デッドマンズN・A:『取り戻した』者の転生録   作:enigma

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第十話

どうもみなさんこんにちわ、プライベートタイムをこよなく愛するスタンド使い、梶原 泰寛でございます。

本日は食品が乏しくなってきた冷蔵庫を再びいっぱいにするため、近くの商店街にお使いに行くことになりました。

無論、5歳の頃から店の人たちと仲良くしていた俺に隙はない。

顔を覚えられ、良い印象をもたれてからはお使いに行くたびに大抵何かおまけしてくれたり金額をまけてくれるため、お使いの時の俺はそれなりに活躍する。

 

「それじゃあ泰寛、車には気を付けるんだぞ。あと領収書はちゃんともらってくるように。」

「うん、解ってるよお父さん。それじゃあいってきます。」

「ああ、いってらっしゃい。」

 

財布とカバンの確認をし、お見送りをしてくれてる父さんに挨拶をして、俺は家から商店街への道を歩いて行った。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

「お姉さぁーん(社交辞令)、この卵とキャベツと・・・あとこれとこれ頂戴!」

「あいよ、いつもありがとね~!ついでにこれもつけてあげるよ!」

「ありがとうございます!それじゃあこれ代金。」

「はいはい・・・丁度だね。また来ておくれよ~(^ω^)ノシ」

「は~い(^∀^)ノシ」

 

さて、これであらかた必要なものは買えたな。

というか今回も今回でお菓子とかすっげえもらっちまったよ。

人付き合いは大事(確信)

 

「時間は・・・10時ってところか。」

とりあえず買ったものを家において、その後の予定は・・・帰りながら考えるか。

ホント、商店街の人たちマジ感謝!

 

 

 

 

 

 

 

「グルルルゥ~~・・・」

「お、おとなしくジュエルシードを・・・わ、渡してください。」

「・・・どうしてこうなった/(^o^)\」

 

い、今起こったことをありのままに話すぜ!フェイト・テスタロッサが家路の途中にあるコンビニから普通に出てきて、おまけにどっからともなく現れたでかい犬に挟み撃ちにされた・・・!な、何を言ってるかはわかるだろうが俺は今この状況にすごく驚いている!

 

・・・まあそれはともかく、いったん落ち着こう。まずはこの警戒度MAXな一人と一匹をどうにかせねば。一先ず買い物袋をおいて・・・

「落ち着けよ。こんなところで騒ぎを起こせば、お互い平穏無事というわけにはいかなくなるぞ?」

周囲には普通に人がいる。ここで暴れれば少なくとも騒ぎの内容が誰かの眼についてしまう。

意味なく目立つのは嫌いだ。

だからそういうのは、俺としてはよろしくない。というわけでさっさと矛を収めろくださいこの野郎!

「・・・・・・・・・・・・・・」

「クゥ~ン・・・」

・・・まあそれもこの際置いておくとしてだ。

「・・・どうしても欲しけりゃまずは理由を言えよ。それとも何か?本当に欲しいのはお前じゃなくてお前の大切な人で、自分は理由を知らされてないから詳しい理由は話せませんとかか?」

「「ッ??!」」

「(まあ分かっていたことではあるが・・・)当たりかよ。何つうかまあ分かりやすい反応だな。」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・私は・・・」

・・・・・・・・・・ハア~~。

「そういうことなら、お前が集めてる理由を聞いてもしょうがないな。あばよ。」

荷物を持ってテスタロッサの隣を通ろうとする。

 

「!待って!」

が、当人によって阻まれた。

「あなたは・・・どうしてジュエルシードを集めているんですか?」

「・・・・・・俺はこの街を、自分の生きる場所を守るためにこれを封印しながら集めている。危機を未然に防ぐために、これからも俺なりに集めていくつもりだ。」

テスタロッサの問いに対し、比較的何時もよりも真面目に答える。

 

こればっかりは・・・対処が遅れるのは問題だからな。最悪住むとこがなくなるとか、世話になってる人が傷つくってんならなおさらのこと。

 

「・・・そう・・・・・・・」

テスタロッサは警戒は緩めないが、ほんの少しだけ、何とも言えない表情をする。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

---ジィ~~~~~~~~~~~~

 

話が一区切りついたところで、俺は改めてテスタロッサを見る。

 

「え、えっと・・・どうしたの?」

 

・・・良く見ると顔色がよろしくないな。四六時中探し回ってたとしても休憩くらいは入れているだろうし・・・ん?

