七星の悪夢 作:クソ雑魚ナメクジ
・七星 恭一(ナナホシ キョウイチ)
性別:男
年齢:29
身長:173cm
使用デッキ:???
セブンスターズ結成当時からいるNo.2。無理に体を酷使し過ぎたせいで体を壊し、寿命を縮めた経歴がある。
彼の周りには小柄な少女の精霊たちもいれば悪魔のような精霊も存在が確認出来るらしい。
人並みの人生を送るため、両親に復讐するために三幻魔の力を奪い取る計画を作っているようだ。
基本的に人間は信用しておらず、他人は利用価値があるかどうかで判断しがち。その反面、精霊たちには甘い姿が見られる。
なお、デュエルの強さはアムナエルより上という噂があるが、セブンスターズ内でその話題を出すメンバーは誰もいない。
煩わしい。そう感じずにはいられない視線が俺に集中していた。十代たちの入学式と同時期での新任講師となった俺は、先程まで職員室にて挨拶をしていたのだ。
なんでも、俺は影丸からの直接の紹介によって例外的に採用された存在らしい。まぁデュエルアカデミア創設の為の資金援助を受け持っていた影丸からのお墨付きであれば、こいつらも文句はあまり言えないのだろう。
因みに俺の所属寮は残念ながらブルー寮になるらしい。
はっきり言ってあの白塗りと同じ寮なのは気にさわるが、鮫島からの指示だ。従うしかあるまい。
まぁ逆に考えればブルーには丸藤や天上院のような面倒な奴がいるため、監視という点に落ち着けばこれもまた良しとするべきなのだろう。
だが、目下一番面倒なのは影丸からの指令だ。その指令とは、遊城十代を監視、及びデュエルアカデミアから逃がさないようにしろという指示だ。
こいつはこの頃から十代の精霊力の高さに気付いていたのだろうか?それともそういった感覚に機敏なのか。
何はともあれ、監視させるのならレッド寮に移せと直談判したいくらいだ。
だがこれにしたって、どうせレッド寮にはアムナエルがいるし監視は奴に任せ、遊城十代が退学にならないように立ち回れば良いだけだ。
しかし今考えてみれば、おかしい点がある。影丸が何故この頃から十代に目をつけているのだろうか。確かアムナエルが告げ口し始めたのはセブンスターズ編に入る手前だった筈。
明らかに原作から離れている事象だ。これは俺というイレギュラーを世界から排除するためか?
……どうでもいいか。どうせ考えたって世界が変わる訳でもないし、やることは結局変わらないしな。
現在ブルー寮で行われている華やかな新入生歓迎会を会場の隅で眺める。きっと今の俺の視線は冷めきったものになっているだろう。
本当の苦楽を知らず、親や仲間に恵まれ、不自由なく育ってきたのだろう。平凡な人生と思われるそれは俺が欲していたものであり、それを当たり前と感じて過ごしているであろうこいつらを見ていると、不意にその幸せをぶち壊してやりたくなる。
「……やめろ」
『…』
鋭い爪が生えたその凶悪な手が手近なブルー生徒に迫った瞬間が見え、俺の一言でスッと手を戻した。
どうやら俺に似て手が先に動いてしまうようだ。まだ誰も殺るべきではないし、こいつの残滓を少しでも残してしまえば奴かアムナエルが機敏に察してしまうかもしれない。故にそれは絶対に避けなければならない。
他の精霊たちは連中から見えないことをいいことに食事にありついていた。パクパクと夢中で食べ物を頬に詰め込むリスのような姿は、負の感情に振り切った俺にさえも微笑ましいと感じさせるのに充分だった。
「あ……あの!」
「……?」
もはや人間に興味を失くし、和気あいあいと食べ物を頬張る精霊たちを眺めていると唐突に話しかけられた。
面倒ながらも視線を声の方へ向けると、そこには何やら見覚えのある姿があった。
「あの、あのあの!あ、あの時助けてくれた人、ですよね?」
「人違いだ。俺は誰かを助けた覚えは全くない。他を当たれ」
「い、いえ!あの、ありがとう、ございました!ずっとお礼が言いたくて……その……えっと……あう……」
「……」
すげなく話を打ち切ろうと別人だと言ったにも関わらず、女子学生は吃りながらも頭を下げてきた。こいつにとってあの時の俺の行動はこいつを助ける為と思われているらしいが、それは全くの見当違いだ。
ただ単に俺をイラつかせた。だから半殺しにした。それだけだ。助けようとも思わなかったし、何なら切り捨てようとしていたくらいだ。
半ば無視する形で無言を貫いていると、女子学生はどんどん顔を真っ赤にさせながら口篭っていく。
煩わしい。あぁ、本当に煩わしい。言いたいことがあるならハッキリと口に出せばいいだろうに。
しかも思いの外声が大きかったようで、一部の生徒がこちらに視線を向けているのが分かる。
その中には天上院妹と丸藤兄もいるため、流石にこれ以上目立つのは困る。
「……あとで外に出ろ。そこで話す」
「っ!?は、はひぃ!し、ししし失礼します!!」
なるべく苛立ちを隠しながら女子学生に耳打ちをすると、女子学生はボンッ!と音が聞こえてきそうな程顔を真っ赤にさせて、逃げるように走り去っていった。
未だ視線は俺に刺さっているが、面倒事は現在遠ざかっていったのでこれ以上気にするのも無駄だろう。
未だにちょこちょこと動き回ってテーブルを漁る精霊の姿を視線で追う。
……あいつら、どれだけ食うつもりなんだ。