結局、21世紀世界の政治勢力は自分たちに火の粉が降りかかりそうになると、『そんなつもりはなかった』『軍事一辺倒を戒めるつもりであって、扶桑独自の防衛力の否定ではなかった』との言い訳を重ねた。だが、連合軍に多大な損害を物的にも、人的にも与えてしまった後では、説得力はゼロであった。コンドル軍団も『ゲルニカ爆撃をしておらず、逆に同地を守っていた』世界線であったため、1948年度に『当方に誤解があった』として、元隊員らの名誉は法的に回復されたが、その頃には、元隊員の主だった者達は日本連邦に移住済みであり、カールスラントへの加虐行為への免罪符と言ったほうが正しい始末であった。
日本の大衆も、魔女の特権の剥奪などを進めたが、朝日奈みらい達の登場で気まずくなり、結局は金銭と医療の優遇の特権の継続で『なぁなぁ』にした。みらいたちに特権を認めたため、その平等性の単保のためであった。また、扶桑では、扶桑海事変からは、(末期に手柄を焦った)海軍が政治的に嫌われ者であったため、反発が凄かったが、結局は陸海の士官達の多くが理由をつけての予備役編入や懲戒免職となったため、今度は士官学校卒の士官(現場で働く層)が致命的に足りなくなる問題が発生した。黒江たちを参謀本部勤務にする案も戦間期に出されていたが、結局は64Fの人事が天皇の勅諭で『聖域』化してしまったために立ち消えとなった。結果的に、士官不足を一部の一騎当千の猛者で補うのには、物理的に限界があることが判明したため、現場叩き上げの下士官を士官に任ずるケースが増加した。人事評価システムが日本式になってしまった故に、いつまでも士官に昇進しない選択肢が潰されてしまったが、逆に『実務で有能だが、政治的には厄介者』の昇進は一定程度で差し止めるドクトリンの始祖となる思考もここで生じた。連合軍は文化財関連の騒動で、理不尽に有能な人材を奪われていたため、その穴埋めも出来ぬまま、日本連邦一強の時代に突入していくことになった。
日本の官僚の引き起こした文化財騒動は『一人の将校を精神的に潰してしまった』事実以上に、連合国全体の軍事行動の萎縮を招いた。その関係上、あらゆる手続きを無視して動ける黒江たちはあらゆる意味で重宝された。いわば、有事対応のための緊急措置という名目であった。本来、軍隊は各種書類の作成が仕事の半分を占めるが、有事即応を是とする扶桑では、事後承諾が当たり前であった。日本と扶桑は喧々諤々の議論の末に『64Fに限り、事後承諾での出動を認める』ということで落ち着いた。近衛師団の完全な解体が『皇宮警察の(扶桑国民激怒ものの)不祥事の発覚』で『連隊への縮小改変』で妥協された。とはいえ、史実の宮城事件の咎で、実戦部隊として使うことが憚れるようになったため、実質的に『軍全体の最精鋭』としての役割を64Fに移管することが日本連邦としての方針となり、実質的な『骨抜き化』が断行された。結局、部隊自体は残したのは、内外からの『内政干渉』の批判を躱すためで、日本の治安当局の姑息さが表れていた。その代わりに、半ば特殊部隊と扱われた64Fは『空軍総司令官直轄かつ、日本連邦評議会直轄』の最精鋭として宣伝され、人員にも相応の強さが求められた。歴代プリキュアらが幹部扱いされるのは当然の流れであった。
1949年 地下秘密工廠
「ご苦労さん」
「ティターンズの奴らのMSを何機か落としてきた。例のヤツとは出くわすことはなかったが、初陣としては、上々というやつか」
「お前、意外に才能あるんだな」
「ガンダムタイプに乗ってるし、私は元々、『カン』と地力でのし上がったタイプだ。ルドルフやシービーとは違う」
