OneMore!Manage mentダンガンロンパ~絶望的な三流茶番劇~ 作:ヴァミド
…私ですか?
特に名乗る必要すらない、いっぱしのアナウンスでございます。
アナウンス①
「カタカナで表記される人物名の下から、また別の人物名までは
最初の人物名のセリフや独白など、という形式でございます。」
カタカナの人物名を目印に誰が話しているかを判断していただく…という
皆様に少々お手間をとらせてしまうものでございますが、ご了承くださいませ。
アナウンス②
「また、文中に紛れるいわゆる大切かもしれない言葉は”黄色い文字”
その視点の人物の独白は”青い文字”、地の文は”「」のない黒文字”でございます。」
アナウンス③
「少々例として、分身して説明をさせていただきました。説明は以上なので、もう戻りますが、ご理解いただけましたか?」
…理解が出来なかった!というお方は、申し訳ございませんが、感想という物に
”優しい言葉”で教えてやってください。乱暴な言葉では繊細なアナウンスは壊れてしまいます。
長々と失礼いたしました。
いわゆる蛇行を重ねる牛歩の歩み。というものでございますね。
とある御人を中心に巻き起こるどんちゃん騒ぎには、いささか準備が必要なのでございます。
――――大事な題字がprologue①、では味気ない?
いえいえ!……まだ、あなた方の知っている情報ではないはずでございましょう?
時が来て、キチンと然るべき情報を入手出来れば、自ずと開示されますよ。
Prologue【希望の華、可憐に咲く】①
誰もが羨んでいるその学園は、この国にそびえ立っていた。
運動、勉学、芸術、職務。
ありとあらゆる分野で国内で頂点に輝いた高校生を集め、
その能力を研究し伸ばす事を目的とした学園である、私立希望ヶ峰学園。
…の特別分校、私立
完全スカウト制で入学を許可するこの希望ヶ峰学園、
才能ある彼らを一般の高校生のレベルを超越した存在…”超高校級”と称し、
国の未来を担う彼等に対する政府の協力もあって
学費の免除は勿論、医療費の免除、奨学金制度…
能力強化の為の設備や道具を完備、選挙権の寄与も行うほど…
…という、超が付くほどの優遇措置を、”超高校級”の彼らに執り行っている。
”卒業すれば、成功を約束されたも同然”………
…なのだが、無論、”超高校級”の彼らも人間だ。様々な事情で登校が難しい場合もある。
そう考えた政府は、そんな”超高校級”の彼らの為に、郊外などに特別分校を設置した。
手厚いサポートと、政府の粋な計らいもあり、
そんな喉から手が出るほど欲しくなるような栄光と名誉を手にした、
超一流の優秀な生徒達が通うとされる学園の門の前に、
私は立っていた。
……あれ。
――ザザッ。 忘れるな。
私、は…
――ザーッ、ザザッ―――この学園に、
一体何をしに
ザ――――ッ、希望は
この学園の前に立っているんだっけ………?
―――――――――――――――――――――――――ザーーーーッッ
そんな事を考えている間に、
―――――――――――――――――――――――――――――――――
私の意識は
―――――――――――――――――――
砂嵐と共に
塗りつぶされた。
―――――――――――――――――――――――――ブツッ
【Prologue 希望の華、可憐に咲く】
???
…かなり長い時間、寝ていたような…気がする。
体の節々が相当固まっているような感覚と こきり、という不思議な音が、
その”気がする”を”確信”に変えてくれた。
意識が戻って早々、強烈な洗礼を受けたなぁ…
瞼を開けることさえも大変。
???
「……………の」
「あの、大丈夫ですか…?」
???
誰かが声をかけてくれてる?
…重い瞼を半ば無理やりこじ開けてみた。
???
「あっ、起きた…んでしょうかね?大丈夫ですか?」
???
眩しい……空?それと、すごく綺麗な人…
「う、うん。体の節々から不思議な音はしてたけど。…おはよう?」
???
「はい、おはようございます。って、えぇ…?本当に大丈夫なんですか?それ…」
「まぁ、貴女がそういうのであれば私は何も言えないんですけど」
???
「自分の名前…は言えますよね?」
キノサキ リン
「えっ?あー…うん。私は、
???
