デッドマンズN・A:『取り戻した』者の転生録   作:enigma

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( ゚д゚) ・・・

(つд⊂)ゴシゴシ

(;゚д゚) ・・・

(つд⊂)ゴシゴシゴシ

( ゚Д゚)・・・

(;゚Д゚) …!?


お気に入り・・・何時の間にか100件超えてる!?

・・・・・・ありがとうございます。それしか言葉が見つかりません。

これからも名一杯精進していく予定なので、なにとぞよろしくお願いします。


第十六話

Side:梶原 泰寛

 

---AM5:40 翠屋前

 

「お、ようやく来たか。」

 

日が昇りかけている早朝の時間、俺は翠屋の前で座っている矢島のもとにたどり着く。

既にフェイスマスクとコートは着用しており、いつでも戦える状態だ。

 

「すまん、ちょっと準備に手間取ってな。早速だけど頼めるか?」

「もちろんだ。しっかり捕まっていろよ。」

そう言われて、とりあえず矢島の肩を掴む。

「GUNDAM、転移魔法発動!到達地点、アースラ。」

『わかりました、アースラに転移いたします。』

 

電子音の後で周囲に魔方陣が展開され、浮遊感とともに視界が白く塗りつぶされる。

 

 

「・・・なるほど、こりゃなかなかすごいな。」

 

数秒としないうちに、俺の目の前にはSFチックな光景が広がっていた。

なるほど、これが転移魔法ってやつか。

高位の魔導師でもデバイスが無ければ使えないという話だが、その分を差し引いても俺にとっては羨ましい技術だ。

俺も空間跳躍はできるが次元の壁(一部を除く)を越えられるほどには洗練されていないからな。

何時かこんなふうに俺も次元の壁をぽんぽん超えてみたいもんだ・・・無論自力で。

・・・帰ったら練習してみるか。

 

「{ボソボソ}ここなら監視カメラも死角になる位置だし、近くに武装局員の転送ポートがある。検討を祈っとくぜ。」

「{ボソボソ}ありがとう。お前の方こそ、決闘に邪魔が入らないようがんばれよ。」

「ああ、それじゃあまたな。」

 

矢島が魔力光に消えるのを確認し、俺も倉庫か一枚のディスクを取り出して頭に差し込む。

 

「『ティナー・サックス』・・・さて、早いとこ行くか。」

 

幻覚に身を隠しながら、俺は目的の場所へと足を運んだ。

 

 

 

 

数分もしないうちに同じような格好と杖のようなものを持った集団を見つけ、俺はその中に交じる。

 

(後は出動までここで待機か。)

 

少し不安はあるが、限りなくハッピーエンドに近づける条件は既に矢島が揃えてくれているから終わり方はあまり気にする必要ない。となれば俺がやり遂げることは一つ。

自分の目で事件を見届けるという一番納得できる方法で事件を見届けて、尚且つすべてが終わる前に俺のことを所々明かすことだけだ。

 

(ま、気軽に音楽でも聞きながら待つとしますかねぇ。・・・そういえば向こうはどうなってんだろ?)

 

Side out

 

 

 

 

Side:矢島 敬一郎

「始まった。」

 

隣にいるユーノ君が言った通り、いま目の前でなのはとフェイトの一騎打ちが始まっております。ちなみに俺はちゃんとバリアジャケットを着ているよ?

いやぁ~しかしホントヤバイよね、あれだけの魔力弾をバカスカ撃てるって。

すごいな~~憧れちゃうな~というか目がちかちかするな~~~

 

「二人とも君にはいわれたくないと思うよ。」

「なぜばれたし」

 

というか心を読むなよユーノ君。

 

「おい貴様ら!我を縛り付けるとはどういう了見だ!これを今すぐはずせ!」

 

いやぁ~ホントいい光景なんだけどな~・・・隣で馬鹿(界統)が暴れて無きゃもっといい光景なんだけどな~

 

「それは君の自業自得だろう?君が二人の邪魔をしようとして全員がかりで押さえられたんじゃないか。」

 

そう、こいつ如何いう訳か戦いを始めようとした二人の間に割って入り、あろうことかフェイトを口説こうとし始めたのだ。

そしてそのままウザい発言を連発していき、最終的に怒ったフェイトのサンダーレイジ、同じく怒ったなのはのディバイン・バスター、呆れた俺のハイマット・フルバーストで強制的に黙らせ、落っこちたところをすかさずユーノとアルフのバインドで縛りつけた。

まごうことなき自業自得である。慈悲は無い。

 

