少々短めですが割とすぐに三話は投稿できるはずですのでお見逃しを\(*´з`)/love do me
ジリリリリリリリリリリ!
けたたましいアラームが鳴り響く。
「! はぁ……はぁ……」
目覚ましにしてはあまりにも大きな音量ではあったが、夢から醒めるにはちょうどいい音量であった。
「……また、あの夢か」
―――――――――
朝、まだ荒れの残る道を歩むと、少年は少女に出会う。
「あら、おはようございます上条君」
「……おはよう、志筑さん」
「どうしました? 顔色が優れないように見えるのですが……」
「そう、見えるかい?」
「えぇ。なんだか、とっても悪いものを見たかのような……」
「ははは、志筑さんには何でも御見通しみたいだね。実は―――」
上条は事のいきさつを志筑に語った。
「成る程、さやかさんの夢、ですか……」
「そうなんだよ。ここ最近よく見るんだけど、なんでなのかさっぱり分からないんだ」
「そうですか……そういえばもうすぐさやかさんの命日でしたね」
「そのせいかな……でも、去年まで見ることは無かったんだ」
ここ、見滝原市と呼ばれる場所は数年前に「スーパーセル」と呼ばれる台風……というよりは大災害に見舞われた。
まるで悪魔のようなその風圧は周囲の建物を大きさ・堅牢さに関係なく崩壊させ、
多くの犠牲者を出す……かに思われた。
しかし奇妙なことに、どこかからか一閃の光が「スーパーセル」に向かったのを最後に、
スーパーセルの脅威は消滅した。
結果として、犠牲者もごくごく少数に留まることとなった。
まるで、スーパーセルそのものは実は化け物であって、それを討つべくして放たれた矢のような光であった。
専門家の視点から見てもこのようなケースは前例がないらしく、
見滝原市はもともと発展していたのもあり中央部には専門の研究所も多く発足したのだが、未だ成果は殆ど出ていないという。
黒や桃色をした奇妙な鉱石がごく少数採取されたようだが、そちらも全くと言っていいほど研究は進んでいない。
「……もしや、今更になってさやかさんにどこかで思いを馳せている……のではないでしょうか?」
「それはないよ。今の僕には志筑さんがいる。動く腕もある。
確かにさやかが逝ってしまったのは今でも悲しい……けど、もう過ぎてしまったことなんだ」
「それもそう……ですね。……あっと、そろそろ急ぎませんと学校に遅刻してしまいますわ、上条君」
「そうだね、それじゃあ行こうか」
―――――――――――
見滝原大学総科第一類。
そこへ上条と志筑は通っていた。
東は東京、西は京都、では北といえば?と問えば十人中十人に見滝原、と言われるほどの所謂「エリート」大学であるそこであったが、
今日も夥しい数の学生で賑わっている。
それもそのはず、「総科」と付くだけあり、あらゆる道のエリートが集まっているのだ。
それは上条も例外ではない。
「♪~……」
「ハイ!ミスターカミジョウ? ソコ、モウスコーシ高クデキナイカシラー?
ンー……ダイタイ1/4096オクターブクライ高クシテミテクダサイ」
「♪~……こうですか?」
「オー、ソウデスソウデス!
本当ハコレマデドオリデモ充分スギル演奏デスガ、若干ノアクセントヲ加エレバモットヨクナリマスカラネー」
「はい」
数年前、上条少年は交通事故に遭っていた。
しかし、一人の少女が起こした”奇跡”によって、指一本動かすのも絶望的とされたその腕は瞬く間に全快した。
それから、天性の才のあったバイオリンの道を進んでいるという訳である。
彼は幼少期と変わらず「天才」と称され、ここ見滝原大の音楽科コースにおいても入学時から既に教師を凌駕する程の実力を持っていた。
そのせいか、先ほどのような無茶ぶりも教師からしばしばふられるのだが、それすらもまるで息をするかのようにこなしてしまう。
「ハーイ、ソレデハキョウノコウギ、オワリマース。
シッカリト復習シテオイテクダサイネー?」
やがてその日の講習は終わった。
最早世界にも十二分に通用する実力を有す上条少年にははっきり言ってお遊戯会のようなレベルであったが、
最近は精力的に通うようになっていた。
勿論理由なくそうしている訳ではない。
「ふぅ。
…………今日もそこに居るんだろう? 出ておいでよ」
「……全く、本当にイレギュラーなんだね君は。何故君は僕を視認することが出来るんだい?」
「そんなの、僕が聞きたい位だよ。なあ……
キュゥべえ」
はい、こんなところです。
進め方はほぼ計画通りです。キュゥべえが見える=魔法少女(?)の素質があるのは確かですが、はたして……?
実はもう少し書き進めて投稿しようと思ったのですが、回想は一回分けて投稿したほうがいいかなーということで。
はい。次回はキュウべぇとの遭遇を描きます。
サブタイトルは「マミー・オクターと炎のホムレット」です。
嘘です。銀紬は何も考えていません。