ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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第二十六話「キュアアクアとキュアメロディの会話と苦労」

――2019年の秋ごろ――

 

冬コミも近づいたこの頃、黒江は艦娘・秋雲と組んでいるサークルの同人誌づくりに精を出していた。デザリアムとの戦いが終結し、精神的にも一段落したため、黒江は2019年でコミケの準備を始めたのだ。この頃の野比家には……。

 

「まさか、こういう事になるなんて」

 

新野比家のリビングでため息をつくキュアアクア。デザリアム戦役が終わり、それからしばらくは元の世界に戻っていたが、太平洋戦争が近づいたので、召集されたのだが。

 

「いいじゃないか。次の戦争まではまだ時間あるんだし、こまちさんはしばらくハニーさんのとこに泊まるっていうから」

 

「あなた、本当にサバサバしたわね、メロディ」

 

「よく言われるよ。最近は誘われて、レースにも出てるし」

 

メロディは現役時代と異なり、シャーリーとしての趣向を反映し、カーマニアであり、オートバイマニアであるところを公言している。そのため、音楽関連イベントはミューズに丸投げしていたりしている。

 

「でも、この世界は別の世界と国交を結んでいるなんてね。本当に驚いたわ」

 

「ブンヤ連中は向こう側の軍事費の使い方をスキャンダラスに報じやがるし、向こうのドイツはこっち側のドイツに締め上げられて、とうとう軍事的に有名無実化したよ」

 

 

「でも、正確には自国の装備でない船を宣伝していいの?」

 

「戦艦や重巡を維持するためだよ。戦艦と重巡は時代遅れって言われてるから、財務省に目の敵にされてるけど、戦艦大和の血族は一般に人気あるからな。それは財務も認めてるよ」

 

 

メロディのいう通り、新聞で報じているいくつかの記事はウィッチ世界での五輪の準備と軍縮の話である。カールスラント軍は軍縮で有名無実化してしまい、現地治安の問題で一定の軍拡(再建)をドイツが承認した(ノイエ・ベルリンに失業軍人が溢れかえってしまい、更にモチベーションが失われた軍隊の規律も乱れまくっていたため)事、キングス・ユニオンが財政面の都合で一定の軍縮をせざるを得ない(海軍の削減と空軍近代化)事、日本連邦にその『代わり』が求められ、軍事大国の道へ足を踏み入れつつある事が報じられていた。

 

「連邦化で実質自国扱いになってるから、日本で扶桑の軍備を自分たちの物みたいな言い方が成立してるんだ。だから、やたらと自分達に合わせたがってるのさ」

 

この時に新鋭巡洋艦として報じられているのが『超甲巡』である。扶桑が大和型の基本設計を流用して『戦艦構造の巡洋艦』として完成した。初期設計は阿賀野型に大和の前部檣楼を載っけたデザインであるが、その後の改訂で大和型と完全に同一デザインに改良され、偽装的意味合いが強められた。ダイ・アナザー・デイで初期型が参戦した後、用兵側の要望で第二ロットが造られるにあたり、設計が改められた。デモイン級の登場で阿賀野型を含む全ての軽巡が陳腐化したため、超甲巡は乙巡の名もつけられるように命名基準が改訂された。つまり、ミサイル巡洋艦化できる内部容量を持つ戦艦サイズの船体の超甲巡が注目されたのだ。皮肉な事に船のサイズが大型化しなければ、近代装備をつけられないという事実が超甲巡のミサイル巡洋艦化を促進させたと言える。(砲装備は維持しつつ、装備予定の魚雷の代わりに近代的三次元レーダー装備、ミサイル装備とファランクス、RAMが装備された。艦橋構造物のデザインが大和型に準じるものに変わったのは、ヘリ甲板やVLSを設置するためだ)

 

「どうして、あなた達が軍隊のプロパガンダに?」

 

「日本側が向こう側の10代のウィッチを排除しようとしたんだけど、基本的に子供の頃しか振るえない力だってわかったんで、現地社会を揺るがす大問題になった。抜本的な延命策が決まるまで、私達が中心になる事になったんだが、その分、あいつに負担かけちまったわけだけど」

