BanG Dream! ワーカーホリック少女が奏でるオト 作:あこ姫
今月投稿できてよかった。
あーちゃんの話曰く、「アオきゅんが尊すぎた」と言っていたバーでの一件から数日後。
あたし……氷川日菜はあーちゃんの家にいる。
理由は明快。今日はメンバー集めて新年会を行うためなんだよね。
あたし達……Pastel✽Palettesメンバーとあーちゃんは芸能人である為、正月は凄く忙しかった。あたし的にはおねーちゃんと二人きりで年末をゆっくり過ごしたかったんだけにかなり「るんっ♪」って来なかったんだよね。
だから今日は新年会で憂さ晴らしをしようと思う。
メンバーはあたしとあーちゃんとこころちゃんと彩ちゃんとリサちーとおたえちゃんだ。
何かあってもあーちゃんが何とかしてくれるだろーし安心だよね。
こーいう時のあーちゃんは心強いってのはおねーちゃんとあたしの共通認識なんだよね。
新年会だからといってお酒が出るわけがない。あたし達は未成年だしね。
だけど……これまでの経験(その内の一度はあたしが犯人だけど)から行くとその認識も崩れるものだ。
あたし的に誰かの策略でお酒解禁されそうな予感しかしないんだよねぇ……。
だからこうなった時の頼みの綱のあーちゃんが酔っ払わないことを祈るばかりだよ。
今までの話を聞くにあーちゃんとこころちゃんはお酒の……アルコール耐性が超強いみたい。
「何処でそんなに強くなったの?」
って聞きたい気がしないでもないけど聞いたら負けな気がする。
「ホントになんで強いんだろうね? あーちゃん」
「……え、何の話をしてるの、日菜」
あーちゃんが戸惑いの表情をしていた。
「え、もしかしてあたし、声に出てた……?」
「そりゃあ、もうバッチリと」
「………………」
あーちゃんの指摘に押し黙ってしまったあたしは暫く時間おいてから恥ずかしさフラッシュバック。
「なななななななんでもないのっ////」
「あー、うん。わ、解ったわ……」
あたしはかなりテンパった回答をしてしまい、それにあーちゃんは引き気味に答えてくれた。
「「……………………………………」」
その後あたしにとって来て欲しくもない静寂が訪れる。
あーちゃんの方もすっごく気まずそうにしていた。
こんな時に彩ちゃんあたりが乱入してくれてこの静寂を破壊(物理)してくれればいいのに。
今回に限って空気を読んでおたえちゃんとか抑止してるし……!!
肝心な時に役に立ってないじゃんっ!!
「リサちゃぁぁぁぁんっっっ!! 日菜ちゃんが苛めるよぅ~~~~~」
彩ちゃんはリサちーに泣きついていた。
え、まさかこれってあたしの思考を読んだって事?! 普段なら凄く面白そうなんだけど、今は違う。
全然「るんっ♪」って来ないよっ! どうしてなんだろうねっ!!
「あー……よしよし、泣かないの。 これで涙拭きなって」
「あ゛り゛が ど~~~~~」
リサちーは彩ちゃんの頭を撫でて慰め、彩ちゃんはリサちーから受け取ったハンカチで涙を拭いていた。
まぁ、ハンカチがあやちゃんの涙を吸収できてなくて仕事放棄しているのは気のせいだと思いたい。
この光景を見ているうちに余計にモヤモヤが広がって行く気がした。
「あーちゃん、ゴメン。ちょっと外の空気吸ってるくるね」
「え、あっ……うん。 解ったわ」
あたしは気分転換も兼ねて外をぶらついてくる事にした。
時間にして20分くらい位経っただろうか。あたしが新年会会場であるあーちゃんの家に戻ることにした。
会場であるリビングに足を踏み入れた瞬間、腹部にとんでもない衝撃が襲った。
「ひーなーぁー」
その主はリサちーだった。容赦の欠片もないタックルをあたしにぶつけていた。
あたしは咄嗟だったので受け止められずに押し倒された。
……一体どうしてこうなったのさ。
この感情が第一である。
なんかリサちーが幼児退行起こしてるんだけど。
あたしにどうしろって。あーちゃんはどうしたの?