正確には、シービーは感覚派であったが、絶頂期が短かった+菊花賞後の怪我が原因で、急速に能力が衰えてしまったため、現役時代はルドルフへの雪辱は叶わなかった。そのため、全盛期が長く、遠征先での怪我がなければ、もう一年は王座に君臨できたと評価されるルドルフに比べると、トレーナーらからも(三冠馬としては)低評価気味であった。また、ブライアン本人は(勉強嫌いであったが、テスト自体は『山カン』半分で、いい成績であった)一連の流れの結果、全盛期の二人と競える機会が得られる事が確定した事を嬉しがっていたのだが、後輩のディープインパクトとオルフェーヴルが台頭してきたので、当面の間は現役でいるのがブライアンの方針であった。
「まぁ、高校を出たら。オートバイの一つでも買うがね」
トゥインクルレースはマルゼンスキーの一件以降、『本人が望めば、四年以上の在籍も可である』という条文が追加され、オグリキャップの時代が終わった後は『クラシックの追加登録』が追加されたが、テイエムオペラオーはその恩恵に預かったが、人気が(本人の芝居がかった態度が理由で)今ひとつであったり、ディープインパクトが早期引退を口にするなど、思うような成果は挙がっていない。
「お前の望みはどうなんだ?」
「長い時間がいる。復調したとしても、消える前の閃光花火としてしか、世間に捉えられんだろう。年齢的には。私達の種族は基本的にだが、サラブレッド同様に、競技生命は最良で数年だとされてるからな。怪我で短くなるのも当たり前の世界だ」
「のぞみに何年やらせる気だ?」
「三~四年近くになるだろう。皆が認めるには、当代最高の連中をぶちのめさないとならんだろうよ。ディープインパクトやオルフェーヴルも」
それも、アスリートとしての世代交代が異様に早いウマ娘の宿命であった。ディープインパクトは記憶持ちのウマ娘なためか、海外遠征の打診に顔を顰めたらしいとの話も伝わる。史実で『ケチがついた』からだろう。運命の強制力で行くことになるだろうが、(指導者として成功する未来があっても)いい顔はしないのである。
「お前も難儀なこった」
「なーに、落ちぶれるだろう、本来の流れからすれば、遥かにマシさ。その分の代行をするのは織り込み済みだ」
ブライアンは微笑う。キュアドリームの体を使っているが、ブライアン本来のパーソナリティが反映され、声はのぞみ本人より低めかつ、ドスの効いた調子である。引退後はアメリカに在住しようかとも考えていたため、英語力の取得の目的も、業務代行の目的であった。
「お、ガキを連れてきたようだ。直につくって」
「そうか。私らの時代のプリキュアらしいが、あんたら、ジェネレーションギャップは大丈夫か?」
「仕方ねぇよ。みらいとリコとも、あたしで五年くらい、のぞみだと、十年近いの差があるんだ。今度来るガキは2022年だぞ、2022年」
と、シャーリーはキュアメロディの姿ながらも、本音丸出しであった。プリキュアオールスターズとしては同じ年代の姿で会うといっても、現役時代がいつか。それで話が合わなかったりするのだ。
「向こうには、ピアニストになってる、別の自分がいるかんなー…。レーサーと軍人を兼ねてるなんて、向こうの自分が聞いたら、泡吹くだろうよ」
「まぁ、有事の時の軍人は人殺しが仕事のようなもんだしな。だけど、軍功を誇れるだけ、マシだぞ。戦後の日本じゃ、金鵄勲章を持ち出しただけで、野党が非難したそうだ」
ブライアンは黒江の愚痴も聞いてやっているので、黒江が扶桑人とカミングアウトする際に、金鵄勲章のことで散々に野党から責められたが、似て非なる国での勲章であるため、一瞬で静かになったという。
「あれなー。黒江さんがカミングアウトした時、散々にせっつかれたけど、結局は『似て非なる国での金鵄勲章だから、我が国のものではない。それに、金鵄勲章の佩用はバブル期に解禁されているはずである』って答弁で、野党の面目丸つぶれ。それで、ここの世界のことが知られた。それで、日本はあれこれを売りさばこうとしてるけど、時代の差で上手く行ってない。なにせ、1940年代と2020年代だ。天と地ほども文明の程度が違う。自動車も満足に走ってない時代に、21世紀の自動車が売れるかよ。スバル360にもビビる程度だぜ」
