――ダイ・アナザー・デイに間に合わせようと、軍の技術陣も必死であった。震電(実機/ストライカーの双方)、閃電(これも同様)などの航空兵器の開発も急がれていたが、震電は宮藤博士の遺品から発見された理論での新魔導エンジンのテストが全くできず(ジェット前提の理論であったため、レシプロ機関に適合しきらないものであった。その上、整備士の整備ミスもあった)、(坂本から要請はあったが)実戦投入は見送られた。坂本は前世の記憶からのメタ情報を持つため、『うちの宮藤にテストさせろ』と横須賀航空隊に再三に渡って要望したが、当時の震電の主務開発ウィッチ『鶴野大尉』は『テスト未了の機体は主務開発者として、送るわけにはいきませんよ』と断った。坂本は大尉に猛抗議したが、『いくら先輩のお言葉でも、安全に関わる事項です!』と突き返したが、彼女は一年後に、この選択を悔やむことになる。量産用に改修を重ねた機体が燃やされてしまったからだ。吾郎技師はそのあたりで、震電の開発に携わることになり、残されたパーツと別の試作機をベースに第二世代理論式のジェットストライカーに作り変える。その間のつなぎで、量産が頓挫した烈風ストライカーを芳佳用に改修した『チューンナップタイプ』を自身の欧州赴任の手土産とする。婚約はその際に交わしたわけだ。こうして、芳佳は運命の悪戯で、震電ストライカー(レシプロ)を使わなかった。プリキュアへの覚醒もあり、ダイ・アナザー・デイでの出撃回数は他のメンバーに比べれば、多くない。とはいえ、エース用のカスタマイズ機という位置づけでの少数生産機としての烈風ストライカーは、第一世代理論式レシプロストライカーの掉尾を飾るに相応しい高性能があったため、入手難度の高さもあり、『ウィッチ世界の高機動型ザク』と例えられたという。――
――震電の実機は、プロペラが起こす強烈なカウンタートルクの相殺がしきれない問題への対処に追われている間に、もっと高性能な通常型のP-51Hが出現してしまい、レシプロ機としてのこれ以上の開発は『時間の無駄』とされ、ジェットエンジンへの換装が決議された。この時の強度計算のやり直し、ジェットエンジンの大きさなどの都合で『一から再設計すべき』という意見が強まったため、完成状態の試作機は横須賀航空隊で保存されることになったのだが、これが同隊の悲劇のもとであった――
――震電の他にも、双ブーム式の『閃電』などの新機軸の機体が試作中であった。しかし、どれもこれも『P-51Hに勝てるの?』という疑問符がついてしまい、試作作業は中断された。時代の流れはジェット機へ移行し初めていたからだ。自由リベリオンからもたらされた『P-86』(半年後にF-86へ改称)の試作機の高性能さに飛びついた扶桑は『Me262国産化計画』を放棄。F-86の国産化を代替とする。扶桑の技術陣と技術将校らは『リベリオンの機体は技術的にカールスラントより遅れている』という先入観を持っていた上、カールスラント贔屓だったが、同機の高性能は『1945年の世界最高峰』であった。それに不満を持った技術将校らが焼却事件を起こしてしまい、クーデター事件で自刃に追い込まれることになる。それを境に『カールスラントが世界最高峰の技術大国』という認識は潰え、リベリオンがそれに取って代わる。更に時代が進むと、今度は扶桑国産品が世界最高峰の質に躍進する。史実通りの技術史となるわけだが、戦争続きであるため、かなりのハイペースとなる。震電や閃電の実機は、その技術発展の流れに呑まれた悲運の飛行機であった――
――ダイ・アナザー・デイ前、事前に黒江が手配していた未来兵器が続々と搬入されていった。移動拠点代わりに、地球連邦軍の艦隊編成から外された『アンドロメダ級のネメシス』が手始めに提供され、501基地に繋留された。501基地が元々有した連絡機や輸送機は装備から外され、その代替に地球連邦軍製の兵器が配備された。その第二陣が搬入されたのだ――
「ネオガンダムの三号機?予備パーツでも組み上げたの?」
「ええ。例の『事故』で失われた機体の予備パーツを組み上げたものです。ドラえもん氏のおかげで、予備機の製造に目処が立ったので、次期機体のテスト機代わりに運用してくれと、アナハイムが」
