デッドマンズN・A:『取り戻した』者の転生録   作:enigma

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本編は次の次くらいになるんじゃないかと思います。
それではどうぞ!


プロローグ~原作開始前
青春の一ページ・・・


---2014年7月末 早朝

===T県S市のとある駅前===

四国地方の、比較的都市圏に近いというくらいしか特徴のないこの市の、一番大きな駅のバス停で、7~9人の男女が集まっていた。

 

 

 

「………」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

「………」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

「………」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

「………」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

「………」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

「………」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

「………」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

「………」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

「………」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

 

そこにいる男女は、いずれもとてつもない緊迫感を醸し出しており、まるで戦場にでも行かんばかりの状態だった。

 

「…みんな、バスのチケットの準備はいいか?娯楽の準備は?みんなで楽しみながら、思い思いのものを買うための金の準備はOK?」

その沈黙を破ったのは、眼鏡をかけた身長170cmほどの黒髪短髪の少年。服装は鎖のような模様がカギに絡みついているデザインのT-シャツとジーンズだ。

 

 

「フッ、当然だぜ川平さん。今日という日がどれほど楽しみだったか…ゲームはもちろん思わずノーパソ(充電器とマウス付)と自前のハードディスクまで持ってきちまったよ。」

そしてその声にまず最初に応答したのは、同じく身長170cm程の少年だ。

見た目は、髪は黒で長めのショートカット、服装は黒と白を基調としたもので、上は骸骨の意匠がある太陽が、無数の剣が突き刺さった大地を照らしているというデザインのT-シャツ、下は真っ黒い綿パンだ。

そしてその首には、かなり古い感じがある、独特のデザインの矢尻と、赤い宝石のついた大きめのカギにチェーンを通してかけていた。

 

「…ちょっと待てぃ!お前が楽しみなのはわかったけどいくら何でも持ってきすぎだろ!道理でお前のだけ荷物が多い訳だ!」

そしてその返事にツッコミを入れたのは、身長180cmほどの、少しだけふくよかな感じの少年だった。

ちなみにこちらの服装は、白いT-シャツに薄手のチェックの上着と青いジーンズだった。

 

「そうですよ先輩。私達ホテルにも泊まる予定なのにこれいくら何でも持ってきすぎなんじゃ…(--;)」

 

「大丈夫だ、問題ない。少なくとも自分で持ち歩くのに困るほど持ってきた覚えはないからな。中身の保護もばっちりだし帰りの分のこともちゃんと考えてあるよ。」

 

「「「「「(そういう問題かこれ?というか今思いっきりダメなフラグが…)」」」」」

 

実際、荷物の持ってきすぎを指摘された少年の荷物は他の男女のそれよりも少し多かった。そして本人を除く全員が、その少年が自ら失敗のフラグを立てたと感じていた。

 

「{パンパンッ}まあ本人がいいってんならそれでいいんじゃねえか?実際こいつ力は強いし。まあ万が一持てなくても俺らが手伝えるかは知らんがな?」ニヤリッ

 

川平と呼ばれた、眼鏡をかけた少年が意地悪そうに笑いながらみんなにそう言う。

 

「へいへいわーってますよっと。心配されなくてもちゃんと持てるから問題はねえよ。」

 

矢尻と鍵を首にかけた少年も、特に不平もなく答える。

 

「あ、それじゃあ私の分も持ってもらえます?いつもは持てるんですけど最近暑くて。」

 

「あ、それじゃあ俺のもお願いしますよ先輩。」

 

「俺も俺も。」

 

「「「「オイオイお前ら、俺たちの分も頼むんだぜ?それはさすがに酷ってもんだろ?」」」」

 

「うぉい待てお前ら!それはさすがにひどくね!?いくら何でも自分のは自分で持てよ俺の負担が大きすぎだろ常考!?」

 

「え~だって先輩って先輩じゃないですか♪後輩の最後の頼みと思って、ね?」

 

「そうですよ先輩。みんなで楽しみに行くためにもお願いします!」

 

「「「「先輩…お願いします!!」」」」

 

「よしお前ら、まずは落ち着こうか^^;仮に持つとしてもいくら俺でもそんなには持てねえから。せいぜい自分の分プラス一人分ってところで限界だから。というかそこの二人!お前らは後輩じゃ無くて同級生だろ!!」

 

矢尻と鍵を首につけた少年は、自分を先輩と呼ぶ少年少女、眼鏡の少年とふくよかな少年にそう言い放つ。

 

