BanG Dream! ワーカーホリック少女が奏でるオト 作:あこ姫
ある日のライブハウス・Circle。
今日は天気も良く、そんなに暑くもない事もあって沢山の練習帰りのバンドメンバーでごった返していた。
その中で一際存在感を放つテーブルがあった。
そこに座っているのは二人の男女。
男の方は名前を盛谷颯樹といい、Pastel✽Palettesのマネージャーであり、女の方は名前を和奏レイといい、「レイヤ」と言う名でSublimatumというバンドで活動している。
颯樹とレイはかなり話が弾んでいた。
この二人……互いの演奏パートはBa.であるという共通点がある故に互いに共感できることがあったのだろうか。
何はともあれ……仲良きことは美しきかな。
私、御神亜麻音はさーくんとレイの二人をカフェのカウンターから遠目で見て和んでいた。
この言葉で解るとおり、私は今、Circleでバイト中である。今日はカフェ仕事も込である。
「亜麻音ちゃん、あそこのテーブルにこれを給仕お願いできるかな? その後休憩に入ってもらっていいから」
「えっ……はい。了解です……。……あれ? 注文入ってましたっけ……??」
「え、入ってないけど? まぁ……サービスよ。あの二人のお陰で集客もバッチシだしね」
「あっ……(察し)了解です」
確かにさーくんとレイのお陰でお客の入りがいいのは事実だ。まぁ……それで奴等が召喚されないといいんだけどな。
私はそう頭の片隅で思いつつ、『タワーパンケーキ』と『ハニーホットミルク二つ』と自分の休憩用に作った『キャラメルマキアート』をお盆に載せて、レイとさーくんの所に赴く。
「お客様。お話途中に失礼します。此方をどうぞ」
「亜麻音……今日は此処でバイトだったんだ……」
「ええ。そうよ。今から休憩だけどね」
「あーちゃん、僕達これ頼んでないんだけど……」
想定外の私による給仕に困惑のさーくんにレイ。
「これは……サービスよ。サービス」
「でも……」
「良いのっ。ね?」
「解ったよ……」
このまま永遠と問答が続きそうな予感がしたので強引に押し切る私。
さーくんは納得してはいないものの、どうやら受け入れたらしい。
「ねぇ亜麻音、その飲み物ってホットミルク?」
「そうよ。ハチミツ入りのね。レイはこれ好きでしょ?」
「うん。大好き!」
ハチミツ入りのホットミルクを受け取ったレイヤは満面の笑顔だった。
うわ、この尊さに召されそうな私である。こころ以外でココまで召されるのは想定外だったよ。
「さーくんも大丈夫よね……?」
「うん。大丈夫だよ」
「そっか。じゃあごゆっくりどうぞ」
「待って。亜麻音」
さーくん達のテーブルの給仕を終えて休憩場所へ戻ろうとした私はレイに呼び止められた。
「? どうしたの、レイ」
「亜麻音って今から休憩なんでしょ?」
「え……まぁ、そう……だけど」
「だったら、私達と一緒に話さない?」
「え……でも、2人の邪魔になるんじゃ……」
私はこの2人のムードを壊したくはなかったのでやんわりとだが断ろうとした。
「大丈夫だよ! ね? 颯樹」
「そうだよ。あーちゃんとも話したいからさ。レイに聞いたんだけど、あーちゃんもベースやってるんでしょ?」
「そう……ね。じゃあ、お邪魔しちゃおうかな。レイ、妬かないでよ?」
「大丈夫。それはないから」
断言したレイは何処ぞのトリオとは大違いである。
私はそう思いつつもレイとさーくんのテーブルにお邪魔して3人で雑談を始めた。
この時、私は思ったよ。
雑談に甘い物は切っても切れぬ縁がある!
と。
邪魔が入らない雑談の時間はあっという間に過ぎていった。
もっと時間があったらいいのにと終幕も惜しむほどに。
しかしそうは言ってられないのも事実だ。
「あっ……もうこんな時間。私、仕事に戻らなきゃ」
「ゴメンネ、亜麻音。大切な休憩時間だったのに」
「レイ。構わないよ。私、結構楽しかったしさ」
「そっか。なら良いんだけど」
「じゃあ、ごゆっくりね。二人共。あ、さーくん、レイ泣かさないでよ?」
「大丈夫だよ。そんなこと絶対にしないから! あーちゃん」
「そう。なら安心ね」
私は空の食器を回収し、仕事に戻った。えっと、次はフロントの業務だっけか。
暫くして、異変が起こった。
受付をしていた私に誰かが抱きついてきたのだ。
「えっと……こころ? どうしたの?」
「姉様ぁ…………(グスッ)」
抱きついてきたのはハロー、ハッピーワールドのボーカル担当の弦巻こころ。私の母親の妹が彼女の母親であり、私の(神級に可愛い)従姉妹である。
取り敢えず…………かなりグズってるからちゃんと落ち着くまで慰めないと。
私は優しくこころの頭を撫でてあげる。
こころのサラサラな髪を堪能とかは考えないからね? そんなに末期じゃないから。私は。
暫くこころを撫でてあげたら、こころは眠ってしまったようだ。
よっぽどの事があったのだろうか……?