「木ノ崎さん、ですね。私は
超高校級の幸運ということで入学した
しがない一般人です。どうぞよろしくお願いしますね。」
キノサキ リン
正直、とてもじゃないけど”しがない一般人”とは思えない…
トナギ マエコ
「失礼ですね…。どこからどう見ても、冴えない見た目の一般人でしょう!?」
キノサキ リン
…思わず声に出ていたみたい。
でも、さすがにその金髪と…
綺麗なスタイルで冴えない見た目を名乗っちゃいけないと思う。
「ご、ごめんね?えっと…これから、よろしくね。トナギさん。」
トナギ マエコ
「えぇ、よろしくお願いします。貴女は、どのような才能でスカウトされたんですか?」
キノサキ リン
トナギさんと同じように”超高校級の”と
答えを繋ごうとしたけれど。
自分を表す才能がまるでカーテンで隠されたかのように、思い出せない。
「………才能、は。…あれ?」
魚みたいに口をパクパクとさせるだけになってしまった。ちょっと恥ずかしい。
トナギ マエコ
「まさか、貴女も…ですか。」
キノサキ リン
「え、”貴女も”?」
トナギ マエコ
「あ、そうなんです。貴女より少しだけ早く目が覚めた子の一人が…
実際あった方が早いですね。他のクラスメイトの皆さんとも、
挨拶をしておいた方が良いでしょうし。」
キノサキ リン
まさか記憶をなくした人が自分以外にもいるとは。
……珍しいこともあるんだな。
「…うん、わかったよ。トナギさん。行こう!」
トナギ マエコ
「動揺しないんですか!?えっ!?ちょっと、木ノ崎さん!?」
キノサキ リン
自分が記憶喪失だということも忘れて、
私はまだ見ぬ他のクラスメイトにワクワクを抑えられないまま
走り出していた。
[???]
キノサキ リン
今居る場所の地理も知らないのに、トナギさんに皆のいる場所も訊かずに飛び出してしまった…。でも、一人はいるみたい。
トナギ マエコ
「もう、まさかいきなり走り出すなんて…」
キノサキ リン
「ごめんなさい、つい。…早く皆に会いに行きたくて。」
トナギ マエコ
「全く、せめて報連相はしっかりしてくださいね?知らない場所にいる以上、何があるかわからないんですから…」
キノサキ リン
トナギさん、お母さんみたいだな…
???
「ん?都凪サン、その人は?」
トナギ マエコ
「あぁ、この人は木ノ崎臨さん。この方も記憶喪失のようで…」
キノサキ リン
「木ノ崎臨です。私、才能が思い出せないんだけど…仲良くしてくれると嬉しいな。」
???
「あぁ、そうだったんだ。ボクも記憶喪失なんだ。君と違って、ボクは名前も思い出せないみたいなんだけど…お揃い、かな?こちらこそ、仲良くして欲しいな。」
キノサキ リン
この人が、自分以外に居るって言う、記憶喪失の人…。思ってた以上に早く出会ったなぁ。
「あ、あなたがトナギさんの言っていた…名前も、思い出せないんだ。大変だね…。
…!!っねえ、アナタが名前を思い出すまでの間の名前とか、考えたりしてもいいかな?」
トナギ マエコ
「あら、それは良いですね!いつまでもあなた、などと呼ぶのも味気ないですし…そうですね…」
キノサキ リン
「カリナとかどうかな?」
???
「カリナ?」
キノサキ リン
「うん、仮の名前でカリナ。…安直だよね。」
トナギ マエコ
「確かに安直ではありますよね。流石にそれは…どうなんでしょう?」
キノサキ リン
トナギさんにまで安直と言われてしまった。
流石にこんな安直なネーミングセンスじゃこの人も嫌…かもしれない。
???
