がっこうぐらし! 守護霊ルート通常プレイ   作:景名院こけし

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なんかうまく書けずにいつもの二倍かかったので初投稿です。


パート11 家庭訪問

想定外に次ぐ想定外で正直困惑しております。パート11、はーじまーるよー!

知らないはずのスタンドちゃんの家の前を偶然通りかかるとかどんな確率だよめぐねえ。まあそういう隠しイベントなのでしょうが。

キャラ作成時に取った虐待フィートがこの家の光景にも反映されてたらえらいことになりそうで今から嫌な予感全開ですが。

 

「何かあったら合図して。すぐに戻るわ」

「分かりました……気をつけてくださいね」

 

おっと、めぐねえとくるみちゃんがみーくんと圭ちゃんを留守番に残し、果敢に突撃していきました。まず呼び鈴を鳴らそうとして停電のせいか、はたまたぶっ壊れているのか、鳴らないことを確認すると玄関のドア(未施錠)をゆっくり開けて誰かいないかと呼びかけ、その声に返事が無いのでそのまま侵入。

 

スタンドちゃんもそれに続こうと……したところ、玄関の前で立ち止まって首を横に振り、それ以上進もうとしてくれません。

……もう一回試してみましょう……ガッデム! やっぱり入ってくれません。原作のくるみちゃんの家の惨状からしてどの家にも”彼ら”が居る可能性は十分あり、この難易度での完全放置は怖い。流石に中がモンスターハウス状態ということは無いと思いますが。

 

音を立てて呼び戻すか、と思いましたが、留守番組が何もないのに合図出したと思われそうなので却下。スタンドちゃんが家に入れないことにはしゃーないので、家の周りをグルグル回りながら警備だけして、後は中に危険が無いことを祈りましょう(諦め)

 

 

 

【キャラ視点】

(めぐみ)胡桃(くるみ)と共に幽波紋(くらなみあや)の暮らしていた家を探索し始める。一応、奇跡的に同じ苗字の家だという可能性は考えたが、紋の住所はこの辺りだったはずだし、何より靴入れの上に飾られていた写真に幼い日の紋と思しき少女が写っていたことで、ここが彼女の家だと確信した。

 

写真の中の紋は両親に挟まれて無邪気に、屈託なく笑っていた。最近の紋に会っていなければ、この少女の目の下に隈ができたところなど想像できない健康的な姿で、当然折れた腕を吊ってなどいないし、眼帯などつけていない。巡ヶ丘高校でいつも身に纏っていたあの黒いローブをこの紋が着ていたら、あまりの違和感に誰もが首を捻ることだろう。

写真たては埃をかぶっており、相当長い間指一本触れられていないことが分かる。写真の中で笑いあっている家族の誰一人として、視界にも入れていなかったかのように。

 

慈は写真たての埃を指で軽く掃うと、近くの部屋をのぞき込む。そこは居間のようで、数人が一緒に食事をとれる大きさのテーブルが鎮座し、奥はキッチンになっている。事件の影響か、荒れ果ててさえいなければ一般的な家族の平和なひと時が想像できる空間だった。

 

家の奥に進むとほかにもいくつかの部屋があった。そのうちの一つをのぞき込むと、そこは紋の母親の寝室だったことがうかがえる。居間同様に荒れてしまっており、ここで安心して眠ることは出来なさそうだ。

 

「……この部屋」

 

次の部屋に入ると、そこには勉強机や巡ヶ丘高校の女子制服――予備だろうか?――などが確認できた。十中八九、紋の部屋だろう。

なにも乗っていない勉強机の引き出しが少し開いており、一冊のノートが入っているのが目に入った。

 

慈はそのノートを手に取ってみる。どうやら日記のようだ。人の日記を勝手に見るなど、普段の慈であれば決してやらないことだ。しかし居なくなってしまった大切な生徒の生前の様子が記されたもの。学校での紋の様子は事件前からずっと見てきたが、思えば学校の外の様子はほとんど知らなかったことに気づき、家での彼女がどんな日々を送っていたのか、どうしても知りたいと思ってしまった。知ったところで彼女が帰ってくるわけではないし、そもそも学校でのことしか書いていないかもしれない。だが慈は少しでも紋に関することを記憶に刻んでおきたかった。そうすれば、彼女の存在がより強く心の中に根付いてくれる気がしたのだ。

