(ブッホ・コンツェルンの息が裏でかかった計画故に)政治的に息の根を止められたが、技術自体は最後の第二期MS『V3ガンダム』へ生かされ、V2の後継機であり、F90系の末裔でもある点から、最後の第二期MSと呼ばれる同機の開発も進んでいた。また、核融合炉の第三世代型と、第二世代型ミノフスキードライブが完成し、第二期MSの運用上の難点が解消されるなどの技術革新も起こったため、64Fは野比財団の政治力をバックに、強力なMSを受領した。とはいえ、基本的に『整備がそこそこ簡便なムーバブルフレーム搭載の世代』になっているのは、小型MSで一時に流行った『マルチプル・コンストラクション・アーマー構造』は『ゲリラ戦に不向きである』のを理由に廃れたため、結局は各部がモジュール化されているムーバブルフレーム構造が妥当とされた流れによる。ここでも、サナリィの軍需産業としての衰勢が表れていた。

 

 

64Fの基地は元々、戦略爆撃機にカテゴライズされた富嶽の基地として造られていたものを、戦略爆撃機の保有の是非で揉めたため、先行して工事の終わっていた基地を未来兵器を個人保有する64Fの面々に与えたという経緯を持つ。本来の計画では、基地の周りに工廠等を建設して『軍都』とする計画であったが、日本が横槍で中止に追い込んだため、基地の周りに荒野が広がるだけという有様となっていた。最精鋭たる64Fの隊員があまりに不憫な有様なのに憤慨する声が出るのを想定していた日本側は『空いている土地をニュータウンに転用する』ことを民間企業等に提案させ、軍事関連地区を基地の地下に集約させることで妥協した。実際には、地下に都市機能もある程度は持たせる事になり、ニュータウン建設の頓挫も想定しての建設が数年で行われた。その兼ね合いで、軍事地区は地下で巨大化していき、1949年でも増築工事が続いている。以後、扶桑は日本に見せたくないものは地下に集めるようになる。そして、南洋は扶桑や台湾の再開発のテストケースに活用されていくようになる。

 

 

 

中華民族自体がまとまりを失った世界線では、誰もかつての王朝を復興させようとしなかった。その結果が扶桑の早期の大国化である。それに左派は衝撃を受けた。その事の判明も、扶桑の軍事大国の地位の維持の容認の一助となった。左派はジェット機への切り替えをせっついたが、ジェット機はこの当時での新式故に信用度が低く、烈風や紫電改がまだ使われる理由ともなっていた。しかしながら、ブリタニアもレシプロ最後の傑作(史実)とされる戦闘機『シーフューリー』の本格配備に手間取っており、その前にジェット機たる『アタッカー』や『シーホーク』が出るだろうと揶揄されていた。そのブリタニアの有様から、日本連邦はジェット機とレシプロを併用してでも、数を維持せねばならなかった。この孤軍奮闘が、扶桑に外国不信を植えつける事になった。だが、他国は他国で、『金がないし、物的援助しようとしても、武器を旧式判定するじゃないか……』と愚痴りたい気持ちであった。その兼ね合いで、欧州で『戦後は疎んじられる』戦時向けの人材を送り込むことで妥協した。欧州は『戦争が終わる』が、太平洋はまさにこれからが『激戦期』。その温度差が、欧州主導時代を終焉に導く事になった。だが、欧州の数カ国が本気で無力化している状態では、物的援助は不可能であった。また、欧州は日本の起こした騒動で、多数の士官を罷免されるか、その後の内通者調査の拷問で再起不能(物理的・社会的・精神的に)にされており、人手も送れる余裕はなかった。故に、ダイ・アナザー・デイ直後に行われたヘッドハンティングの容認がせめてもの誠意であった。扶桑の外国不信は史実のメタ情報によるものであったため、特にロマーニャとカールスラントは顔面蒼白に陥ったが、カールスラントは国家自体が空中分解に追い込まれ、軍隊も四散。ダイ・アナザー・デイ時に存在した部隊の3割強がマフィア化し、21世紀日本を襲う始末であった。結局、NATO軍によるカールスラント軍政は(立憲君主制による再建が決まるまで)長く続く羽目になり、ロマーニャもイタリア半島全体での内戦が勃発する事になり、国力を急激に落とす。結果、欧州は相対的にブリタニアが、太平洋は日本連邦の覇権に入る事になる。また、扶桑とティターンズを裏で天秤にかけていたシャムは(史実のメタ情報で)裏切りの予兆を察知され、援助の一切の打ち切りと『バンコクをソドムとゴモラにする』という政治的恫喝に対し、『誤解だ!!我々は貴国を裏切るつもりは……』と必死に弁解したものの、センセーショナルな報道に怒り狂った扶桑の世論は苛烈な報復を軍に迫り、シャム第二の都市であるチエンマイなどへ、地球連邦軍製の燃料気化爆弾が戦略爆撃機(デプ・ロックが使われた)から投下され、瞬時に市街地を壊滅させられるという惨劇に見舞われた。扶桑軍としては気乗りしない任務であったが、裏切りへの懲罰を求めた世論に押された結果であった。これはガリアへの間接的恫喝でもあり、長年の同盟国であったシャムに『ソドムとゴモラ』を地で行く惨劇を味わせることで、ガリアの裏切りを抑止しようという思惑であった。扶桑軍は反対していたが、怒り狂う世論の意向に逆らうことはできなかった。シャムはこの惨劇に加え、日本連邦による経済制裁の示唆によって、親・扶桑派によるクーデターがすぐに勃発。当然、政権幹部の皆殺しで、国自体がガタガタになり、以後、扶桑への背信行為は二度とできなくされた。これにより、連合軍の実態はますます、『扶桑・ブリタニア・自由リベリオンの三カ国連合』と化していく事になった。

