BanG Dream! ワーカーホリック少女が奏でるオト   作:あこ姫

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久々の病室シリーズ。

今回登場する氷川洸夜君は作者様の承諾済みです。


Rhythm 019 病室の夏 ②

 皆様、どうも。 御神亜麻音です。

 今日は8月13日。

 私は今──絶賛入院中でございます。お盆休みなんて関係無いんですよ、入院生活にはね! 

 

 まぁ、健康体だったらバイト三昧だしどっちにしろ、

 

『お盆休み? ナニそれ美味しいの?』

 

 状態なんだよね。

 つーことでこの時期に限っては入院してよーが、してまいが大差はない。

 

 

暇だ。

すんげぇ暇だ。本気で暇だ。

逆に疲れてくるって位に暇だ。

 

「……あーちゃん、毎日それ言ってるけど飽きないの? あたし、聞き飽きたんだけど」

 

 お見舞いに来ていた日菜が滅茶苦茶呆れていた。

 

「だって事実だから仕方ないじゃん。暇過ぎる現状が悪い」

「だからって、外泊届けを脅迫で取り付けて O✩H✩A✩N✩A✩S✩H✩I 行かないでよ」

 

 日菜の台詞は私が石川亮と序でにの巻き添えの八つ当たりで池上拓也を処した事を指しているのだろう。

 

「だって石川ァがあんな事言うからよ」

「えっと……『御神式多段階墓穴掘削法』だっけ? いや、紛れもない事実じゃん」

 

 日菜の指摘に言葉を失う私である。

 

「ソンナバカナ…………」

「自覚ないの? 割と千聖ちゃんとか燐子ちゃんに処される時のあーちゃんってそんな感じだよ?」

「え……『修羅燐子降臨の儀』とかは……」

「完っっ全にあーちゃんが多段階で墓穴掘削してるからだよ。学習しなよ」

 

 日菜に『学習しろ』とかいわれたんですけど? お前だけには言われたくなかったよ。私は。

 

「あーちゃん? 喧嘩なら喜んで買うけど♪」

「そっちがその気ならやってやろうじゃん。表、出ようや」

 

 

 売り言葉に買い言葉で喧嘩勃発──とはならなかった。

 

「「貴女達……何をやっているのですか!! (かしら?)」」

 

 何時の間にかお見舞いに来ていた紗夜とちーちゃんの底冷えした声によってね! 

 これによりお説教を受けることは確定な訳で。

 私も日菜も顔が絶望で染まっている。

 

「「さぁ……二人共、覚悟は良いですか? (かしら?)」」

 

 こうして紗夜とちーちゃんによるお説教は2時間続いたのは言うまでもない。

 

 

 あれから長いお説教は続き、一旦休憩となったが日菜が

 

 

「……どうぞ」

 

 私が入室を許可すると入って来たのは

 

「おはよー! ソラ姉!! 調子はどう?」

 

 可愛い可愛い私の『妹にしたいランキングTop3』の宇田川あこちゃんでした。

 

 病院だし蘇生措置も可能だろうし。

 幾らでも昇天しても問題は無い!! 

 

「いやいや、どうしてそういう思考になっちゃうんですか? 亜麻音先輩」

 

 私の思考にツッコミを入れたのは由愛。

 

「いや、普通じゃない?」

「全然普通じゃないですよ!? ホントにあこが絡むと暴走しますよね」

「………………」

 

 由愛の言葉に図星すぎて何も反論できない私である。

 言わないでくれ。由愛よ。あこの尊みが反則級なのが悪いんじゃァ(責任転嫁)

 さてと、あこ達が来たのは多分のカンだけど何かあるだろう。

 

「ソラ姉!! 今から金魚掬いしましょうよ!!」

「え」

 

 あこの提案に目が点になって間の抜けた声を出す私である。

 え、『金魚掬い』!? 

 あの縁日で良くあるアレ!? 

 え、ここ病院だよね!? そんなのどうやってやるんだよ!? 

 

「あー……亜麻音先輩の気持ち凄く解ります。私も思いましたもん。でも諦めてください。もう既にセッティングはこの前の流し素麺の流用し既に済んでいますから」

「………………」

 

 えぇ……まさかのセッティング済みで開催決定なのかい。

 しかもいつセッティング……違うな、改造したんだよ!? 

 

 ん……? そういえば今日日付変わった頃にまた何か物音がした気がしたけどさ。

 まさか……ねぇ? 

 

「ねぇあこ、一つ良い?」

「どうしたの? ソラ姉」

「いつ改造工事したの?」

「今日の深夜って聞いたよ?」

「………………」

 

 あこの言葉に無言になる私。

 やっぱりだった。

 まさかの予想大当たりで草しか生えないんだけど。

 つか、病院関係者が何故止めなかったんだろうか。

 

 あ、此処は弦巻グループの系列だったわ。

 そりゃあ、誰も金魚掬い改造工事してても誰も止めないわな。

 だって、あこの提案にこころが承認したんだもんな。

 

 

 そう思うとなんか納得した私である。

 

「それじゃあ、ポチッとな」

 

 あこが何かの装置のボタンを押すと床が開いて竹製の水路が出現し、あっという間に接続されて、その水路の終着点である私の病室には真ん中がせり上がったスペースが出現し、中央にはビオトープが鎮座していた。

 

 その突然の出来事に驚く間に水路には水が流れ始めていて、最早金魚掬い待ったなしである。

 

 そういや、相も変わらずこの水路普通に病室の壁ぶち抜いてるんだけど、何処が始点なんだろうか。

 

「イブちん、放流しても良いよー!」

『これぞ、ニホンの風流です!!』

 

 あこがトランシーバーでイブに連絡を取っていた。

 所々でトランシーバーから風の音が聞こえてくるんだけど……。

 まさかとは思うが、安心安定の屋上に居るんじゃないんだろうな!? 

