トラブルホイホイな男が、ガラル地方に行くようですよ 作:サンダー@雷
ディアルガとパルキアに作られたゲートを潜ると浜辺に降り立った。
荒い波音が聞こえてくる。深く青い海は私たちがいた時代とは明らかに違う。船も海パン野郎も見えない。気温も明らかに低い。だが、景色を見るとどこかシンオウを思い出す。過去に来たことを実感するな。
辺りを見回すが人が使ってなさそうな小屋があるだけで何もない。
ただ、足跡があるので近くに人が住む集落がありそうだ。
「まずは情報集めですかね」
まずはヒカリの居場所を突き止めなければならない。しかし、広いこの土地を闇雲に探しては膨大な時間がかかってしまう。そのためある程度当たりをつけて捜索する必要がある。
一見現状何の手がかりもないように見えるが、実はある。ディアルガとパルキアの話を聞いて、アルセウスはヒカリを英雄にしたがっているということ。そしてディアルガとパルキアを捕獲したということ。この2つからヒカリは集落を超えてかなりの知名度を得ていると予想できる。
そのためそこそこ人が集まるところに行けば、ヒカリの居場所が判明するはずだ。
そう考え、集落を探して歩き回っていると時代劇でしかみないような木の門が見えた。
どうやら私の予想は当たったようだ。門に近づくと門番らしき男が立ち塞がる。
「貴様何者だ! ここがシンジュ団の本部と知ってきたのか?」
「あなたが教えてくれたおかげで知りましたね」
「むむ!? 誘導尋問か!?」
「私何にもしてませんがね〜」
「怪しいやつめ! いけストライク!」
「ストラァ!」
「会話のドッチボールやめていただけます?」
とはいえポケモンをさし向けられては応戦するしかない。
「行きなさい、ガブリアス」
「ガバァ!」
「ポケモンボールだと!? 貴様ギンガ団か!?」
「は? 何で私があんなゲキださおかっぱ電波集団に入らなきゃいけないんですか? 寝言は寝て言ってください」
「違うと言うならますます怪しい! 捕らえてやる!」
意味が分からない。悪の組織じゃないと言ったら、ますます怪しいときた。
まあ、捕まるのは困るので抵抗するが。
「ストライク、きりさくだ!」
「ストラァァァ!」
「ガブリアス、受け流しなさい」
「ガバ」
ストライクが鎌をふりあげて向かってくるが、ガブリアスは腕を掴み簡単に地に投げた。
「何だと!?」
「上空に投げて、ドラゴンクロー」
「ガバァ!」
「ストラァァァァ!?」
ストライクが地面に落ちると土煙が舞い上がる。それが晴れると目を回したストライクが横たわっていた。戦闘不能だ。
「俺のストライクがこうもあっさりと……」
「まだやりますか?」
「くっ……」
そんな憎がましいものを見るような目をしないでほしい。こちらは自己防衛をしただけなのだから。
しかし、このままでは私は村を襲いにきた賊と変わりない。話が出来そうな人がいればいいんだが。
「一体何事だ!?」
その声の方を見ると見た目15歳くらいの女の子だった。
格好を見る限り、この会話ドッチボール野郎よりは地位が上に見える。
「カイ様! 襲撃者です!」
「何!?」
ざっと距離をとり臨戦態勢をとられる。
またか。ついついため息が出てしまう。
「違いますよ。私はただ話しかけただけなのに、そこの門番が勘違いして仕掛けてきたんですよ。私は襲撃者でも何でもありません」
「だが、こいつは俺のストライクを……!」
「言いがかりでポケモン仕向けられて黙って受け入れろと? そんなわけにいかないでしょう。ただの自己防衛に過ぎませんよ」
「くっ……」
苦虫を噛み潰したような顔をする門番。その様子を見てカイと呼ばれた少女はある程度事態を把握したようだ。
「敵意はないということか?」
「はい。これっぽっちもありません」
「そうか。私の部下が迷惑をかけた、この村を治めるものとして謝罪する」
「この村を治めるもの? あなたが」
「ああ、私はカイ。シンジュ団の団長だ」
ようやく話が出来そうな人間が出てきたな。
「これはご丁寧に。私はオレンジ、ポケモン研究者をやっています」
「研究者? ラベン博士と同じだね」
ラベン博士。たしかモンスターボールを開発した人物であり、ポケモン研究の父と呼ばれる人物。
地方を飛び回っていたせいで文献が少ないが、ヒスイ地方にいたのか。
「それで研究者先生がこの村に何の用なの?」
「人探しをしています。ヒカリという女の子に聞き覚えはありませんか?」
「ヒカリ……聞いたことないが……」
「……!?」
門番はピンときていない様子だが、カイは明らかに顔色が変わった。
カイは門番に何かを話すと、私の方に近づき。
「ついてきて」
どうやら人目があるところでは話したくないようだ。私は了承してカイの後を追う。
人の気配がない道まで来ると、カイは私の方を見る。
「あんた、どうしてショウの本当の名前を知ってるの?」
「質問に質問で返して申し訳ないのですが、ショウとは誰でしょう?」
「ショウはギンガ団に所属してる調査員。色んなキングやクイーンを沈めて、最終的にはシンオウ様を捕獲しちゃった英雄よ! ……そして私の憧れの人」
最後は何を言っているか聞こえなかったが、おそらくビンゴだろう。なぜ名前を変えてるかは知らないし、ギンガ団なんかに所属しているかも分からないが。
「おそらく、そのショウが私が探しているヒカリでしょう。なぜ知っているかという質問ですが、私は彼女と同じ時代から来た人間だからと答えておきます」
「つまり、時空の先から来たってこと? どうやって!?」
「あなた方が言うシンオウ様たちの力を借りました。眉唾に聞こえるでしょうか?」
「ううん。今あんたはシンオウ様を2人いる前提で答えた。私たちですらずっと知らなかったことをあんたは知ってた。つまり、本当なんだと思う」
信じてもらえてよかった。自分でも証明できないから、嘘だと言われればそれまでだからな。
「オレンジはショウを見つけてどうするつもりなの?」
「元の時空に連れ戻します。そのために私は来ました」
「……そっか。そうだよね、ショウにも帰るべき場所があるもんね」
カイはぐっと感情を押し殺すように目を瞑り数秒黙る。そして、目を開けると。
「分かった。ショウが住んでる村まで連れてくよ」
「本当ですか! それはありがたい」
村を教えてもらえるだけでもよかったが、慣れない土地なので案内がいて困ることはない。
「その代わり、私たちの村にも時空の迷い人……ショウと同じ境遇の人間がいるんだ。その人も一緒に連れて帰ってあげられないかな?」
どうやらヒカリ以外にも馬鹿神の被害にあった人間がいるようだ。定員がいるとも聞いてないし、助けない理由はない。
「もちろん。その方はどこに?」
「今はショウと同じ村にいるよ。その人記憶喪失なんだけど、いつもどこか寂しそうにしてたから……。あっちの時空に大切な人がいると思うんだ」
それはせつないな。
人の繋がりすら理不尽に奪う糞神に私はさらに怒りを強めたのだった。
カイちゃんってハルカに雰囲気似てるよね。
ラベン博士はオダマキ博士の先祖。
ハルカはオダマキ博士の娘……ん?
見たいのは?
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オレンジがアニメ世界に迷い込んだら
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オレンジがポケスペ世界に迷い込んだら
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オレンジが女の子だったら
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オレンジの日常