デッドマンズN・A:『取り戻した』者の転生録   作:enigma

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今回は・・・本当に難産だった・・・
そして・・・原作メンバーほとんど出てない・・・!


第三十一話

 

---九月上旬、とある廃ビルにて・・・

 

 

 

 

 

「フンフフ~~~ン♪フンフ~~~ン♪」

 

---ベチャ ズズズ、ズズ・・・

 

辺り一帯に鉄臭い匂いが充満している、とある薄暗い部屋の中・・・一人の少女が満面の笑みで真っ赤に染まった筆と真っ赤な液体の入ったポリバケツを持ち、床に何かを次々と書いていた。

 

---ベチャ ズズズ、ズズ・・・

 

筆が通った後の床はまるで血塗られたように赤く染まり・・・

 

「フフ~~~ン♪フンフ~~~ン♪フ~~~~ン♪」

 

---ズズズ、ズズズズ ベチャ ズズズズ・・・・・・

 

やがて床に描かれたいくつもの赤色の線は、一つの魔法陣の様なものへと形作られた。

 

「~~~~♪よ~し、これで完成!ねえねえマタちゃん、ガギソンちゃん!これでどうかな♪」

 

少女は使い終わった筆とバケツを床に置き、何もないはずの虚空に向けて問う。

すると・・・・・・

 

 

 

---ズズズズズ・・・・・・

 

何もないはずの部屋の隅・・・光の届いていない影の部分から、スペインの闘牛士の様な衣装を身に纏った骸骨の異形と、鳥人間の様な怪物がにじみ出る様に現れた。

 

「・・・・・・・・・・・・・」

「ああ、これでいいだろう。後は儀式を執り行えばここはお終いだ。」

「そう?えへへへへ~~~~~♪それじゃあ早いところ儀式もしないと!」

 

骸骨の異形は何も話さず、鳥人間のような異形が代わりに答えると、少女は喜びながら腕にはめているガントレットの様なもの手を触れ、付いている画面をタッチして素早く操作していく。

 

---キィ――――ン 

 

少女が画面を操作し終わると、目の前で突如何もない空間が光りはじめ・・・

 

「オオォオォォオハァラヘッタァアアアア・・・・」

「ナニカヨウカ?サマナーヨ。」

 

光が止んだ瞬間、少女の目の前に顔のある赤い人魂のようなものと、額に卒塔婆を取り付けた真っ白い長髪の異形が現れた。

 

「ダツエバ~、ウィルオウィスプ~、ちょっと倉庫のストックを連れてくるから手伝って頂戴。」

「アア、リョウカイシタ。」

「ワァアアカッタアアアゾォォオオオオオオオオ」

「よし、それじゃあいこっか。」

 

少女は現れた化け物に間延びした声で呼びかけ、それらとともに薄暗い部屋から外へと出て行く。

後の部屋には、先ほど現れた骸骨の異形と鳥人間だけが残った。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・私がこう言うのもなんだが、つくづく破綻している奴だ・・・一応目的も利害も一致こそしているが、本当について行って大丈夫か?なあ、マタドール。」

 

少女が部屋から出て数十秒後、鳥人間は少女が出て行った扉の方を見て骸骨の異形・・・マタドールにそう言う。

 

「・・・・・・まあ確かに危うい奴ではあるが・・・ガギソン、同時に奴が優秀なのも事実だ。今までほとんどと言っていいほどなかったはずの魔術関連の知識を、奴はこの一か月でほとんど身に着けてしまった。所々ムラもあるが人材としてはあれ以上に期待出来る奴もそうそういないだろう。」

「・・・・・・フン、忌々しいが否定はできんな。我らが主の目的を果たすためにもああいう人間の協力者は必要だ・・・」

「そう言う事だ。なに、土壌が整えば向こうから『ピラー』も送られてくることに「やめてぇ!誰か助けてぇ――!!」ム、帰ってきたな。」

 