「なあ、お前が持ってるそれ・・・中身はカロリーメイトか?」

「え?そ、そうだけど・・・」

「・・・ひょっとしていつもそんなもんばっかり食ってるのか?」

「うん。」

なるほど、そりゃ顔色も悪くなるわなぁ。

 

 

・・・父さんたちは昼頃に帰ってくるし、さすがに見ず知らずの奴と家の中でばったりご対面は勘弁したいから・・・・・・・よし、あそこはちょっと苦手だけど行ってみるか。

 

「{コツコツコツ ガシィッ}お前はちゃんと飯を食え!というわけで早速行くぞ!」

「え?え?え?」

「ほらほらぼさっとしない!そこの犬も早く来る!」

「ワ、ワウ?!」

急な展開に混乱しているテスタロッサの手を引き、後ろに控えていたオレンジ色の犬に呼びかけながら割と強引にあるところへ向かった。

 

 

・・・あれ?これ見方によっては誘拐みたいじゃね?・・・だ、だだだ大丈夫だよ!俺見た目小学生だし!(震え声)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いらっしゃいませ。ご注文は・・・あら、梶原君じゃない。お久しぶり♪」

「お久しぶりです、桃子さん。相変わらずの謎の若さですね。なのははお出かけ中ですか?」

荷物をいったんエニグマで(見られない角度で腐りやすい物だけ)紙にし、フェイトを連れて俺が来た場所は、俺の来れる範囲で一、二を争う飲食店・・・そう、翠屋である。

なぜここに来たのかというと、さすがに自宅で料理をふるまうのは親と鉢合わせた時が面倒くさいからだ。

それでまあ、どうせ外食するくらいなら旨いのを食う方がいいということで、ここに行くという考えに至ったのだ。

 

で、俺が今対面しているこの人は高町 桃子さん。

ここ翠屋のパティシエにして、なのはを含む三人兄妹の実の母なのにもかかわらず見た目は大学生で通りそうなほどの謎の若さを誇る人物である。

「ええ、朝からどこかに行ってるのよ・・・てあら?その子はお友達かしら?可愛い子ね。」

「か、可愛い・・・」

桃子さんの可愛い発言に顔を赤くして照れるテスタロッサ。

・・・・・・・なるほどな、確かにこうして見ると可愛いと思う。

 

 

 

『{ピクッ}』

『?なのは、どうしたの・・・!?』

『・・・あ、ううん、なんでもないよ。ただね・・・』

『?ただ?』

『私の知ってる人がいけないことをしてる気がして・・・・・・OHANASHIシナクチャイケナイキガシタダケダヨ・・・』

『え・・・あ・・・』

 

 

 

 

---ゾクッ

「?どうかしたの?」

「いや、なんだか寒気が・・・」

 

・・・それも単なる寒気ではない。気が付いたらクリームの暗黒空間が側まで来ていた時のような・・・知らないうちに危機が我が身に降りかかろうとしているのを感じ取った時のような、そういう類の寒気だ。

ジョセフふうに言うならば、まるで【ケツに氷柱をブッ刺された】ような寒気ってところか?

