ログ・ホライズン-『現実の生産者』   作:サブ職業:小説家 lv.1

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「…という事で、今日は皆で戦闘訓練ね。そしてその後に抜けて貰う人を決める感じ」

 

少しだけ微笑みながら、私はゆっくりと全員を見つめる。

…と言っても今此処に居るのはダメージディーラーだけだ。他の全員は私の後ろで遊んでいる。

 

「連携とか色々確かめたいし、皆がどれだけ今の状態で戦えるかを見ておきたい」

「…質問です」

「どうぞエリナ」

「どういう感じで決めるんですか?」

「私達の独断と偏見。駄目?」

 

その言葉に少しだけ首を横に振りながら、彼女はゆっくりと話を続ける。

 

「いえ、それは分かっています。けれど…ダメージ量とか、デバフで決める可能性もあるじゃないですか」

「ふむ。統計でいえばエリナはダメージ量が上だけど?」

「そういう意味ではなく。個人のダメージ量としてです。後は役割被りもあります。指示が明確に理解若しくは出来るかどうかも…」

 

一度エリナの言葉を止めて、私は少しだけ口を緩ませた。

…それを見たエリナが少しだけ首を傾げるのを見て…私は息を吐いてから微笑んだ。

 

「はいストップ」

「んっ…」

「考えている事は分かるし、それが良いってのもわかるんだけど…流石にそれだとアレでしょ?」

「マスター。流石に指示語が多い」

「でもみんな考えている事は同じなんでしょ?それなら通じてる筈だよね?」

 

私の一言を聞いて、誰もが視線を逸らしたりし始める。

…つまりはまぁ…自分達が行きたいけどどうすればよいのかわからないという事だ。

そしてそれを手っ取り早く解決できる方法として、ギルドに入っていないハヅキを捨てるのはどうかという事だ。

そうすれば今いる全員が何とか出来るという事で…まぁ理にかなっているのではあるのだろう。

 

「私はそういうので選ばないのは昔から知ってるでしょ?誰であろうとちゃんと連携出来るならその人に任せる」

「…それは…そうだけど…」

「だから今回のメンバー決めをやってる訳で。まぁ…おいていかれるのが辛いというのも分かる。もう少しメンバーがこっちに来たらダブルレギオンでも良いって考えてたしね」

 

そう言いながら微笑めば、彼女達は少しだけ目を逸らす。

…まぁ結局は、ハヅキの能力を見てないから一緒に組むのを渋っている訳だ。

それなら…

 

「はい!そろそろ全員が出来ないと言うなら連携練習始めるよ!」

 

小さくため息を吐くのと同時に、全員を急かす様に手を叩いた。

それを聞いた全員が焦ってパーティ申請をするのを見ながら、私はもう一度ため息を吐いた。

 

 

会敵(エンゲージ)!視認2つ!」

「りょ。ハヅキちゃんはそのまま歌ってて。私が何とかする」

「は、はい!」

 

敵側の三人が色々喋りながら警戒しているのを見て、私は少しだけため息を吐いた。

…結局こうなるよなぁ…なんて考えとか、まぁそんな日もあるよなぁ…と言う諦めとかも含んだ…とても良いとも、少しはマシとも言えない連携。

話す時間とかちゃんと上げた心算だったんだけど…どうやら其処まで話をする余裕はなかったらしい。

 

「十秒後に後ろ下がって。五秒で撃ち始めていいよ」

「「了解」」

 

私が武士の挑戦を吐き出して、目の前の敵とにらみ合いになる時間と…その三秒後に全員が私を攻撃し始める時間。

合わせて五秒で警戒を逸らすのが…私達の目的だ。

 

「始め」

 

私が相手の刀を力任せに弾くのと同時に、私の後方から一人が攻撃を仕掛ける。

…それと同時に私に対してバフが掛かり、後ろから魔法の攻撃が飛んでくる。

 

「っ!」

 

狙いは勿論ハヅキ。

今回お相手はハヅキを潰せば残りは回復擬きくらいしか恐れる者はない。

だから速攻で狙ったのだが…その狙いは読まれていたらしい。

“遠くから”武士の挑戦が入り、私達は思わず苦笑してしまった。

 

「敵にすると本当に面倒ですね…どうしますか?」

「取り敢えず私がお相手する。ヒーラーは…うーん…」

「……まだ駄目?」

「うん。もう少しだけ待ってて。その分ちゃんとした見せ場を作るから」

「…分かった。特大のをお願い」

「お相手的に難しいけど…出来る限りはやろうかな」

 

その言葉と同時に私は刀を右手の刀を逆手に変え、左右のスピードを変える。

そのまま瞬時に首を横に振り、相手の鏑矢を避ける。

 

「…面倒だなぁ。一応無視しておくにしても、ちゃんと無視をするとそれはそれで…」

「……ボスだと逃げ撃ちが出来ないらしいから、今生き生きしてるね」

「さて、このままだと普通に死ぬし…お願いできる?」

 

その言葉と同時に、遠くで何かが発射される音が聞こえ……武士の少女が倒れる音が聞こえた。

それと同時に私はハヅキに一撃を入れ、返す刀で一撃入れる。

 

「っ!」

「ハヅキ瀕死(レッドゾーン)。残り5」

「……月影瀕死(れっど)。残り4」

 

武士と吟遊詩人を瀕死(レッドゾーン)に追い込んで放置。

次に片手の刀を順手に持ち替え、そのまま瞬時に回復職に追い縋った。

彼女は詠唱を止めてそのままため息を吐くのと同時に…盾を使って私の刀を抑えた。

 

「…流石」

「さっちゃ…コホン。サミダレの事なら全部わかりますよ」

「……じゃあ、これからする事も?」

「それは、どうでしょうね?」

 

