では再開します。
屋上に飛び込むと我らが要注意人物のりーさんが作業中ですね。どうやら騒動に気づいていない様子。糸目の状態で「?」って感じでこっちを見てきます。かわいい。
ちがう、そうじゃない。(セルフツッコミ)段差が苦手なはずの“彼ら”がこの時ばかりはスイスイ階段上って追いかけて来るので、三人で必死こいて扉を押さえましょう。なおスタンドちゃんの筋力はかたつむり。他の人が加勢できるスペースが空く分、どいた方が良いまであります。
その加勢できるりーさんは何やら不穏な状況になっていることは察しますが、それでもまだ「???(アセアセ」となっている(かわいい)ので加勢してくれません。どう動いていいか決めあぐねているようです。仕方ないね。状況分かったらキッチリ働いてもらうからなァ?(豹変)
あっ(絶望) 押す力つおい これ無理……
破られんの速すぎィ!(完全敗北)
どうやら調子に乗って筋力を犠牲にし過ぎたみたいですね。一体の“彼”と戦闘開始です。さーてどうすっかなー。一体だけなら意志の力でギプスを振り回せば何とか感染はせずに済みそうですが、まともなアタッカーが居ないこの状況でどうやって撃退したものか……攻撃手段がなければそのうち“彼ら”の増援が来てギプス以外を噛まれてザ・エンドです。
「ごめんなさいっ!」
おっ?
めぐねえが咄嗟にという感じで“彼”を突き飛ばしました。哀れな“彼”は
その代わりに腰が抜けたように座り込んで泣き出してしまいますが。まあ、そうなるな(航空戦艦)
そんなめぐねえを横目に、ドアに簡易バリケードを張ります。すぐにツインテ陸上ガールが
……はい、来ましたね、我らがメインアタッカー(予定)、くるみちゃんです。ではとっととバリケードを完全封鎖しましょう。明日になれば“彼ら”は比較的おとなしくなりますし、三階に限れば数も相当減ります。
あとは園芸部の皆さんが使っていたと思しき小さいスコップを拾います。研いでおけばよく刺さりますし、持ち手のところにひもが通せるようになっているので、長めのひもを通しておけば打撃武器としても使えます。回して遠心力をチャージしてから殴る必要があるので隙も大きいですが、これなら
コンボ武器制作の時間DA!(おもむろに用途不明のガムテープを取り出す)
“ひもを通したスコップ”が完成すれば今日できることはほぼ終わりですので、あとはくるみちゃんが先輩をざっくりやって女子高生からゴリラにクラスチェンジする様を聖母のような笑みで見守りましょう。無論、画面内のスタンドちゃんは深刻な表情してますが。
ただしざっくりやった後もずっと放っておくと、くるみちゃんは半狂乱で先輩をザクザク刺し続けて正気度がマッハで減少し続け、終いには完全に発狂して襲ってくるので、頃合いを見て止めに入りましょう。抱き着いて止めればゆきちゃんが援護してくれます。あとはアニメのあのシーンのように、自分のために泣いてくれるゆきちゃんのおかげで、くるみちゃんは正気を保ったままゴリラになれるわけですね。めでたしめでたしです(鬼畜)
さーて、ではそろそろ止めに……痛ァイ!?
抱き着こうとして近づいたらカウンターをもらいました。初期の正気度が低かったのでしょうか、短時間のザクザクで既に発狂していたご様子。
あれ? 早くも再キャラメイクか? 嫌じゃ(雑魚)
……いえ、一発で許してくれました。ギリギリセーフ!(安堵)一発だけなら誤射かもしれない(震え声)
その後は泣き出したゆきちゃんをなだめる仕事を通じてくるみちゃんの好感度稼ぎもやっておきつつ、みんな仲良く屋上の硬い床で就寝。一日目が終了となります。
こんな序盤でコロコロされるかとヒヤヒヤしたゾ……
【キャラ視点】
何が起こっているのか、それはまだわからない。だが確かなことが一つある。
自分は人を……少なくとも人だったはずのモノを、殺した。
突き飛ばした相手は何度も話したことのある教師だった。三階に上がった時点では襲われて倒れていたはずの彼が起き上がって追いかけてきたことになる。
明らかに正気ではなかったし、首を食いちぎられて動けていたのはおかしい。それにあのまま黙って見ていれば近くにいた生徒が噛まれていた――有名な怖い映画のように、噛まれれば伝染するのだろうという事が何となくわかった――仕方がなかった!