ウダウダ考えてても仕方がない。一つ一つ片付けていこう。
「リサちー」
「リサちゃんってよんで! 」
「リサちー……」
「リサちゃんっ! 」
「リサ……」
「リサちゃんっていってるじゃんっ! 」
呼び名一つでかなりの応酬を広げるハメになった。
コレはこのまま続けるとキリがない。なので……
「リサちゃん、あーちゃんとこころんは何処なの?」
「あまねとこころはうーんとね、あそこっ! 」
あたしは折れることにした。
リサちーの要求をアッサリ飲むとリサちーは素直にあたしの要求を受け入れてくれた。
素直に教えてくれるあたりは退行しなくて助かったなってあたしは安堵した。
あーちゃんとこころんを探す途中であたしは絡まれた。
相手は彩ちゃんだ。
「日菜ちゃんっ!」
「な、何? 彩ちゃん……」
「私、物凄く寒いよーっ!!」
「当たり前だからね? 服着たら良いじゃん!!」
あたしの発言は間違っていない。こればかりは非難される覚えはない。
だって……彩ちゃん上半身裸なんだもん。
あたし的にブラくらいは着けて欲しかったんだけどなと思う節はある。
「私、日菜ちゃんの温もりを直に感じたいのっ!」
「え、ちょっ……彩ちゃんっ????」
あたしは彩ちゃんに服を脱がされていた。勿論上半身だけである。
必死に下着は死守しようとはしたんだけど抵抗は虚しくも……だったよ。
「何してるのさ、彩ちゃぁん!?」
「ナニって……別に普通のコトだよ?」
「絶対に違うよ!? カタカナの時点で可笑しいから!!」
「さぁ……抵抗しないでね、日菜ちゃん?」
ナニ言ってるんだろう、この丸山は。
明らかにされるがままになるのはあたし的に「るんっ♪」ってくるはずがない。
「もー、寝てて!! 丸山ぁっ!!」
苗字呼びをするくらいにイラついていたあたしは彩ちゃんの腹に掌底を撃ち込んで沈めた。
クソでかい溜息をつきつつも服を着る。
その時にとある物があたしの視界に入った。その物体は
『どなん・クバ巻』の空き瓶だった。しかもあたし以外の人数分。
…………………………。
は? 『どなん・クバ巻』?
なんで酒がここに存在するんだろう。
あれってアルコール度数60だったよね?
そんな高くはないけどそれが空っぽで割る物の皆無ってことは……間違いなくストレートで飲んでるよね。
ってことはさぁ……
「絶対に間違いなく確実に酔っ払ってる」
これに限る。この答えが一番「るんっ♪」ってくるよ。
テンションは「るんっ♪」って微塵も来ないけど。
あーちゃんが酔った時の行動は想像できないし、したくもない。
さて、どうしたものか……。対応がオーバーフローしたらお姉ちゃんに頼もう。
ってか、丸投げしたい。こんな時になんでつぐちゃんとか居ないのだろうね。
なんて、思案を巡らせていると両脚に二人分の衝撃が襲い、
「え、誰なんだろ……」
そう思ったあたしはおそるおそる視線を下に向けた。
そこには涙目で右脚にギューッっと抱きつくあーちゃんと同じく左脚にギューッっと抱きつくこころちゃんだった。
2人とも……滅茶苦茶周囲警戒してるっていうかアレだ。威嚇している。
「えっと……動けないんだけど、離れてくれない?」
あたしはダメ元であーちゃんとこころちゃんに頼んでみた。
「「やっ」」
物の見事に断られた。いい笑顔ですことぉ!!
あたしはイラッと来たけどこの笑顔でやられると怒れる訳無いじゃんか。卑怯か。
仕方ない……二人を連れたまま行きましょうか。
あたしはあーちゃんを頭の上にこころんを背中に装備して残りのメンバーを
丸山は……どうやらこのカオスの犯人らしいから後回しだ。既に寝てるけど。
先ずは……リサちーだね。
既にうとうとしてるもん。コレは墜ちるのも時間の問題だね。
「ひなちゃん……」
「リサちー? どうしたの?」
「リサね、ねむくなってきちゃった……」
「そっかぁ……おふとんに行くなら用意するけど、どうしよっか」
「リサね、おやすみなさいする……」
そう言ったリサちーはしきりに目をこすっている。
限界が近そうだと察したあたしはあーちゃんの家の和室に移動し、押入れから来客用の布団を準備した。
何故あたしがこの布団の存在を知っているかというと、答えは簡単。幼少時に使った記憶があるからだ。
昔はかなりの頻度でおねーちゃんとあーちゃんの家に泊まりにきては一緒に寝ていたものだけど、まさかその時の記憶がこういう形で役に立つとか昔も今も想像できなかったよ。
そんなことを考え、苦笑しつつも布団の準備が整ったのでリサちーを布団へ誘導。
吸い込まれる様にお布団inしたリサちーは即座に健やかで規則正しい寝息を立てていた。
あたしはそれを確認してから何時の間にか夢の世界に旅立っていたあーちゃんとこころちゃんをリサちーの横に寝かした。
ここで目覚めてしまってナニが起こるかは想像もしたくない。そうとなっては確実に「るんっ♪ って来ない」ルートだろう。
なので勿論、寝ている全員を起こさない様に細心の注意を払って作業を行うことにした。
作業終了後、あたしは未だにみつかっていないおたえちゃんを探すことにした。
なんか放置してたら取り返しのつかない事仕出かしてそうなんだよねぇ……。
この勘が外れて欲しいけれども……大的中な気がするんだよね。
その時だった。
リビング燃えた。
もう一度言おう。
リビング燃えた。
あまりの衝撃に語彙力が行方不明になったあたしである。
これが事実であるのは誠に遺憾な感じがするよ。
「何やってるのさ、おたえちゃんんんんん!!!」
叫んだあたしは悪くない。悪くないったら悪くない。
「何って……火炎放射?」
「今やる必要あるの?!」
「日菜ちゃん、私も居るよ!」
「めぐみさん!? 何時の間に!?」
本気で何時来たんだ、この人は。
さっきまで居なかったよね!?
