ドラえもん対スーパーロボット軍団 出張版   作:909GT

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久しぶりにダイ・アナザー・デイ補完編です。


第三百五十七話「ダイ・アナザー・デイ前の状況 2」

――黒江たちがウィッチ社会の主導権を握り始めたのは1945年のことだが、同時期から21世紀世界の介入が盛んに行われていたため、エディタ・ノイマンはデロス島の遺跡を吹き飛ばしても問題はないとの見解を示した事が問題となり、作戦指揮官を解任された。その後釜となったのが圭子であった。折しも、ダイ・アナザー・デイの開始前であったため、ちょうどその場にいたのと、当時で既に大佐であったために抜擢された。マルセイユがアフリカ撤退のショックで戦えない状態であるため、ロンメルの推薦で選ばれた。ちょうど、黒江がシンフォギア世界に行っている時期のことである。――

 

 

 

 

 

 

――1945年――

 

「圭子、貴方がデロス島の鎮圧の指揮を?」

 

「ロンメルの指示だ。ミーナに最後の衝撃を与えてやれとのご采配だよ」

 

「猫かぶり、やめたのね」

 

「ケツの青いガキに舐められるのは、アタシの性に合わねぇからな。それに、何回も転生してれば、いい子ちゃんぶるの、飽き飽きしてんだ」

 

圭子は猫かぶりを辞める許可が下ったため、アフリカ戦線での粗野な口ぶりを隠さなくなった。容姿は作戦の都合で素だが、それでも目つきが鋭くなっていたり、軍服を羽織る形で戦闘装束に身を包むバンカラぶりだ。

 

「ご自慢のカトラスは健在なのかしら?」

 

「金子主計中尉に頼んで、整備班に再整備させた。私物としてしまっといたままだし、M92がベースだから、ベレッタ社が腰抜かしちまうよ」

 

圭子は『今回』においては、扶桑軍ウィッチの間でベレッタ社の拳銃が流行る要因を作っていた。事変当時に二丁拳銃で持つ姿が報道され、一種のステイタスに仕上げたからだ。智子も史実と異なり、ベレッタ社の拳銃を愛用している。扶桑軍の上層部はこれを不満に思い、国産の九四式拳銃を持たせようとしたが、同拳銃は不評であり、多くが死蔵される事になり、ダイ・アナザー・デイで正式に生産停止がされる。

 

「まぁ、今回はストナーで、ピンポイントに消し飛ばすつもりだ。遺跡があるから、サンダーボンバーやシャインスパークは使えないしな」

 

「ど派手にやるつもり?」

 

「ミーナに最後の一打を与えて、試しに何かしてみろってご達しだからな。この間のシャインスパークで、奴さんは情緒不安定で、とても人前に出せなくなったが、もう一声やれと」

 

「どうせ、モンティの発案でしょ?」

 

「転生者かどうか確かめる手段がないからだと。奴もエグい手段をさせるぜ。坂本が抗議したが、モンティとアイクが決めた事だからな…」

 

転生者の存在はこの時期、最高機密扱いであったが、江藤の人事書類の処理の失敗の露呈、黒江らの冷遇での国際問題などの影響で開示された。ミーナはあまりの衝撃に情緒不安定に陥り、半狂乱に近い状態で当たり散らすに至り、ロンメルの判断で医務室に隔離されるに至った。人前に出せないとは、直前のヒステリックな喚き散らしに、扶桑に責任を押し付ける『自己保身的な言い様』が含まれたためだ。その直後に次々とプリキュア達が覚醒、または発見されたわけだ。彼女らの戦線参加の手続きは完全には完了していなかったが、既に軍籍のあるシャーリー(キュアメロディ)、錦の転じたのぞみ(キュアドリーム)、竹井(キュアマーメイド。この頃から『海藤みなみ』名義を使い始める)、芳佳(キュアハッピー。こちらは人格が変化していた)の四名は任務に参加できる状態であった。その都合で、シャーリーはこの頃から『戦闘指揮官』のポジションになるわけだが、キュアメロディ状態では『胸のサイズが小さくなる』ので、ルッキーニに不評であった。