 

「ねぇ、由愛」

「どうしたんですか? 亜麻音先輩」

「イブ何処に居るのよ」

「お察しとは思いますが、屋上です」

「……マジか」

 

 由愛の返答にコレしか言えなかった。

 私の病室って1階だ。

 確か、この病棟は屋上ノーカンで最近(一昨日)増築されて15階建てだったはず……。

 

 いや、マジでどんだけ大工事してんの!? 

 それを2時間ちょいで騒音も無く完遂て。

 どんだけ規格外なのさ。弦巻家の技術力。

 こればかりは弦巻家メイドの私でも驚愕である。

 

「ささ。ソラ姉、これを使って!」

「え」

 

 戸惑う私をよそに渡されたのは紙ポイとタライ。

 その直後に

 

 びゅうん

 

 高速で泳ぐ出目金。

 

 びゅぅん

 

 高速で泳ぐリュウキン×2。

 

 …………いや、何今の。

 クッソ思ってた以上に速いんだけど!? 

 金魚ってこんなに神速だっけか!? 

 私聞いたことなんだけど!? こんなアグレッシブな金魚掬い。

 

 困惑する私は右横にいる日菜&紗夜&洸夜(氷川家)に視線を向けると、3人はフツーに神速で泳ぐ金魚を片っ端から乱獲無双していた。

 

 いつのまにか居る洸夜(コウくん)は置いといてだな? 

 

 え、マジでか。

 取れないの、私だけ……?? 

 

 …………………………。

 

 あぁ、そうか、そうか♪ 

 なんか、すんげーイラッときた♪ 

 やってやんよ、こん畜生が。

 

 もう負けず嫌いな私はスイッチが入ってしまいましたよ、ええ。

 ガチで金魚を掬いまくっていた。

 この時、どれだけ乱獲したかは覚えていない。本気で必死だったから。

 

「「「……………………」」」

 

 尚、私がガチで金魚掬いに挑む姿を見ていた氷川家はと言うと……

 

「亜麻音……」

「「あーちゃん…………」」

 

 

 ドン引きしていた。

 

「…………あ」

 

 現実に戻った私だけれどももう遅い。

 どうやったって取り繕うのは不可能に近しい。

 

『OTL…………(・ω・`)』

 

 日菜逹にドン引きされた私の心は崩壊していた。

 特にあこにドン引きされたからもう砂化現象待ったなしである。

 

「えっと……だ、大丈夫だよ。あたし達も特に気にしてないから」

「そ、そうだよ!」

 

 なんとか立ち直った私は金魚掬いを楽しんだ。

 掬ったのは金魚だけじゃなかったんだよね。

 ミドリガメ、ブルーギル、ニジマス、ピラニア……あと何故かリ⚫︎ル様。

 それと、コイ⚫︎ング、ヒン⚫︎ス、ギャラ⚫︎ス、ミ⚫︎カロ⚫︎。

 

 最後の方は気にしたら負けな気がする。

 

 

「ねぇ、由愛」

「……? どうかしましたか、亜麻音先輩」

「花音と薫は何処に居たんだっけ」

「あー……花音先輩と薫さんなら今()()から()()に居ますよ」

「え」

 

 美咲の言葉に絶句する私である。

 

 え、稚内!? あの最北の地の!? 

 何で其処まで行ってんだよ!? 

 どうなってんだ、花音の迷子スキルは! 

 そしてさぁ、気になるのが──

 

「由愛、なんで青森から稚内に飛んでるのよ??」

「えっと……あの二人は宿泊先から……」

 

 なんだろうか、この後の返答スゴい予想できそう。

 

「花音先輩が薫先輩と弘前に行こうとしたらしいですよ?」

「そしたら何故か稚内に到達してたと……」

「はい。正確には宗谷岬らしいですけど」

 

 あの二人大丈夫か……!? まさかの遭難とかしとらんよねぇ!? 

 

「あ、遭難はしてないですよ? なんやかんやで札幌駅前に居たらしいですし」

 

 え、寧ろそっちのほうが怖いんやけど!? 

 物理法則色々と無視しとらんか!? 

 

「突っ込んだら負けですよ。コレについては。私はもう何も言いませんよ」

「あぁ……そう」

 

 由愛にこう言われては何も言えない私である。

 納得してなくても納得するしかあるまいて。

 

「……で、何時帰ってくんのよ。花音と薫は」

「話によると、始業式前だそうです」

 

 もう観光する気マンマンやん。

 うわ、私も超行きたいんですけど。

 ま、こんな状態じゃ無理やけどね。

 

「由愛、一つ良い?」

「なんですか、亜麻音先輩」

「ギャ⚫︎ドス(赤)に懐かれたんだが、どうしよう」

「手持ちに加えたら良いんじゃないですか? (適当)」

「そうするしか無いかぁ……」

 

 

 

 その後、⚫︎ャラドスはすんなり手持ちになったんだが、ミロ⚫︎ロスはとんでもないじゃじゃ馬でリム⚫︎様に協力して貰ったのは余談である。

 

 

 続……く? 

 

 

 

 

 

 

 

 




次はマジで未定。
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