トラブルホイホイな男が、ガラル地方に行くようですよ 作:サンダー@雷
キャラ付けした割にポケモンたちに焦点当てたことなかったな~と思って書きました。
けして手抜きではない(重要)
遺跡の調査を大方済ませたオレンジ一行は、現在ルミナスメイズの森を進んでいた。
この森は大木に囲まれているせいかとてもうす暗いことと、触れると光る不思議なキノコが有名である。その性質上、フェアリータイプのポケモンが多く生息している。
オレンジは森の幻想的な雰囲気に見惚れていて、ユウリは楽しそうに歩いて、ソニアはしんどそうにしていた。
「そ、そろそろ一回休憩しない?」
「え~、早く森を抜けてアラベスクタウン行きたいです!」
「まあまあ、張り切る気持ちは分かりますが、どっちみち一日で抜けるのは不可能なのですから、ゆっくり行きましょう」
「む~仕方ないですね......」
オレンジがなだめると、ユウリは渋々納得した。
大きな木の下の日陰に椅子を用意すると、ソニアに勧める。
「どうぞ」
「ありがとう......ふう」
ソニアは椅子に腰かけると疲れを隠さずに倒れるように座り込む。
「大丈夫ですか? 最近、夜遅くまで起きているようですが」
「うん、寝不足なだけだから。この前の遺跡発見から、今まで文献の矛盾点とか、新説が出たりとかしてたら、つい夢中になっちゃうのよね」
ふあとかわいいあくびを一つする。化粧で誤魔化しているが、目には隈が出来ていた。
「身体は大事にしてくださいね」
「よく言うわよ。私が起きてるの知ってるってことは、オレンジも起きてたってことじゃない。人に言うなら、あんたも気をつけなさいよね」
「私は他の人より体が頑丈ですから。問題ありません」
「そう、羨ましいわ」
大して羨ましくなさそうに言う。
オレンジは時計を確認しながら。
「少し早いですが、昼食にしますか?」
「でもユウリが文句言わない?」
「心配いりませんよ。ユウリはうまく騙し......説得しておくので」
「騙すって言った! 絶対に言った!」
「言ってません」
そう惚けたオレンジは、すくりと立ちあがる。
「待って。そういえば今日って私が当番の日じゃない!」
「まあまあ、偶にはいいじゃないですか。ソニアはゆっくりしていてください」
「でも......」
ソニアは申し訳なさそうに眉を困らせる。
彼女は甘えるということに対して否定的な考えを持っている。昔の自分のことを思い出すからだ。自分の体調管理をオレンジにフォローしてもらうことについ抵抗感を覚えてしまうのだ。
もっとも、オレンジもそんなことは織り込み済みである。
「いたたまれないというのなら、今日の夜はソニアのカレーを食べさせてください」
ちなみに今日の夜の食事当番はオレンジである。
要するに今は休んで体調を整えることを優先してくれと言っている。挽回の機会を与えることでソニアの罪悪感を軽くするつもりなのだ。
そう言われるとソニアも強く拒否できない。ソニアは諦めたように。
「......もう、分かったわ。私の負けよ」
「それでは私はユウリを説得してくるので、ソニアは料理ができるまでリラックスしていてください」
「うん。よろしく」
オレンジはさっさと歩いて行った。
□
※ここからはオレンジのポケモンたちの雑談です。
オレンジたちがちょっと早めの昼食を楽しんでいる中、ポケモンたちも食事を楽しんでいた。
それぞれ好みの味に合わせたポケモンフーズをもぐもぐとしている中、パーティーのいたずら小僧が動き出す。
「チュー(足りない)」
そう、わがままで弱いものには強気、強いものには弱気、典型的な三下体質ピチューである。
ピチューは普段少食なので、オレンジもそのことを考慮して量を少なくしている。しかし、時々いつもよりお腹が減っている日がある。
それが今日だった。
ピチューは隣でフーズを食べているヤバチャに。