扶桑はモーターリゼーション時代も迎えていなかったので、(日本にとっては化石のような)スバル360でも、売れば売れる時代であったが、日本の経済産業省の不手際で商機を逃す。そんな事態が頻発していた。結局、同位企業のある民間側が主導して、ひとまずは軍隊や財力のある富裕層(華族や地主)へ売り込むことで妥協された。
「なにせ、お前のひいじいさんあたりが乗ってたと思うが……くろがねが現役だぞ?それをリベリオンからぶんどったジープに変えてる途中だってのに、日本は自分たち基準のパジェロに変えようとしたんだぜ?無理あるだろ」
「オートマもないしな……この時代」
とはいえ、日本の意向で、くろがねは第一線部隊から引き上げられ、代わりに、ダイ・アナザー・デイで大量に鹵獲したジープが支給されている。くろがねは連合軍結成前の独自規格なので、1945年時点ですでに旧式もいいところ。本来は基本構造をコピーした『四式小型貨物車』が代わりを担うはずであったが、日本側が強引に『デッドコピーをするなら、鹵獲したジープそのものを使え』ということにし、ダイ・アナザー・デイで大量に鹵獲されていたジープがそのまま、くろがねの後継扱いにされているが、日本は更に自分たちと共用のものにしようとしたという。結果的には、自由リベリオンと共用になったおかげで、部品の供給も安定し、扶桑の軍事戦略を飛躍させた。キューベルワーゲンを採用すべしとの声もあったが、カールスラントびいきの高級軍人の減少で提案は葬られ、ジープが結果的に、連合軍の1946年以降の戦略を担う事になった。
「だから、日本は困惑してんだよ。織田信長のおかげで、早期に海外進出したのに、なんで、モーターリゼーションの時代が来てないのかってな。知るかって言いたいぜ。扶桑には、扶桑の事情があるんだって」
扶桑は関東大震災が来なかった世界線であったが、1947年からは東京や横浜などが史実の町並みへの変貌を始めている。また、航空工場の分散も始まるなど、史実でこの後に起き得る大地震を想定しての対策が進められた。日本はこの事業に熱を上げる一方、軍事政策は無頓着であったため、Y委員会に丸投げも同然であった。そのために、地球連邦軍と野比財団、アナハイム・エレクトロニクス社などがありきの政策になってしまった。日本が軍関係の支出を抑えろと喚くための緊急策であった。
「まぁ、日本のおかげで、扶桑軍の集団主義が叩き潰されたが、今度はそれで問題が起きる。日本人は節操ないな」
「そのおかげで、江戸から明治、戦後の大転換を乗り切ったんだがな。日本の軍隊嫌いは諦めろ。そういう流れになってしまったんだからな、戦後は」
「だからって、陸軍を数十万単位で減らすか?」
「労働力が欲しかったんだろ。文句も言わずに、低賃金で死ぬまで働いてくれる…。連中には『兵器の高度化で、中卒以下は使えなくなる』って大義名分もあるしな。最も、1940年代の平均学歴では、日本も困ると思うがね」
学制を戦後式に変えても、現状では、農村での進学率が悲惨な事になるのが目に見えていたので、そうした者達の受け皿としての側面が軍隊にはあった。日本がなんといおうと、師範学校や軍隊は1945年以前の日本での貧困層救済の方法であったのである。結局、師範学校は『廃止時に生徒であった者は教育大の生徒として扱う。経過措置として、師範学校に在籍中であった生徒の家庭からの授業料の徴収はせず、大学の卒業を以て、日本と共用の教員免許の発行を行う』という形で落ち着いたし、貧困層への救済策が整うまでの経過措置という形で、軍隊への志願に制約が入る事は、年齢下限以外はなかった。この志願年齢下限の導入も、魔女の衰退の一因であった。
「それなんだよ、この世界の魔女が衰退を始めたの。日本は14歳以下は軍隊に入れるなっていうが、魔女は15歳までに入らないと、配属後の実働期間は短い奴だと、一年半になっちまう。あたしは元から減衰が遅かったから良かったが……」