いずれにしても、この感覚があった時は大抵碌なもんじゃねえんだけどな。

 

「フフフ、ひょっとしたらなのはがあなたにやきもち焼いてるのかもね?」

「は?やきもち?」

 

あいつが?俺に?・・・んなバカな。あいつはまだ小学生だぞ。 (ヾノ・∀・`)ナイナイ

というかやきもちで俺が寒気を感じるほどってどういうことだよ。

 

「泰寛君、最近の女の子は早熟なの。そんなふうに考えてると近いうちに痛い目見るわよ?」

「・・・考えておきますよ。というかその前に何で考えが読まれてるんですか。」

「フフフ、それはね・・・女の勘よ。」

「女の勘SUGEEEEEEEEEEEE!!」

正直言おう!んなバカな。

「あ、あの・・・」

あ、すっかりテスタロッサのこと忘れてた。

「それじゃあ注文はオムライスとシュークリームとメロンソーダを一つずつでお願いします。」

「あら?ひょっとして二人で分けるの?」

「まさか、俺は家で食うつもりなんでこの子の分だけお願いするんですよ。あ、メロンソーダは僕がもらいますけどね。」

「え?いいの?」

「・・・元はと言えばこうするために連れてきたからな。桃子さん、一先ずオーダーは以上です。」

「フフフ、分かったわ。それじゃあ二人とも待っててね♪」

・・・まったく、いったい何だったんだ?

 

 

 

 

 

 

---もきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅもきゅ・・・

この擬音、いったいなんだと思う?

正解は・・・

「{チュウ―――――・・・}・・・フェイト、だったっけ?そんなにあわてなくてもオムライスとシュークリームは逃げないぞ?」

 

テスタロッサの食事の音でした、まる

何というかあれだな、育ちの良さを垣間見させる擬音というか・・・

 

「え?・・・{カアアアアアアア}あ、あううう・・・で、でもこのオムライスすごくおいしいから・・・{ツンツン}」

・・・・・・・・・まあ、可愛いよな。なんというか・・・すごく微笑ましい。

 

 

 

---ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ

『フフフ、泰寛君今頃ナニシテルカナァ?モシホカノオンナノコトイチャイチャシテタラ・・・フフフフフフフフフフフフフフフフフフフフ・・・』

『{ガタガタガタ・・・}(ど、どうしたんだなのは!まるで人が変わったかのような・・・ハ!まさかジュエルシード探しの疲れが彼女をこうしてしまったのか・・・)』

 

 

 

---ゾクゥッ

まただ、いったい何だこの悪寒は・・・まあいいや、とりあえず今は目の前の食べっぷりを拝んどくか。

「・・・まあ、自分のペースで食べな。無理やり連れてきたようなものだし代金の支払いは俺が持つからよ。」

「うん!ありがとう!」

ま、眩しい!なんなんだ?見ているこっちが浄化されそうになる笑顔は・・・まさか、これが本当の純粋無垢ってやつなのか!?

フェイト・テスタロッサ・・・(色んな意味で)恐ろしい子!

 

 

 

 

「ごちそうさまでした!」

「お粗末様でした。見ているこっちが腹いっぱいになりそうだったよ。」

テスタロッサの見ているだけで微笑ましくなる食べっぷりを見ながら約三十分。

頼んだメニューは一通り完食した様だ。

・・・正直俺も(精神的に)お腹いっぱいになった気がする。

「えへへへへ♪今日はありがとう!」

「どういたしまして。満足してもらえたようで何よりだ。」

 

・・・・・・かなり今さらすぎるかもしれないけど、こいつちょっと心配になってきたな。さっきもなんだかんだで抵抗らしい抵抗もせずについてきてしまってたし・・・

 

「・・・今更俺がこんなこと言うのもなんだけどよ、俺がお前を引っ張ってきたとき、俺が悪党でお前に良からぬ事しようとしてたらどうするつもりだったんだよ?」

「ほえ?でも・・・えっと・・・」

「・・・梶原 泰寛だ。苗字が梶原で名前が泰寛。」

「泰寛はいい人だよ?」

「いや、そういう話じゃなくてだな、もうちょっとこう警戒心というものをだね・・・」

「うん!」

「・・・・・・お手上げでござる\(^∀^)/」

駄目だ、これはちょっとやそっとじゃ理解されそうにない。

あれ?そういや時間は・・・あ、やべ、そろそろ帰らないと。

 

「それじゃあそろそろ俺は帰らないといけないから・・・{チャリーンッ}これで会計をしといてくれ。」

「え?でもこれ少し多いような・・・」

「その分は表で待ってる忠犬に何か買ってやれ。あの狼、この間の犬耳女なんだろ?」

個人的にいい思い出のない奴だが・・・まあこれくらいはサービスで出しとくとする。

「・・・うん、ありがとう泰寛!あとあの子は狼でアルフって言うんだよ。」

ヤバイ、本格的にこの笑顔に浄化されそうだ!