 

ウィッチの通常寿命が日本側に完全に知れ渡ったのは、ダイ・アナザー・デイが終わった後のクーデター発生時。黒江達はあくまで特別な存在で、大多数は19歳が戦士としての寿命の目安。育成の費用対効果が低すぎる事が問題になった。地球連邦の影響下に置かれた時空管理局がウィッチを魔導師化させる治験を行い初めているが、まだ実験段階である。こうした日本側の政治的事情で『変身する年齢に特段の制限がない』歴代のプリキュア達がプロパガンダの中心になった経緯がある。

 

「そのドリームは?」

 

「フェリーチェやミューズ、コスモと一緒に、買物がてら、のび太の息子さんの迎えに行ってる。のび太の息子さん、この時期だと幼稚園くらいで、来年の春に小学生になるとか言ってた。去年に危うく、バスごと誘拐されかけたからなー。マーチは二日前から休みもらって、帰ってるところだから、ミューズに来てもらってる」

 

のび太の唯一の実子『ノビスケ』が誘拐されそうになることは彼自身の成人まで絶えなかった。のび太の実子にして、将来の野比家継承者と見做されていたため、子供時代から常にテロリズムの標的であった。2018年頃の事件を契機に野比家の警護態勢は強化され、ヒーロー、ヒロインたちの誰かどうかが常に臨戦態勢で待機しており、テロリズムに備えている。両親が共働き&裏稼業に精を出していた都合、敵は多いからだ。

 

 

 

――ススキヶ原町内――

 

のび太少年期までは昭和の風情を残してきたこの街も、2020年代に入る頃には2000年代後半からの再開発で往時の面影をだいぶ薄れさせていた。鉄道駅は郊外でよく見られる橋上駅タイプからショッピングモールとホテルを内部に備えた駅ビルに2011年頃に建て替えられ、郊外型大規模ショッピングモールも建てられた。駅前商店街とを併せて相互補完的に営業している。また、学校の裏山も地主の代替わりで再開発が及び、頂上にホテルが造られている。(23世紀以降はホテルが被災した&コスモリバースシステムで跡地は元に戻るが)

 

「昔、漫画で見たのと違って、再開発が進んでるなぁ」

 

「2020年は東京五輪だしね。再開発がここ5年で一気に進んだんだよ」

 

「そうだニャ。ここ数年で再開発が進んでるから、だいぶ個性が消えちゃった感はあるね」

 

「20年前からだいぶ再開発進みましたからね」

 

「学校の裏山にはホテルが建っちゃってるし、ちょっとがっかりだなぁ~…」

 

ノビスケを迎えに行くついでに買い物を済ませた四人。2019年が現役時代に相当するキュアコスモ以外は現役を引退して久しいプリキュアであり、間違いなしに子供より教諭達に受けが良いだろうというのがコスモの予測である。

 

「君、前世は教師だろー?子供がきたら頼むよー」

 

「あー!ミューズだって、現役ん時は小学生だったじゃんー!」

 

「ぼかぁ、相手があまり小さいと、逆に苦手なんだよ~…」

 

ミューズの人格は生前の調辺アコというよりは英霊・アストルフォであるため、幼稚園児以下の子供は自分がはっちゃっけ役であるために、逆に苦手としている事を明言する。また、可愛い外見と不釣り合いの毒舌気味の『ボクっ娘』キャラであるため、現役時代とのかけ離れ率は出現済みプリキュアでは一番を争うだろう。

 

「私が一番受けいいかもニャ。だって、一応はまだ現役だし」

 

「そうか、この時代は貴方のチームが現役でしたね」

 

「そういうことニャ」

 

コスモはこの時代の現役であるため、おそらく人気はあるだろう。番組も佳境に入りつつあったこの頃、ジャイ子のコミカライズ連載も終わりに近づいているという。

 

「ジャイ子ちゃんのコミカライズ見た、コスモ」

 

「うん。かなりゴリ押ししたんでしょ」

 

「それが、向こうからなんだよ」

 

「ニャーーー!?」

 

「ええ。ジャイアンから頼まれまして…。それでのぞみさんとりんさんにお願いしたのが最初で」

 

