デッドマンズN・A:『取り戻した』者の転生録   作:enigma

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題名が思いつかなかった・・・orz



第八話

どうも皆さん。今日も魔法のような愉快を求めてさすらうスタンド使い、梶原泰寛です。現在は絶賛外でお散歩中。

いつぞやは一日に四つもジュエルシードが手に入るという謎事態に驚いたものの、ちゃっかり封印も施して今はアライブの口から腹の中に収納されている。

・・・正直これどうするか。頃合いを見て矢島経由で奴さん等に渡してもらうのがベスト何だろうが・・・

「ま、とにもかくにも今は平和を望むのみ・・・か。」

風の向くまま気の向くまま、ブラブラと街中を散歩していた・・・

 

 

 

 

 

 

 

「ハァ―・・・ハァ―・・・あ、あの!」

 

不意に後ろから、割と大きめの声が息切れとともに響いてくる。

 

・・・なんだろ?聞き覚えがあるような無い様な・・・とりあえず誰なのか確認しようと後ろを振り向く。

 

「・・・高町?」

 

そこにいたのは、かなり久しぶりに見る高町なのはの姿だった。

 

「やっぱり泰寛君なの!久しぶり!」

 

「ああ、久しぶり。というかこんなところで何しているんだ?」

 

まあ平穏無事にやれているのならば、どこで何していようが急に連絡を絶った俺にどうこう言えたものでもないが・・・

 

「あ、実はさっきまで友達と一緒にサッカーの試合を見てたの!それで試合が終わったから次はみんなで翠屋に食事しに行こうってなったの。そういう泰寛君は何してたの?」

 

「俺ェ?今日の所は適当に散歩してたんだけど・・・後ろから走ってくるのはお前の友達か?」

 

ふと後ろを見てみると、高町の後ろからこちらに走ってくる人影が見える。

 

どちらも身長の割に髪が長めで、一人は金髪、もう一人は紫に近い黒色だ。

 

「ゼェ・・・ハァ・・・ちょっとなのは、急に走り出してどうしたのよ!ていうかあんた誰?!」

 

「アリサちゃん、落ち着いて・・・なのはちゃん、その人は?」

 

二人はこちらにつくと、それぞれが俺について聞いてくる。

 

 

というか金髪の奴、もしかしてアリサ・ローウェル?

・・・いや、さすがにそれはないか。髪の色はともかく眼の色まで変わってしまったってのはどこぞのギャングスターさんくらいなものだろう。

大方見た目だけそっくりな別人だな。こっちはあいつに比べてなんだかきつい感じがするし・・・

 

 

「二人とも紹介するね。この子は梶原 泰寛君、五歳の頃に友達になったの。」

 

高町が俺の質問に答え、俺を二人に紹介する。しょうがない、俺もしておくか。

 

「どうもお二人さん、今更友達といっていいのかどうかというくらいに期間があいちゃってるけど・・・高町の友達の梶原 泰寛だ。」

 

宜しく、と会釈をしながらいう。

 

「なのはの友達のアリサ・バニンクスよ。アリサでいいわ。」

 

「月村すずかです。私もすずかでいいよ。」

 

「アリサとすずかね。解ったよ。」

 

お互いに自己紹介が済む。

 

「むぅ~~~、なんでアリサちゃんたちは名前で呼ぶのに私だけ苗字なの。」

 

が、なぜか隣で高町が妙にむくれていた。

 

「なんでって・・・さすがに期間が空きすぎてるから自然とこうなったとしか言いようがないな。」

 

別に俺の中ではややこしくなければ名前呼びだろうと苗字呼びだろうと大差ない。矢島のことを未だに苗字で呼んでいるのも単にこれが原因である。

というかこいつを名前呼びしたときは大抵あの二人が修羅となるからこっちの方が不都合がなくていいってのもあったけど・・・

 

「それじゃあ次からは私も名前で呼んでほしいの。」

 

「いや高町、別にどっちもあんまり変わらないと・・・」

 

「むぅ~~~~~~~~~~~~~」

 

「・・・・・・わかったよ、要望通り名前で呼ばせてもらうよ。」

 

たかま・・・もといなのはの強い要望に根負けし、名前呼びをすることにした。

なのははそれを確認したのか、とても満足そうに頷く。

 

「あ、そうだ!これからみんなで食事に行くんだけどあんたもどう?」

 

「・・・そういやそろそろお昼時なんだよな。」

 

あそこの料理は確かにおいしい。例の修羅達を除けば懐に余裕を感じる時は来てみたいとは思っていたが・・・基本貧乏性だし作ろうと思えば自分でも大概作れてしまうので、そう思う機会は実の所あんまりなかったりする。