「「フンッ、そんなことは知らんなぁ~。」」( ̄ー+ ̄)ー+ ̄)ニヤニヤニヤリ

 

「こいつら(^_^;;)・・・・・・{キキィーーッ プシューッ}っと言ってる間に来たんじゃねえのかこれ?」

 

「あ、本当ですね。あれ私たちの乗るバスですよ。」

 

今しがたバス停に止まったバスから聞こえてくるアナウンスが、彼らの行先に行くためのものだということを知らせていたようだ。

 

「おお、もうこんな時間か。それじゃあ・・・みんな行くか?」

 

ふくよかな少年がみんなにそう言うと、みんな頷きながら自分たちの荷物を用意する。

 

「・・・ああ、そうだな。」

 

「・・・俺たち三年生の、高校最後の時期かもしれない思い出づくりに・・・そして俺たちが後輩たちに贈る思い出づくりにな。」

 

「「…ええ、しっかり楽しみましょうよ!」」

 

「「「ああ!もちろんそのつもりだ!それじゃあ・・・・・・バスにのりこめー^^」」」

 

「「「「「わーい^^」」」」」

 

お互いに笑いあう姿は、まさに青春の1ページというにふさわしいものだった。

 

 

 

 

 

 

 

「と言ってもまだ文化祭も残ってるんですけどね。」

「ちょwwwそれ言わないでwww」

「「「「「・・・ぷ、はははははははは!」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

こんにちわ皆さん。と言っても俺自身一体誰に向けて言っているかもわからないんですけど。

 

とりあえず自己紹介(もっとも覚えてもらう必要があるかはわかりませんけど。)をしようかと思いまして。

 

僕の名前は梶原泰寛、冒頭で紹介された矢尻を首に下げている少年です。あ、興味ない?

・・・(´・ω・`)

 

「いや~しかしこうやってみんなで1泊2日の旅行に出かけられるとは思わなかったな。しかもこの時期に。」

 

そう、実は俺と、俺の同級生である川平桐満(眼鏡をかけてるやつ)、矢部啓一郎(ちょっとふくよかな奴。決してデブではない…と良いなぁ)は今年高校三年生であり、来年には受験を控えている。

 

けどまあそればっかりに集中してるのもどうかということで、川平と矢部の二人が俺を誘い、どうせだから部活の後輩たちも誘ってしまおうということでこの旅行の計画を立てた。

 

ぶっちゃけ川平に関しては、この時期にある東方の例大祭に行く口実が欲しかったというのもあったらしいが。まあ俺も好きだからいいんだけどね、東方。一番はジョジョだけど。

 

「まあ今回はそのストレスを解消する意味も込めての計画だからな。ぶっちゃけ今回の予定、俺が一年の頃からひそかに布教してた東方の例大祭に行きたかったってのもあったし。どうせならみんなでワイワイ騒いで楽しんだ方がいいじゃん。」

 

「布教言うなしww。けどまあその意見には激同。どうせやるんなら一人よりもみんなではしゃいだ方が楽しいしな。」

 

「だよな。それとお前の布教ってそこまで潜んでもなかったよな。どっちかというとオープン布教だったような・・・」

 

「なん・・・だと・・・?」

 

「ですよね~。あ、トランプとかUNOとか、あと花札もありますけどどうします?」

 

「最後のチョイスはちょっとわからない奴も多いんじゃないか^-^;?というかぶっちゃけ俺が分からん^^;;」

 

「それじゃあ無難にUNOかトランプでもやりませんか?それならわかる人も多いでしょうし。」

 

「だな。」

 

結局UNOをやることになった。

 

 

 

「UNO!そして追撃のドロー4ッ!」バシィッ

 

「させるかッ!ドロー4!ッ」バシィッ

 

「何のッ!ここでさらにドロー4ッ!」バシィッ

 

「これ後に続く奴地獄だな…、そしてさらにここから追撃のドロー4で次のターンの奴は骨になるッ!」バシィッ

 

「なん・・・だと・・・、いやまだだ!ここからさらにドロー2ッ!俺の敗北はまぬがれるはず「いや無理だ。確かドロー4の後にドロー2は使えないはずだぞ。」・・・オ・ノォォォレェェェェッ!!」

 

ただいま、UNO開始から2時間が経過していた。俺は前4人のドロー4により、手札が一気に16枚追加された。マズイ・・・なんとしてもビリ欠だけは阻止せねば・・・

 

「これで手札に16枚追加か・・・逆転はできるかな?」

 

「俺は無理な方にBET(賭けた)。賭け金はこいつの百円だ。」

 

「なら僕は先輩の二百円をかけてビリにはならないにします。」

 

「おい待てお前ら、どうしていつの間に俺の金が賭け金になってやがる。賭けてんのが3ケタってのがまた腹立つくらい良心的だけどよ。」

 

「「「さて、見せてもらいましょうか。あなたのあがきというものを・・・」」」

 

「お前ら後で覚えとけよ^^・・・とりあえずビリだけは回避してやるぞ!」バシィッ

 

「ビリ回避ってところがまた小さいですね^^;」

 

こら、やかましいぞそこの後輩。そこのお前だよお前!