「……カリナ。………うん。気に入った。ありがとう。
とりあえず、記憶が戻るまではそう名乗らせてもらうよ。」
カリナ
「改めて、ボクの名前はカリナ。よろしくね。木ノ崎サン、都凪サン」
キノサキ リン
「うん!よろしくね、カリナさん。」
カリナ
「なんだか、名づけ親にさん付けされるのは…へ、んんッ!!不思議な感じだね…」
キノサキ リン
…今、変って言いかけたのかな。
誤魔化すために盛大に咳払いをしようとしてむせちゃってる…
トナギ マエコ
「だ、大丈夫ですか!?カリナさん!!」
カリナ
「あ、あぁ…大丈夫…ちょっとツバが気管に入った気がするけど」
キノサキ リン
「それは……大丈夫なの?」
カリナ
「うん、大丈夫だよ。……多分。」
キノサキ リン
すごく不安になる一言を聴いたような。
気のせい、にしたほうが良いのかな…これ。
???
「お?なんだい。ちょっと洋館に行って戻ったら、随分楽しそうじゃない?」
トナギ マエコ
「あ、アイダノさん。先ほど起きた子を連れて………いえ。
この子が勝手に駆け出して行ったので、追いかけたらとりあえずここに着きました。」
キノサキ リン
なんでこんな怖そうな人の前でわざわざ言っちゃうのトナギさん!?
怒りっぽかったりするのかな…?どうしよう……
と、とりあえず、自己紹介、しないと!!
「えっと、木ノ崎臨です!よ、よろしきゅお願いしましゅ!!」
……盛大に噛んでしまった。
アイダノ レンカ
「…」
キノサキ リン
…………もうだめかもしれない。
殴られるのかな?頭を殴られたら、記憶戻ったり…しないかな。さすがに
アイダノ レンカ
「あっはっはっは!随分と慌てん坊なんだね。大丈夫、捕って喰いや…あぁ、いや。
捕って殴ったりしないから、安心しな?」
キノサキ リン
「…えっ?」
アイダノ レンカ
「アタシは、
「まぁ色々曲に歌詞をつけてるんだ。それでどっかお偉いさんの目に留まったんだろうね。…うん、アンタみたいなカワイイ子は愛でるに限るね。」
カリナ
「あれ?ボクにはそんなこと言ってないよね?ちょっと妬けちゃうな~?」
アイダノ レンカ
「あ?そりゃアまぁ、起きてすぐ記憶喪失だーなんて話聞いて、そんな子をすぐに口説けるほど図々しくないからね!」
トナギ マエコ
「そんな配慮が……」
カリナ
「それは嬉しい!ありがとー!…って言いたいところだけど。
そこのリンも、記憶喪失だよ。ボクほどじゃないみたいだけどね!」
キノサキ リン
あれ…?思っていたより…怖く、ない?
さっき失礼なこと考えちゃった…申し訳ないな…
アイダノ レンカ
「そうだったのかい!?そりゃあ、なんつーの…悪かったね。
臨…だっけ。あんまり気に病むことはないよ。記憶が戻ろうが戻るまいが、
アタシはアンタの味方だからさ。
それに、こんな黒ギャルがいきなり話しかけてきたら驚きもするよね。」
キノサキ リン
「へっ!?え、あっ、ごめんなさい…ありがとう、アイダノさん。」
アイダノ レンカ
「あはは。アンタ顔に出やすいんだね。素直なのはいいことさ。なぁ?」
トナギ マエコ
「えぇ。それは本当に。あ、少しお尋ねしたいんですが、他の皆さんは?」
アイダノ レンカ
「そこの森を抜けた洋館があるんだ。さっきそっちに顔出した時には、チラホラ人はいたけど…案内しようか?」
トナギ マエコ
「あら、それはぜひお願いしたいところです!
誰かさんがあわてて飛び出すこともないでしょうし。」
キノサキ リン
…トナギさんの視線が痛い。
口調的には…あんまり怒ってはいないみたいだし、大丈夫。…だよね?
私たちはアイダノさんに案内されながら、洋館を目指して、森の中へ足を踏み入れた。
おやおや。欲しがりサン、というものでございますか?慌てない慌てない。
……欲張りは泥棒の始まり、と言うでしょう?…え、言わない?
…………細かいことは良いのです。
小さかろうが遅かろうが一歩は一歩。
今の彼女たちご一行様の大事な一歩を、しかと目に焼き付けてやってくださいね?
なんと今の彼女たちご一行の半数は記憶喪失!これだけでも褒めてやってナンボというものでございます。生きてるだけで偉い!そんなレベルです。
……この言葉の数々に深い意味はございませんよ?
えぇ、ございません。ないはずでございます。