こんにちは。突然ですが、学園生活部、結成です!
……何言ってんだコイツって顔してますね? でもちょっと待ってほしい。大したイベントもなく延々バリケードのチェックしたり職員室と生徒会室の掃除したり遺留品からなけなしの食料や資材回収したりして寝るだけの光景なんて垂れ流してもしょうがないじゃないですか。カットですよカット。
さて、りーさんと話し合っためぐねえからここでの生活を部活という事にしないかと相談されます。もしみーくんがこの時点でいたら“そんな場合ではない”と難色示したかもしれませんが……いや、部屋から出られなくて一人で暇だったとはいえ、学校と同様(おそらく)の時間割生活とかやってたし、普通に同意するか? ……どのみち彼女は現在親友と一緒にそのショッピングモールの部屋にしまわれていますので問題なしです。
部の結成に同意したことで口実ができますね。部員の証を作ると宣言したのち、黒魔術フィートを駆使して装備アイテムの“お守り”を作って配りましょう。スタンドちゃんの髪の毛入りで部員との絆の力が高まり、幽霊モードに入った時に持っている人の好感度に応じてパワーアップできます。これをやっておかないと、いくら意志が強かろうが全てにおいて中途半端なクソザコスタンドまっしぐらなので、自然にお守り配る流れに持っていける学園生活部結成イベントはちょうど起きてほしかったところです。助かります。
さあ作業開始DA!
……スタンドちゃん、片腕折れてるせいで器用さのステータスが“不器用”なんですよね。時間かかる……やりづれえ(雑魚)
「何作ってんの?」
おっと、お守りを作っていたら何者かが背後から話しかけてきました(すっとぼけ) はい、カットしている間にみんな大好きチョーカーさん、本名・
まあプレイヤー的には助かったのは事実です。救出イベントやろうと思ったら隠れている場所次第で余計な戦闘をさせられることになりますので。この貧弱ボディなうちは戦わないで済むに越したことはありません。
部員が増えるということはお守りの所有者も増えるということになるので死後の強さに直結します。という訳で出来るならみーくんはもちろん、圭ちゃんも救出したいところ。頑張って無敵のスタープラチナ目指すゾ~ ……流石にあんなガチムチな見た目にはならないですが。
お? チョーカーさんがお守り制作を手伝ってくれるそうです。黒魔術が関わってくるのは完成した後。作る作業自体は誰がやっても同じなので有り難くお願いしましょう。現状での人数分以上に作ろうとしていることをツッコまれますが……ほら、圭ちゃんとかみーくんとか来る予定なので……(震え声)
【キャラ視点】
柚村貴依はこの現実感の無い状況に何とか適応し始めていた。
初日は本当に訳も分からずうろたえ、逃げ回り、ようやく飛び込んだ掃除道具用ロッカーの中で一睡もせず震えていた。
一夜明けたら、上の階で打撃音や、もう聞こえなくなっていたはずの、生きた人間の叫び声が聞こえてきた。他に生きている者がいるなら合流したいと思った。いつまでもロッカーの中で震えていることはできない。その時にはもう立ちっぱなしの脚に限界が来ていた。掃除道具を外に出せば座ることもできるのだろうが、ロッカーの開閉というのは意外と大きな音がする。それで気づかれては意味がない。それに、生きていれば空腹になるし眠気も襲ってくる。
勇気を出してロッカーから出ると、幸いにも“彼ら”は近くには居なかった。上の階の騒ぎに反応して階段に向かったようにも思われるが、明らかに絶対数が減っている。どうやら夜の間にいくらかはどこかへ行ってしまったようだ。
階段の方へ行ってみると、やはり“彼ら”が集まっていた。貴依の足音に反応して振り向いた“彼ら”の一人と目が合った瞬間、せっかく沸いた勇気がくじかれたのを感じた貴依はそのまま近くのトイレに駆け込み、個室の鍵を閉めて立てこもった。目が合った“彼”が追いかけてきてしばらく扉を叩いていたが、しばらく耐えているうちに離れていった。
また一夜明けて、ロッカーよりは広く、開けられる心配の少ない個室にいたことで何とか少しだけ寝付くことができた貴依は、もう一度勇気を出して階段の方を見てみた。
「今は居ない……よし」
死角に“彼ら”が居ないかどうか警戒しながらゆっくりと階段を昇っていくと、積み上げた椅子や机を縛って固定したバリケードが目に入った。やはり上の階には生存者がいたらしい。
バリケードは上の方が開いており、よじ登れば乗り越えることもできそうだった。
「よい、しょっと……痛った……ふう、有刺鉄線なんてどこから持ってきた……の……」
「………………(ヒュンヒュンヒュンヒュン)」
有刺鉄線で怪我をしそうになったが何とか無事にバリケードを乗り越え、三階の廊下に出た貴依が目にしたものは、シャベルを持ったツインテールの少女と、その隣で何かを括り付けたひもを振り回す、容姿だけはよく見知った不審者。
「なあ、あや。あれ生存者……だよな?」
「……うん。クラスメイト(ヒュンヒュンヒュンヒュン)」
「じゃあ何で威嚇してるんだよ……」
「ごめん、つい……」
「あいつに言ってやれ?」
「……ごめんね?」
「え、ああ、うん……こっちこそ、急に押し掛けて……」
それが同じクラスで過ごしてきた柚村貴依と
(想像以上に変な
その想像以上に変な娘は、今度は机にかじりついて片手で苦戦しながら何やら作っている。聞けばここでの生活を部活動のようなものとして振る舞うことにしたらしい。確かに、そうして日常を想起させるようにすれば、この状況で生きる苦しみも和らぐことだろう。非日常の中で震えるしかない辛さを数日前にたっぷりと味わった貴依にとっても悪い話ではなく、積極的に協力しようと思った。
今は部員と顧問という関係となるメンバーでおそろいのお守りを部員証代わりに作っているらしい。話が終わって紋は作業を再開するが、やはり片手では手こずっている。
「貸してみなよ。手伝ったげる」
「え……あ、ありがとう……」
貴依は紋の隣に腰掛けると、すでにできていたものを参考に真似して作業し始める。
数十分後、人数分のお守りが完成した。
なのだが、紋は作業を続けようとする。
「あれ? もう人数分できてんじゃん?」
「部員……増えるから」
「っ! そう、だね。きっと増えるよね」
「うん……絶対、増えるよ」
「よっし! じゃあ気合い入れて作るか!」
希望的観測かもしれないが紋の言う通り、生存者が自分たちだけとは限らないし、いつか出会えれば、手を取り合ってくれるかもしれない。窓から見渡す限り街は“彼ら”だらけだが、さらに外はどうなのか分からない。ひょっとしたら救助が始まっているかもしれない。貴依はいかにしてこの日々を乗り切るかばかりが頭にあって、先の希望が見えていなかったことに気づく。
(変な娘だけど、こういうところは見習わないとね)
普段の教室では話しかけづらい存在だったが、こうして話してみれば、
(しっかし、どういう家庭環境だったのか……すごい細い体)
近づきづらかったもう一つの理由は容姿にもあった。お世辞にも栄養状態が良いようには見えない体躯に、妙な服装。
(さっきからたまに
そのうち物資を探しにバリケードの外に出ることもあるだろう。その時には風邪薬でも探してみようか、などと思いながら、貴依は作業を進めていった。
空気感染+病弱フィート=死ゾ(ガバガバキャラメイク)