 

「ったく、ルッキーニの奴、どこが気に入らねーんだよ」

 

「胸だろ、バカ」

 

「その声で言われると、エレン思い出しちゃうから、やめてくれよ」

 

「呼んだぞ?」

 

「何ーーーー!?」

 

キュアメロディ状態のシャーリーがぶーたれつつもやってきた。覚醒間もないので、変身状態でしばらくいるしかないという事情のために『罰ゲームかよ』と愚痴りまくっている。

 

「S.M.Sのクラン・クラン大尉って、将来有望なメルトランディを知ってるか?彼女が黒川エレンの転生体だ」

 

「本当かよ!?名前は聞いたことある。黒江さんのダチだっていうメルトランディ……そいつがエレンの生まれ変わりだって!?」

 

「ああ。綾香のツテでメアドは交換してたから、急ぎの便で向かうように手配したところだ」

 

「交換してんのかよ!?」

 

「ほれ、マクロス・クォーターの艦長に話を通して、許可をもらう時の写真だ。同僚のミハイル・ブラン中尉が撮った写真だと」

 

「嘘だろ、ビートになってやがる」

 

黒川エレン(キュアビート)はクラン・クランを素体に覚醒したので、マクロス・クォーターにいた。当時はまだ民間軍事会社の規制法案が未来世界で通る前なので、クォーターの艦長に話を通し、承諾を得る形での派遣であった。クラン・クランとしての自我を保ちつつのキュアビートへの覚醒なので、法案の成立後は『黒川エレン』名義で軍に入隊している。キュアビート/黒川エレンの姿であれば、子供に間違えられない背丈があるため、覚醒後はキュアビートの姿でいる事が多い。覚醒間もないこの頃は変身が任意で解除できない状態なので、幼なじみのミハイル(ミシェル)にからかわれまくったらしく、ミシェルは写真を撮った直後にシバかれたという。

 

「なぁ、覚醒めた直後だからだろうけど。変身がなんで解けねぇんだ?」

 

「力がまだ馴染んでないからじゃねぇのか?個人差があると思うが、最長ははーちゃんの数ヶ月だぞ」

 

「マジかー……」

 

この現象は多くのプリキュア達が遭遇する現象となるが、詳しい理由は分からない。転生組の場合は『現在の肉体がプリキュアのパワーに慣れていないからでは』という推測があるが、世界を飛び越えただけであるはずのキュアフェリーチェが数ヶ月も解除できず、変身したままでのび太の両親に挨拶する羽目になったため、当たらずとも遠からずという表現になってしまう。そのため、プリキュアとして戦闘に参加するしかないので、バルクホルンに文句を言われたらしい。

 

「まいったなー…。今週の夜間哨戒のローテーション、あたしとバルクホルンだったんだけど、この姿じゃストライカーが使えねぇ」

 

「バルキリーを使え。綾香がイサムさんに頼んだブツの第一陣は届いたはずだ」

 

「VF-19?あの人も好きだねぇ」

 

「あいつ、すっかり可変メカの虜になってよ。MSもZ系を頼んだそうだ」

 

「リアル系だと、カッチョいい効果音で変形するの好きなんだなー」

 

「まぁ、あいつ、ガキンチョの頃からメカオタクだからな。まっつぁんに鉄道模型をせがんでたもんだ」

 

「そういうあんたはゲッター乗りか?」

 

「敷島のジジィに頼んで、艦隊で使われてたゲッターの再現を頼んでる。エンペラーはドラゴンの成れの果てだから、G系統が多いのよな」

 

