BanG Dream! ワーカーホリック少女が奏でるオト   作:あこ姫

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誕生日記念恒例のお泊まりシリーズ リサ編。



Rhythm 015 御神邸お泊まり リサ編

 新学期が始まるまで後わずかな8月25日。

 私は今日はコンビニのバイトである。相方はRoseliaのベース担当の今井リサである。

 バイトのシフトももうそろそろ終わりそうな時だった。

 

「亜麻音、今日と明日って予定入ってる?」

「え、別に入ってないけど? どしたの」

「亜麻音は今日は何の日か知ってるよね?」

「え、今日……?? 確か、リサの誕生日だっけ?」

「その通り! だから……」

「何?」

 

 想像できそうだけど、一応聞いておこう。

 

「亜麻音の家でお泊まりさせて欲しいんだけど、良いよね?」

「別に私は構わないけど……リサはどうやって私の家まで行くわけ?」

「え、亜麻音は今日バイクで来てるよね?」

「うん。そうね。つまりは乗ってくんだな」

「そういうこと!」

「解ったわ。荷物とか持って駐車場で待ってて」

「りょーかいっ」

 

 私は先にウラの駐車場に行ってホンダ CBR1100XX スーパーブラックバードを始動させ、コンビニの入口に付ける。

 リサが私からヘルメットを受け取り、それを被って私の腰に掴まって後部に座る。

 

 私はバイクを発進させて自宅へと走らせ、バイクを走らせる事15分。

 自宅のマンションに到着し、正門前でモカを降ろして私はバイクを駐輪場へと停めに行った。

 

「お待たせ。リサ」

「大丈夫だって。 そんなに待ってないし」

 

 エントランスからエレベーターで5階に上がる。

 その5階のフロアの中で一際広いのが私の家である。

 なんと、私の家はマンションを3部屋ぶち抜いている。無論、施工は弦巻家。

 故に色々と部屋も多いのだ。

 

「お邪魔するね……って、うわ。やっぱり広いね亜麻音の家」

「アハハ……毎回言われるわ。んでどうするの、リサ?」

「んー? 何が?」

「何って……泊まる部屋よ」

「あー……それなら、アタシは亜麻音の部屋が良いなっ」

「へ、私の部屋……?? まぁ……良いけど」

 

 リサの答えを聞いて私は自分の部屋にリサを案内する。

 

「どうぞ。ごゆっくり」

「もうしてるよー☆」

 

 リサは私の部屋のクッションにその身を埋めていた。

 

「その寛ぎっぷりに敬意するわ………………」

「褒めてんの、それ…………?」

「褒めてるって」

「マジで亜麻音って容赦ないよね」

「普段やられてる分は取り返さないと」

「ちょっとー、亜麻音? アタシはそんなことした覚えはないんですけど?」

「解ってるよ。そんなの。主に友希那とか友希那とか友希那だから(笑)」

「友希那……マジで何やらかしてんの……」

 

 

 私の発言にリサはドン引きだった。それくらい友希那──湊友希那に対する鬱憤は凄いのだ。

 主にファミレスのバイトでねぇ! 御蔭で胃薬が手放せないったらありゃしない。 

 

「リサ、私はシャワー浴びてくるわ」

「ねぇ、アタシも一緒に良い?」

「……? 別に構わないけど」

「それじゃあ、行こっか」

「あぁ……うん……って何で!?」

「良いじゃん。こういうの」

「………………ソウダネ」

「……ナニを想像してたの、亜麻音」

「…………言わない」

「え?」

「言わないったら、言わないっ!!」

「ちょ、待ってってば!アタシを置いていかないでよ!!」

 

 恥ずかしくなって逃げるように浴室に向かう私であった。

 追いついたリサとシャワーを浴びるのだが、その最中にも揶揄われたのは言うまでもない確定事項である。

 悶々としていたシャワーを終えて部屋着に着替えた私は夕飯を作るため、キッチンに向かった。

 

 キッチンに着いた私は夕飯の準備を始めることにした。

 今日のメインはリサが主役なので筑前煮だ。

 

 材料は、鶏もも肉125g、板こんにゃく1/2枚、れんこん1/2節(約100g)、にんじん1/2本(約75g)、ごぼう細1/2本(約50g)、ゆで絹さや2~3枚、酒大1/2、みりん大3/4、砂糖大3/4、水50mL、醤油大1+1/2 である。

 

 先ず、こんにゃくはスプーンを使って適当な大きさにちぎり、下ゆでをする。

 次にごぼうは2~3cm幅の斜め切りに、れんこんは半月切りにしてどちらも変色防止の為に水の入ったボールに入れておく。

 にんじんは小さめの乱切りにして……とこれで野菜の下ごしらえは終わり。

 

 次に鶏肉は室温に戻し、余分な脂を取り除いてフォークなどで数カ所穴をあけてひとくち大に切る。

 

 下拵えも終わったので調理に入っていこう。

 

 鍋に油を熱し、鶏肉を入れ、中火で表面の色が変わるくらいまで炒める。

 鶏肉は炒めた方が普通に煮るよりも肉のくさみが飛んで香りも立つうえに、焼いたほうが食感も良くなるのだ。

 次にこんにゃく、野菜を入れ、全体に油がまわるよう炒め合わせる。

 野菜も炒めることでコクが出て、旨味や甘味も引き出されるし味のしみ込みもよくなるのだ。

 

 炒め終わったら酒・味醂・砂糖・水を入れてふたをして煮立たせ、煮立ったらふたを取り醤油を加えて、クッキングシートで作った落としぶたをして20分煮込む。

 この落としぶたは水分が飛びやすいように多めに切り込みを入れてあるのがポイントだ。

 

 

 さて……煮込んでいる間に何品か作りますか。

 まずメインに『ガーリック醤油チキンステーキ』を作る。

 鶏肉づくしになるけどまだまだ暑いのでスタミナつけるのには良いよね? 