壁の向こうから響いてくる悲鳴と足音を聞き、マタドール達が扉の方を向くと・・・

 

「{バンッ}お~~い、連れてきたよ二人とも~。」

 

扉から少女と化け物に体に加え、全身に酷い傷を負った十数人の男女が入ってくる。

化け物は怪我人を魔方陣の中心へと無理やり連れて行き、そこに座らせると部屋の隅に移動する。

 

「よし、これで始められるね・・・マハザン。」

 

少女が右手を怪我人たちに向けてそう言うと・・・

 

---ズバンッ

 

無理やり座らされていた十数人の男女の首が、奇妙な風切り音とともに一瞬でその場に落ちる。

 

「後はプログラムとして組んでおいた術式を起動させて{ピピピピ・・・}これでよし!」

 

次に少女がガントレットの画面を操作し終わると、首の落ちた男女たちの遺体から緑色の光が漏れだして床にかかれている魔方陣に染みこみ始め・・・

 

---ズズズ・・・・・・・・ドォォオオオオオオッ

 

遺体から緑色の光が出なくなり、それが魔方陣に完全に染み込んだ瞬間・・・魔方陣から凄まじい威圧感が放たれ、遺体が一瞬で朽ち果ててしまった。

威圧感はそのまま外まで広がり、彼女らのいる廃ビルとその敷地にまで広がってしまった。まるで、その敷地内だけが違う世界になってしまったかのように・・・

 

「よし、これで準備完了!次の儀式用のマグネタイトが集まるまでしばらくかかるから・・・『次元世界』だっけ?そっちにマグネタイトを集めに行こうか!」

 

「「ああ、分かった・・・」」

 

少女はその結果に満足すると、悪魔たちを引き連れてその場を去って行った・・・

 

 

 

===?????===

「・・・・・・・や、ヤバい。本気でヤバいよこれ・・・私は直接干渉できないしどうすれば・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・しかたない。結構危険も伴うけどこれからの状況を乗り切るにはこれも使わないと・・・問題はあの子たちがこれを使いこなせるかどうかなんだけど・・・まあ保険として送ればどうにかなるでしょう・・・」

「・・・・・・お願い、その世界をここで終わらせないで・・・」

「・・・・・・・それはともかく、この馬鹿みたいなプロテクトをどうしよう・・・これどうにか解かないとあの子たちに送れない・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで現在・・・・・・

 

 

Side:梶原 泰寛

 

---キーンコーンカーンコーン・・・キーンコーンカーンコーン・・・

 

「それではこれでホームルームを終わります。皆さん、昨日も言いましたがなるべく寄り道しないで帰るようにしてくださいね。」

 

---ざわ・・・ざわざわ・・・ざわ・・・

 

これで本日の授業も終了だ。今日は家で集合の予定だから・・・他にいろいろやることもあるし、さっさと家に帰って矢島を待つか。

 

「ヤス、今から皆でサッカーをするから一緒にやろうぜ!」

「ああ、すまない。今日はちょっと急ぎの用事があるんだ(下手したらかなり取り返しがつかなそうな用事がな・・・)というかヤスはやめろ。」

「そうなの、残念・・・あ、ところでクラスの子に聞いたんだけどあれって本当?」

「?あれって・・・ああ、例の架橋を夜遅くに通った話か。」

「あ、そう言えばお前昨日例の架橋の所通ったんだって!?どうだったんだよ、結局!テケテケは・・・」

「ご生憎さま、母さんたちの迎えついでに行ったけど振り向いてもそんなのはいなかったよ。もういいか?」

「う~~~~~ん、そっか。やっぱ出鱈目だったのかな~、あの噂。」

「噂なんて得てしてそんなもんだよ、まあそれでも夜中にうろつくのは控えた方がいいけどな。それじゃあまた今度、一緒に遊んでくれや。」

「分かったよ。それじゃあまたな。」

 

