トラブルホイホイな男が、ガラル地方に行くようですよ 作:サンダー@雷
やっぱり評価をいただくとテンション上がりますね。
宝物庫の扉の前で人々が行き交うのをボーとみている私はさぞ変な男だと思われていることだろう。
今頃、ソニアはキバナと積もる話をしている。私はそれが終わるのを待っているところだ。けして不審者ではない。
手持無沙汰な私は、バッグからタブレットを取り出す。いくつか仕事のメールを読んで暇を潰していると。
「すいませーん♪」
帽子を深くかぶった女の子が妙に猫撫で声で話しかけてきた。
「はい? 何か?」
「ちょっと道に迷っちゃって~、ここなんですけど分かりますか?」
女の子が見せてきたのはナックルシティ駅の写真だった。この街に来たばかりの人間でも容易にわかるというか、そこら中に案内図があるのだが。
「案内図がポケモンセンターにありますよ。そこに行ってみればいいのでは?」
「え~、私ポケモンセンターの道も分かんないんですよ~。お兄さん、時間あったら案内してもらえません?」
これは逆ナンという奴だろうか? しかし、私のような大して金も持ってなさそうな人間を狙うか? というか、この声完全に演技だ。
待てと、この演技に声どこかで聞いたことあるような......。
私がじろりと女の子の顔を見ると、女の子はかかったとばかりににやりと笑った。
「はっ!」
その笑みで私は完全に気が付いた。すぐに逃げようとすると、タックルのような勢いで抱き着かれて捕まった。
素早い動きのせいで顔を隠していた帽子がはらりと落ちた。
隠されていたツインテールの髪先が腰元まで落ちる。
「お久しぶりです、オレンジさ~ん♪」
「メイ......なぜあなたがガラルに......」
そう、彼女はイッシュ(二回目)時代に一緒に旅をしていたイッシュの人気女優メイだ。
忙しすぎて影分身を必要としている女優ランキング二年連続一位の彼女が、なぜこんなところにいるんだ。本当に使ったのか、影分身。
寒気! 抱き着かれて体温が上がっているはずなのに、なぜかジャイアントホールに入れられたような寒さを感じている。
その冷気は主に後ろから感じる。私は恐る恐る振り返る。
「はあ?」
するとそこには、まるでゴミを見るような冷たい瞳のソニアが立っていた。
その後ろでキバナが涙目で身体を震わせているのが、この異常事態を物語っている。
「ソ、ソニア......」
「何やってるのオレンジ?」
「何をって......」
「メイと久々の再会の喜びを分かち合ってたんですよね?」
「あなたは黙っててください! 話がややこしくなります!」
一言昔の知り合いに再会しただけですと言えば終わるのに、メイはわざわざ現場を混沌にしてくる。
茶々をいれたメイをソニアは見て。
「あなたオレンジの知り合い?」
「恋人です♪」
「こい......!?」
「嘘です! 一時期、一緒に旅をしたことがあるだけですから!」
「もう照れないでくださいよ~ ダーリン♡」
「ダーリン言うな!」
「ふーん、じゃあお幸せにね」
「ちょっとソニア!? 誤解です! 完全な誤解なんですぅぅぅ!」
ソニアは私の言葉を聞き入れることなく、すたすたと歩き去っていった。
□
「あああああああああ」
ソニアのやっちまったという気持ちがこもった叫び声がポケモンセンターに響く。
そんなソニアをキバナは心配そうに見ている。こんなソニアを見るのは初めてである。いつも自分やダンデを姐さんのように引っ張っていた姿はここにはない。
ただただ、人の目も気にせず声を漏らしている変な人である。
「何で私あんな態度取っちゃったんだろ......」
自分の愚行を嘆くようにつぶやく。
この期に及んでまさかの言葉にキバナは戦慄していた。男が他の女性に抱き着かれて怒る、そんな態度をとってしまう理由なんて一つしかない。
「嫉妬だろ」
「しっ......と......?」
「オレンジが女の子に抱き着かれて嫉妬したんだ」
「な、ないない! 私が嫉妬なんてするわけが......」
「あ、オレンジがさっきの女の子とキスしてる」
ソニアの周りの気温が10下がった。
「してるじゃねえか」
「うっ!」
図星をつかれたのか、うめき声をあげる。
キバナはため息をついて。
「認めたくないならそれでもいいけどよ、時には素直になんねえと手遅れになるぞ」
「......うぅ」
子供みたいに葛藤しているソニアに、キバナは少し安心感を覚えた。
ソニアは一時期周りが見えなくなるくらい自分のことで精一杯だった。同期がチャンピオンやジムリーダーをしている中、一人だけ取り残されている気になってずっと焦っていた。
そんな彼女が今では、恋心について悩めるほどゆとりを取り戻しているのだ。
何があったかまでは知らないが、彼女の中で何かしら変化があったのは確かだ。その理由がオレンジにあるのかどうなのか、キバナには知るよしもない。
ただ何となく、オレンジが絡んでいる気がした。
ところで、キバナはふと思いだしたように。
「そういや、さっきオレンジに抱き着いてた女の子、ポケウッド女優のメイに似てなかったか?」
「はい?」
□
一方その頃、ソニアに見捨てられたオレンジは......。