しかしどんな理由があろうと、見えてしまった“あの光景”を作り出したのが自分であることに変わりはない。
転がって落下しながら体の至る所を角に打ち付け、そのたびにおかしな方向に曲がっていく四肢、すでに開いていた傷口から激しく飛び散る赤い液体……そして最後に下の床にたたきつけられ、ちょうどこちらを向いて止まった顔が、空虚な目を見開いてこちらを見つめる光景……
すぐに一緒にいた生徒の
そのあと陸上部の
もう一度“彼”と目を合わせてしまったら、今度こそ押しつぶされてしまいそうな気がしたから。
止まらない震えと涙を抑え込もうと、どれくらいうずくまっていただろうか、彼女はふと、場の空気が変わったことを感じ取る。気づけば周囲の悲鳴はすっかり途絶えていた。自分たちのように一時的にでも安全な場所に避難して一息ついているのか、あるいは一人残らず……
震えはまだ止まってはくれないが、顔を上げて屋上の様子を見ることはできた。
――胡桃の連れてきた卒業生が、ゆっくりと立ち上がっているところが見えた。慈は心臓が跳ね上がるのを感じる。その卒業生の動きは、まるで“彼ら”のように、もう動かない体を無理やり動かしているような、どこかぎこちないもので……
「せ、先輩?」
胡桃の不安そうな声が、妙に静まり返った屋上に響く。近づいて来る彼の様子が明らかに異常であることを感じ取り、後ずさりし始める。
屋上に逃げてきたとき、彼は怪我をしていた。慈は見ていないが、陸上部の練習していたグラウンドにも“彼ら”が居たのだとしたら……
「うわああああああああああ!」
尻もちをついた胡桃が、悲鳴を上げながら落ちていたシャベルを振り上げる。
「あっ」
シャベルの先端は鈍い音と共に“彼”の首を抉り、胡桃は返り血で真っ赤に染まる。その瞬間、胡桃の中の何かが切れた。
「あ……ああっ! あああああああああああああっ!!」
立ち上がると、仰向けに倒れた彼に向かってシャベルを何度も突き刺し始めた。呼吸は荒く、瞳孔の開き切った目の焦点は合っておらず、もはや自分が何をしているのか分かっていない。ただ恐怖と疲労で冷静な判断力を失った脳が発する信号に従って機械的に、しかしでたらめに、ひたすら叫びながら、シャベルを握った手を突き出し続ける。
誰もがその“作業”を呆然と眺めていた。
「やめ……て……」
幽波紋、ただ一人を除いて。
「お願い……やめて……」
蚊の鳴くような声で言いながら、ふらふらと、胡桃の方へ近づいていく……その目は胡桃を見ているようで何か、別の物を見ている。その時の紋の顔を見た慈には、そう感じられた。
(っ! 違う! そんなことよりも! 今の恵飛須沢さんに近づくのは!)
「!? あああっ!」
「痛っ!」
慈が危惧した通り、紋は反射的に振りぬかれたシャベルで肩を強打し、その場に倒れ込む。そのまま追撃に入ろうとした胡桃だが、怯え切った紋の顔が目に入ったところで、ようやく自分が何をしているのかを理解し、シャベルを取り落とす。
「人? ごめ……ち、違うんだ……てっきりあいつらだと……」
「大丈夫……大丈夫、だから……大丈夫……大丈夫……」
「お、おい……?」
うわごとのように繰り返す紋はやはり胡桃を見ていない。たった今自身を襲ったシャベルではなく、別の何かを恐れていた。
その後泣き出した
それでも、ただうずくまって泣いている場合ではないことは嫌でもわかった。
今回のりーさん、ただ突っ立っているだけ(かわいい)!