「ピチュ、ピチュピッチュ(足りないから、そのフーズ頂戴)」
「ヤババ!? (ええ、嫌ですよ!?)」
「ピチュピチュ(いいからいいから。新入りは先輩の言うこと聞かなくちゃいけないんだよ)」
「ヤババ......(そ、そんな決まりが......)」
「ガバァガバァ(ないないそんな決まり。嘘つくな)」
呆れたようにガブリアスが否定する。
「ピ、ピチュ。ピーチュ(ち、もうちょっとだったのに。余計な事言うなよ、アホリアス)」
「ガバァ......。ガバガバ(全くお前は......。新入りに変なことを教えようとするのやめろ)」
「ピーチュ(いやだね)」
ピチューはぷいっとすねたようにそっぽを向いた。
ガブリアスはまた呆れたようにため息をついた。
そんなやり取りを見ていたダーテングは口の中のものを飲み込んで。
「ダーテンダー(そういえばピチューって俺にはなんも言ってこなかったすね)」
「......ピチュ(まあ、その時は偶然機嫌がよかったんだよ)」
「ガバァガバァ(よく言うぜ。あの新入りなんか怖いってビビってたくせに)」
「ピチュピッチュ!(別にビビってねえし!)」
「ヤババ......(せこい......)」
ぼそりと呟いたヤバチャに青筋を立てたピチューがかみつく
「ピチュ!? ピチュピッチュ! (ああ!? 今なんて言った!)」
「ヤババババ(あわわわわわ)」
「ガバァガバァ! (おいいい加減にしろピチュー!)」
「ダーテン(そこでキレるのはマジダサいっすよ)」
「ピチャー! ピチュピッチュ!(うるせー! キレイハナにビビってるお前に言われたくないわ!)」
「ダー!? ダダダダダーテンダ! (はー!? べべべべべべ別にあんなやつにビビってねえーし)」
顔を青くしながら言ってもまったく説得力がない。
言い合いがエスカレートしていく。
ガブリアスは焦る。何とか収集させようとするが、もはや聞く耳を持とうとしない。
その時、背後から電気エネルギーを感じる。ガブリアスは悟った、終わったと。
そして四体のど真ん中に電撃が降り落ちた。
「ピピピピ!?」
「ヤバババ!?」
「ダダダダ!?」
電気タイプの技が効かないガブリアス以外の三体は黒焦げになって横たわっていた。
そして背後から感じるゴゴゴゴゴというオーラに、ガブリアスは冷や汗をだらだらと流しながら振り返る。
そのオーラの正体は、オレンジの最初のポケモンであり、このパーティの女帝エーフィだ。
エーフィは殺気に満ちた瞳をガブリアスに向けて
「フィーア(食事中ぐらい静かにさせなさい)」
「ガ、ガバァ!(イ、イエッサー!)」
ガブリアスは敬礼した。
癖が強いポケモンたちが何だかんだまとまっているのは、彼女のおかげである。
オレンジのパーティの序列
エーフィ......女帝。逆らったら殺される
ガブリアス......エース。新人の面倒見がいい。でも、エーフィには逆らえない
ピチュー......よく新人に自分ルールを教えようとしている。ただ怖い子には何も言わない。
ダーテング......生意気な性格。もっとも、キレイハナには逆らえない。似たようなエーフィにも少しびくびく。
ヤバチャ......ちょっと弱気。でも言うことはわりと鋭い。
Q.エーフィとはdのくらいの付き合い何ですか?
橙「父親の下で鍛えられている時からの仲なので、なんやかんや15年くらいですかね? もはや家族よりも私のことを理解してると思いますよ。子供の時は人前でも構わずに無邪気に甘えてきていたのですが、最近は恥ずかしいのかみんなの前では近づいてこなくなりました......まあ、時々部屋で仕事をしていると膝に乗ってくるので、その時は可愛がってます」
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