 

 それと汁物にお味噌汁を作る。

 具材の小松菜を細かく切ることによって時短が可能なのだ。

 

 そろそろ煮込みも終わるので、ある程度煮汁が少なくなったら落としぶたを取って全体をかき混ぜる。こうすると具材に照りが出て、見ためもおいしく仕上がるのだ。

 最後は、鍋底に煮汁が少し残るくらいまで煮込む。

 器に盛って絹さやを飾れば……完成だ。

 

 筑前煮とガーリック醤油チキンステーキと新生姜と油揚げの炊き込みご飯、お味噌汁と菠薐草のおひたしをダイニングへと配膳する。

 こうして私とリサの二人きりの食事が始まった。

 

「うわ、凄いね。これ亜麻音が全部作ったんでしょ?」

「まぁ……ね。リサのお気に召すと良いのだけど」

「いやいや。アタシより上手なのに何言ってんの」

 

 などと、談笑しつつも夕食は進む。

 リサのお気に召したようで良かった。良かった。

 

 デザートは夏なので冷やし白玉ぜんざいだ。

 これも私の自信作である。

 リサはご満悦だったので一安心な私である。

 

「それで、亜麻音」

「何?」

「有るんだよね? アタシの誕生日プレゼント」

「まぁね……。はい。喜んでくれるといいんだけど」

 

 私はラッピングされた小箱をリサに渡した。

 

「ありがとー☆ 開けて良い?」

「良いわよ」

 

 リサは私の了承を得てプレゼントの箱を開封した。

 そこには太陽の意匠のシルバーアクセサリー……イヤリング、ネックレス、リングが入っていた。

 

「これ、亜麻音の手作り? 良く出来てるねぇ」

「最近はシルバーアクセサリー作るのに嵌っててね? それで作ってみたの」

 

 リサは結構喜んでくれたようだ。良かった、良かった。

 その後、食器の片付けを済ませて、リサと2人で入浴となった。

 

 ……結論、私とリサはめっちゃ乳繰り合った。

 もう、なんなん。 香織先輩と言い、リサと言いさぁ……あの姉妹は。

 隙あらば私の身体を堪能しかかるかなぁ!? 

 こういう所は姉妹なんだなって納得したよ。正直嫌なんだけどさ。

 

 それによってすっかり逆上せたリサを私は介抱しておいた。

 リサをベッドに寝させておき、私は自室から書斎に移った。

 

 暫く私は書斎でマネージャー関係の書類仕事を行っていた。

 一段落付いたので、リサの様子を見に行った。

 ベッドには寝ていたハズのリサが居なかった。

 

「……何処に行ったのかしら」

 

 私はリサを探しに行くことにした。

 まぁ……大体解るんだけどね。

 私はテラスに向かった。無論、飲み物を用意して。

 

「モカ……やっぱり此処に居たのね」

「あっ……亜麻音。さっきはありがとね☆」

「気にしないで良いのよ。はい。温かい物どうぞ」

「ありがと☆」

 

 リサは私からホットキャラメルを受け取った。

 

「亜麻音」

「ん? どうしたの?」

「星が……綺麗だね」

「あぁ……そうね」

「ホントに毎日この星空を眺められるの羨ましいよねぇ」

「へぇ……リサって天体観測とか興味あったんだ……」

「ちょっとー亜麻音ってばアタシがそう言うのに全く興味がないっておもってるでしょー?」

「……ゴメン」

「まぁ……別に良いけど。そう思われても仕方がないしねー」

「そう……」

 

 私とリサは暫くホットキャラメル片手に満天の星空の下で雑談していたのだった。

 大分、涼しくなってきていたので夜は冷えるのだ。

 そう思った私達は部屋に戻る事にした。

 

「亜麻音……」

「ん……? どうしたの」

「亜麻音、大好きだよ」

「……………………ふぇ~~~~~っっっ。な、何言ってんの/////」

「あちゃぁ……完全にオーバーヒートしちゃってるねぇ……」

「り、リサが変な事言うからじゃにゃい!」

「ん? 此処で噛むとか脈アリってコト??」

「そ、そんな事にゃい!!」

「そっか。それじゃあアタシは先に戻ってるね」

 

 リサが先に部屋に戻っていく。

 私は一人テラスに残って、先程のリサの告白の動揺が冷めておらず、滅茶苦茶恥ずかしさや何やらで悶えていたのだった。

 それから解る通り、私は一睡もその夜は出来ずじまいだったのだった。

 

 翌朝、私は眼の下にクマをたっぷり蓄えて、洗面場でリサと出くわし、リサの方も何故か私と同じく私は眼の下にクマをたっぷり蓄えていた。

 そこで私とリサは御互いに昨夜の事が脳内にフラッシュバックした結果、私とリサは急速に赤面して御互いに目を合わせる事が出来なかった。

 

 それは以降も暫く続いて、皆に詰め寄られる事になったのだった。

 特に友希那と由愛の湊姉妹と香織先輩からの言及が酷くてひと悶着あったのは全くを持っての余談である。

 

 END




如何だったでしょうか。
間に合ってよかった。マジでよ。

リサ姉に揶揄われに揶揄れる亜麻音ちゃんでした。

『からかい上手の今井さん』

ここに開幕……?

次は誰にやられるんでしょうね?

次は誰のお泊りかは未定だけど期待知って待っていてください。
それではまた次回。
( ´・ω・`)ノ~バイバイっ

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