「そ、そうか。アルフね・・・それじゃあ俺はこの辺で・・・どんなに忙しくてもちゃんとした飯は食えよ。あと携帯食はなるべく控えろよ!」

「うん、またね!」

 

---カランカラ――ンッ

「やれやれだ。・・・なあ其処の狼、ちゃんとご主人様を守ってやれよ。じゃあな。」

・・・もう一度、たっぷり言おう。

「やれやれだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

side:フェイト・テスタロッサ

「・・・・・・・・・・・・・・・」

私は、今日自分にご飯をごちそうしてくれた子供、泰寛の去っていく姿を眺めていた。

 

(・・・あの子はいったい何者なんだろう。)

ふと、あの少年と会った時のことを思い出す。

 

最初に会ったときは、魔法の使えないごく普通の一般人だと考え、ジュエルシードが早く見つかってよかったと、お母さんに喜んでもらえるとしか思っていなかった。

・・・けど、その認識は、彼に襲いかかったアルフが返り討ちにあったことで崩された。

彼に掴みかかろうとしたアルフは、その直前で何か見えないものに持ち上げられた直後に気絶させられてしまった。

私もバルディッシュを手に対抗したが、こちらの手はことごとく潰されてしまい、結局私たちは・・・手も足も出ずに負けてしまったのだ。

結局その日はジュエルシードを手に入れることができず、私はマンションに帰ることになってしまった。

 

そして今回・・・ジュエルシードが見つからないことに思い悩んでいた時、たまたま彼と再会し、どういうわけか彼に食事をごちそうしてもらった。

 

最初はどうしてか分からず、私は店に入るまで慌てるばかりで何も言えなかった。

ようやく席について注文が終わった後、ようやく心が落ち着いてきたとき、私は一言彼に言った。

 

なぜ私にこんなことをしてくれるのか、と・・・それに対し、彼はこう答えた。

 

『お前自身は別に悪党ってわけじゃなさそうだし、何より見ればわかるくらい顔色が悪いってのはお前くらいの子供にあるまじき状態だ。』

 

正直この答えを聞いた時は、こちらの疑問が晴れた気がしなかった。

けど・・・別れるまでの時間を過ごしていてわかったことはある。

それは、彼は本当に私のことを思ってここに連れてきてくれたということだ。

私は彼にひどいことをしようとしたのに・・・彼は最後まで私を気遣ってくれた。

すごく嬉しかった。同年代の男の子にあんな風に優しくされて・・・ちょっとドキドキしてる。

(また・・・会えるかな。今度は、ジュエルシードに関係なく・・・)

 

 

 

『あんたの理由次第でこれはあんたに渡してもいい。』

『俺はこの街を、自分の生きる場所を守るためにこれを封印しながら集めている。危機を未然に防ぐために、これからも俺なりに集めていくつもりだ。』

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

そうだ、私だって・・・譲れない理由がある。

大好きな母さんのために、母さんが昔のように優しく笑ってくれるように・・・私は・・・

(ごめんなさい、泰寛。私には如何しても・・・ジュエルシードが必要なんだ!)

『フェイト・・・』

「・・・大丈夫、私たちが先にジュエルシードを見つければいいだけだから。」

心配してくれているアルフに、まるで自分に言い聞かせるように言う。

『・・・うん、そうだよ!私達が先に見つけちゃえばあいつだって迂闊に手出しできないよね!』

「うん、そうだね。」

・・・・・・・・・・・・けど・・・出来れば今度も、こんなふうに会いたいな。

 

 

 

 

 

 

