トラブルホイホイな男が、ガラル地方に行くようですよ   作:サンダー@雷

1 / 61
アルセウスやっていて、自分が書いていた小説ならこうなるなぁーとふと思い出し書きました。
 時系列はイッシュ(1回目)が終わった辺り。
 本編とはパラレルワールドとしてご覧ください。


本編と関係ない話
番外編 ヒスイ編


 

 その宣告は本当に突然のことだった。

 イッシュの旅から戻ってきてそれなりに時が経った頃、ナナカマド博士から連絡が来たのだ。

 特に電話をされる覚えがなかった私は首を傾げながら電話にでる。

 

「はい、オレンジです」

『オレンジ君か?』

「はい、ご無沙汰しております。今日はどういった要件で? 正直心当たりがないのですが……」

『オレンジ君、落ち着いて聞いてくれ……』

 

 『ヒカリ君が行方不明になった』

 

「……は?」

 

 私は一瞬言葉の意味が理解できなかった。

 そして理解すると、こみ上げたものは激情だった。おそらくナナカマド博士の言葉がなければ捲し立ててすぐにでも事情を聞き出そうとしていただろう。

 何とか荒ぶる心を鎮める。

 

「…‥事情を教えていただけますか?」

『うむ。行方不明が判明したのは昨日なのだが、少々妙でな』

「というと?」

『何の形跡もない。あの子の家にも、リーグ本部の部屋にも、もちろんその道中にも、争った形跡や自発的に蒸発した形跡も何もかも』

 

 それはたしかに妙な話だった。

 第三者に誘拐されたならどこかしらに争う形跡があるはずで、蒸発でもヒカリが置き手紙も残さず消えるなんてありえない。そもそもそんなに追い詰められているなら、私に相談の一つでもしてくるはずだ。

 

「状況は分かりました。それでナナカマド博士はなぜこの話を私にしたのでしょう?」

 

 チャンピオンが行方不明、しかも理由も不明など明らかにトップニュースだ。しかし、そんなニュースは流れていない。ということは、この件はトップシークレット。

 関係者のナナカマド博士なら知っていてもおかしくないが、どこの馬の骨とも分からない私に話すことではないだろう。つまり博士は私に何か求めているのだ。

 

『察しがよくて助かるな。オレンジ、私は今回の件人間の仕業ではないと考えている』

「つまりポケモンの力、それも人1人の存在を消してしまうほどの力を持ったポケモンということですか」

 

 思いつくのは空間を司る神パルキア、時間を司る神ディアルガ、そして反転世界の主ギラティナ。だが、この3匹は赤い鎖を使わなければコントロールできない上、動きを見せればシロナあたりが気がつかないはずがない。

 ということはこの3匹とは別のポケモン?

 そして理解した。なぜ博士が私にこの話をしてきたのかを。

 

「私にこの事件の調査をしろということですね」

『その通りだ。お前のポケモンバトルの腕、鋭い洞察力、そして経験を見込んで頼みたい』

「承りました。明日にでもシンオウに向かいます」

 

 そもそも初めから傍観するなんて選択肢はなかったが。

 そうして電話は切られた。私はすぐにシンオウ行きの飛行機を予約し、シロナにメールを送る。

 内容はこうだ。

 

『明日シンオウに行きます。予定を空けておいてください』

 

 送るとすぐに返事が来た。

 

『分かったわ! ちなみにその日の夜、お婆ちゃんはいないわよ!』

 

 だからなんだよと思いつつ、私はメールを返した。

 

 

 □

 

 翌日、私はシンオウの空港に到着するとエントランスにはシロナが待っていた。

 たしかにこの時間に到着するとは言っていたが、まさか迎えに来るとは。こちらの予定としては寝ている彼女をカンナギタウンの実家まで叩き起こしに行くつもりだったのだが。

 まあ、起きているなら好都合なのだが。

 しかし、今日のシロナはイヤに綺麗な格好をしているな。有名人なので顔は変装しているが、お洒落な格好のせいで明らかに注目の的になっている。正直声かけたくないなぁ。

 

「どうも」

「やっほーオレンジ、久しぶりね! どう? この服? あなたに見せるために前から買ってたのよ!」

「とてもお似合いですよ。しかし、大丈夫ですか? その服では動きにくいでしょう?」

「え? 何でデートなのに動きやすさを気にする必要があるのよ?」

「は? デート? あなたの頭の中は花畑が詰まってるんですか? こんな時にそんなことするはずがないでしょう」

「えええええ!? だって、だって、明日シンオウに来るから予定を空けとけって! どっからどう見てもデートの誘いじゃない!」

「だから……」

 

 何か話が噛み合わないな。もしかして……。 

 

「シロナ、事情は車の中で話します」

「……い、いきなり車の中は恥ずかしいなぁ」

「ふざけないでください」

「なによー、人に聞かれたらまずいことなの?」

「ええ、まずいです」

 

 そういうと「分かったわよー」と渋々納得した。

 車に移動し、私は今回の事件のことを教える。

 

「つまり、オレンジはヒカリちゃんが行方不明になった原因を調査するためにシンオウに来た。そして神話のポケモンは類する力だと考えて、考古学者である私に手伝いをお願いしたと」

「そういうことですね」

「ねえ、オレンジ」

「はい」

「私元チャンピオン、何も教えてもらってない……」

「でしょうね」

 

 そうでなきゃ、あんな勘違いはしないだろう。

 私は私で元チャンピオンが事情を知らないはずがないと、知っている前提でメールしてしまったからな。楽しみにしていたデートは勘違いで、リーグからの信用のなさが露呈して二重に落ち込んだシロナだった。

 

 

 





 予定では数話で終わります。

見たいのは?

  • オレンジがアニメ世界に迷い込んだら
  • オレンジがポケスペ世界に迷い込んだら
  • オレンジが女の子だったら
  • オレンジの日常
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。