「あああああああああああ」
四つん這いになって、ソニアと同じようにうめいていた。
「大丈夫ですか、ダーリン♡」
「誰のせいですか、誰の! というか、何であなたがここにいるんですか? あなたかなり忙しいはずでしょう?」
「知らないんですか? 今度、ガラルで『サーナイト娘とエルレイド娘』っていう映画の撮影があるんですよ~。だからお仕事ですよ、お仕事」
「そういうことですか......。お疲れ様です、お仕事頑張ってください」
オレンジは逃げようとするが、がっしりと腕を捕まえられた。普段から鍛えているせいか、見た目よりもずっと力強い。
「逃がしませんよ♡。ずっと会いたかったんですから」
「ですよね」
早くソニアに謝りに行きたいのだが、許してくれない。
こうなったメイは簡単に離してくれない。ここは満足するまで付き合ってあげるのが、一番早い。とオレンジは、以前旅をした時の対処法を思い出していた。
「それにしても、よくここが分かりましたね……」
オレンジはガラル地方に行くことはオーキド研究所内部か、レッドなどの友人にしか話していない。
それなのになぜ、メイがそれを知り、なおかつ自分の居場所まで知っていたのか。
その言葉を呟いた時、コツリと地面を踏む音が聞こえてきた。
「当たり前じゃない。私がサーチしたんだもの」
その声を聞いた途端、オレンジは全てを理解した。
「黒幕はあなたですか……ナツメ」
後ろを見ると、外はねに袖なしの服、そしてタイトスーツのようなピチッとしたズボン。そう、オレンジの幼馴染みでエスパーのナツメだ。
ナツメは嗜虐的な笑みをつくり。
「ご名答」
「本当に趣味が悪いですね。そこでずっと覗き見していたんですか?」
「そうよ。その方が面白いものが見れるって、予知したの。そしたら、あなたが女にふられて四つん這いになってるんだもの、滑稽で笑い死にそうだったわ」
「そのまま、死んでください」
と言い捨ててから、オレンジは何かを思いついたのか不自然なほど笑顔になり。
「何ですか、そのコンプレックスなんて感じてませんと主張するような服は。むしろ、気にしてる証拠じゃないですか。ねえ、貧乳さん?」
その煽りにナツメは青筋を立てる。そして対抗するように笑顔になり。
「あら、これは今、イッシュで最先端のファッションデザイナーに見繕ってもらったものよ? 変な邪推はやめてほしいわ。あ、ごめんなさい。ファッションなんて、万年ダサい服のあなたに理解出来るはずがないものね。私、悪い事言っちゃった」
オレンジの頭にも青筋が走った。
「そのデザイナーさんは相当優秀なんですね。あなたの特色のない胸板をうまく長所にしようと頑張っているのが分かりますよ。おかげで違和感ないですよ! いつもは認識もされない、あなたの胸板がしっかり身体の一部として機能しています!」
「ふふふふふふ、サイコキネシス!」
「エーフィ、相殺しなさい!」
「フィー!」
先に沸点を超えたナツメが先制攻撃を与えた。ポケモンではなく、自力でサイコキネシスしていることに、頭のおかしさを感じざるをえない。
それに慣れたようなエーフィを繰り出し、あっさりと相殺させるオレンジも結構頭がおかしい。
「オレンジさ〜ん、頑張って〜!」
それにまったく動じずにエールを送るメイも大概……etc。
なお、この騒ぎは警察が駆けつけるまで続いた。
Q.第一回弟子トーク!
金「イェーイ!」
橙「……はぁ」
金「ちょ、師匠! 何でそんなにテンション低いんすか! 第一回っすよ! 最初が肝心なんすよ、こういうのは!」
橙「企画はいいですが、ゴールドとトークとか普通に面倒なんですが……」
金「ガチっぽいんで、そういうのやめてほしいっす! 傷つくから!」
Q2人の出会いは?
橙「ワカバタウンで、出会いました」
金「その時、シルバーの野郎に負けてムシャクシャしてたんすよ。なんか、暗いやつがいると思って、憂さ晴らしのつもりで挑んだらボコボコにされたっす!」
橙「その後、私の自称弟子を名乗りストーカーしてくるようになりました」
金「またまた〜。何だかんだ師匠、俺のこと弟子と認めてくれたじゃないっすか〜」
橙「……(よく言えるなという目をする)」
金「あれ!?」
Q.お互いのことどう思ってますか?
橙「馬鹿ですね」
金「ドS」
Q.最後に弟子に一言。
橙「偶にはアポを取ってから研究所に来てください。次取らなかったら、シロガネ山に捨てますよ」
金「……(本気でやりかねないこの人)了解っす」
見たいのは?
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オレンジがアニメ世界に迷い込んだら
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オレンジがポケスペ世界に迷い込んだら
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オレンジが女の子だったら
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オレンジの日常