 

慈は一言、ごめんなさいね、と呟いてノートのページを開いた。

 

開いて、心の底から後悔した。

 

「なに、これ……」

 

ノートを持つ手が震える……いや、手だけではない。全身が真冬の冷気にあてられたように、立っていられるのが不思議なほどに震えている。だというのに全身から汗が噴き出す。

ノートの内容は日記に間違いない。数年前、慈と知り合う前の紋のことが書かれている。だがその内容は思い出というにはあまりにおぞましいものだった。

 

○月○日

今日もお父さんにたくさん殴られた。お母さんはたくさん泣いてた。

最近、だんだん右の目が見えなくなってきた。殴られた時にどうにかなっちゃったのかもしれない。

このことをお母さんに話したら、またたくさん泣いてた。

このままじゃいけないのはわかるけど、どうすればいいのか分からない。

幽霊が見えるのって、そんなに悪いことなのかな?

 

○月○日

家に変な格好の人達が来た。お母さんが呼んだみたい。

宗教とかじゃないって言ってたけど、クラウドとかなんとか、言ってることはよくわからなかった。雲?

幽霊が見えるって話をしたら、真っ黒な表紙の本を置いて行った。

 

○月○日

クラウドの人が置いて行った本を読んでみた。

黒魔術? というものらしい。

わざと難しい書き方をしてるみたいで、読みにくい。

今日読んだところには力の強い幽霊になるやり方が書いてあった。あの人達、やっぱり変な人だな。

 

「めぐねえ?」

 

慈の様子がおかしいことに気づいた胡桃が語り掛けるが、返事は無い。

 

 

○月○日

呪いのやり方が書いてあるページを見つけた。

正直効くとは思ってないけど、試してみようと思う、

 

 

それから数週間、紋が四苦八苦しながら父親に呪いをかけ続ける様が記録されている。

 

○月○日

また殴られた。

でもいつもより気が重くない。

効く訳がないって分かっていても、呪いで仕返ししてる気分になってるからかな?

この日記が見つからないかがちょっとだけ心配。

 

 

次のページをめくろうとする度に軽い吐き気を覚え、呼吸が荒くなっていく。

胡桃が声を大きくして再度語り掛けてきているのは分かるが、耳がその内容を聞き取ってくれない。

 

慈には数ページ先に何が書いてあるのか、この時点で分かってしまっていた。

何故なら慈の知る幽波家の家族構成は……

 

 

 

○月○日

お父さんが死んだ。お母さんは泣かなかった。

死因はお医者さんにも分からなかったらしい。

きっと呪いのせいだ。本当に効くなんて思ってなかった。

 

わたしがころした

 

 

 

持っていたノートが手から滑り落ちて床に当たり、大きな音を立てる。

胡桃が拾い上げようとすると、鬼気迫る表情の慈がその腕を掴んで制止した。

 

「め、めぐねえ? 本当にどうしたんだよ……?」

 

慈はその問いに答えられず、ただ震えながら首をゆっくり横に振ることしかできなかった。

しかし胡桃にはそれだけで、そのノートの内容が見るべきでない物だということは伝わったようだ。

 

「あいつ……家庭事情、複雑そうだったもんな」

「……ええ」

 

過去の紋が本当に父親を呪い殺したなどとは思っていない。だが少なくとも慈と出会った時、紋本人は親殺しの罪の意識を背負って生きていた。

慈はそっとノートを引き出しに戻すと、ごめんなさい、と再度呟いた。

その謝罪が何に対してのものなのか、慈自身にも分からなかった。




ちなみに最後のごめんなさいは外うろついてるスタンドちゃんに聞こえてたりする。警備のために聞き耳たてまくってるからね。仕方ないね。
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