クラスメイトの誘いを残念に思いながらも断り、俺は校舎から出て家を目指しながら・・・ポケットから写真を取り出しつつ、昨日残った時間でネットとアンダー・ワールドを使って調べた情報を整理する。

 

(テケテケ、口裂け女、殺人タクシー・・・最初に聞いた時は時期外れの怪談話の延長かと思ったがそれは違った。少なくとも九月中に起こっていた変死事件、行方不明事件、交通事故のいくつかに・・・こいつらが関わっていた。)

 

写真に写っているもの・・・架橋の上で大人一人を真っ二つにしようとしているテケテケ、子供をどこかに連れ去ろうと鋏を持って追いかけている口裂け女、逃げている人間をひき殺そうと追いかけているタクシーを見る。

これらは昨日、家に帰ってから噂の真偽を確かめるために、アンダー・ワールドで掘り起こした記憶をカメラで撮影、現像したものだ。

 

(しかしなぜこんなことが起こったんだ?こんな日本全国どこにでも広まっているようなありふれた怪談話が、何故複数同時に、しかも一度に現実になっている・・・)

 

自然発生はありえない。もともとこんなことが自然に起こるような街なら、ジュエルシード云々の前にどんな手を使ってでも俺は引っ越している。ジュエルシードの影響が残存した結果・・・というにはあまりにも時期が外れすぎている。次の原作における災厄・・・は世界観に似合わな過ぎるから取り敢えず保留。となると残る可能性は・・・

 

(第三者の介入・・・か。)

 

新たにここに送られた転生者の仕業か、あるいはもっと別の何かのせいなのか、単独犯か、複数犯か・・・疑問は考えれば考えるほど増えていく。

 

(分かっていることはまだまだ少なすぎるが・・・俺の平穏を脅かす要素は絶対に逃さない。確実につきとめてやるぞ。)

 

一先ず帰ったら、矢島が来るまでは八月に起こった行方不明事件と、新たに入手した噂(追う必要があるかはわからんが)も含めて調べてみるか。

第三者説が真実で、あれがこの事態の準備期間だったとすれば、思ってた以上に犯人の正体に近づけるかもしれない・・・

 

 

「・・・・・・・・・・ん?」

 

通りの角を曲がって家の玄関が見えるところまで来た時、玄関の前に誰かが立っているのが見える。

あれは矢島・・・と、隣にいるのは誰だ?矢島が影になっててよく見えないな・・・

 

「・・・あ、梶原!やっと帰ってきたか!」

 

矢島はこっちに歩いてくる俺の姿に気が付いたようで、その場から少し横にずれてこちらに手を振る。

 

(・・・・・あれ?あいつもしかして・・・)

 

よく見るとポシェットを肩にかけている少女の、あの見たことのある銀髪に眼帯、俺よりも少し年上といった感じの見た目・・・矢島の隣にいた人影ってまさか・・・

 

「久しぶりだな、泰寛。元気だったか?」

「・・・チンク?なんでお前がここに?」

 

走り寄って嬉しそうに微笑んでいる女性をよく見る。

・・・間違いない。矢島の隣に立って微笑みながら挨拶している人は紛れもなく、かつて俺がお互いの勘違いのもとにぶちのめした後あの天災博士を助けて仲良くなったチンクだ。

・・・自分で言っておいてなんだけど結構おかしいな、これ。

 

「(ひょっとしてスカさんの代理でここに来たのか?)お久しぶり、チンク。俺は問題なく元気だったよ。ところでなんでここに?」

「?ケイイチから何も聞いていないのか?お前たちが捕えた謎の生物を解析してほしいというから私がそれを引き取りに来たのだぞ?」

「(あ、やっぱり・・・)そうなのか?」

「ああ、昨日帰ってからスカさんに連絡入れたら休暇ついでにチンクをこっちに寄越すって言われてな。それで校門前で合流した後ここまで歩いてきたんだよ。」

「休暇?」

「うむ、最近どういう訳か管理局の連中が研究所を探り当ててくることがあってな。たまたまお前たちが依頼をしてきたのを機に、一番疲労の大きかった私がここに寄越されることとなったのだ。後・・・」