「く、頭に乗るなよモブどもが!」

 

馬鹿(界統)のセリフの後、頭上に金色の波紋が生まれる。

これはちとまずいな。

 

「{ジャキンッ}落ち着け馬鹿が。」

「な?!{ドゥンッ}ガッ?!?」

 

俺はストフリ装備のルプスビームライフル・改を取り出し、出力を抑えて馬鹿(界統)の頭にゼロ距離で撃ちこむ。

頭は吹っ飛ばなかったが馬鹿(界統)はその場で気絶した。

 

「さ~続きだ続き。」

「そうだね。」

「・・・こいつのことは嫌いだけどさ、アンタらそれでいいのかい?」

フッ、アルフ、そいつは愚問だぜ・・・

「「大丈夫だろ(よ)。だって馬鹿(界統)だし。」」

「・・・まあいっか♪」

 

分かっていただけたようで何よりだ・・・ッと、そろそろ視点を向こうに移すか。

 

 

 

 

 

 

『Photon Lancer』

『Divine Shooter』

 

フェイトの前に複数の金色の魔力弾が現れ、なのはも、負けじと複数のピンク色の魔力弾を出す。

 

「ファイア!」「シュート!」

 

それぞれの魔力弾が発射され、なのはは回避を、フェイトは引き付けてからシールドで防ぐ。

 

「ッ!!」

 

が、防いだ先でワンアクション早くなのはが魔力弾を作っていて、今にも撃とうとしていた。

 

「シュ――トッ!!」

 

なのはの追尾機能が付いた魔力弾が放たれる。

 

『Scythe Form』

 

フェイトはバルディッシュを鎌状にして、追尾してくる魔力弾を次々と切り落としていき、そのままの勢いでなのはに切りかかる。

 

『Round shield』

 

なのははシールドを展開し、フェイトの斬撃を受け止める。

 

「・・・・・・・」

 

そしてフェイトが攻撃に集中している間に、背後からさっき撃った魔力弾の残りを制御して後ろからフェイトを狙い撃ちする。

 

「くっ!?」

 

フェイトは後ろから来る魔力弾に気付き、とっさにシールドを張ることでその攻撃を防いだ。

 

『Flash move』

 

その防いでいる一瞬の隙を突き、なのははフラッシュムーブで上空から奇襲をかける。

フェイトは間一髪でそれに気づき、上空からレイジングハートで殴り掛かってくるなのはをバルディッシュで受け止める。

お互いの魔力がぶつかり合うことにより、その場で爆発が起こる。

フェイトは自分を見失ったなのはに、爆煙の中からアークセイバーで斬りかかる。

 

「ッ!」

なのははフェイトの斬撃をわずかに横移動しながら回避するが、回避した先にあったフェイトの魔力弾を見て動きが止まる。

 

『Fire』

 

「くっ!うっ!」

 

なのはは放たれた魔力弾を受け流すことにより、何とかそれを回避した。

 

「ハァ・・・ハァ・・・」

「ハァ・・・ハァ・・・」

 

そこからはお互い追撃をせず、一端距離を取って体勢を立て直していた。

 

 

 

 

「すごい・・・レベルが違い過ぎる。」

 

確かに、なのはが前口上で最初で最後の真剣勝負だって言ってたことを考えるとこのレベルの戦いが見れるのってなかなかありえないよな。

あいつ、いくら録画してるからってここに居合わせないのは相当惜しいぞ。

 

「けどこのままじゃ埒が明かないな。お互いに決定的な一撃を当てない限り良くて相打ちになる。ここからはどっちが先に相手を封じ込めるかの勝負になるだろうな。」

「フェイト・・・!」

 

そうこう言ってるうちにフェイトの雰囲気が変わり、周囲にどんどん帯電していく。

おそらく次で決着をつけるつもりなのだろう。

 

「マ、マズイ!フェイトは本気であの子を・・・なのはを潰す気だ!」

 

フェイトも何をするのかわかったのか、俺の横でアルフが焦った声で言う。

確か使い魔って精神リンクってので繋がってるんだっけか?俺にはそんなのいないからよくわからないけど。

 

『Phalanx shift』

 

バルディッシュの電子音の直後、空中にいるフェイトの周囲に複数の魔力弾が形成されて佇む。

それを見たなのはがレイジングハートを構えようとした時……

 

「あっ!!」

 

なのはの両手両足を、金色の魔法陣が拘束した。

 

「ライトニングバインド」

 

フェイトはなのはを見詰めながら小さく呟いた。

やはり先手は取られてしまったか、後はあいつがこれを乗り切れるかどうかにかかってるわけだが・・・

 