「なぬ!?くぅ、もうちょい早くに来て、頼むべきだったよ~…」

 

「くやしがるの、そこ?」

 

「あったりまえじゃん!」

 

ジャイ子のコミカライズはマニアに人気が高い。代の離れたオールスターズが話に絡むからで、ドリームはその中で、現役時代より落ち着いた性格で描かれているため、メロディとミューズに爆笑されていたりする。

 

「でも、その企画、よく通ったなぁ」

 

「あたしとりんちゃんが許可出してるんだよ?本物が。ついでにはーちゃんも。みらいちゃんに後で愚痴られたけど」

 

「え、なんでみらいが?」

 

「出してほしかったんだって」

 

「あ、そう…」

 

閑古鳥が鳴くコスモとミューズ。そこまで話すうちに、ノビスケの幼稚園に着く。当時、5歳前後のノビスケがやってくる。父親と違い、ジャイアンとスネ夫の子供を従えるわんぱくぶりを見せながら。

 

「おねーちゃん~」

 

年齢相応に舌足らずな喋りのノビスケ。のび太と違い、腕っぷしは母親の遺伝なのか、ジャイアンの子『ヤサシ』が子分扱いである。

 

「あれがのび太の子供?」

 

「うん。ノビスケ君。名前はのび太君のお父さんから受け継いでて、運動神経はのび太君の奥さんのしずかちゃんの方が出たのか、スポーツ万能。頭はのび太君似なんだって」

 

「あらら」

 

ノビスケは成人後はサッカー選手として名を馳せつつ、のび太の継承者となっていくわけだ。しずかの血の為せる業か、野比家男子で珍しくスポーツで地位を築いた例となった。小学中学年以降にガキ大将になるわけだが、のび太の一族でありながら、ガキ大将になったのは彼が最初である。

 

「おねーちゃん達、今日、パパは?」

 

「お父さんはお仕事だよ。お母さんも今日は帰れないみたいだから、おやつ食べたら、今日はサッカーの練習だよー」

 

「うん!」

 

ノビスケはしずかが育児に時間を割けない都合、幼稚園の頃からスポーツクラブに通わせていた。野球、サッカー、アイスホッケーなど複数のスポーツをさせているが、サッカーに最も入れ込んでいる。これはのぞみとりんの影響で、のぞみもデザリアム戦役後は気分転換にサッカーを始めている。ノビスケは野球も小学校時代はジャイアンズの四番バッターであるなど、スポーツ全般に母親譲りの才能を持っているが、本人は時代的にサッカー小僧である。また、この頃には記憶喪失から回復したりんがコーチングし始めているため、ノビスケの才能が伸び始めていた。数年後、彼はコーチングの甲斐あって、小学校のクラブ活動でエースストライカーになるが、それは2020年代のこと。

 

「ドリームはさすがだね。手慣れてる」

 

「本職だったからね。家庭の方がアレだったのは同情するよ、ボク」

 

「それってドリームにも責任があるんじゃないニャ?」

 

「ある程度はあるさ。気張りすぎたんだろうさ。ココと別れてからは特にね」

 

ミューズはのぞみの家庭崩壊の責任はのぞみ自身にもあると述べる。その辺りはミューズは中立的なスタンスなのが分かる。のぞみ自身も仕事熱心だった事が長女との確執の原因である事を自覚し、後輩の野乃はなの応援を意識しすぎたと精神が立ち直った後に語っている。のび太と関わることで前世の呪縛を抜けられたため、現在ではのび太を慕っている。

 

「だから、のび太の優しさがいい薬になったんだろうね。のび太は優しさと心の強さを兼ね備えてる。つまり、フェリーチェが慕ってる理由を戦後の療養生活で悟ったのさ」

 

「のび太、成人後はモテモテニャ…」

 

「顔も整ったしね」

 

のび太は少年時代には面白い顔と言われたが、成人後の青年期は『イケメン官僚』として環境省で名を馳せている。ミューズはのび太のモテモテぶりは子供時代と真逆にバレンタインデーにチョコレートの処理に困っている事をコスモに伝える。コスモは思わず唖然としてしまう。だが、言動の子供っぽさはマイナスポイントであり、のび太自身の思ったほどではないが。