 

「泰寛君、私も久しぶりに一緒に話したいの。一緒にいこ?」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・ま、少し位いいか。万が一の時はスタコラ逃げちまえばいいし。

 

「それじゃあご一緒させてもらおうかな。」

「それじゃあ決まりね!多分あいつが席を取ってるはずだから早く行くわよ!」

 

その言葉を皮切りにまた道を走り出すアリサ。

 

「あ、待ってよアリサちゃ――ん!」

 

そしてそれを追いかけていくすずか。

 

「・・・俺らも行くか。」

「うん♪」

 

なぜか腕を絡めてくるなのはに、まあいいかと結論付けて俺達も翠屋に向かった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「よう梶原、お前もここで昼飯か?」

「何故お前もいるしwww」

 

翠屋のオープンテラスにて、なぜか優雅に紅茶を飲む矢島と邂逅する。ちなみに机の上には、見るからに食いかけのハンバーグセットが置かれていた。

 

「ちょっとケイイチ!あんたあたしたちが来るまで待ってるように言ったじゃない!」

「ハテ?ソンナコトイイマシタカナ?」

「ぐぬぬぬ・・・」

「私は皆で一緒に食べたかったなぁ・・・」

「うむむ、それはちょっと悪いことをした気がする・・・だが敢えて言おう!私は謝らないィィィ―――ッ!!」

「ちょっとは悪びれなさい!{バシィッ}」

「あべし!?」

 

・・・・・・・仲が良さそうじゃないか。

 

「で、お前はここでこの三人と待ち合わせでもしてたのか?」

「ん?ああそういや言い忘れてたな。俺今日サッカーの助っ人を頼まれてて終わった後ここでゴチになる予定だったんだよ。というかいきなりなのはが走り出したから何事かと思ったけどお前その状態羨ましいな爆発しろよこの野郎ッ!!!」

「落ち着きたまえ^^」

「・・・・・・・・・落ち着いた^^ 凄く落ち着いた^^」

 

羨ましい、ねぇ。俺とコイツの年があと+6くらいだったらそれはありかもしれんけど・・・生憎俺はロリコンではないわけですしおすし。

 

「あれ?泰寛君はケイイチ君と知り合いなの?」

「まあちょっと前からね。」

「大体一年くらい前だったか?」

 

コイツとの邂逅は、未だに俺の中でしっかりと残っている。あの時は正直驚いたな。

 

「むぅ、なんだかちょっとずるい気がするの。」

「何がだよww そうだ、どうせなら相席頼めないか?」

「(ペロッ、これはフラグの味!)構わねえよ、一人増えるくらい問題ないし。それにしても・・・」

 

矢島はそういうと、俺となのはを交互にまじまじと見てくる。

 

「な、何だよ。」

「いやぁ~べつにぃ~?ただお前にしちゃ意外だな~と思ったり?」

「なんのこっちゃ・・・」

「それじゃあ決まりね!ほら、いつまでも突っ立ってないで早く決めちゃいましょう!それと敬一?今の発言についてちょっと聞きたいんだけど・・・」

「私も今のはチョットキキズテナラナイカナ~・・・」

「え?あ、あれ?ちょ待って「「問答無用!」」お、お助け――ッ!」

「・・・・・・一先ず俺らも座ろうか。」

「にゃ、にゃはは・・・お邪魔しますなの。」

 

さて、久々だけどどんなのがあったっけ・・・

 

 

 

 

「ねえ、そういえばあんたとなのはっていつから知り合いだったの?」

 

食事の途中で、突然アリサがそう言ってくる。

 

「大体4年前だったか?海鳴公園で会って一緒に遊んだ時からかな。」

「うん、私が変な子供に絡まれてた時に一緒に遊ぼうって声をかけてくれたんだよ。ついでに殴りかかってきた変な子も追い払ってくれたんだ。あ、そうだ梶原君、あの時やってくれた小石を花に変えるマジックってどうやったの?」

「え?あ、いや・・・マジックのタネは人に教えるものじゃないし、ノーコメントってことで。」

 

言えるわけがない。まさか超能力の一種で本物の花に変えただなんて・・・

 

「へぇ、アンタたちそんなことがあったんだ。」

「いいなぁ、なのはちゃん。そういうのって憧れるよね。」

「えへへ~~♪」

「おいどうした矢島、今の話題になってから顔色が悪くなってないか?」

 

もしかしてさっきの謎の折檻が効いてたとか?いや、それにしてはタイミングがおかしい気がするな。

 