「後?」

「面白そうなら是非とも連絡を入れてほしいとも言っていた。ドクターのことだ、お前たちには世話になったし興味がわいたら何を置いても駆けつけてくれるだろう。」

「ハカセェ・・・あれ?そうなると肝心の解析は・・・」

「ああ、解析に関しては気にするな。この装置を使えばドクターの研究室まで一瞬で届けられるからな。」

 

チンクは腕に付けている綺麗なブレスレットを前に出し、コンコンと指先で叩きながらそう言う。

ポシェットの方じゃなかったのか、転送装置・・・

 

「ははは、ポシェットに入れているのはちょっとした小物位なものだぞ?私がここで生活するために必要な物や補充用の武器、戦闘用のスーツ、そのほか様々なものはこっちのブレスレットにすべて入っている。はっきり言ってこれだけあれば大抵のことはどうにかなるんだぞ。」

「なぜばれたし。そしてあの博士やっぱり唯者じゃねぇ!」

「素晴らしい技術と科学力だと感心はするがどこもおかしくはないな。」

「当然だ、私達のドクターだからな。」

 

自慢げに胸を張るチンク。うん、これは自慢しても何ら問題ないわ。後チンクが可愛い。

 

「そろそろ家に上がらないか?こんなところでずっと立ち話ってのもなんだろ?」

「そのセリフは本来俺が言うべきでしょうjk。まあ矢島の言うとおりだ。大したものは無いけど家にくるか、チンク?」

「ああ、そちらがよければ是非とも。」

「うし!そんじゃあ早速行くぞ!」

「だからお前が言うなとwww」

 

矢島を先頭にし、みんなで家の中に入って二人をリビングに誘導する。

・・・そう言えば今世で家に招いた友達って矢島以外じゃチンクが初めてだったな・・・

 

「それじゃあ二人とも、ちょっと冷蔵庫からおやつとお茶を持ってくるからくつろいでいてくれ。後矢島、チンクに最近のこの辺りの事情は「依頼するときにすでに言ってある」おk把握。二人とも、飲み物はいろいろ揃ってるけど何がいい?」

「わたしは牛乳を頼む。」

「あ、俺玄米茶で。おい、ゲームキューブとカスタムロボどこにおいてある?皆でパーティプレイしようぜ!」

「今後の目標が決まった後でな。二つともテレビの下の戸棚にあるぞ。」

「オッケェ―イッ!!」

「良いのか?今は大変の時期なのでは・・・」

「まあ息抜きくらいは必要でしょう。今のところ怪異は夜の方が出易いみたいだし。」

「そういうものなのか・・・」

 

台所に行き、戸棚と冷蔵庫から三人分のお皿とフォークとコップ、前に作っておいた玄米茶、牛乳、自家製アップルパイを取り出し、アライブと一緒に持ってリビングに行く。

リビングでは矢島はとっくにゲームを起動し、チンクは矢島からもらったであろうこの前の結界で出来た四角い箱を机の上において、ブレスレットから出ているディスプレイを操作していた。

 

「で、梶原。これから俺達どうするよ?」

 

矢島はテレビをビデオ画面に変えながらそう聞いてくる。

 

「{カチャカチャ}そうだな・・・とりあえず日が出てる間は噂や事件の調査に努めて、日が落ちた後は実際に噂を攻略していくって形で進めて行こうと思ってる。」

 

あらかじめ切り分けた状態のアップルパイを皿にのせ、コップにそれぞれの飲み物を注ぎながら答える。

 

「まあそうなるよな。事件の調査というと・・・さしあたって怪しいのは八月からの行方不明事件か?」

 

「ああ、まだ憶測の段階でしかないが始まりの予兆としては妥当なところだろ。」

「確かに・・・それじゃあ今夜はどうする?他の噂を攻略してみるか?」

「ああ、それと一応、他の噂の情報交換でもしてみよう。」

 