圭子はゲッター艦隊からの帰還者なので、ゲッター乗りになっている。その際の乗機はG系列が多かったとのこと。なお、本式のゲッターロボの設計は隼人が正式に技術者となるまでは、敷島博士が生存する設計者の一人であった。

 

「D2や量産ドラゴンの子孫が雲霞のごとくいたんだよな?艦隊には」

 

「末端のゲッターでも、アーク以上の戦闘能力持ちだ。Gの末裔が多かったが、他の系列もいたぞ。敷島のジジィ曰く、純粋に戦闘用と考えて量産するなら、ゲッターG系列がベストじゃとワシも考えちょる。真とGの中間くらいが人間が操るには妥当というところかの……ってさ」

 

「真とドラゴンの真ん中?んじゃ、真以上は?」

 

「ゲッターに愛された者の特権さ。真ゲッターロボの純粋な進化体は『ゲッターロボ天』だそうだ」

 

「天?」

 

「ああ。エンペラーの幼体がそのゲッターらしい」

 

この時に圭子が示唆した『ゲッター天』。見てくれはゲッター1の進化体という風貌だが、素体は真ゲッターロボであり、流竜馬の意志を持つ。一言でいうなら、流竜馬と一文字號の意志を持つ幼体と言え、そのゲッターが聖ドラゴンと一つになる事で『ゲッターエンペラー』となるというのが圭子の推測である。とはいえ、真ゲッターロボの後身、もしくは擬似的に皇帝の力を得た姿であるのは間違いない。パイロットの声が流竜馬のものであるからだ。

 

「幼体?」

 

「あくまでも推測だよ。少なくとも、ゲッタードラゴンが進化元だってことしかわからねぇからな。さて、そろそろ行ってくる。ガキどものお守りは頼むぞ」

 

「分かったわ」

 

「大佐、大変です!」

 

「どうした?」

 

「ルッキーニ少尉が勝手に出ようと!」

 

「あのアホ!ユニットの促進装置のロックはかけてあるな?」

 

「ええ。少尉がエンジンを全開で回してるんで、うるさいですが」

 

整備班からの連絡がかかり、ルッキーニが勝手に出ようとしたが、装置のロックがかかっているので動けず、ムキになってエンジンを回していると報告された。

 

「エンジンの予備を用意しとけ。緊急出力で無理にぶん回したら、直にオーバーヒートするはずだ」

 

「どうします?」

 

「新しいロック機構は未来世界の特殊合金製だ。あのガキの力じゃ、傷一つ入んねぇよ。気絶したら、部屋に寝かせろ」

 

「了解」

 

整備班との電話を終えると。

 

「あいつめ。ママさんとの思い出の地だからって」

 

「気持ちは分からんでもない。シャーリー。お前、参加してやれ」

 

「わかった。プリキュアとしての正式な初陣になるな。相方は?」

 

「のぞみに話を通せ。同世代だから、割に気安いだろ?」

 

「そりゃそーだけど」

 

「勝手知ったる奴とのほうが組みやすいいだろ?芳佳とは世代が違うだろ?」

 

「一世代だけだけどね。宮藤がその後輩の生まれ変わりなんて、思いもよらなかったけどな。あいつとピンで共闘したのは一回こっきりだから、のぞみとのほうが組みやすいかな。ラブは入隊手続きが遅れてんだろ?」

 

「事務手続きの処理が繁忙で遅れてんだ。作戦前に憂いは無くしておきたいからな。二時間後に決行だ。ルッキーニは整備班が寝かしつけるから、お前はそのままミデアに乗れ、空挺降下だぞ」

 

「うへぇ。プリキュアとしての戦闘は久しぶりだから、期待はあまりしないでくれよ」

 

「敵の偵察がいたら、ぶちのめせ。一人くらいは捕まえてこい。黒田の技で拷問するから」

 

「おい、何の技使うんだよ」

 

「スカーレットニードルだ。あれなら加減が効くらしいからな」

 

「おおぅ。あんたら、あたしらよりおっそろしいぜ」

 