「お、おおおおお俺がか、かかかか顔色ののののどこここが悪いって証拠だよ!?ねねねねね捏造はややややめるべきそうすべき!!(やっべぇ!俺めちゃくちゃ関わってるよというかその変な子の一人だったよ俺!)」

「ホントにどうしたのよアンタ!?さっきから様子がおかしいわよ!?」

「落ち着きたまえ^^」

 

そういえばあの時、銀髪オッドアイの方に奇妙な違和感を覚えた気がするがあれは一体なんだったんだろうか・・・まるで見た目と中身が一致しないかのような感じが・・・いや、まさか・・・

 

・・・そっとしておこう。

 

「その変な子ってどんな感じだったの?」

「え?う~~ん・・・何か気持ち悪い感じだったような・・・」

 

---グサッ

 

「確かあの二人、会ったこともないはずのなのはの名前を知ってたんだよな?あの時は正直重度の変質者が出たと思ったぞ。」

 

---グサグサッ

 

「うわ何それ?ホントに気持ち悪いじゃないの!」

「おまけに急に目の前に現れたと思ったら俺の嫁とか言われて・・・泰寛君がいてくれて本当によかったの。」

「怖いよね、たまにそういう人がいると思うと・・・」

 

---ドグチャアッ ヤメテ!ヤジマクンノHPハトックニゼロヨ!

 

「俺はあの歳ですでに重度の変質者ってのがまず恐ろしかったけどな。お前らも気をつけろよ?一度関わってしまうと大抵碌なことがないからな。」

 

 

 

「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」

「・・・・・・・まさか・・・」

「にゃ、にゃはは・・・」

「忠告はありがたいわよ・・・でもちょっと遅いわ。」

「界統か・・・・・・あいつ俺たちの教室に来てはしょっちゅう三人にほざいてやがる上にそれを全く悪びれてないどころか本気でそう思ってる節があるからな・・・(そう言えばあの時俺と一緒になのはに突っかかってたのってひょっとしてあいつだった?思えば面影とかかなり被るし・・・うわぁいますます古傷が・・・(;ω;))」

「「「「正直うんざり(よ)(だよ)(なの)(だ)!」」」」

「・・・・・・・・・さよか。大変だなお前ら。」

 

改めて聖祥に通ってなくてよかったと思う俺だった・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところでなのは、そいつはお前のペッ・・・もとい保存食か?」

 

食事がデザートに入った段階で、なのはの背後から出てきた小動物を見た矢島が、なのはにそう言う。

 

「キュッ!!?」

「何でッ!?しかも何でペットって言いかけてそっちに言い直したのッ!?」

「そうだぞ矢島、せめて非常食って言ってあげないと。」

「それは全く意味が変わってないと思うのッ!?というか食べ物から離れるべきだと思うのッ!」

 

繰り出されるボケに右往左往するなのはと、身を竦めてビビる小動物・・・コレハハヤル(*´ω`*)

 

「そして次の皆のセリフは『それは流行らないし流行らせない』だッ!!」

「「「「「それは流行らないし流行らせない(ぞ)(わよ)(よ)(なの)!・・・ハッ!?」」」」」

 

ふはははははは!素晴らしきかなテンプレの力!

 

「むむむ・・・そういえばこの子は・・・・・・フェレット・・・・・・なのかしら?ちょっと違くない?」

「そういえば、ちょっと違うかも・・・・・・動物病院の院長さんも、変わった子だねって言ってたし・・・・・・」

「確かに、改めて良くみたら何かが違う気が・・・・・・」

「「ギクゥッ!?」」

 

何故かアリサや俺達の感想に、なのはと小動物がビクッと飛び上がって驚く。

ちなみに俺もその意見には賛成だ。

普通の動物ならネズミだろうが蝶だろうが『黄金長方形』が見えてくるはずなのにこの動物からはそれが何故か見えない。

少なくとも何か特殊な事情のあるやつなのだろう。

 

「え、えーっと……ま、まぁちょっと変わったフェレットって事でッ!!ほ、ほらユーノ君、お手ッ!!」

「キュッ!!」

「「わぁ~ッ!?可愛い~~ッ!!」」

「いや、普通はフェレットにそんな事出来ないだろ・・・・・・」

「確かにwwフェレットのやる芸ではないなw」

 

アリサやすずかがはしゃいでいる中、俺と矢島は順にツッコミを入れる。

まあフェレット?自体は害はなさそうだし俺たちの気にすることではないだろう。

 

 

「あっ・・・」

 