「失地回復の礎に、きな臭い出自の機体を……さすがは死の商人ね」
智子はリストに載っている『ネオガンダム』について、そう感想を漏らす。ネオガンダムとは、シルエットフォーミュラ計画とシークレットフォーミュラ計画の二つの計画の集大成にして、アナハイムが軍需分野の失地回復のために生み出したガンダムタイプ。事故というが、実際は事件であることは、軍の暗黙の了解的な話であるのがわかる。
「サナリィが例の供与で追求されてますから、アナハイムが売り込んだんです。次の新型を作る資金が欲しいのでしょう」
「次のガンダム?例のユニコーンじゃないの?」
「ミドルクラスの新型だそうです。計画の認可要請が出されました」
「アナハイムも、ここ最近は軍需から手を引き気味だと聞いたけれど。サナリィがコケたからって、急に元気になるなんてね」
「それも商売でしょうね。TMSの発注が得られましたから」
「Z系の次世代型ね?」
「あれはプロパガンダにも使えますし、小型機より物理強度は上ですからね」
この頃、Z系の可変MSにも世代交代の並が押し寄せており、概ね『MS形態の戦闘力増強型』、『可変MSとしての総合力向上』の二つの流れに分かれていった。その内の前者の流れの試作型が『ライトニングZ』、後者が『Zプルトニウス』や『リ・ガズィ・カスタム』なのだ。
「それで、光子力研究所は?」
「量産グレート計画は中止にするが、代替の量産マジンガーは生産作業に入ったそうです。直に先行機が部隊に配備されると」
「ビューナス程度のパワー(35万馬力)じゃ、心許ないわねぇ…」
「マジンカイザーの魔モードに反応しない低度の出力に抑えたためだそうで。その代わりに剣鉄也用の『皇帝』が新たに用意されると」
「ミネルバのおかげで、予算が得られたから?」
「ええ。身も蓋もないと、炎ジュンさんは愚痴っておいでですが」
「仕方ないわね。例のアイツの因果律兵器を超えるには『ゲッターエネルギーを加える』か、光子力の完全上位互換の『陽子エネルギー』を使うしかないのだから」
智子と補給担当の連邦軍の主計科の士官が話す内容はマジンガー関連の状況に移っていった。マジンガーZEROの存在はマジンガー整備計画に悪影響を及ぼし、グレートマジンガー系統の開発継続に暗雲が立ちこもったほどだった。ミネルバX(ヒューマノイドタイプとして復活)は『ZEROはグレートを単純に皇帝化させたのみでは勝てない相手だ』と警告し、Gカイザーの『異次元での敗北』を伝えた。それは剣鉄也の死をも意味するので、炎ジュンの激昂を招いたのは言うまでもない。しかし、その時点で、確実にZEROに通ずる『陽子エネルギー』はゴッド・マジンガーに試作型が搭載され、稼働試験中の段階。とても増産は不可能だった。その救世主は敷島博士と神隼人率いるネイサーであった。
『要は因果を超えなくてはならんのじゃろ?なら、新早乙女研究所からちょろまかしてきた『新型用に使うはずだった、第二世代のゲッター増幅炉心を補助動力で良かろう?』
敷島博士ががっちゃめていたゲッター炉心。それは真ゲッターロボの兄弟機、あるいはその改良型のために、早乙女博士が製作した『ゲッタードラゴン型炉心の改良型』。光子力エンジンと陽子炉の組み合わせでは、光子力エンジン側が出力不足を露呈し、スターターの役目を果たせない事がわかったので、光子力と陽子エネルギー、ゲッターエネルギーの同調でハイパワーを担保すべく、積み込まれた。この試みは成功し、装甲も『超合金ニューZαと合成鋼Gの複合装甲』となる形で生まれるのが『マジンエンペラーG』なのである。
「間に合うの?」
「弓博士、兜博士は『間に合わす』と。ただし、Gカイザーのテスト運用そのものは続けるようです。」
「余るんなら、こっちに回してほしいわね。ZEROに勝てないとしても、それ以外の相手には通用するんだから」
