アナザー・シャングリラ(って呼ばれるようになりたい) 作:マクバ
多分ネタの中身自体はそんな被ってないはず……はず。皆さんの反応が不味かったら消します。
俺は高校2年生だ。世間一般でいえば部活なり趣味なり友達と遊ぶなり青春真っ只中な時期と言える。だが来年には人生の転機である大学受験がある。ゲーマーとしての理想の生活をするためにも目標とした大学に確実に行くためには日頃の積み重ねが大事である。
つまるところ俺は2年生だがある程度受験用の勉強もしているということだ。もっぱら今までやってきたた所の復習だが。
「んー分からん」
その復習で今、俺は若干詰まっていた。若干苦手な数学でだ。公式丸暗記すれば済むっちゃ済むんだが、どうせなら頭の中にスッキリ収めてしまいたい。来年の受験自体は文系選択の予定だけど、数学を受験に使えるところもある。社会科系の科目は高得点を取りやすい分、全体の平均点が高い。使えるなら数学の方が若干そういった点では楽だ。そういった意味で数学を勉強していたんだが。やっぱり苦手なものは苦手なんだよなぁ。
教科書片手にうんうん唸るがいまいち納得できない。誰かに聞いてみるか?雑ピは……あいつに聞くくらいなら側溝に住んでるネズミに聞いた方が俺は納得できるアドバイスを貰える。
玲さんならどうだろう?めちゃめちゃ頭良かったよな?確か。メッセージ飛ばすだけ飛ばしてみるか。廃人だしシャンフロに潜ってたら暫く気づかないかもしれんが、まぁその時はその時だ。
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楽郎:いきなり連絡してごめん。よかったらでいいんだけどさ。数学で分かんないところあって教えて欲しいんだけど、時間ある?
俺がメッセージを送ってから10分ほどだろうか?返事が来るまでは別の科目をと英語に手をつけているとスマホが鳴った。玲さんから返事が来ている。
玲:じ、時間ありまし!きょ、今日でも!
玲さんはおっけーか。ありがたいな。それも今日とは都合がいい。誤字とかはいつもの事だしスルーしとこ。
楽郎:本当?助かる。場所は○○駅の近くのカフェでいい?他に場所があるならそこでもいいんだけど。別に電話とかでもいいんだけど。
流石にどっちかの家はよろしくないだろう、と思っての提案だ。カフェで勉強ってのもちょっと気取ってる見たいで良くは思われないか?いやそれは考えすぎか。
次の返事はすぐに来た。
玲:で、電話!?い、いえカフェで、だ、大丈夫です!!ご、午後からでいいですか?
楽郎:もちろん。急に言ったのは俺だし。昼は食べてからでいいか?
玲:は、はい!じゃ、じゃあ1時に!
楽郎:分かった。ありがとうね!よろしく!
玲:こちらこそ!よろしくお願いいたします!!
とびっくりするほどすんなり約束を取り付けることに成功した。こうして始まる俺と玲さんの勉強会は、クソゲーもびっくりの予想外の展開を向かえることとなる。
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約束の時間の15分前、俺は集合場所に着いていた。こっちから頼んだのだから遅刻というか、待たせたら流石に悪いし早く来たのだ。
「ら、楽郎君!おまたせしました!」
「いや待ってないよ。今来たところだし」
俺が着いてから数分も経たずに玲さんが来た。早めに来てよかったな。時間ピッタリというかギリギリに着いてたらかなり待たせることになってたし。
「い、いまきたところっ!」
「ん?そうだよ」
まるでカップルのテンプレートな会話をしてしまっているな。残念ながら俺と玲さんはそういう関係ではないんだけど。
「暑いし、早く行こうか。今日はよろしくお願いします」
「え?こ、こちらこそっ!不束者ですがよろしくお願い致します」
「いや、勉強教わるの俺の方だから」
それにそのセリフはなんか違うと思う。顔を赤らめて早口で言った玲さんに俺はそう思った。
チェーン店のカフェに入った俺たちは当然の事ながら注文をする。注文せずに店の中に居座る訳にはいかないからだ。
普段はエナドリ派な俺だが、流石にカフェで勉強するってなったらコーヒーにする。いやここでトゥナイトとか言えないでしょ。てかある訳ないし。