なのはが突如道路の方を向く。

その視線の先には、おそらくサッカーのチームの一人であろう少年に向けられていた。

少年の後ろからは一人の少女が駆け付け、いい感じに二人並んで歩いて行ってた。

 

「?どうかしたか、なのは。」

「え?う、ううん。なんでもないの。(気のせい・・・だよね?)」

「・・・そうか。」

 

まあなにもないのならそれに越したことはないけど・・・

 

「あははははは、あ~楽しかった!はい、なのは。」

「え?あ、あ~・・・」

「キュ、キュウ~~・・・」

「あらら。」

 

謎の空気を他所に、散々遊ばれて目を回したユーノをアリサが高町に返した。

 

「じゃあ私たちもそろそろ解散?」

 

アリサはバスケットのようなものを机に置いてそういう。すずかも自分のカバンを持っていた。

 

「うん、そうだね。」

「そっか、今日はみんな午後から用があるんだよね。」

「うん、お姉ちゃんとお出かけ。」

「私はパパとお買いもの!」

「いいねぇ。月曜日にお話聞かせてね。」

「俺は・・・特に何もねえ(;ω;)」

「俺だって何もねえよ。そうか、今日の所はこれで解散か。」

 

俺は午後から何するか・・・ぬ?

 

「そうなの?そ、それじゃあ泰寛君。この後家に・・・」

「お、みんなも解散か?」

 

ゲッ、この声は・・・あの人影は・・・

 

「あ、お父さん。」

「それじゃあなのは!お金おいとくから勘定よろしk「{ガシィッ}まあ待ちなさい、久々に君とも少し話したかったんだ・・・もう少しゆっくりしていきなさい。」ハイ・・・」

 

即決で逃げ出そうと席を立った俺を捕まえたその人物は、この翠屋に踏み入りたくなかった原因の一つ・・・なのはの父こと高町士郎その人だった。

 

「ど、どうした梶原、冷や汗がすごいぞ?」

「そ、そうだよ。急にどうしたの?」

 

矢島となのはが俺に心配そうに言ってくる。俺はそれに苦笑いで返事をしながらどうしたものかと思考を加速させていく。

 

「安心しろ、気のせいだ・・・(何とか隙を見つけて逃げなくては・・・そうだ!)」

 

策を思いついた俺はすぐさまそれを実行に移す。

 

---コォォォ―――――――――ッ

 

「きょ、今日はお誘いいただいてありがとうございました!」

「試合、かっこよかったです。」

 

アリサやすずかは、若干引き攣った笑みを受けべながらも親父さんにそう言う。

 

「ああ、すずかちゃんもアリサちゃんも、ありがとな~応援してくれて。矢島君、君もわざわざ助っ人に来てくれてありがとう。」

「い、いえ・・・好きでやった事なんで良いんですよ・・・」

 

アリサやすずかに笑顔を向けているが、俺を掴む手は一切力が抜けないしよく見ると眼も笑っていない。

矢島はその異常に気付いているのか、これまたさっきから引き攣った笑顔を浮かべている。

 

「さて梶原君、折角久しぶりに来てくれたんだ。どうやら昔に比べてそこそこ鍛えているようだし、僕が稽古でもつけてあげよう。ちょうど恭也もいることだし・・・な?」

 

なんかいってるが無視だ!さて・・・

 

「お、お父さん、泰寛君に何する「なのは、さっき言ったが勘定は頼むぞ。」え?」

 

俺は高町の親父さんに向きなおり、掴んでいる手をがっしりと掴み返して見上げる。

 

「なのはのお父さん、稽古の話についてですが・・・遠慮します!」

 

---バリバリバリバリバリバリバリバリバリッ

 

「あばばばばばばばばばばばばばばばばばばばば!?」

「「「え!?」」」

 

掴んだ手から即興で練り上げた分の波紋エネルギーを全力で流し込む。

 

高町の親父さんは不意を突かれたこともあってか電流を流し込まれたように痙攣してその場に倒れ込んでしまう。

 

「{バッ}それじゃあみんな!またいつの日にか会おうぜ!サラダバ――――ッ!!」

 

力が抜けた親父さんの腕を振り払い、俺は唖然としている皆を尻目に全力疾走でその場を後にしたのだった・・・

 

あ、領収書貰ってねえや。やっちまった・・・

 

 

 

「な、何だったの今の・・・」

「さ、さあ?一瞬泰寛君の手が光ったようにも見えたけど・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・ハッ!お父さん大丈夫!?」

「な、なんとか・・・い、今のはいったい・・・」

「・・・あれ?そう言やなんか大事なことを忘れてるような・・・あれぇ~~~?」

 

 

 

 


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