愚痴る智子。しかしながら、Gカイザーそのもののテスト運用は続けられ、黒江の所在が判明した際の迎えの護衛(城戸沙織が帯同したため)として参戦。『皇帝』の名を持つのは伊達ではないだけの破壊力を見せつけるわけだ。ただし、『現代科学の延長線上にある兵器が異端技術をもねじ伏せてしまう』という歴然たる事実が、立花響の心に『居場所を奪われる』事への恐怖(杞憂であるが)を呼び覚ましてしまうことになり、なのはの失敗の遠因になる。ただし、そのことに悩んだ事で、キュアダイヤモンドとキュアドリームとの出会うことになり、プリキュア因子が(別人格と別の『彼女固有のもの』である)覚醒をし始めるのだ。
「智子さん」
「あなたは……。そう。先に覚醒めたのね?」
「……はい。」
智子の前に姿を見せたのは、十六夜リコ。キュアマジカルの変身者である。仮面ライダー四号に倒され、死亡したはずであったが、霊的手段も補助的に用いた『蘇生法』で蘇生。死亡時の肉体の損傷度が朝比奈みらいより軽度であった事も幸いし、みらいより先に覚醒めた。新しい肉体は現役時代の『13歳相当』程度で構築されているため、外見上はあどけない少女。精神的には19歳相当以上で、なおかつ、蘇生の過程で『セレナ・カデンツァヴナ・イヴとしての過去生の記憶も蘇った』状態。黒江がシンフォギア世界に転移していた事の判明後は知り得る範囲内の情報を提供し、黒江の帰還後は仲介役に任ぜられ、小日向未来の願いを聞き入れ、参戦の手筈を整えるなどの『やり手』となる。
「連絡は?」
「いえ。みらいが覚醒めてからにします。はーちゃんの特訓の邪魔はしたくないですから」
「もう少しかかりそう?」
「肉体の再構築に手間取っているのです。ダメージが私より蓄積されていたようで…」
「内臓にダメージが入ってたのね?」
「おそらくは。それに、私も前世の記憶が宿ったので、あなた方と同じ領域になったとご報告します」
「そう。難儀なことになるわよ?」
「構いません。二度も『死んだ記憶』がある以上、何になろうと、驚きませんよ」
リコは前世の記憶が覚醒めた事もあり、智子と同じ領域に加わった事を示唆する。また、纏う雰囲気に、現役時代と差異があるのは、前世の記憶の覚醒によるものであると。
「プリキュアには?」
「みらいが覚醒めない事には。のぞみさん、響さんには連絡は取りました。死ぬほど喜ばれましたよ」
「あなた達の仇討ちに燃えてるから。それで、フェイトからの連絡は?」
「聖衣の共鳴波動を辿っているそうです。あと一週間もすれば、目的を達せられると」
「急がせて。それと、沙織さんには?」
「赤松御大に頼んで、連絡を取りました。彼女が参られるそうです」
「彼女御自ら?」
「邪な小宇宙を感じたそうで、フェイトさんが迎えに行くそうです」
「こりゃ大事になるわね。オリンポス十二神の一柱が御自ら動くんだから」
「とはいえ、まともな聖闘士は聖域に殆ど残っていませんよ」
「私もその時になったら、いくわ。一応、場つなぎとはいえ、水瓶座の聖闘士だから」
智子もこの時期には黄金聖闘士の一人であるので、多重属性持ちであった。場つなぎと自嘲気味なのは、水瓶座の正統な後継者はキグナス氷河だからだ。
「あなた方、チートだと言われた事、ありません?」
「いくらでも言われてるわ。とはいえ、ギャグ漫画の登場人物には、シリアスな漫画の能力は効かないわよ?」
「それが世界の不文律ですからね」
のび太達は『シリアスもこなせるギャグ漫画の登場人物』であるため、シリアスなバトル漫画の能力による攻撃はメタ的事情で通じない。ただし、のび太は成人後には『シリアス寄り』になるため、負傷はするという。
「Mr.東郷については?」
「あの人そのものが『デウス・エクス・マキナ』の具象化みたいなものよ。負傷はしても、絶対に倒せない。シリアス漫画の人物としては最強の存在よ」
「公式チートですからね」
「ナチ残党を燻り出すためだけに、大がかりな芝居を打ったり、ネオナチと度々戦ったり、ある国の技術者が作る自動小銃を旧型のM16でねじ伏せたり…」