「俺は普通にブレンド頼むけど玲さんは何にする?」
「わ、私はカ、カフェラテにしようかなと」
「おっけー。じゃあ頼んでくるわ」
「え?」
何やらフリーズした玲さんをほっといて注文をすます。サイズはまぁ無難にMでいいでしょ。
当然の事ながら俺がお願いしたのだから、俺が全額受け持つ。玲さんはそういうのを良しとするかは分からないけどこれは譲れない。男しての面子の問題だから。
ぱぱっと注文を済ませ、受け取り口で待つ。
「あ、玲さんよかったら席取っといて欲しいかな」
「え?え?はいっ」
フリーズから復帰した玲さんに席の確保を頼む。店内は比較的まばらで空いているが、急に混み出すこともありえるし、立たせたまんまにしとくのもあれなので頼んでしまうことにした。
「お待たせいたしましたー」
店員の読み上げた商品が自分の物だったので受け取る。さて玲さんはと……窓際の席に居た。飲み物2つが乗ったトレーを持って向かう。玲さんが確保してくれたのは丸い机を挟むように椅子が2つ置いてある窓際のテラス席だ。机は2人分の勉強道具を並べるには十分な大きさだった。
「席取っといてくれてありがとう」
「い、いえ!こちらこそっ!そ、その代金の方を……」
「今日頼んだの俺の方だしいいよ。というか払わさせてくれ」
「そ、そうですか。ならっ!お言葉に甘えて」
俺がそう言うと玲さんは恐る恐るカフェラテを取った。 それを見てから俺は勉強道具を広げた。カフェの2人席である以上俺たちは必然的に向かい合って座る形になった。
「早速だけど、ここがよく分からなくてさ」
俺がそういって見せたのは数学の問題の1つだ。
「この公式を使う応用問題なのは分かったんだけどさ、公式に当てはまる形にどうも綺麗にいかなくてさ」
俺が自身の理解の状況を伝えると、玲さんは真面目な顔で俺の計算式を見ながら考え始め、10秒程で口を開いた。
「た、多分ですけど、ここの式を代入すれば綺麗に解けると思いますよ」
「お!?マジじゃん!?やばい!超スッキリした!ありがと!」
まさかこんな一瞬で終わるとは。いや玲さんが頭いいのは知ってたんだけど、俺の理解込みでもうちょい時間がかかると思ったんだが。だがとにかくもうこの手の問題は俺にはきかぬ。あの数学の教師に目にものを見せてやる。いや目をつけられたことはないけど。
「お礼にここのケーキでも奢るよ。何か食べたいのとかある?」
「お、お礼だなんてっ!?そ、そんなとんでもない!!」
「いいからさ。まぁ、早く帰りたいなら別に良いんだけど」
玲さんもシャンフロで次のイベントまでに色々とやっておきたいこともあるだろうし。
「い、いえっ!そういう訳じゃ!!えっと……その…………ごちそうになります」
「そうそう、女の子は男にドンドン貢がせないと」
ん?誰だ?態々他人の会話に入り込んでくるやつなんて……
「…………は?」
「やーサンラク君。楽しそうじゃないか。妹ちゃんもお久ー」
「え、えっと〜、お久しぶりです?」
変装しているためパッと見じゃ分からないが天音永遠がいた。
「どうしてここにいる?ペンシルゴン」
なんでカリスマモデルが街中のチェーンのカフェにいるんですかねぇ。俺の疑問にペンシルゴンは
「たまたまだね。ちょっとプライベートの用事があってこっち来たんだけど、君たちが見えてね。楽しそうだったからつい」
「身バレしたらどうする気なんだ。コイツ」
この場で叫んでやろうか。天音永遠がいるっ!って。カフェに来る客層にはコイツのフォロワーはかなりいるはずだ。
「そんなことしたら君のこともバラすよ」
俺の考えを読んだのかペンシルゴンはニヤついてそういった。その目は私はいいけど君は困るだろ?っと言っている。
「チッ、ならさっさと用事を済ませに行ったらどうだ?忙しいんだろ?」
「そんな邪険にしないでくれよ。それとも妹ちゃんと2人っきりがそんなに良かったのかな?」
「ふぇっ!?」
ペンシルゴンの放った口撃は俺ではなく玲さんにクリティカルヒットしたようだ。
「あのなぁ。玲さんとはそういう仲じゃ」
「玲さん?随分親しそうじゃん」
「いや、ホントにさぁ」
俺は普段通りの外道とのやりとりだからいいけど、玲さんに流れ弾が飛んでいくのはあまりよろしくない。そしてコイツにそういう方面で人道的措置を期待することは無意味だ。