「なのは!今サポートを「待て!」なッ!?何故だケイイチ!」

 

俺は、それを見たユーノが魔法陣を展開しようとするのを止める。

 

「馬鹿かお前は。これはあいつらの決闘だ。どういう結果になるにしろ決着をつける権利はあいつらにだけある。それを横から無粋に割り込むことはなのはへの侮辱にしかならねえ。助けられる本人は間違いなく許さねえよ。」

「でも、フェイトのアレはホントにまずいんだよ!」

「そんなことは問題じゃないッ!大体・・・なのははまだあきらめてないだろうが。」

 

二人はハッとなり、なのはの方を見る。

その眼からは未だ闘志が消えていない。

 

(ありがとうなの、ケイイチ君。)

(気にするな、きっちりケリをつけてこい!)

 

なのはがこちらを見ながらそう念話を飛ばし、俺も念話でそう返す。

まったく、本来ならここはあいつが応援するべきだと思うんだけど・・・なんつうかなぁ~~。

 

「アルカス・クルタス・エイギアス。疾風なりし天神、今導きのもと撃ちかかれ。バルエル・ザルエル・ブラウゼル」

 

そんなことを考えてるうちに、フェイトの周りに計38基のフォトンスフィアが現れる。

状況のヤバさに、なのはの顔に冷や汗が浮き出る。

 

「フォトンランサー・ファランクスシフト!!」

 

フェイトがバルディッシュの先をなのはに向けると、38基のスフィアから大量のフォトンランサーがなのはに襲いかかる。

 

---ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド・・・・・・・・・・

 

なのはを中心に、フォトンランサーによる爆煙が巻き起こる。

そして、フェイトの手に金色の魔力の槍のようなものが姿を現す。

 

「スパーク……エンド!!」

 

止めと言わんばかりにフェイトはそれを振りかぶり、なのはに投げつけた。

 

---ドドドドグォ――――――――――――――ンッ!!

 

そして、また新たに大きな爆発と共に爆煙が巻き起こった。

 

「はぁ……はぁ……これなら……」

 

直後、フェイトの手足が桜色のリングによって固定された。

 

「え!?」

「バインドって撃ち終わると解けちゃうんだね。」

 

なのはは白いバリアジャケットをボロボロにしながらも、飛んでいた。

 

「今度は・・・こっちの番だよ!」

『Divine buster』

レイジングハートの先端に膨大な魔力が集まり、極太のビームとして一気に放たれる。

 

 

 

 

 

「・・・ハハハ、自分で止めといてなんだけど・・・これはなんというか、コメントのしようがないな・・・」

「すごい・・・あれをほとんど無傷で耐えるなんて・・・」

「今さらだけど・・・あの子本当に何者なんだい?」

 

外野チームの呆れた声が虚しく木霊す。

俺も画面越しに見たことはあるけど・・・今は実感を伴っているからよくわかる。

だから・・・はっきりと言おう。

 

「あいつは・・・一体どこに向かってるんだ?」

「ごめん・・・僕もさすがにここまで来るとどうとも言いようがないよ・・・」

 

なのはの魔法の師匠であるユーノでさえ、目の前の現状に全力で匙を投げた状態になってしまってる。

やれやれ、本当にあいつがこの場にいないのが残念で仕方がない。

 

「ぐっ、くううう・・・あああッ!」

 

そして・・・この勝負も終わりが見えた。

フェイトはディバイン・バスターをぎりぎり止め切る。

その後シールドを解除してから息切れを起こすが・・・俺は正直、いっそのことこの場で負けておいた方が遥かにマシだったと思う。

 

だってこの後には・・・

 

「受けてみて!ディバイン・バスターのバリエーション!」

 

『Star light breaker』

 

正真正銘、紛う事無き本物の恐怖が待ち受けているのだから・・・

 

 

「これが私の…………全力全開!」

 

自身の魔力だけではない、今まで戦った中で大気中に散っていたすべての魔力がなのはとレイジングハートの前に収束し、今まで見たこともないような高密度かつ巨大な魔力の塊が出来上がった。

おまけにフェイトは逃げられないよう念入りにバインドを掛けられている。

メインカメラなんて使わなくてもわかる。フェイトは今、目の前の脅威に恐れ伏していると・・・

だがしかし、なのははそんなことはお構いなく無情にもレイジングハートを振り上げる。

 

 

 

『―――――スタァァァライト・ブレイカァァァァァ!!!!!』

 

 