「亜麻音先輩…………こころ知りませんか? 何処かに行っちゃいまして」
「あ、美咲。こころなら此処よ」
「よかったぁ……こころん、あーちゃん先輩のところにいたんだね……」
はぐみは美咲に抱きついていた。
どうやら怯えているようだ。一体何があったのだろうか。
「あのさ……美咲、はぐみ、一体どうしたのよ?」
「あー……それも含めて説明しますね」
美咲による説明を受けて頭を抱えた私だった。
その直後に花音から電話がかかってきた。
「もしもし、花音?」
「ああっ、亜麻音ちゃんが出て良かったよぉ~…………」
「花音…………まさかとは思うだけどさ」
花音の口調からするに嫌な予感しかしないんだけど。
「うん……。私達じゃ止めらないの……。既に薫さんが……」
「犠牲になったんだな?」
「うん……」
「( ´Д`)=3 今そっちに行くわ……」
「亜麻音ちゃん、ありがとぉ~~~~~」
花音も最後の方が涙声やったぞ。
なにしてくれてんねん……あいつらァ。
「美咲……悪いんだけど、こころを頼むわ」
「は……はい。解りました……」
私は花音との電話を切って、こころを美咲に任せてカフェスペースに向かった。
そこで見たのは…………修羅というか、地獄絵図だった。
当事者はまたアイツ等……あやちさひなだった。
「ネェサツキ……ホカノオンナトズイブンオタノシミダッタヨウネェ……??」(ギギギギギ……)
「ソウダヨォ……レイヤチャンモナニシテルノカナァ……???」(ガガガガガガガ……)
「ツイデニアーチャントマタオタノシミダッタンダヨネェ……??」(ルルルルルルルルル……)
何だよあれ。アイツ等……とっくに人間超越した何かになってるし。
しかも両手にチェンソーかよ。もう……あやちさひなだった人間の形をした何かだった。
「やっぱりアンタ達なのね……(呆れ)」
「アー! アーチャンダァ!! ヤッテモイイヨネェ? フタリトモ」(ルルルルルルルルル……)
「アーチャン……?? エエ、モンダイナイワ! ヒナチャン」(ギギギギギ……)
「ソウダヨォ……アマネチャンナンテヤッチャエ──」(ガガガガガガガ……)
へぇ……私を……いい度胸してるじゃん(暗黒微笑)
「よーし……オメェら。面ァ貸せや」(ニッコリ)
私の可愛い従姉妹……こころを泣かせた罪をキッチリ償ってもらって落とし前つけて貰わんとねぇ……?
「ナニカシラ……?」(ギギギギギ……)
「ナニカナァ……?」(ガガガガガ……)
「ジャマシナイデヨォ……アーチャン。ヤッチャウヨォ?」(ルルルルルルルルル……)
そうか……。私を……。いい度胸してるじゃん(暗黒微笑)←※二度目
「殺れるもんならやってみな? 相手してあげるからさ……。ひーな?」(ニッコリ)
身丈の倍以上はあるハルバートを手に私は言い放つ。
「あっ……」
「遅ぇわ。覚悟してよね?」
日菜はもう汗が滝のようになって止まらなくなっていた。
その陰で日菜を生贄にして逃走を図るあやちさ。
「逃がさねぇからな?」(ニッコリ)
「「あっ……」」
こうして累計何度目か不明な刑罰執行。
回数は数えるのを止めた。だって多すぎるもん。
あやちさひなが屍になったと同時で電話がかかってきた。相手は……麻弥か。
「もしもし? 麻弥? どうしたん?」
「えっと……亜麻音さん、あの3人組知らないっすかね?」
「えっと……アイツ等?」
「はい。厄介な3人組です。窓を突き破って脱走しちゃいまして……」
「ふぅーん……。そうなん?」
「ええ。ですから…………見つけたら……」
「あぁ……大丈夫よ。既に処したから」
「あー……やっぱりですか。では今すぐに回収に向かいますね」
「りょーかい。場所はcircleだから」
「了解っす。ではまた」
「うん。またあとで」
麻弥との通話が終わった。
暫くして回収に来た麻弥にあやちさひな(屍)を引き渡す。
麻弥はあやちさひなを暴れないように手慣れた手つきで拘束して担いで行った。
麻弥が退出した後、この現状がどうしようもないので、とりあえずバイトを早退させてもらう私。
そして……レイとハロハピメンバーを自宅に泊めてあげるのだった。
Fin
ここで一旦リメイク投稿は終了。
またボツ原案が見つかればやりたいと思います。
何時になるか未定な次回をお楽しみに。ではでは。