 

「ようし、是非ともビリ欠にしてこのまま罰ゲームと行こうじゃないかははははは。」

 

「さ、させないぞ!何としてでも罰ゲームにはさせん!」

 

「このセリフを言った先輩が、まさかあんなことになるとは、当時の私たちはわかる由もなかった。」

 

「おいやめろ馬鹿!露骨にフラグを立てる奴は醜い!やめるべきそうすべき!」

 

「どうでもいいからはよやれ。お前のターンだぞ。」

 

「あ、すみません。」

 

結局、何とかビリ欠はまぬがれて罰ゲームはしのいだ。最下位は川平、お前だ・・・

ちなみに罰ゲームの内容は今度ニコ動でチルノパーフェクト算数教室を一人で踊るというものだった。

 

「粉☆バナナッ!(これは罠だッ!)」

 

「いえ、ケフィアです。」

 

「んな馬鹿な(笑)」

 

 

さらに三時間経過・・・

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」×8

 

「・・・しっかしあれだな。ここまでやるとトランプもUNOもそろそろ飽きてきた。」

 

「そうですね。ちょうどお昼時ですしご飯でも食べませんか?」

 

「だな、そうするとしよう。」

 

「「「「封印が解けられた!これで勝つる!」」」」

 

というわけで、各自持ってきた食事を広げ、ご飯タイムとなった。

 

「あれ?先輩のって手作りですか?」

 

「もちコース♪ちなみに今日のメニューは豚の生姜焼きにほうれん草の胡麻和え、ポテサラにシメジのベーコン巻と卵焼き。デザートはクッキーとスイートポテトパイだ。」

 

「ど、どれもおいしそうですね。」

 

「実際にこいつの料理はうまいぞ。というわけで梶原、その豚の生姜焼きと俺のトマトのへたを「お前いいと思ってんのかそれで^^#」すいまえんでした;;許して下しあ;;」

 

「へぇ~。先輩、ちょっと味見してもいいですか?」

 

「その餃子と交換でいいならな。」

 

「あ、はいそれじゃあ・・・う、うまいorz」

 

「まあそうなるわな。あ、その卵焼きくれね?」

 

「目敏い奴だな。まさか一番うまく焼けたのを選んでくるとは・・・ちなみにデザートの方はみんなにもわたるようにしてあるからよかったら食ってくれ。」

 

「「「さすがだ先輩!いただきまーす!」」」

 

うんうん、やっぱりこういうのは食ってくれる奴がいると自然とうれしくなるな。

 

「こうして後輩たちを飼い慣らし、その心を手中に収めていく梶原でした まる」

 

「お前のその言葉が無かったらもっとよかったのにな!」

 

 

「{モグモグ}そういえばこれから行くのって島根県ですよね。どうせなら先輩たちの受験祈願もかねて出雲大社とかも見ていきませんか?あ、これおいしい。」

 

「まあ例大祭は明日からだからな。今日一日は実質フリーだ。それくらいはいいんじゃないのか?」

 

「{モグモグ}え゙?俺そんなに金持ってないんですけど・・・」

 

「一人分くらいなら足りない分は別に出してやるよ?ホテルからそんなに離れてもいないし。バスで行けばそんなにはかからないだろ。」

 

俺は後輩にそう言う。

 

「あ、ありがとうございます!」

 

「さすが梶原さんの懐の深さはA+といったところかな。」

 

「了承してないうちから勝手言ってると厳しいけどな。」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

む?あいつ俺の胸元を見てる?・・・ああ、ひょっとしてこれの事か。

 

「どうした後輩?」

 

「いや、関係ないことかあもしれませんけど・・・先輩のそれ、どこで手に入れたんですか?」

 

そいつは俺の首に掛かっている矢尻と鍵を指さして言う。

 