「隼人さんに例のあれをされるよりは慈悲深いと思うがね。それに前世で自白剤を打たれそうになったろ」

 

「やめてくれ、めっちゃ胸糞悪いから、あの野郎の事は…。つか、なんで知ってんだよ!?」

 

「のび太から聞いた」

 

「あ・ん・にゃろ~~!」

 

「ま、知らないよりは話しやすいだろ?それに、のび太に手は出すなよ」

 

「何でだよ」

 

「はーちゃんがキレるぞ」

 

なんで、そんなことになってんだ~~!?」

 

キュアメロディ(シャーリー)はコミカル担当が板についているようで、驚き役だ。

 

「はーちゃん、のび太の義理の妹になってるといったろ?秘蔵写真だが、これを見ろ。みらいやリコが復活したら、腰抜かすの間違いなしのものだ」

 

圭子が秘蔵写真をどこからか取り出し、見せる。すると、フェリーチェの姿のままで寝ぼけて、少年期のび太の布団に入り込もうとする様子が激写されていた。

 

「うぇーーーー!?なんだよこれ!?★」

 

「みらい、リコ。更にモフルンまでもやられたから、変身した状態でも、無意識下でぬくもりを求めるくらいに精神的にダメージがあってな。次の日、のび太は盛大に遅刻しそうになった。はーちゃんは顔から火が出る勢いで恥ずかしがった。仕方ねぇから、ドラゴン号で送ってやったよ」

 

「変身した状態で布団に入ってたのってのは、はーちゃんも恥ずかしいだろうしなぁ。で?」

 

「変身した状態を任意で解除できるようになった後も、夜中に寂しがってな。仕方ないから、のび太の部屋の向かいの空き部屋を使わせ始めた。それがあの部屋の改装の始まりだ」

 

「いつも、三人……いや、四人でいたからなぁ。それに、元々は妖精ポジションだったっていうし」

 

「それで、のび太が中三の時、外見上の都合もあるから、とりあえずは学校に行かすことになって、中・高・大と通わせた。びっくりするだろうよ」

 

「マジかー……あたしなんて、高校も行ってないぞ」

 

「暇があったら、地球連邦の高卒認定試験受けてみて、連邦大学に行ってみろ。大卒の肩書ありゃ、高級将校になれるぞ」

 

シャーリーはハイスクールに行っていないが、この時の薦めで、地球連邦の高卒認定試験を受け、高卒認定を受けた後、連邦大学の機械工学科に入り、そこで航空力学などを学んでいく。(士官学校は入隊年次の都合で短縮課程であったため、一部が省かれている。そのため、日本基準での短大卒相当の認定も怪しいらしい)

 

 

 

 

――ウィッチたちがこの時期以降、知識力的意味で困窮し始める事の伏線がこの会話にはある。1939年以降の志願者達は短縮課程が常態化していたため、未来世界で求められる『大卒、もしくは高等専門学校卒』相当の知識もない場合が多数派。現場で活躍している者たちでも『自衛隊の隊員以下の学歴』では、流石に近代的な作戦に動員できない。転生者としての経験がある者達は恵まれているわけだ。芳佳にしても、この頃は女子中に在籍中の学生の顔を持っている。ジュネーブ条約に思いっきり触れているが、戦時下&ウィッチ本来の『寿命』との兼ね合いで黙認されているわけだ――

 

 

「しかし、次の大作戦は自衛隊や米軍と組むことにもなりそうだから、学がない連中は見下されそうだな」

 

「全軍で講習させるにしても、間に合わねぇぞ」

 

「士官級の奴を選んで、取り急ぎ再教育するしかねぇ。芳佳は軍医学校に行かす予定だが、とりあえずは特務中尉扱いで遇する」

 