そして・・・・・・なのはがレイジングハートを振り下ろすと、巨大な桜色の閃光がフェイトに向かって放たれた。

 

「はぁ!!」

 

フェイトは、片手に持ってる魔力弾を桜色の閃光目掛けて放つが・・・フェイトの魔力弾は、まるで大波に打ち消される雫の如く桜色の閃光に掻き消される。

 

「!!」

 

驚いたフェイトだが、すぐにシールドを何重にも張って防御をとる・・・・・・

だが無残にも、張られたシールドは桜色の閃光の前にまるで紙切れのように簡単に破れてしまう。

そのままフェイトは・・・・・・

------ドグォォォ―――――――――――――――――――――――ンッ!!!

成す術もなく、ただただ閃光の中に飲み込まれた。

 

「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」

「なあ・・・ユーノ・・・・・・」

「・・・・なんだい、ケイイチ・・・・・」

「非殺傷設定って・・・・・なんだったっけ・・・・・・」

「・・・・・・ごめん・・・・・・僕もなんだか・・・わからなくなってきちゃった・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・だよなぁ・・・」

 

敢えて言おう・・・・・・生きてるのか?あれ?

巨大な砲撃に飲まれていったフェイトを見ながら俺達は静かに冷や汗を流した。

 

(梶原・・・なのはを怒らせるとああなるらしいぞ?精々気をつけろよ・・・)

 

目の前の惨状を見ながら心の中で、俺は自分の友人の行く末をひそかに祈った。

そして同時に、今度からなるべくなのはを怒らせないよう心に誓うのであった・・・

 

 

 

 

「なのは!」

 

「フェイト!!」

やがて閃光が収まり、二人の姿が見えてきた。

なのはは息を切らしながらも空を飛んでいて、逆にフェイトはバルディッシュを手放して海に落ちていく。

 

「落とさせはせんよ!」ギュォゥンッ

 

俺は背中のバーニアを吹かして急加速し、フェイトが海に落ちる前に何とかバルディッシュ共々優しくキャッチする。

 

「・・・・あなたは・・・」

「よう、さっきのはナイスファイトだった。ただまあ・・・あれはしょうがないわ、やっぱり。」

「・・・そう・・・」

 

やっぱり落ち込んでるな・・・まあしょうがないか、せっかく集めたジュエルシードをごっそり全部明け渡すことになるんだから・・・

 

「フェイトちゃん!」

 

そんなことを考えてると、この状況を引き起こした張本人がユーノの肩を借りてこちらにつく。

 

「ごめんね、大丈夫?」

「・・・うん。」

「あれを食らって大丈夫とかどう考えても信じられない件について。」

「ははは、さすがに否定できないね・・・」

「ちょっと二人とも!」

「HAHAHAHAHAHAHA!!」

「もう・・・私の勝ちだよね、フェイトちゃん。」

「そう・・・みたいだね。」

 

『Put out』

 

フェイトの負け宣言とともにバルディッシュからジュエルシードが出てきた。

その数何と15個。原作でプレシアが持ってこさせるように頼んだ最低数以上の数だ。

あの馬鹿まさか本当に渡していやがったとは・・・まあその後始末もあいつがすることになるだろうからそこはおいとくとして・・・

 

「飛べるか?」

「{コクッ}」

 

フェイトにバルディッシュを渡し、一先ず自分で飛んでもらう。

その次だった・・・

 

---ゴロゴロゴロゴロ・・・ドォォォォ―――ンッ

 

上空に渦状の雲が現れ、フェイト目掛けて落雷が落ちようとする。

 

「GUNDAM!シールド展開!」

『了解!』

 

雷が落ちる直前に全員を覆える程度のシールドを張る。

 

---バリバリバリィィィィィィッ!!

 

「ぐおおおお・・・らぁっ!!」

 

雷を何とか受け流して防ぎきる。辺りを見ると、やはりジュエルシードが持ち去られていた。

 

「なのは!ユーノ!お前らは大丈夫か!」

「うん、僕はなんとか・・・」

「私も大丈夫だけど・・・ッ!?ジュエルシードがッ!?」

「急いでアースラに戻るぞ!」

 

うまくやれよ梶原・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『武装局員、転送ポードから出動!任務は、プレシア・テスタロッサの身柄確保です!』

「了解しました!!!」

 

(いよいよか・・・ま、適度にやっていきますかね。)

 

魔方陣の現れた転送ポートに乗り込む局員に紛れ、俺も目的地を目指す。

 

待ってろよプレシア・・・

 

 

 

 

 

 

 

 


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