「ねぇ、お姉ちゃん」
「何? たえちゃん」
「火炎放射、もう一回やろ?」
「止めて!? もうしないで!?」
「(・∀・)ナイス!」
「じゃないよっ!!」
ただでさえリビングの1/3が現在進行形で焼失してるのにさらに燃やさないで!?
あーちゃん目が覚めたら卒倒確定だよ!?
「マジでるんっ♪ って来ないんだよね…………」
これで現実逃避出来たらどんなに「るるるるんっ♪」って来るのに。
なのに、なのに……
「「かえんほうしゃ!!」」
無慈悲にも火炎放射は放たれ、リビングの3/4が燃えた。
「ナニやってんだよ、こんのバカ姉妹はぁぁぁぁぁ!!!!」
あたしは燃え盛る炎に向かって
無事に火災は鎮火し、消防を呼ぶことに発展しなくてよかったよ。
まぁ……こころちゃん家の黒服さんに根回しで揉み消して貰うとしよう。
そして、その元凶たる花園姉妹は火炎放射するのにアホみたいに『スピリタス』飲んでたので撃沈していた。
急性アルコール中毒で死んでないだけ僥倖と言うべきなんじゃないかなってあたしは思う。
目覚めてしまっては再びやらかしかねないので簀巻きにして身動き取れないようにしておいた。
次に丸山は妹である
この顛末を聞いた桜綾香ちゃんは綺麗な土下座を決めようとしたので必死に止めた。
されたらされたでこちらが悪い気がするから妥協点として丸山の処断を話し合う事になり、ねっちょりコースギガ盛りと千聖ちゃんのお説教(5H)が確定したのはここだけの話である。
桜綾香ちゃんが姉をお米様抱っこで回収し帰宅した後、リビングから声が聞こえてきた。
「ひっく……」
気になったあたしはリビングへ確認に行った。
それが運の尽きだった。
「あー、日菜ちゃんだー!!!」
…………は?
あたしは幻覚でもみているのだろうか。
「お、おねーちゃん!? なんでいるの!?」
「遅いからぁー様子見に来たの。そしたらねぇー……喉が渇いたからこれ飲んだらこうなったの!」
おねーちゃんが見せた瓶。それは……
『どなん・クバ巻』
だった。
まだあったんかい。どうしてそれ呑んじゃうの、おねーちゃん。
お酒かどうかの判別くらいして欲しいんだけど。
「ねーねー、日菜ちゃん」
「な、何……?」
「今から私とイイコトしましょ?」
「ふぁっ!?」
とんでもない爆弾キマシタワー
おねーちゃんは行方不明になったのかな!?
「日菜ちゃん……私もう我慢できないわ」
「えっ、ちょっ、おねーちゃん!? 正気に戻って!?」
「いただきます」
あたしの懇願虚しくおねーちゃんにごちそうさまされました。
SAN値は瀕死に直葬であったのでそのままKOするあたしであった。
その後、あーちゃんは無条件で弦巻家の居候と化し、あたしは胃潰瘍で入院を余儀なくされるのであった。
END
前回よりもカオスになりました。
日菜が苦労人になり、彩がやらかす形になりました。
あと前回も言ったけど
この話は未成年の飲酒を進めるものでは決してございません。
飲酒は20歳を過ぎてから。
これ絶対。
それでは次回お会いしませう。ではでは。