新たに噂が広まっていたらそっちの警戒も怠れないからな。

 

「それじゃあまず俺の聞いた『神社のお狐様』っていう「あ、それもう知ってる」(´・ω・`)」

 

せ、折角調べたのにこの有様だったでござる(;ω;)まあいいけど・・・

 

「なんだ、怪談という割にはそこまで怖いようには聞こえないな。」

「ん?もう転送し終わったのか、チンク。」

ふと会話に入ってきたチンクを見ると、そこにはセリフとは裏腹にアップルパイをおいしそうに頬張っているチンクの可愛らしい姿が!

「ああ、ついさっきな。ところでこれ、食べてもいいか?」

「もう食べてるじゃないですかーヤダー!」

「ははは、まあな。さっきの噂はどういったものなんだ?」

「興味津々でしたかこの子・・・えっと、確か数百年くらい前に全国のあらゆる神社仏閣を破壊しまくった挙句多くの犠牲のもとでようやく封印された狐の妖怪の伝説から出来た噂だったよな。」

「その通りだ。最近その妖狐の封印が解けかけているということがまことしやかに噂されている。」

「・・・なかなかすさまじい話だな。」

そうそう、噂によると最近この地域に封印されているはずの封印が解け始めていて、近いうちにその封印が完全に解かれて狐の妖怪がまた大暴れするかもしれないといわれているんだ。

「・・・まあ噂の根本が根本だからいまいち信用ないけどな。わりと結構な人数がこの話を聞いたら一笑してたようなもんだし。」

「・・・だろうなぁ・・・」

「?なぜだ?話を聞く限り放っておいていい物でもないと思うが・・・」

 

俺たちの発言にチンクが疑問符が浮かびそうな表情でそう聞く。

うん、まああれはな・・・

 

「いや、だって・・・なあ?」

「うんうん、あんな可愛らしい子狐が噂の根っことかどう考えてもないでしょうjk。」

「?心当たりでもあるのか?」

「「まあな。」」

 

実は1,2年ほど前に矢島と遊びに行った時、一度だけその妖怪が封印されているという神社・・・八束神社に遊びに行ったことがある。そこで噂の元となった子狐らしきものも見たが・・・あれはどう見ても稲荷寿司が大好物な可愛い狐だったぞ。あれが怪談の元とか・・・あれ?良く考えたらそれもおかしいか。普通の動物なら酸っぱいもの=腐ったものという判定で普通の稲荷寿司は滅多に口にしないはずだし。まあそれなりに賢い狐だったってことか?

 

「まあこれについてはちょくちょく神社に顔を出すって形でいいだろう。で、矢島、そっちの噂はどんなのがあった?」

「・・・・・・・あ~~、すまん。俺の方は昨日話した奴以上に広まってるのはなかったわ。」

「そうか・・・まあいいさ。それならそれで。」

 

改めて怪異の調査に励めるからな・・・それと矢島の奴、何か隠してるな?思いっきり目が泳いでたぞ。

 

「それじゃあ夜の九時から怪談巡り、内容は殺人タクシーと口裂け女と俺の知ってる廃ビルの怪異ということでファイナルアンサー?」

「ファイナルアンサー!いよぉ~~し!それじゃあさっそくやろうぜカスタムロボ!{カチカチ}お、いいねぇ!パーツもロボも全部そろってんじゃん!」

「切り替え速いなおいww」

「ふむ、なんだかおもしろそうだな。私も参加していいか?」

「「むしろ参加しよう!そうしよう!」」

 

参加人数は一人でも多い方がいい!間違いなく!

 

「それじゃあまずは慣らし運転も込めて軽く一戦やるか。」

「だな。あ、俺レイ01使うから。」

「おお、それじゃあ俺はストライクバニッシャー型で「貴様ドMか」ドMちゃうわ!」

 

確かにこの型は攻撃力が低いのが難点だが使い勝手は俺の中では一番なんだぞ!