 

「さぁ、帰りましょう。アクアとメロディが待ってますし」

 

「だね」

 

ノビスケの手を引くドリームだが、ノビスケが幼稚園で作った粘土細工などの荷物を運ぶハメになったミューズは思いっきりぶーたれる。

 

「なんで、荷物運びがボクなのさー!?」

 

「そりゃ、ミューズは年下だからにゃ」

 

「英霊としてはだね…」

 

 

肉体の固定時期がだいたい14歳前後である場合が多いため、現役当時に小学生のミューズは自然と年下扱いになる。英霊としては伝説級の年月を経ているアストルフォだが、プリキュア界隈では子供扱いであったりする(冗談めかして、だが)。そこが緩いとは言え、ないわけでないプリキュアチームの序列であった。

 

――新野比家では、四人の帰りをメロディとアクアが待っていた。アクアは元々、名家の令嬢であり、一般常識が備わっていない事もあるので、家事はメロディがやっていた――

 

「アクアはコーヒーでも入れて待っててくれ。家事はあたしがするから」

 

メロディはシャーリー及び紅月カレンとしての人生経験で家事全般をこなせるため、プリキュアの姿でも問題はない。なんともシュールな絵面だが、アクアは優等生であるが、家事全般は執事に任せていたため、意外に知らない事も多い。

 

「ごめんなさい、本当は年長の私がするべきなのだけど…」

 

「いいって事。のぞみ達から色々聞いてるからさ、ここはプロに任しといてくれ」

 

かれんが料理が苦手である事は聞いていたため、家事全般をこなすシャーリー。軍隊や黒の騎士団などでのゲリラ活動で炊事もこなしていた経験を持つため、仕事はきっちりこなす。

 

「貴方、どこで家事を?」

 

「前世とかで色々あったし、現世になってからも、軍隊で炊事してるからさ。軍隊ってのは技能を得る場所としても活用されてるんだよ」

 

日本ではネガティブに捉えられがちな軍隊という組織だが、本来は色々な先端情報を市井に広げる役目を担ってきた歴史を持つ。

 

「日本の洋食は軍隊が広げたんだよ。大正期になって、定食屋が定着させたのもあるけど、竜田揚げやカレーライス、肉じゃがは軍隊が発祥なんだ」

 

「そうなの」

 

「軍隊ってのはその時々の先端技術を扱う集団なんだよ、本来は。だから、リアカーが大通り走ってる時代に軍隊は側車付きオートバイを持ってたわけだ」

 

「あなたは日本軍の?」

 

「あいにく、現世の生まれはアメリカでね。空軍少佐だよ」

 

シャーリーはリベリオン合衆国はウェストバージニア州の生まれ。けして都会ではない州出身なので、田舎者扱いされる事もあった。レーサーとしての数年の活動中もそうだったが、ボンネビル・ソルトフラッツで世界記録を樹立するまでは無名に近く、レーサーとして将来を嘱望されつつも、さらなる速さを求めて職業軍人へ転じた経歴から、代々の軍人一家の者からは『物見遊山』とさえ言われたが、人材不足なリベリオンではすぐに頭角を現した。しかし、機材の無断改造を咎められ、除隊処分されかけた問題児扱いであったため、43年に501に送り込まれた。要は厄介払いだ。。ところが、45年以降は扶桑史上最狂の兵隊やくざを地でいく圭子の現役復帰で常識人枠に入るようになり、本人も自分を常識人と自負していたりする。そのため、Gウィッチの常識人枠をハルトマンとシャーリーが半分くらい担っているのは確かだ。

 

「部隊の常識人枠だよ、あたし。のぞみやラブに常識人的振る舞いは出来ないでしょ?」

 

「ラブはまだなんとか…」

 

 

苦笑いのキュアアクア。現役時代はメロディも同じ枠に入るが、現在はシャーリーとしてそれなりの常識をわきまえているため、プリキュア三羽烏の常識人枠にされていたりする。

 