その言葉と同時に盾が光始める。

…ホーリーシールドかと、小さく舌打ちをするのと同時に私の視界が白くなる。

それと同時に、聴覚と勘だけで真後ろからの攻撃を捌いた。

 

「…つよい…」

「成るべく音を出さずに。アイザックなら気付いたぞ?」

「……ん、頑張る」

「ほい」

 

その言葉と同時に、私は瞬時に首を狙いつつ…くるりと回って盾を踏みつけた。

…それを無理矢理引き剥がそうとしてくる梅雨に微笑みながら、私は蹴りを入れる。

 

「っ!」

「タンクやりたいなら痛みを恐れない事」

「…はい!」

 

瞬時に反撃の一手を加えながら、私は一歩下がって障壁の更新を行う。

それと同時に真後ろからの一撃を跳ね返しつつ、避けられない攻撃に合わせて受け流しをした。

 

「…本当に削れない。どうすればよいと思う?」

「……別機動隊が何とかやってくれれば良いのですが…」

 

その言葉と同時に、二名が瀕死(レッドゾーン)に入ったのを耳に入れつつ、少しだけ苦笑した。

それを聞いた二人は小さく目を合わせ…そのまま小さく微笑んだ。

 

「…さて、形勢逆転ですかね?」

 

その言葉と同時に私の周囲に四人が集まりつつある。

…と言っても、其処まで怖くはないが。

今の私は障壁も限界まで張られているし、他のスキルも万全だ。

次からの試合もないし、私としてはかなり楽になってくる。

 

「…かと言って、このまま放置しても死にそうだし…ふむ」

「諦めますか?」

「……ううん?諦めないよ?だってさ…」

 

その言葉と同時に、私達の頭上から剣が降り注いできた。

それを回避しようとするが、それと同時に全員の動きが鈍くなる。

 

「回復役の瀕死(レッドゾーン)を確認するまでは気を抜かない事。ずっと逃げてる付与術師は無理やりでも追う事。後は…囲んで叩けば勝てると思わない事?」

「…うわぁ。後で課題盛沢山だぁ…」

「こういう風にならない為の吟遊詩人だよ?初手からずっと適当な歌を歌わせてたら意味がないでしょ?」

 

その言葉と同時に大量の剣が落ちる。

それを見た二人が自傷を行って瞬時に眠りの抵抗を完了し、逃げていく。

…私は残っている三人に指示を出してから瞬時に息を吸って…全力で範囲から逃げ出した。

 

「…じゃあ教えて。私は何が間違ってた?」

「色々間違ってたよ。先ず初めに、もう少しちゃんと話さないとちゃんと意思道理には動かない」

 

その言葉と同時に、片手で攻撃する白灰姫が苦痛に歪む。

…一応話はした。けれど何かがあって気不味い雰囲気になってしまった…と言う感じだろうか?

 

「ふいんき大事だよふいんき」

「…それは、変換できないネタですか?」

「そうそう。…っと、ヒーラー半分(ハーフ)。麻痺でいいよ」

 

その言葉と同時に、ヒーラーが撃たれ…瀕死(レッドゾーン)になり退場。

…それと同時に私が飯綱斬りを放ち、もう片方の少女を瀕死(レッドゾーン)に変わった。

 

「残りは二人。続ける?」

「…続ける」

 

その言葉と同時に私の首元に小刀が来る。

それを小さくため息を吐くのと同時に、私は二人に微笑みながら刀を仕舞う。

 

「…そう?」

 

それと同時に私の身体は勝手に動き出し、そのまま瞬時に二人の武器を抑えた。

…少々格好が不格好だが、残りは二人だけだから大丈夫だろう。

 

「…切り返し…」

「うん。と言っても其処まで完璧に出来ている訳じゃないけどね」

「……っ…」

「模倣って言った方が良いのかな。…後でちゃんと修理しないと」

 

その言葉と同時に力が強くなり…私は刀を技任せに振り切る。

…それと同時に二人の場所が交代したように変わり…そのまま私は小さく微笑んでから二人を優しく傷つけた。

 

「二人瀕死(レッド)。終わりだね」

 

その言葉に少しだけため息を吐いた二人が…そのまま先程のパーティメンバーの所に戻っていく。

それと同時に、私の手にも小さな違和感があった。

……それを確認するべく、じっと自分の手を見つめた後に……そのまま両手の刀を振り出した。

 

「…マスター?何を…」

「試したい事があったから…ねっ!」

 

その言葉と同時に、私は全ての技の基本動作を思い出す。

……ああ、“コレ”だ。小さな違和感があったのは。

 

「…成程。模倣…ね」

 

小さく口を緩めながら、私は刀を振り下ろし…そして瞬時に刀を仕舞う。

…そして仮想敵の喉元に両刀を振り…そして瞬時に息を吐いた。

 

「……成程ね。もっと頑張ろうかな」

「…?どうしたの?」

「んっと…まぁ、色々頑張れば強くなれそうだなって」

「…?」

 

その言葉を聞いて、ツキサギが小さく首を傾げた。

…私は目の前に現れたウィンドウを閉じて…そのままゆっくりと微笑む。

 

「…私の場合は機械的に…他の人は、どんな感じなのかな。……成程、ソウジロウのアレは……こういう事か」

 

小さく微笑みながら私が言うのと同時に…あのパーティが盛り上がる。

…それなら一人だけ抜ける人を考えないと…なんて呑気な事を考えながら、私は小さく微笑んだ。

 

「…」

 

それと同時に、奥で誰かの姿が見える。

…その事に少しだけ苦笑しつつ…ゆっくりと手を振ってから他の戦闘を見続けた。

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