 

「{ハムハム}泰寛、アップルパイの御代わりが欲しいのだが・・・」

「冷蔵庫にあるから好きなだけ持ってくると良い(*´ω`*) あ、でも夕飯には差し支えないようにな。」

「分かっているさ。」

そんなこんなで会議終了後、俺達は矢島がいったん帰宅する時間まで実に有意義な戦いを繰り広げた・・・・・・

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

「ファ~~~、なかなか有意義な一時だった。さてと・・・」

 

矢島とチンクが一度自宅に帰るために俺の家から去って約数分後、俺はアンダー・ワールドを装備して自宅の庭に立ち、PCを操作して8月の行方不明者に関する情報を閲覧していた。

矢島との集合時間は8時だ。それまでにやれるだけのことはやっておこう。

 

(・・・八月に入ってから市内の警察に出された捜索届けは全部で15件。最初に届け出が出されたのは8月13日、これの対象は西倉依敏とその一家全員。被害者は家族と遊ぶため十日以上の有給を取っていた、か・・・一家は未だに見つかっていないようだ。)

 

まずはこいつらから調べていくか。

 

「アンダー・ワールド、この家族が行方不明になった理由となる現場の記憶を掘り起こせ。」

 

---コクッ ボゴォッ

 

アンダー・ワールドに命令して庭を掘り進めさせる。

これでこの中に、彼らの失踪の原因となった記録が掘り起こされていることになる・・・?

 

 

「・・・なんだ、この血の臭い・・・・・・・」

PCをカメラモードにして穴の中に飛び込もうとした直前、穴の中から鉄臭い臭いが鼻を突く。

 

(・・・何だ、この胸騒ぎ・・・・・・まさか!)

 

嫌な予感を感じながらもう一度気を決し、穴の中に飛び込んでいく。

すると・・・

 

---ビチャッ

 

「!?」

 

地面に着地すると同時に水溜りを踏んだ音がし、鉄臭い臭いがより一層強くなって鼻を突く。

辺りを見渡してみるとそこには・・・

 

 

 

 

「「~~~!!~~~~~!!!」」

 

ソファに縛りつけられ、口をシューズの紐で縫い付けられて動きを封じられた女性と思わしき人と・・・

 

「・・・・・・」ビクッ・・・ビクッ・・・

 

水が満杯になるまで入れられた水槽に無理やり顔を入れて溺死している、四肢や内臓などの色んな箇所を床にばらまかれている子供らしきナニカと・・・

 

「――!!――――!!」

 

両手両足に開けられた穴から錆びついた鎖を通して固定され、母親と同じように口を塞がれた男性・・・そして・・・

 

「ここがいいかな~~~~♪あ、ここもいいかも~~♪」ザシュッドシュッ

 

その男性の腹を掻っ捌いて、腹から出ている内臓に笑顔で錆びた釘を打ちつけている中学生くらいの女がいた。

 

「・・・・なんだ・・・こりゃ・・・」

 

場所は・・・所々朽ちているあたりからどこかの廃棄された建物の様で、ボロボロになった床や壁はおろか天井までが血のような・・・いや、血の赤で染められている。

 

「う・・・ううう・・・」

「んぐう!ふぐう!」

「・・・・・・・・・・・・・」

 

・・・・・・・・・・・・・・・そうか・・・血の匂いがした時点で嫌な予感はしていたが・・・そうか、そうか・・・

 

 

 

---ギリィッ

 

「・・・・・・舐めた真似してやがるじゃあねえか・・・アアン!!」

 

一先ず今掘り起こしている記憶を消し去り、一番最近である二日前のこいつの記憶を再度掘り起こす。

そして・・・

 

「・・・・・・・」

 

---ガシッ ミチミチミチミチ・・・

 

振り向いた女の顔面を指が突き刺さるまで握り込んだ後・・・

 

---グイッ ドゴォォオオオオオオオオオオンッ!!