ゴルゴの武勇伝はいくつかが英国のMI6のファイルに記録されている。MI6のみが有するのは、冷戦初期の長官であった『ヒューム卿』が東郷と個人的に友人関係であったためだ。彼が例外的にルール違反を許し、彼がその後も存在を偲んだほどの唯一のMI6高官経験者。東郷と在職中に関係を持った高官経験者の内、在職期間も長く、最も暗黙の了解的に彼を戦略に組み込んでいた各国諜報部の責任者の総称はビック4。第二次大戦時代の戦勝国の諜報部の責任者であった事から。そう呼ばれていた。ただし、旧ソ連のキニスキー大佐の残したファイルはソ連邦崩壊の煽りで所在不明、フランスのオマイリーのそれは代替わりの内に紛失。かのフーバー長官のものは冷戦終結後に、彼の数代ほど後の後任者の不手際で焼失している。その兼ね合いで、後世に残された記録の多くはヒューム卿が保存していた『現役時代の回想録と、MI6の記録フィルム』に依存している。それが許されるあたり、東郷も、MI6の組織力に信頼を置いている事がわかる。
「彼についての記録は殆どないけれど、義理堅い男ともある。ある時代に核実験で被爆した後、命を救った放射線医に受けた恩を数十年後に返したって話も残ってるわ」
「彼が今回の依頼を受けたという『日本のフィクサー』は老いて、殆ど寝たきりだと聞きました。その依頼人のもとに赴くというのは……?」
「相応に恩があった人間ってことになるわね……」
意外な話だが、デューク東郷は義理堅い男で、過去に命を救ってくれた放射線医に連絡手段を教え、彼の死後数十年経った後、その遺族の依頼を無償で受けていた。更に、彼は日本人、もしくは日本と外国の混血と思われる節があり、思考内の使用言語は日本語である。日本のフィクサーは老い果て、もはや起き上がれぬ身であるが、『若き日にナチスに奪われた親族の仇を取って欲しい』と告げたらしく、彼の親族がドイツと暗に敵対した故に、非業の死を遂げたと示唆し、その残党である組織に一矢報いてほしいと明言したという。それを裏付けるかのような言い伝えがススキヶ原に伝わっていた。『公の記録には残っていないが、大戦末期の頃、武装親衛隊の暴虐に異議を唱えた日本軍の駐在武官がおり、武装親衛隊は事故を装って武官を謀殺した。本来なら大問題であったが、程なくしてベルリンが陥落し、ナチ政権が滅んだために有耶無耶にされた』という。その武官がフィクサーの愛する親族であったのなら、組織の壊滅を夢みるのは当然の道理。彼の最期の願いを受けた東郷は、のび太たちと共同戦線を張ることになる。
「のび太の街に伝わってる『大戦末期にもみ消された、ナチの敵対行為』の伝説……その当事者の遺族が依頼人だったのかしら…?」
「その線はありえますね。いくら、ネオナチと戦ってきたと言っても、彼自身は政治や個人の心情にビジネスライクなはずですから……」
「カールスラントに苛烈な制裁を課す事を指示できるご隠居が依頼人として、同位国を叩き潰すかしら?」
「カールスラントは哀れだけど、ゲーリング将軍がぼったくったのは事実ですし、ボッシュ社は燃料噴射装置を渡さなかった。扶桑も怒りますよ」
扶桑も怒り狂った要因は『ジェット機の技術ライセンス料が異様に高い値段な上、開示された技術情報も古いものだった』というもので、ヘルマン・ゲーリングの指示による結果だった。一応の大義名分は『正式な同盟国ではないし、我が国の最高軍事機密である』というものだが、扶桑は『空母赤城の改装後の設計図』を先立って開示していた。その見返りは相応になって然るべきであった。ゲーリングの安易な出し渋りは最悪の結果として表れ、Me262どころか、最高軍事機密指定であるはずのフッケバイン戦闘機の技術情報がリベリオンに漏洩。程なくして『F-86のプロトタイプ』が完成。同機が連合軍標準のジェット戦闘機に指定されてしまうのだ。
「それが原因?セイバーの開発がグンと進んだのは」
「タンク技師が技術情報をまるっと流したそうで。軍縮での予算削減が腹に据えかねたんでしょうね」
「そうなると、別口でオラーシャに流れてるわよね」
「必死になって、ミグ15を作ってると思いますね」
「ガリアに恩を売っとく?」
「そちらは自力での開発にこだわるでしょうが、臭い噂が」
「日本連邦に敵対しないなら、ある程度は見逃すわ。はけ口は必要だもの」
智子はある程度はガリア内部の政治抗争を見込んでいる。ペリーヌが娯楽の解禁に踏み切るタイミングを探り出したのも、ティターンズの甘言に乗せられる事への警戒が理由だ。