芳佳がダイ・アナザー・デイ中の時点で中尉扱いになったのは、圭子の采配によるものであった。軍令承行令が他国の将校に曲解され、他兵科の士官が兵科の下士官扱いされるという懸念があったため、特務士官と扱う事で、兵科将校に準ずる扱いを受けるように取り計らったのだが、日本海軍系義勇兵が参戦する際に問題視されたため、軍令承行令は死文化が進行していく。扶桑の戦闘兵科でない将校を兵科下士官扱いで遇する多国籍部隊は意外と多く存在したため、これも連合軍の部隊間連携が乱れた一因であった。坂本も赤松の存在により、軍令承行令の悪弊を問題視しているので、改革派寄りの立場を取った。それも、人事システム運用で保守派が多かった扶桑海軍を大きく揺るがせることになったのである。

 

「多分、次の作戦が終わりゃ、扶桑海軍は兵科将校が暴発する。Yの件は準備を始めてるから、米内のじいさまが生きてるうちには結成式はできそうだ」

 

「委員会を立ち上げて、円卓会議する気か?」

 

「軍がやたらクーデターしやがる以上、民主主義の擁護者は必要だからな。日本には『お上の顧問機関』という形で伝える手筈だ」

 

扶桑の民主主義は未熟かつ脆弱であり、大日本帝国のように有名無実化する危険は大きかった。21世紀日本が扶桑を操ろうとすることは自明の理なので、Y委員会が扶桑の権益を確保し、民主主義を演出する者となる必要があったのだ。史実の大日本帝国における『元老』と『重臣会議』の双方を兼ね、軍部で公的には廃止予定の元帥府の代わりの組織として。Y委員会は文民出身者にとっては『重臣会議』の代替、軍部にとっては事実上の元帥府としての役目が期待されている。当時は元老であった者は全員が鬼籍に入り、重臣会議が軍部に拘束力を持たない事の問題点がクローズアップされていたので、三つの機構を『廃止した』ように取り繕えるY委員会は公的には貴族院(爵位持ちの物が多いため)付きの外部委員会かつ、総理大臣の設問機関として設立される。扶桑特有の事情ということで、現役の高級将校が委員なことは認められ、ダイ・アナザー・デイ以降に活動を開始する。発起人の山本五十六はダイ・アナザー・デイを含めたしばらくの期間、委員長を勤める。そのため、この時期が山本五十六が最も仕事の多忙を極める頃と言える。

 

 

 

 

 

――数時間後、山本五十六、チェスター・ニミッツ、ドワイト・アイゼンハワーの連名で空挺降下作戦が布告され、実施される。ルッキーニが気がついた時には、既に輸送機が立った後であった――

 

 

「なんで、あたしを参加させなかったの~!」」

 

「そりゃ、ルッキーニちゃんは無茶するからさ。ママさんとの思い出の場所だってのはわかるから、今はシャーリーさんたちに任せなって」

 

「ヨシカ、なにその格好」

 

「シャーリーさんと同じ状態になってるからだよ。これから身体検査」

 

キュアハッピー状態だが、メイン人格はもっと別の誰かになっているらしい芳佳。キュアハッピーの姿なので、ぶーたれるルッキーニを軽く抱っこして運ぶ。

 

「智子さんの命令だよー、かいしゅ~」

 

「うじゅ!?ヨシカに運ばれたくなーい!!」

 

と、足をバタバタさせつつ、大いにぶーたれるルッキーニだが、後に自らも芳佳側に近い立場に立つのだ。その兆候はこの頃には見られないので、覚醒は急に起きることもあるという見本であった。そして、ここにも不機嫌な者が一人。

 

「トモコさん!なんだよ、あいつは!」

 

「どうしたのよ、顔から湯気が出てるわよ?」

 

「リーネがなんで、サーニャの部屋に入り浸るようになってんだー!それに、それに、それに……あのナカジマって奴!サーニャにお姉さんぶりやがって……」

 

「そこまで言うなら、サーニャと同性婚したら?」

 