「ああこれか。一年の頃によく行ってる漫画喫茶の隣で見つけたんだよ。何か気になってね。」

 

「へ~。なんかいいですねそれ。」

 

後輩たちが珍しそうに見てくる。

 

「確かこれに気が向いてなかったらお前、上の工事現場から降ってきた鉄筋に当たってたって言ってたよな。なんというか・・・奇妙というかある意味斬新というべきか・・・」

 

「え!?そうなんですか先輩!」

 

「おお。俺がたまたま見つけて自転車から離れてしゃがんだ直後にな、いきなり自転車の方からものすごい音がしたから思わず見たんだけど、ちょうど俺が乗るあたりに鉄筋が突き刺さってたんだよ。あれはあのまま乗ってたら即死だったな俺。そんでまあ折角だからこれをお守り代わりにほぼ毎日つけてんだよ。」

 

どことなくジョジョの第五部に出てきた矢尻と、亀の背中にはめ込むあれにに似てるし。

 

ちなみに持ち主の捜索届けは一応出してもらったが、誰も該当する奴がいなかったため俺がもらっておいた。

 

・・・まあ、あの出来事があってからは、その判断が実に正しいものだったと思い知らされたが・・・

 

「体育の時間まで服の下につけてたからな。体育の授業でこいつの着替え中に制服の下からこれが見えた時はちょっと焦ったぞ。」

 

確かに、風呂のとき以外は大抵身につけてたからな。親や教師が外せっつってもずっとつけてたし。

 

「・・・なかなか先輩も気合ありますね。」

 

「ハハ、そういうもんかねェ?」

 

実際にはもっとあったけどな。

 

 

 

話しているうちに全員が食い終わったようだ。

 

「ごちそうさまでした。」

 

「「「「「「ごちそうさまでした!」」」」」」

 

「それにしても先輩の料理おいしかったですよね。それこそ女性陣がorzするくらいに・・・」

 

「「うっ・・・・・・」」

 

「まあ俺の場合中学に入るころには家族の飯係の一人になったからな。これくらいは全然問題ねえよ。」

 

「ジョジョ第4部のトニオさんに憧れて料理始めたぐらいだからな。」

 

「それにしたっておいしいですよ。うちなんかまず料理できる人がいないのに。」

 

「其処は経験だろ。何事もやらなきゃうまくならないしこういうスキルは将来どっかで必ず役に立つからな。」

 

「あれ?川平先輩たちはできるんですか?」

 

「「・・・・・・・・・TKG(卵かけご飯)くらいなら・・・」」

 

「「「「「「・・・・・・・・・」」」」」」

 

「ま、まあそれも料理と言えなくもないな。」

 

若干微妙な空気になる。まあそれでもお互いにふざけて笑いあえる雰囲気には変わりないが。

 

「ええいやめだやめ!これじゃあこいつの料理自慢の話になる!」

 

「そうだ!俺たちの知る梶原泰寛と言えば、みんなの愛するいじられ役筆頭!そうだろ!?そうだと言ってくれよバァーニィィッ!!」

 

「「「「まあそれはそうですね。」」」」

 

「オイテメーらそのコメントもどうなんだよ!それからそこの馬鹿二人は後でO☆HA☆NA☆SHIの時間を取るからな。異論は認めん。」

 

「「フッ、梶原よ・・・それでも私は謝らなィィッ!!」」

 

「覚悟はいいか?俺はできている。」

 

「「アッ――――――――!!」」

 

目的地に着くまで、なんだかんだで時間はつぶせたのであった。

 

 

 

 

 

 

「出雲大社に来たぁ―――――――――ッ!!」

 

「「「「「「「来たぁ――――――――――ッ!!」」」」」」」

 

ようやく高速バスから降り、ホテルのチェックインの時間まで出雲大社で時間をつぶすことになった。

 

地味に周りの視線が痛いことはご愛嬌である。

 

「さ~てお前ら、神社でのマナーやルールは知ってるな?」

 

「えーと、参道では真中は通らないのと「二拝・二拍手・一拝」でしたっけ。」

 

「それもあるが大まかにまとめるとこんな感じだな。

 

 

神社にお参りするときは

身なりを整えてお参りしましょう。華美であったり、だらしなく見える服装は控えましょう。

境内に入るときは軽く一礼を。

まず手を清める

お参りの前に、手水舎で手を清め、口をすすぎます。

右手で柄杓を持ち、左手をすすぎます。

柄杓を持ち替えて、右手をすすぎます。

もう一度柄杓を持ち替えて、左手に水を受け、口をすすぎます。(柄杓には口をつけません。)