「ま、多少は日本にも危機感持ってもらうきっかけには出来そうだし。チートでワッショイは自分達だけの特権じゃないもの。南斗聖拳の連中がいるらしくてね。あなた達もタダじゃ済まないわよ?」
「いるんですか?」
「23世紀には、存在が公に確認されてるらしいわ。だから、あぐらをかいていたら、病院送りよ?」
「肝に銘じておきます」
とはいえ、その脅威は最強フォームのピンクプリキュアを軽く叩きのめし、捕虜にするという出来事で始めて深刻に捉えられる。のぞみは彼らの拷問に遭うという屈辱を味わい、そこで『現役時代の能力を、ただ奮うだけでは勝てない』と危機感を抱くのだ。
「のぞみさんはプロパガンダに?」
「あの子は扶桑国籍だから。シャーリーはリベリオン国籍だもの。ニミッツ提督やアイゼンハワー将軍の許可がいるもの」
とはいえ、シャーリーは実質的なトップエースであるため、すぐに許可が降りたのはいうまでもない。ルッキーニには不評だが、キュアメロディとしてのかっこかわいさは格好の宣伝材料だ。しかし、シャーリーが変身者であるためか、妙にネタ要員扱いされてしまい、しばらく拗ねたという。
「あの子、現役時代よりずっとガサツだから、現役時代のイメージは保てないわよね?」
「仕方ないですって。ゲッターチームの流竜馬さんだって、ごく初期は爽やか系だったのが、今じゃ風来坊の格闘家じみてるとか言われてるじゃないですか」
「高校時代はTV版寄りだったっていうけれど、成人後はOVA版寄りなのよね。私服もOVAの道着と革ジャン姿になってるし」
流竜馬も意外なことに、高校生の頃の容姿はTV版寄りだったが、人生経験を積んだ後は完全に『ドワォ!』な外見になってしまい、服装も道着か革ジャンの二択。マフラーは物理法則を無視している。比較的に変わっていない弁慶でも、10代の頃より太ったと言っている。隼人に至っては、顔に傷はないが、グラサン姿が多い。
「あれは格闘家どころか、山伏じゃないですか」
「そうなのよね。ゲッターの頭上から飛び降りても無傷、素手で爬虫人類や鬼を倒せる、蹴りは厚さ数十cmの鉄板を砕く。隠居中にどんな鍛え方したのよ」
実は初代ゲッターチームの身体能力はウマ娘たちを有に上回っている。それが判明するのは、出会ってからだが、ウマ娘の能力を聞いても、ドラえもんたちの『反応が薄くなる』のは、竜馬たちゲッターチーム、上位のガンダムファイターで耐性があったからである。竜馬たちに一歩譲る二代目ゲッターチームでさえ、『ナリタブライアンとの腕相撲に余裕で勝つ』、『走力で前途有望なウマ娘を上回る』という化物揃い。一文字號曰く、『ウマ娘だかなんだか知んねぇが、俺様に勝とうなんざ、10年早いぜ』とのこと。後に、ブライアンは半泣きで『クソぉ!!覚えていろ!!』と言う羽目になったが、ブライアンのパワーはウマ娘でもかなり上位にあるため、種族間の優位は単なる目安だということを実感させる材料となった。この時点で、智子がぼやくのも当然であった。
「あの人、下手な怪力の固有魔法よりパワーあるんじゃ」
リコの問いに、智子は頷く。ゲッターチームの腕力は下手なプリキュアや聖闘士よりあると。竜馬のその鍛え方が気になるリコだった。ゲッターが存在しなければ、ガンダムファイター候補になっていたかもしれないからで、肉体の鍛え方と扱い方を聞ける身近な成人男性の一人。
「私も今度、聞いてみようかなぁ…」
リコは竜馬の強さに憧れたようだ。竜馬も亡き妹を思い出すからか、女性には意外に優しく、来る者は拒まなかった。また、隼人に譲った『早乙女ミチル』(この後、弟と共に自事故の難を逃れた後、神隼人と婚約。彼女が人並みに幸福を得られた世界となった)のこともあるのか、物腰は意外に柔らかかったという。また、事故の後に隠棲生活に入ろうとしたのを止めようとしたキュアフェリーチェへは、彼なりに再起を約束する言葉をかけるなど、気遣いに万全を期すなど、本来は心優しい男であるのを垣間見せる。それ故か、意外にモテる。後に、別次元での子である拓馬にはその様子を茶化されたとか。