 

side:梶原 泰寛

翠屋から帰ってきて自分の部屋に戻った俺は、神様印のスマフォ型PCで矢島と電話で話していた。

内容はいたってたわいもないようなことから、ムラサマの爆薬や鉄球を少し作ってくれとかいろいろな事だった。

「・・・・・・・てなことがあったわけよ。どうよこれ?」

『偶然って怖いなwwで、そのままフェイトをおいてお前は自宅に帰ったと・・・優しいなおいww』

ちなみに今話しているのは、俺がさっきフェイト・テスタロッサにあった事だ。

まあ話のネタくらいにはちょうどいいだろう。

「まったく、最近ジュエルシードが収穫の中に紛れてきたから内心ヒヤッとしてるときにこれだもんなぁ。本当に偶然って怖いよww」

『・・・ちょっと待て!それこそ草つけて言うようなことじゃねえだろうがよ!というか前に聞いた時は4つって言ってたよな?今は何個なんだ?』

「合計で6個だ。なのはと再開する前に1個、再開して別れた後の数日で1個だ。」

『・・・お前、それジュエルシードにのみ専念して探せば海の中以外全部見つかるんじゃねえの?』

「出来るかもしれないけどよ、それ下手したらなのはの成長が阻害される恐れがあるから迂闊にできないんだよな~。」

 

そう・・・この事件を解決したらそれで終わりという訳じゃあない。この一件の後に最低でもあと一回、下手したら世界の終焉になりそうな出来事が待ち受けているのだ。

戦いだけなら運の要素と油断以外で負けることはないが・・・俺とて所詮は一人の人間だ。矢島を含めても守備範囲は二人分の働きが限界というもの。

それに元凶そのものを止めようにも、矢島も俺も知識は残念ながらこのジュエルシード事件だけで止まっているから、ここから先の展開は全く知らん。

精々が何かあるというくらいだ。

したがって元凶をまず知らないからよほどの偶然がないと止めようがない。

9歳の一般人、まして女の子にこんな役割を背負わせるというのは情けない話だが、いざというときのために戦力として数えられるようになっていてもらいたい。

 

『・・・掴む力は強くてもそれを問題なく持つための広さが足りない、か。細かい展開が分からない以上この後の事件については俺たちは実際待っているくらいしかできないし・・・世知辛いな。』

「そう言うことだ。少なくともまともに動ける奴は多い方がいい。」

『・・・・・・やれやれ、解っているのに止められないってのはなかなか歯がゆいもんだな。』

「言ったって始まらないさ。そもそもこんなふうに未来を語ること自体がおかしな話なんだからな。俺たちはできることだけきっちり果たしていけばそれでいい。本当に出来なければそれまでだ。」

未来なんて本来だれにも分からないものだ。

キング・クリムゾンだって読めるのは十数秒先までだし、それだって細かい部分ははっきりとわかるわけじゃない。

自分の解釈次第で読み違えることだってある。

結局はそんなものなんだ。

人はみんな、そんな訳の分からない未来(暗闇)をテメーなりの勇気と覚悟で切り開いていく。

それが道を進むということなんだ。

・・・・・・・そういえば・・・

「矢島、アリシアは生き返らせることができると思うか?」

『いきなりなんだよ。・・・さあな、俺達みたいな事例があるくらいだしどうともいえないが・・・少なくとも本人をそのままってのは無理じゃないか?世界樹の葉とかフェニックスの尾みたいなのがあるのなら別かもしれないけどよ。』

「お前の能力で創れないか?そういうのは・・・」

『・・・正直やろうという発想そのものがなかった!』

「ちょwwおまwww まあ普通はそんなもんだよな。」

『まあまだ時間はあるし、ちょっと本気で試してみるわ。ハッピーエンドはベターにしたいしな!』

「ヒヒヒ、いいなそれ。俺もできる限りのことはしてみるからそっちはそっちで頼むわ!」

『おおよ!』

 

ま、どうせ終わらせるならより良い終わりをってな!さすがに死人を生き返らせるようなものは俺にはないからどうしようもないけど。

・・・・・・・・・・・・待てよ?完全に他力本願だけどあれなら俺もなんとかなるんじゃねえのか?

・・・俺も少し奮闘してみますかねぇ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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