もう一度左手をすすぎ、柄杓を立てて残りの水で柄杓の柄をすすぎます。

きれいなハンカチ等で手を拭きます。

神前に進む

神前に進み、軽く一礼します。手荷物などは足下に置きます。

お賽銭を奉納します。

鈴が掛けてある場合は、数回振って鳴らします。

拝礼する

一般的な神拝作法は「二拝・二拍手・一拝」です。

深々と2回お辞儀します。

胸の高さで手を合わせ、2回柏手を打ちます。この時、心の中でお願い事などを申し上げます。

もう一度深々とお辞儀をします。

その場から離れるときは、小さく一礼します。

 

 

とまあざっとこんなもんだな。

神社によっては特殊な神拝作法があるがもっとも一般的なのはこれくらいだ。まあそこらへんで配られてるパンフレットとかを見ればわかるだろう。」

 

「へぇ~、川平先輩よく知ってますね。」

 

「東方の知識とかから分岐して覚えたんだろうな、きっと。」

 

「フッ、褒めるなよ。」

 

「褒めてねえよ^^;それじゃあみんな、思い思いの願いを持っていくとするか。」

 

「「「「「「おお~。」」」」」」

 

高校少年&少女移動中・・・

 

 

 

 

「さて、俺は無難に受験に合格しますようにってしとくか。」チャリーンッ

 

「本当に無難だな梶原。俺はなんかいい能力持って幻想郷に行けますようにって全力で祈っとくよ。・・・幻想入り幻想入り幻想入り幻想入り幻想入り幻想入り幻想入り幻想入り」チャリーンッ

 

「全力とかいう割に入れるのは5円玉なんですね。というか怖すぎますよ^^; 私は今みたいに楽しく過ごせますように。」チャリーンッ

 

「まあこういうのは入れるお金よりも気持ちの問題だからな。賽銭とかはあくまでここを管理する巫女さんの活動や生活費に充てられるし。俺は・・・似たようなもんかな?」チャリーンッ

 

全員がおのおのの願いを言ったようで、それからはみんな適当にぶらぶらしながら、チェックインの時間まで過ごし、そのあとはみんなでゲーム大会をして終わった。やっぱり友達と過ごすって楽しいよな。

 

ちなみに、結局最後まで俺のいじられポジションに変動はなかったようだ。・・・チクショオオメェェェェッ

 

 

 

---AP6:30

「おい起きろ!そろそろ時間だぞ。」

 

例大祭の開催地まではバスで二時間くらいかかるから、今から起きないと間に合わないかもしれない。

 

俺はベッドに寝ている川平、矢部、後輩の一人を起こす。

 

「う~ん、あと十分・・・」

 

「ベタなこと言ってないで早く起きろ。このままだと例大祭間に合わ「オラァーーとっとと起きろお前ら!!梶原、お前はほかの奴らも起きてるか確認してきてくれ!!」お、おう・・・」

 

あいつのあの剣幕はマジだな。本気でこの日を楽しみにしてたのがひしひしと伝わってくる。

 

・・・とりあえず確認しに行くか。

 

 

 

---AP8:00

「よっしゃあ着いたぞ!」

 

あれからみんなを起こし、朝食を食ってからバスに乗って移動した。

 

どうやら会場が開くまでには無事つけたようだ。

 

「それにしても今回の会場は大きいですね。」

 

「ああ、それじゃあ会場の入り口になら「あの、川平先輩達もういっちゃいましたよ。」・・・俺たちも並びに行こう。」

 

「・・・そうですね。」

 

とりあえず身近なところによっていく。途中、スタッフの人が内輪と一緒にパンフレットを配ってい他のでそれをもらった。

 

「遅いぞ。あと少しで始まる!」

 

「はいはい、それじゃあみんな・・・今日はめいいっぱい楽しもうか。」

 

「「「「「「「当然(だ)!!」」」」」」

 

とうとう会場がオープンした。さて、元を取る以上の勢いで楽しませてもらうかな。

 

 

 

「おい、これとかお土産にいいんじゃないか?」

 

「俺はこの同人誌とか缶バッジもいいと思うな。」

 

「せんぱ~い、これみてくださいこれ!」

 

「あん?何かあったの・・・ウボアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」

 

「!!?うおーーーいどうした!?いったい何が…{クイクイ}うん?そっちに何が・・・イ゙エ゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!?」

 

「えっちょ、先輩方!?いったい何が…お前…鬼か。」

 