「日本は認識してるのか?」
「してねぇと思う。そうでなきゃ、あたしたちに依存するような体制にするかよ。戦間期に、大量に中堅を切り捨てたから、魔女の部隊は形の上でしか存在しない『お飾り』になっちまった。慌てて、引退してた黄金世代を呼び戻してるが、全部は戻れん。親が反対するだろう。まぁ、お上(天皇陛下)のご意向なら、文句は言えんだろう」
結局、扶桑での魔女の黄金世代(事変の生き残り)は国難を名目に、多くが再召集をされた。天皇陛下の意向でもあったからで、日本は魔女の排除を目論んだ結果、史実と別の形での同調圧力を生み出してしまったのである。味方がこの有様なため、プリキュア達は現役時代よりも矢面に立たされていたのである。
「お、来た」
「ごめんなさい。列車が途中で故障して……」
「マジかよ。それで遅くなったのか。この子が?」
「ええ。私たちの後輩で、2022年のプリキュアよ」
「和美ゆい、キュアプレシャスです。この世界だと始めて……だよね?」
「他の世界線だと会ってるだろうが、この世界線だとな。キュアメロディ。お前の知ってる名前だと、北条響。この世界だと、アメリカ人で、シャーロット・E・イェーガーって名前で通ってる」
「いいの、二つも名前持ってて」
「芸名代わりだよ、昔の名前は。本当は戻すつもりだったが、慕ってるガキに泣かれてなー」
それはルッキーニのことである。シャーリーは覚醒後も自我意識は保たれ、便宜的な意味で、名義を統一したかったが、ルッキーニが大泣きしたため、北条響に名義を統一することを諦めたのだ。そのルッキーニはルッキーニで、クロエ・フォン・アインツベルンとして生きる事にしたので、半分以上はルッキーニの自己満足であったが、名前を変える=繋がりが消えると考えてしまったわけで、そこの点も含めて、正真正銘の子供であった。
「で、マジカルから事情は聞いたろ?こいつが今、のぞみの代わりをしてる奴だ」
「うん。とてもややこしいけど……」
「オレほどでもないさ」
「光太郎さん、来てたんすか」
「沖先輩(スーパー1)が筑波先輩(スカイライダー)に呼び戻されたんで、俺に声がかかったんだ」
「なんすか、その縦社会」
「仕方ないさ。俺たちは本当に、大学の先輩後輩だったりするからね」
「光太郎さんはどうやってきたんすか?」
「ライドロンで世界線を超えたのさ」
「うわぁ、チートぉ~……」
RXの南光太郎はライドロンという、人工知能搭載の特殊四輪装甲車を有する。次元の境界線すらも自由に超えられるため、シンフォギア世界に転移した黒江の調査や、プリキュアの調査などで活用されている。のぞみBやCなどの調査なども、彼の力が大いに貢献している。
「ここは?」
「この世界線の日本海軍が提供された自動工場を起点に造られた、地下工廠。この世界線の日本軍に必要なものが造られてる。工員は万単位だよ。この世界は軍隊がいなければ、まともに暮らせないせかいだからね」
と、光太郎が解説する。地球連邦軍が鹵獲したゼントラーディ(プロトカルチャー)の自動工場の余剰分を扶桑に提供し、ソフト面に調整を加えたものを基幹に、23世紀以降の基準での兵器工場や食料品プラントを付随させた施設であり、マジンガー系の超合金で空洞を補強して造られた。食料品部門は日本主導の軍軽視の施策のせいで、部隊の食料品確保に支障を来したために設けられた。これは民間からの徴発が禁止されたためで、結局は『購入』という形を容認して、その場はお茶を濁したが、今度は軍票は備蓄していても、肝心の現金がない部隊のほうが多いという事態が起こった。そのため、23世紀でも健在な骨川コンツェルンという資金源・野比財団のアナハイム・エレクトロニクス社の新しい支配者というネームバリューは64Fの活動資金に寄与した。扶桑の部隊行動が亀のように鈍ったのは、軍票の突然の使用禁止令による食料品調達についての不備などが大いに関係していた。結局、自衛隊の余剰品提供も限界があるので、扶桑の工廠への食料品生産部門の増設が決定され、三軍の食料品の一括供給を目論んだが、今度は民間から苦情が舞い込む有様。だが、徴発が禁止された以上、通常の購入の体を取らなくてはならず、軍票を文字通りに紙くずにした以上、その補償も必要であった。扶桑が戦争をしていられるのは、地球連邦軍と、そのバックにいる企業複合体の資金力と生産力が理由であった。