 

 

 

 

 

 

さて、ブライアンと入れ替わった、夢原のぞみは事前の準備と訓練もあって、無難に役割をこなした。ただし、人柄はのぞみ本来の明るさを垣間見せており、以前より人当たりの良い姿を見せていた。そのため、ブライアン(絶頂期)の孤高さに脳を焼かれた(!)サクラローレルからは疑念を抱かれているが、身内を含めての周りが庇っているために、確証が得られずにいた。とはいえ、絶頂期の強さ自体は完全に戻っており、ゴールドシップ、ジェンティルドンナといった新世代とも対等以上の戦績をキープできるように戻っていた。一度はどん底に落ちていながら、最盛期と同等の速さへ戻った奇跡は、師であるオグリキャップ以来と評された。とはいえ、ドリームシリーズへの誘いは協会も出そうとしていたが、ディープインパクトの早期引退への懸念、その次代になるであろう、オルフェーヴルは不遜な振る舞いで、大人受けは良くない。そのため、人前での礼儀ができているブライアンの復権は歓迎された(故に、オルフェーヴルは卒業後の進路が心配されている)。ブライアンは(のぞみ)はあらぬ噂を出させぬため、『高等部卒業後は大学へ進学するが、レースを続ける』と表明し、ウマ娘のレース寿命そのものの変革の芽を生もうとしていた。

 

 

 

 

ある日のトレセン学園

 

2010年代後半の競走馬のウマ娘も現れてきたため、1990年代以前の競走馬のウマ娘らは相対的に旧世代とされた。仕方がないが、サンデーサイレンス、キングカメハメハ、クロフネ、ブライアンズタイム、トニービン。この五大種牡馬の血を継いでいない競走馬など、2000代には殆どいなくなっている。さらに、他人の空似も(競走馬同士が遠縁であったりするので)増加傾向にあった。

 

「あなた達の成績は上々です、夢原氏、水無月氏」

 

「一応、あたしは現世で陸士卒だし、かれんさんは医大志望だもの」

 

「演技をするのも疲れるものよ。私は資産家の令嬢ではあるものの、両親は音楽家で、彼女(ジェンティルドンナ)のように、兄弟でガチガチに競争させるのは経験していなかったし、一人っ子だったから」