「目、目が・・・目がぁーーーーっ!!」

 

「「まさかのコスプレ写真集(あんまりかわいくない)を見せてくるとか・・・ひどすぐる;;」」

 

「ハハハ、先輩のみなさんこういうリアクションはやっぱり面白いですね^o^」

 

「か、勘弁してくれ。そういうのは梶原一人で十分だ…」

 

「まったくであるな^^;」

 

「テメーら後で覚えとけよ・・・」

 

ちなみにこのやり取りは、ブースの人には見えないようこっそりとおこなわれていたのであった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

「おい、あそこでアニメーションのPVがあるみたいだぞ。」

 

「よっしゃぁ―――待ってろ上映会!!」ダダダッ

 

「はえぇええ――!?クーガーの兄貴が霞んで見えるくらいはえええ――!!」

 

「俺らも急いでいくとするか。」

 

「露骨にフラグを立てる・・・いやらしい。」

 

「フラグじゃねえよ--;」

「いやらしい先輩・・・{ポッ}」

 

「お前はいったい何を考えた(==;)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

楽しい時間はあっという間に過ぎていき、やがて俺たちも帰る時間となっていた。

 

「それじゃあ最後に記念写真を撮るぞ。ほら、みんな寄って寄って。」

 

俺がカメラを持ってみんなの準備が整うのを待つ。

 

「ちょっと待て。今・・・よし。みんなOKか?」

 

「大丈夫です。」

 

「こっちも大丈夫だ。」

 

「それじゃあタイマーをセットして・・・よし、カウントダウン10秒」

 

タイマーが点滅している間に、急いで俺もみんなのもとに駆けつける。

 

「よ~し、じゃあみんな笑って~」

 

---パシャッ

「えっと映り具合は・・・よし、問題ないな。」

 

どうやら問題なく写真は取れたようだ。

 

「梶原、確かお前ノーパソ持ってたよな。それで移動中にみんなのケータイとかスマフォに入れといてくれね?」

 

「アイアイサー。じゃあ一先ずどこか飯屋に移動するぞ。みんな夕飯は大丈夫か?」

 

「「「「「大丈夫だ、問題ない。」」」」」

 

「よし分かった。じゃあ行くか。」

 

一先ず、荷物の整頓をして移動を開始する。

 

「{ドンッ}うわっ!?」

 

あ、しまった。思わず子供に・・・仕方ない。

 

-----シュバババババババッ

 

「え!?」

 

「あ~~~~~ごめんね?お兄さんよく前見て無くて。大丈夫かい?」

 

「え?・・・・・・は、はい!大丈夫です。」

 

「それはよかった。それじゃあね。」

 

「お~~~い何してんだ?早く行こうぜ~~~!」

 

「おー分かったー!」

 

とりあえず適当に飯屋を見つけてそこでみんなで夕飯を済ませ、そのあと帰りの高速バスに乗り込んだ。

 

 

 

 

 

「{カタカタカタカタカタカタカタ タタンッ}ふう、これで最後だ。ほらよ。」

 

川平の分のデータのコピーを完了させて、ようやくくつろぐ俺。時間は既に深夜だ。

 

「おう、おつかれさん。しかし今日は楽しかったな。」

 

「ああ、まったくだ。・・・・・・」

 

「?どったの?」

 

「いや、これからもまたしんどくなるなぁって思ってさ。別に嫌な訳じゃねえよ?こういうのもあるからこそ人生楽しいわけで。というかみんなはもう就寝中か?」

 

「まあな。みんなデータをもらったと同時にすぐ寝ちまいやがった。相当遊び疲れたんだろうな。」

 

「そうだな…やっぱりこの企画立てたのは正解だったな。ある意味今年一番の思い出かもしれん。」

 

「気がはええよ(^^;)まだ半年たったばっかりじゃねえか。文化祭も残ってるっていうのに・・・まあ気持ちはわからなくもないけどな。」

 

「そうだよな・・・・・・俺たちもとっとと寝るか。明日も早いんだし。」

 

「だな。寝不足は美容の大敵だ。というわけでお休みワトソン君。」

 

「誰がワトソンか(^^;)というかお前美容とか気にしてたの?」

 

「いや全然・・・zzz・・・zzz・・・」

 

あっという間に寝ちまった川平。やれやれ・・・

 

「・・・お休みなさい。」

 

そして俺も、それに追従するように眠りにつく。

 

・・・明日も、こんなふうにいい日になりますように・・・

 

 

 

 

 

 

 


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