ログ・ホライズン-『現実の生産者』 作:サブ職業:小説家 lv.1
「…えっ?」
目を開けた時には、何もかもが違う世界だった。
「なんだよ……っ」
「お、俺っ。おかしい、なんだコレっ!?」
「だ、誰か出てこいよっ! 責任者、おいっ! 聞いてるんだろうっ!!
…確かに叫び出したい気持ちは分かる…のだけど、それでも人間というのは下の人間を見ると安心してしまうらしい。
私はなんて格好悪いんだろうって思いながらも、ゆっくりと歩く。
白いローブ姿の彼が地面に寝転がっているのを見ながら、私はどうにかしてメニューを出せないかと思案して…
「…誰か…誰か助けてよぉ…」
路地で、泣いている女の子を見つけた。
身長は私よりも大きいが、声が若すぎる…もしかして元々子供なんだろうか。
彼女は私を見た瞬間…
「あ、あ…あの。その…えっと…」
怖がり、逃げようとしても足が竦んで動けない様だ。
逃げられたらそれはそれでだったのだけど…取り敢えず落ち着くように目を合わせてお話する。
「落ち着いて」
「た、助けて。怖いよ此処…私、お家に帰りたいよ…」
「…私もだよ。本当は、パソコンの前でゲームする予定だったのにね」
そういって優しく頭を撫でようとして…触れられるのを怖がったのか身体を震わせるのを見て、手を引っ込めた。
…そのままお互いに見つめ合って立ち止まり…
「えっと…私はサミダレって言うんだ。貴女は?」
「私はハヅキです。
「ああ、そこまで言わなくても良いよ。取り合えず私のギルドハウスに行こうか」
「は…はい」
優しく手を包むように、両手で彼女手を取って、そのまま手を繋ぐ。
そして私達がギルドハウスに歩いて行き…一人の少女とぶつかった。
「ぐえっ!」
「痛い…歩くときは前を見ないと危ないよ…って、ミントか」
「サミダレさん、大丈夫ですか…?」
「ああうん、大丈夫。この人の鎧でダメージ受けそうになったけど…」
茶化しながら立ち上がって服の土を払っていると、ミントがハヅキの方をジッと眺めていた。
「…ねぇ。その子も私達のギルドに入れるの?」
「うーん…ギルドに入れるというよりは保護が目的かな?彼女は私達のギルドの加入条件に合ってないだろうから」
「そりゃそっか。まぁ私は入れても良いんだけどねー」
「さっきの顔で同じ事もう一回言えたらその言葉を認めてやろう」
「あの…加入条件って…?」
会話に入ってなかったハヅキが堪らずといった感じでこちらに話しかけてきた。
私達は顔を合わせた後、嬉しそうに笑う。
「私達のギルド『
「例えば私ことミントは、レストランの料理人だったり、今手を繋いでいるリーダーは時計技師だったり」
「そう…何ですか?」
ミントの言葉を聞いて少しだけ首を傾げるのを見て、私は少しだけ苦笑した。
「まぁね。と言っても、皆に比べたら私は大したものじゃないけど」
「今や一流の時計技師のあんたが何を言う」
「ふ…二人共、お知り合いなんですか?」
「まぁミントとは幼馴染だしね。それでなくともオフ会は結構してたし」
…そんなお話をしていると、今度は装備を整えた他の人達が扉から出てくる。
出てきた中から一人の付与術師が私達の方まで来て、表面上申し訳なさそうな表情で喋りかけてきた。
「ごめんなさい、今は依頼を受ける事出来ない…って、リーダー!もう少し早く来て下さい!私の負担が…って、彼女は誰です?」
「あ、えっと…私は…」
「ハヅキって言う女の子、保護したの」
ハヅキ自身に自己紹介させる前に、私の方で先に紹介をした。
私の方で紹介した方が信用が得れると判断したからだ。
「…そっか。うん、わかった。私はメル、よろしくねハヅキちゃん…そして」
「私はエリナ、そして彼女はツキサギって言うの」
「……よろしく」
「所で皆どうして外に?依頼断る為って訳じゃなさそうだし」
私が三人に対して質問すると、ミントが困った様に笑った。
「これから外に出て戦闘しに行こうかなって、ヒーラーとエンチャンターだけだけど低レベルなら十分かなって」
「うーん…PK来た時の対策として花鳥風月のメンバーを呼んでおいて欲しいかも。彼女達は今何処に?」
「…皆…離れてる。アキバから離れて…素材収集してたから」
そういえばそうだったと小さく口を歪ませた。
…人数が少ない分他の皆もアキバから離れていた筈だ。
後で色々集めておかないとと小さく息を吐きながら、私は考えを纏めた。
「今回は彼女達と合流する事も兼ねていますが…リーダーはどうします?」
「あー…私は行っても良いけど…」
私隣を見ると、ハヅキが私の手をギュッと握ってきた。
…人数は四人だから…うん。
「ハヅキはどうする?行きたいなら…」
「い、行きます!連れてってください!」
「じゃあ行こうか」
私達はパーティを組み、外に出る道へ喋りながら歩きだした。