またこの夢だ。
夢のはずなのに、まるで現実のよう。
僕は知らない平野に立っていた。
空は紅く染まり、幾多の烏が舞い踊る。黒い羽が舞う。端から見れば、幻想的にも見えなくもない。
鼻につく血の臭い。こんな匂いなど、嗅いだことすらないのに僕はなぜ血の匂いだとわかるのか。
周囲を見渡せば、死体の山。
死体達は見たこともない、独特の衣服を着ている。
共通していることといえば、皆が模様の入った額当てをしていることだけか。
夢のはずなに、知らないはずなのになぜ、僕はこの光景をなぜ懐かしく思うのだろうか。
わからない、理解出来ない。
唐突に、空を舞う烏たちが一斉に鳴き出した。いつものように、彼が来たのだ。
とある死体の山に目線を合わせると、いつものようにそいつが現れた。
死体の山に立つ一人の男。
背丈から成人なのだろということがわかる。
黒地に赤雲の模様がついた外套と、笠を身につけている。
顔は笠のせいでよく見えない。
肩には、一匹に烏が留まっていた。
その烏の瞳は特徴で、片目だけ紅く三つの勾玉模様が浮かんでいた。
彼の声が聞こえる。
「・・・.暁・・・・写輪・・・・・」
いつものことだが、やはりうまく聞き取れない。
彼が話す言葉は、常にノイズが入ったように聞こえる。
まるで、壊れかけのラジオのように。
唯一聞き取れることといえば、何かを指しているだろう固有名詞だけ。
そして、響く単語の声色から、男性とわかるぐらいだ。
彼の言葉を聞き取ろうと耳を澄ましていると、次第に頭を抱えるほどの頭痛がしてくる。
夢が終わる。
ついには、立つこともままならず僕は意識を手放した。
いったいこの夢も何度目だろう。
彼はいったい僕に何を伝えようとしているのだろう。
彼はいったい誰なのだろう。
ベッドから起きると、相当な汗をかいたのだろう、汗を吸った寝間着が肌につき気持ちが悪かった。
「またこの夢か・・・」
ため息をつき、ベッドから這い出るとカーテンを開けた。
窓の外はまだ薄暗かった、空を見上げると次第に明るくなり、鳥たちのさえずりが聞こえる。
ふと、庭の一本の樹木を見つめると烏がいた。
僕と目が合うと、一鳴きしてすぐさま薄ぐらい空の彼方に飛び去ってしまった。
残されは樹木には春の訪れを感じさせていた。
「もう、春か・・・・」
そう小さく呟いた少年の名前は 内葉イタチ。
年は、6歳、今年から私立聖祥大附属小学一年生になる。
間もなく、少年は知ることになる。
夢の意味を、そいて自分という存在を。
とりあえず完結を目指して頑張ります。
駄文ですが、よろしくお願いします。