ログ・ホライズン-『現実の生産者』   作:サブ職業:小説家 lv.1

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「えっ、会敵(エンゲージ)!数五つ!レベルは62です!」

「了解。武士の挑戦!」

 

私は全員の前に立ち、武士の挑戦をメニューから使う。

武器を取り出しながら敵を見据え、私は周囲を警戒する為に視線だけを動かした。

 

「え、援護行きます!従者召喚:アルラウネ、あ、後ウィロースピリット!」

「…石凝の鏡。……禊ぎの障壁」

「キーンエッジ!」

「慈母のアンセム!」

 

四人が操作をしながら私に援護をする。

ミントは私より少し前の位置に立って警戒をし続けながら、武器を構える。

そしてスキルを使おうとして…視線を前の敵に向けた瞬間に勝手に操作された。

…結果、

 

「…ちょ、あらぶってるあらぶってる!」

 

私の目線は敵から離れ殴られる瞬間に…ミントに庇われた。

私は急いでスキル欄を開きなおし、スキルの選択をする為に大量に開いたメニュー欄を閉じていく。

 

「っ!今の内にスキルの選択を…きゃっ!」

「ミント!」

 

ヘイトを取り切れなかった為、ミントが攻撃した瞬間ヘイトがそちらに向いた。

彼女を助けようとする為、私は武器を構えて敵の方に突っ込み…

 

「火車の…太刀!」

 

気付けば私は、コマンドを選択する事無くスキルを発動したのだ。

ミントを襲っていた相手は一瞬で溶け、相手の身体が溶け消えていく。

 

「…今のは…?」

「考えるのは後!兜割り…そして、居合いの構え!」

 

全体に攻撃を与えた後に、私は居合いの構えを取る。

集中しているからか、木霊返しは発生していた…だからこそ敵が攻撃をしようとしたタイミングで私は口を緩ませた。

 

「後の先、浮舟渡り、瞬閃、電光石火!」

 

後の先で迎撃態勢を取り、浮舟渡りで命中率を高める。

瞬閃を使い攻撃速度を上昇させて、電光石火でスーパーアーマーを付与する。

そのまま武器を掴んで微笑みながら…

 

「っふ!」

 

両刀を抜き、現実では…なんてレベルではなく、今までのゲームでもありえない様な居合をする。

踊る様に両刀で斬りながら、敵を殺す。

そして何度も攻撃を回避、迎撃を繰り返し…敵が居なくなるまで斬り続けた。

今まで刀を振り回した事が無かった私は、最後の敵が居なくなると同時に…地面に寝転がった。

 

「サミダレさん!?」

 

ハヅキが援護歌を止めて私に近づいてくるのを見つつ、私は辺りを警戒しているメイに対して質問をする。

 

「…ふぅ…これで、終わり…?」

「えぇ…特に辺りに敵は居ないと思います」

「…別に来ても、私が戦う」

 

ツキサギの言葉を聞いてエリナが小さな声で呟いた。

 

「あれは戦うというより虐殺だと思うけど…」

「エリナ、なんか言った?」

「ごめん、何でもない」

 

ツキサギが辺りを警戒して、ミントがヘイトを取れる様に準備をしている。

…もしこの二人と出会った人がヒーラーだと知ったら、一体どんな反応をするんだろう?

なんて考えていた時に、

 

「…っ!魔法の反応が!」

 

メルの声と共に私は起き上がり、全員が魔法を回避した。

そして私以外の全員が武器を抜いて警戒をする。

 

「よぉ、良い夜だな…俺らにとっては…だが」

「いえいえ、こちらこそ良い夜ですよ。それに…こんな状況でPKですか?」

「こんな状況だからだよ。今の状況なら黒剣の団長も見てないしな!」

「…待ちなさい。つまり貴方達は黒剣騎士団の一団だと?」

「そうだぜ!ビビったかぁ?もし助けてほしかったら、そうだなぁ…金と身体でも差し出して…」

「消えなさい」

 