「あっ、ふ、2人っ……キリッ!?そ、そういう仲?!」
案の定玲さんがバグりだした。いつもの3割増で顔が赤い。
「あー、そうだよね百の妹だもんね。そうなるよね」
この状況を作り出した悪魔は1人で勝手に納得すると
「じゃ、私行くから!」
「は?収集つけてから行けよ!」
俺の声を無視して、後で事の顛末は聞いてあげよう!とだけ残して去っていった。なんでやつだ。嵐よりタチが悪い。
「えっと、その……玲さん?」
「……ふぇ?」
あ、今の声可愛かったな。いや、それは置いといて。
「アレはああいう人間だから一々言うことを気にしないでくれ」
「え、えっと……わ、分かりました?」
とりあえずさっきのイレギュラーなバグは無かったことにしよう。俺の中ではそういう方向に舵を切ることにした。アイツからの煽りメッセもスルーでいこう。
「とりあえずケーキ買ってくるよ。何がいい?」
「あ、えっと……じゃ、じゃあモンブランでお、お願いします」
「おっけー。ちょっと行ってくる」
そう告げて席を立ってカウンターに向かう。
アイツに言われるまで意識しなかったけど、これ傍から見たらカフェデートなんだな。というか勉強教えて貰い終わったからもう完全にカフェデートでしかないじゃん。
そう思うと急に顔が熱くなった。いやいやいや待て待て待て、相手は玲さんだぞ。俺と玲さんが?ないない。釣り合わないでしょ。
考えが飛びそうになったのを戻す。玲さんはただのゲーム友達、カッツォやペンシルゴンと同じ……とは言うと玲さんに非常に申し訳ないけど、とりあえずの区分としてはゲーム友達でしかないはずだ。玲さんがかなりの廃人ゲーマーとはいえ、リアルでのあれこれを考えると釣り合うはずがない。向こうもそういう意識はしてないだろう。多分。
「モンブランとチーズケーキ1つずつ」
注文を受け取るまでの間にそういう意識を外す。大体こっちから勉強教えてくれって頼んでおいてカフェデート!!とか思い始めるのやばいだろ。勘違いも甚だしい男子高校生の思考じゃん。自身のメンタリティに悶々としながら。
注文を待っているとピコンとメッセージが来たことを知らせる通知が鳴る。
送り主はさっきまでいた性悪モデルである。見てもろくなことにならないとは知りつつもシカトしたらしたでろくな事にならないことを知っているので開く。
天音永遠:やぁやぁ青春してる少年よ!あんまり女の子に恥かかせたらダメだゾ
恥かかせようとした張本人が何言ってやがる。と思っていると更に通知が。
天音永遠:後で結果を聞いてあげるよ。年上のお姉さんとして君の恋愛が上手くいくことを祈ってるよ。
パッと見本当に年上風?を吹かせて相談に乗ってあげる心優しい女に見えるかもしれないが、どう考えてもここで得た情報を後でばら撒く気満々である。いや、そもそも玲さんに恋愛感情は抱いてないんだけど。
サンラク:いや、玲さんとはホントにまだそういうのじゃないから
天音永遠:まだ?まぁその内ってことね。じゃあ期待して待ってるよー。これから用事だから。
自分がまだ、と無意識に打ってたことにコイツの指摘で気づいた時にはもう遅かった。そこからは俺がいくら言おうと既読すらつかなかった。これは次に会う時はこのネタでイジられるのを覚悟せねば。矛先を変える手段を用意しとかないと。魔界に潜るか?それじゃ無理な気もする。
半ば現実逃避気味に思考する。自分が将来的に玲さんと恋愛関係を築きたいと思っていることを誤魔化すために。
「お待たせ致しました。モンブランとチーズケーキです」
その言葉を聞いてハッと思考の海から浮上する。何となく今は玲さんの目を見れない気がする。それでも席には戻らないといけない。
とりあえず平常心だ。あの悪魔のことは忘れろ。
俺は残った玲さんも同じくらいあの悪魔の襲来に動揺していることを知らなかった。
ペンシルゴン先輩は百ちゃんの所へ行く感じです。なので間違いなく妹の方が青春してるいじりをします。
後はしれっと旅狼のチャットで匂わせイジりをしたりとかするかなとか思ったり。
ここからは正直勉強会じゃなくてカフェデートなのでここまで。
誤字脱字、感想等あったらお願いします。気に入ったら評価も是非おなしゃす。
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