「な、な、な!?」

 

「それに、あの子……故あって、別名義を使うことになったから、今度からはそっちの名前で呼んでやりなさいな」

 

「そ、それはわかったけど、ナカジマはベテランだけど、無名なんだろ?アフリカの星の代打なら、ハルトマンか、実績のある私だろー!?」

 

「それがね。説明がややこしいのだけど、あの子は……そうね。すごい経歴……いえ、正確には『過去生』持ちと言うべきかしら。その記憶と超能力が目覚めて、肉体がその時の姿に『変態(メタモルフォーゼ)』した初めての事例になった」

 

「……意味がわからないんだが」

 

「始めてと言ったでしょ。あの子の過去生における名は夢原のぞみ。そして、スーパーヒロインとしての名は『キュアドリーム』。シャーリーの過去生における三期先輩にあたる『プリキュア全体のエース格』らしいわ」

 

 

「ヒロインの……エースだって…?」

 

「そう聞いているわ」

 

智子は珍しく、シリアスに決める。長年の部下であるハルカが絡むと、必ずギャグ要員になるためだ。

 

 

 

 

――智子はのび太から聞いていた情報を、エイラへ教える。中島錦の過去性が『プリキュアのエース格』とも言われるほどの実力者であり、彼女はその時の姿と能力を取り戻したのだと。智子はことはからもヒアリングを行っていたため、既にその力を把握していたのだ。智子はギャグ担当の毛もあるため、本人はシリアスな場面を決めたいと、常々愚痴っていた。しかしながら、後々にウマ娘という存在の一人『ゴールドシップ』と友人になった事で、ギャグ担当の毛が強まる。ゴールドシップ曰く、『ダチのナカヤマフェスタに(史実では親類にあたる)似てるから、話しやすくてよー』との事。ゴールドシップのジャスタウェイに次ぐ親友かつ悪友の『ナカヤマフェスタ』の同位体なのでは?という説が後々に、ゴールドシップの宿敵『トーセンジョーダン』からなされるのである。智子にそのナカヤマフェスタの要素が出てくるのは何年か後のことだが、ナカヤマフェスタは悪ガキ気質かつ、シリウスシンボリと似たりよったりのギャンブラーであるのだが、意外に面倒見が良く、ゴールドシップのお目付け役である。ゴールドシップが真の意味で心を開く、数少ないウマ娘だが、史実では事実上の異母兄弟にあたるので、当然である。大博打を好み、自身の成績もムラがあるため、現役ウマ娘では有数の気性難なナカヤマフェスタ。その同位体が智子であるなら、ナカヤマフェスタの要素がどこかに出ると、ゴールドシップ。その片鱗はたしかに、出始めていた、ポーカーで大博打を打つようになったり、ビリヤード勝負を持ちかけるようになるなど、細かい点で生じ始めている。ただし、それはごく自然に出たため、古くからの同僚や友人さえも、ダイ・アナザー・デイの前の時点では気づいていない。(ナカヤマフェスタも、智子も、場の流れに流される性格であるため)

 

「ねぇ、あなたがサーニャの事でリーネに何か言いたいのなら、私とポーカーで勝負しない?」

 

「ポーカーぁ?」

 

「未来予知は無しでね。あなたが愛しいサーニャのあれこれをどうにかしたいのなら、いい機会だと思うわよ」

 

智子はそういって、エイラを煽る。本人曰く、19くらいからできるようになったとのことだが、後々のゴルシ曰く、『フェスタの影響だな』とのこと。智子は凛々しいように普段は装うが、実際はかなり周囲に流されるため、実際には弱気に分類される。その性格を変えたい本音があり、その願望がナカヤマフェスタとの感応の始まりであった。同じステゴ(ステイゴールド)産駒。その彼らの気性面が形を変え、互いの同位体である二人の人格に影響を及ぼしたのでは。後々に、シンボリルドルフはそう総括したという。

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