その言葉と共に、ミントが全力で走って武器を振るう。

…まだ最低限理性がある事に安心しつつ、私はエリナに命令をする。

 

「エリナ。貴女が指令をしなさい!」

「分かった!メルはウィロースピリットとシュリーカーエコーで妨害、ミントは自分の意思でスキル使用のタイミングを図って、そこから指揮を開始する!」

「「了解」です」

 

全員が武器を構えて各自でスキルを使うのを見て、少しだけ驚いた後に…エリナの方を見て嗤い出した。

 

「はん。エンクを入れてるパーティが強い訳がねぇ。てめぇらやっちまえ!」

「アイザックのギルドに入って付け上がったなゴミ以下が!ホーリーシールド!」

 

盾を光らせて殴る攻撃を入れ、ミントは一回バックステップをして下がる。

そして目線を左に移動させたミントを見て私は右に全力疾走をする。

 

「糞!あんな見た目で惑わしやがって…タンクじゃねぇのかよあいつ…」

「インフィニティフォース!」

「私はタンクだから安心しなよ…朱雀の構え!一刀両断!」

「っ!糞!」

 

ミントの攻撃で面喰らっていた彼に対して、私は一刀両断を発動する。

タンクの威力というには驚く程高いダメージを喰らった彼に対して、私はニッコリと笑う。

 

「あの世か大神殿かわからないけど、後悔しながら死ね!一気呵成、一刀両断!」

「まっ…ぎゃぁぁ」

「次、奥のヒーラー!」

 

エリナが命令をするのと同時に、ツキサギが魔法を唱えだす。

それを見たヒーラーが絶望の表情を浮かべ、そのまま命乞いをし始める。

 

「ヒッ!ま、待ってくれ!俺は唯…」

「討伐の加護………もう遅い、剣の神呪」

「も、猛攻のプレリュード!」

「兜割り!」

 

私が猛攻のプレリュードのお陰でリキャストが溜まりきった兜割りを放ち、相手のヒーラーを殺しきった。

 

「ナイス、キーンエッジ!行きなさい、ミント!」

「さっきのあの黒剣の野郎を倒せなかったのが本当に嫌だけど…折角だからそこでボーっとしている吟遊詩人(バード)で我慢するよ」

「…あ、何時の間に…」

「遅い!フェイスフルブレード!最大溜めの威力喰らえ!」

 

ミントのフェイスフルブレードが吟遊詩人(バード)の首を跳ね、彼が持っていたお金等が落ちる。

 

「これで三人、残りはキャスターなんだけど…ああ、大丈夫っぽい」

 

森の暗がりから、四人の人が現れる。

それを見たハヅキは警戒して弓を取り出したが…私がそれを止めた。

それと同時に現れた四人が安心した様な表情で武器を仕舞う後に…

 

「…やっほー。パーティ、花鳥風月。戻って来たよー」

「周りに居た9人、全員殺しておきました」

「早く街に戻ったら流石に出会わないだろうから、さっさと行きますか」

「というかあいつら、どうしてコマンドで操作してたんだろうね?」

 

パーティ『花鳥風月』、元々はギルドだった彼女達と合流したことによる安心感からか、異様な疲れが身体に溜まった感じがした。

それを見たエリナが小さく首を傾げるが、私は気にしない様に微笑みながら全員に喋りかける。

 

「取り敢えずご飯作ろうか。ミントが腕によりを掛けて作るよ?」

「…この世界、現実での腕が関係するんですか?」

「分からないなぁ…まぁでも、もし関係したら私達の仕事で得た経験は無駄じゃなさそうだね」

「…取り敢えず帰ろう。リーダー疲れてるみたいだし」

 

その言葉を聞いて私は思わず苦笑しながら首を横に振るが、他のメンバーは気にせずに私の手を握ってから歩きだした。

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