 

水無月かれん(キュアアクア)は一人っ子で育ったため、兄弟姉妹の仲が良くない家庭での生活は疲れるものである(ただし、ジェンティルの実父は既に、後継者をジェンティルに決めており、それで兄弟仲を空虚にした責任を取ろうとしていたが、傍目からも手遅れ感は否めず、結局は兄弟間の遺産争いは目に見えていた。故に、全財産をジェンティルドンナに引き継がせる(姉のドナウブルーは嫁入りさせ、弟は家からの独立を促す)計画であったりする)

 

「あれじゃ、親が死んだタイミングで破綻して、兄弟間の骨肉の争いが確定するわよ?」

 

「ジェンティルの家族は全員が資産持ちですが、父上の遺産で揉める流れはありそうですな」

 

「たった数千万の遺産でも、兄弟間で骨肉の争いで、互いに絶縁するなんてザラよ。その前に手を打たないと」

 

「考えてはいるでしょうが、日本は長子を尊ぶ文化が強い。私も、姉たちを差し置いて、父に後継者とされましたが、姉たちとはそれで折り合いが悪くなりましたしね……」

 

ジェンティルの成績如何で、家の運命が決まると言っても過言ではないため、意外に深刻なジェンティルドンナの実家の状況。かれんは親の仕事を継がなかったが、一人っ子であるので、その手のことには遭わないが、医者になった後、多くの世界線で、その手の愚痴を患者から聞かされることは分かっていた。故に、その可能性に触れ、ルドルフも同意した。自分も、父親からの遺産相続などで姉たちと揉めそうだからだろうが、ルドルフの場合は姉たちとは桁違いの戦績を収めているので、ルドルフと折り合いの悪い姉妹たちも文句は言えないのだが。

 

「ひとまずは、この子(ジェンティルドンナ)をトリプルティアラにしないと。とはいえ、同世代に食らいつける子はいるの?」

 

「同世代では、ヴィルシーナだけでしょうね。上の世代相手でも、ジェンティルであれば、優位は揺るぎません。たとえ、オルフェーヴル相手でも」

 

ルドルフはここで、オルフェーヴルより体格などで勝る事から、ジェンティルのポテンシャルを活かせれば、普通に勝てることをかれんに言う。ルドルフからしても、ジェンティルのパワーは当代随一らしい。

 

「我々のレースは、第六感の発動どころや、展開の読みの深さが一流と二流の差です。スタミナで勝てるような時代でもなくなりましたし、私も昔、慢心と体調不良で、痛い目を見ました」

 

ルドルフは現役時代に、同輩の二人に土をつけられている。それに触れる。

 

「単純な力で勝てるほど、甘くはないということね」

 

「そういうことです、水無月氏」

 

ルドルフも、この頃には『女史』という言葉がコンプライアンスに触れることからか、『~氏』という表現に切り替えていた。歯切れは悪いが、2020年代ではコンプライアンスが重視される故で、シンボリやメジロも無視できなくなった点であった。

 

 

 

「夢原氏は運動の経験自体はないので、体裁を整えるのに時間を要しましたよ」

 

「仕方ないわ。うちののぞみは、元々が運動オンチでドジだったから。転生後の運動神経の改善と、その後の軍事訓練だけでは、本式のアスリートを演じさせるのは無理があるわ。私は家の都合で、陸上の経験もあるけれど……」

 

「昔(現役時代)よりはマシですって」

 

「たしかに、昔を思えば、夢のようだけど」

 

と、のぞみはブライアンの体でギャグ顔を見せる。かれんは同じプリキュアチームの戦友でもあるが、同じ中学の先輩後輩の関係でもある。ルドルフ(退任後も一定の業務を理事会に課せられている)はかれんと共に、のぞみがブライアンと交わした約束を果たさせるべく、のぞみの様子を確認するのと、医学的見地からのサポートも兼ねて、ジェンティルドンナに扮する形で、久方ぶりに学生生活を謳歌していくのだった。

 

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