「あたしもすっかり、常識人扱いさ。昔はゆりさんやあんたからのぞみと同列扱いされてたけど、今じゃ、ガキの面倒見るようになったからなー。おかげでプリキュア三羽烏の常識人枠だぜ」

 

「昔はあなたものぞみやみゆきと同じタイプだったものね」

 

「分野別に優れた三人を三羽烏っていうの知ってるっしょ?どういうわけか、のぞみとラブとあたしがその扱いだ。元から士官だったのはのぞみとあたしなんだけどなー」

 

そこはいまいち納得いかないようだ。

 

「最初から目立った活躍したから、プリキュア三羽烏って言われてるだけじゃない?フェリーチェもビートもエースも、あなた達に引けを取らない活躍をしてるし、時空管理局三羽烏(なのは、フェイト、はやて)も似たようなものじゃない」

 

「そうかなぁ…」

 

『三羽烏』と一緒くたにされる事を好まない点は個人主義が強いアメリカ人らしいところだろう。もっとも、三羽烏をチーム名にした黒江の例もあるので、人それぞれだろう。

 

「うっし、今日の夕飯はサーロインステーキだ。ウィリアム・ハルゼー提督のルートでいい肉調達したから」

 

「あなた、どんなルート使ったのよ」

 

「軍隊のお偉方が卸してくれんだよ。アメリカのレーション食うよりいいと思うよ」

 

メロディ(シャーリー)は実は備蓄倉庫に大量のリベリオン製レーションを抱えているため、その処理に仲間を駆り出すため、そこは顰蹙を買っていた。黒江が見かねて、自衛隊の戦闘糧食を持って来ているため、そこは改善されたという。

 

「軍隊の食事って不味いの?」

 

「そんなこたぁないよ。自衛隊のはバカうまだし、日本軍は専門職を雇ってた記録がある。ウチの軍隊もきちんとした食事自体は美味しいよ」

 

そういい、夕飯の食器をテーブルに並べるメロディ。現役時代と違い、どことなく母性を感じさせる振る舞いであるため、アクアは思わず吹き出してしまう。

 

「な、なんだよー」

 

「ご、ごめんなさい。なんだかそうやってるとね…」

 

「よく言われるんだよ。なんか、すっかり保母さん扱いだしー、最近」

 

子供は嫌いではないが、個人としての荒っぽさをなかなか出せない立場であるため、そこは鬱憤があるらしい。

 

「でも、あなたのおかげで、のぞみが道を踏み外さないで済んだ。それは感謝してるわ」

 

「あたしはぶって叱っただけさ。ココに会わせる顔がなくなるしな、アイツを闇落ちさせちまうと」

 

シャーリー(北条響)はのぞみと年齢が近い最後の後輩であるため、のぞみの闇落ちをなんとしても止めるため、鉄拳制裁も辞さなかった。ぶったという表現はかれんの手前、オブラートに包んだもので、実際はグーで殴っている。その際ののぞみの言葉が耳に残っている。

 

「あたしはあの時…、いったいどうしたら良かったの!?響…、教えてよぉ……!」

 

その時、シャーリーは叱咤した。なんて言ったかは記憶にないが、のぞみが泣きじゃくるのを受け止めてやった事は記憶にある。この時、のぞみが名前で呼んだため、他のプリキュアを驚かせている。のぞみが後輩でも、仲間を呼び捨てにすることはめったにないからで、逆にそれが深刻さを物語り、ことはがのび太のツテで、キャプテンハーロックに緊急ホットラインを使って連絡を入れたのも事実だ。

 

「でも、まさか、はーちゃんがキャプテンハーロックに連絡を入れるとは思わなかったけどな」

 

「どうして、彼はのび太さんと…」

 

そこまで言った瞬間、呼び鈴が鳴る。四人が帰ってきたのだ。

 

「この続きは今度な」

 

唐突に会話が打ち切られたが、暗い話題であるので、ノビスケの前で話すことではない。ノビスケが大好きなアニメにTVのチャンネルを合わせ、何事もなかったように振る舞う準備をする二人。精神的意味での年長組故の苦労であった。変身した姿での日常生活は奇妙に思えたが、いざ、やってみれば、意外に違和感はないキュアアクアだった。

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