「この子が私の先輩になるんですね」
「あなたは?」
「キュアズキューン。あなたの三年は後輩にあたるプリキュア。元々は妖精から変身してたけど、今は地球人だよ」
大人びた姿なのは、前世での変身がそうであったからで、その名残りである。ただし、その時にはあった精神的影響がない、もしくはほとんどないので、声のトーンは調本来のものに近い高めのものだ。
「ややこしいなぁ~……」
「まぁまぁ。僕とドラえもんがいる時点で、相当だよ」
「そりゃそうだ」
「あなたは……?」
「僕は野比のび太。40にさしかかった時の、ね」
「うっそぉ!?」
40にさしかかった年齢になったため、のび太も年齢を感じさせる姿になっている。とはいえ、中年太りはまだしていない。それをしだすのは、老年期にさしかかる50代以降のことだ。
「お前、2025年だと何歳だっけ?」
「37歳だよ。せがれも直に中学さ」
のび太は2025あたりから来たことを語る。壮年ということで、思い浮かべられる髭面ではないが、野比家の男子は代々、髭は薄いとのことと、年齢的に青年と壮年の狭間であるのも大きい。
「君にドラえもんを紹介するよ」
「こんにちは、ぼくドラえもんです」
「うわぁ~……む、昔のドラえもんだぁ~~!」
「まぁ、それは否定出来ないかなぁ」
ドラえもんは大山のぶ代氏の特徴的などら声で現れたわけだが、ゆいが学齢期を迎える頃には(当然ながら)現行の水田わさび氏の声になっていたので、大山のぶ代氏のボイスのドラえもんは昔のものと認識されているわけで、『本人』も苦笑せずにはいられなかった。ある意味、豪華なメンツになったわけだが。
「おい、ドラえもん。今回は道具をちゃんと用意してるだろうな?」
「まぁ、いつものは持ってこれたよ」
「ショックガンと空気砲だぁ?もっとマシなのないのか?」
ブライアンは呆れる。なんだかんだで、ドラえもんの道具のことは把握しているらしい。
「我慢してよ。普段はそれが限度なんだ。ひらりマントとスーパー手袋もあるけど、これはぼく用になりそうだ」
ドラえもんは実に久方ぶりの『マントをつけ、頭にタケコプターをつけた』姿を見せる。この姿をしたことは滅多にないからだ。
「129.3馬力あるだろうに」
「パワーの全部を使えるようにはできてないんだよ。戦闘になれっこだけど、本当は子守り用なんだし
「そりゃそうか、忘れてたよ」
ドラえもんはその万能性で忘れられがちだが、戦闘用のロボではない。本当は子守ロボットなのだ。超高度な人工知能が積まれているが、魂という形で自我意識が明確に存在する。すっかり有事に慣れていたので、周りの多くも忘れている事項である。
「私の時代にやってるドラえもんとは、どういう関係になるの?」
「平行存在のような関係だしねぇ。ぼくであって、ぼくじゃない。そんな感じ。ぼくとは違う冒険をしてるだろうからね、彼は」
俗に言う大山ドラえもんである彼は、わさドラの存在に触れる。どこかでニアミスしている可能性もあるからだろう。
「どこかでニアミスしてるかもしれないな。ぼくも20回以上は冒険してたし」
「だそうだ」
「なんか不思議な感じ……」
「プリキュアをしてるあたしらが言う事でもないぜ?今更だぜ」
「言えてるな」
と、ひとまず親交を温める一同。和美ゆい(キュアプレシャス)はこうして、戦列に加わるのだった。