 

女を宙に浮かせてから床が陥没する勢いで女の頭を叩き付けた。

 

 

 

「・・・・・・・・・・おい、何時からだ・・・お前は何人・・・いったい何時から・・・そうやって何人・・・!!こうやって殺していった・・・!!」

 

叩きつけてから数秒経った頃だろうか・・・質問ができる程度に落ち着いたあたりで、自分でもはっきり分かるくらいに震えた声で、俺は地面に叩き付けた女の記録に聞く。

 

「ん~~と、確かこっちに来てから殺したのは8,9日くらいだったかな?殺した人数は次元世界の奴も含めて八十人くらい。いやぁ~、とってもた・・・」

 

---バゴッ

 

「誰がテメェの好きに話せっつったよ。質問にだけ答えろ・・・殺した目的はなんだ?今起こっている噂が実体化する現象を引き起こすことか?」

 

無駄口を叩こうとした瞬間に殴り、反吐を吐きたい気持ちになりながら再度質問する。

 

「それはあくまで途中経過だよ。もちろん殺しは趣味でやってたんだけど、本当の理由はこの世界を地獄に変える事。」

「・・・どうやってだ。」

「このアームターミナルに内蔵されているプログラムを使ってさ。この中には一定の手順を踏むことで魔界と呼ばれる世界から悪魔を召喚、使役することが出来るプログラムとそれに対応するアプリが組み込まれている。これを使って最終的には魔界そのものを現実世界に顕現させることがあたしの目的だよ♪」

「・・・・・・・・・・・・・・なんだと?」

 

・・・魔界…悪魔・・・そしてアームターミナル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!まさか・・・まさかこいつの特典は!!?となるとあのテケテケや口裂けとかの正体は・・・

 

「・・・おい、最近現れたテケテケの正体は・・・ひょっとして噂悪魔か?」

「お、よく{バキッ}・・・そうだよ。人々が超常の存在を信じていればいるほど悪魔もこの世界に顕現し易くなるってあたしの扱ってる悪魔から助言されたから、いろんなところにマグネタイトが集まりやすくなる術式を作りまくった後で気の弱そうな子供とかを中心によくある都市伝説をふれまわったんだよ。」

 

なるほど・・・そうかそうか・・・・・・・・ヤバイ、旅行に行ってたことを後悔し始めてるかもしれん、俺・・・・・・

いや、そんなことはどうでもいい。重要なのはここからどんな手を打つかだ。何か手を打たなければ・・・

 

「術式の仕組みは?それを解除する方法は?」

「一度発動すれば空気中の生体マグネタイトを吸収して場所そのものを徐々に悪魔が顕現しやすい環境に整えていくものだよ。解除方法は知らない。そんなことする必要はないし。」

 

「・・・最後に二つ、お前がこの世界にいる原因は自分を神と呼ぶ奴か?そして・・・現在のお前は何をしている?」

 

「えっと、確かそうだった気がする。今の私?う~~ん、二、三日か前に別の世界でマグネタイト稼ぎをしに行ったよ。今出来る準備は大体終わったし、後は団体様をお迎えする手筈を整えたいからさ。」

「・・・そうかよ。じゃあ消えろ。」

 

掴んでいた記録をブン投げ、能力を解除してから穴から這い出る。

ついでにクレイジー・ダイヤモンドで穴を治すのも忘れない。

 

(・・・・・・・・・・)

 

・・・さて、事態は思ってたよりずっと面倒なことになってたわけだ。

三嶋さんの友達がスライムを見たといったのは例の廃ビル・・・その子が言ったことが本当ならば少なくとも確定していて、なおかつ一番先に手を出さなければならないのはあそこだろう。

その子が言ったことが本当ならば・・・あそこはもう『アレ』が自然発生できる土壌になっているということだ。もともと予定に入っているとはいえますます見逃せなくなったわけだ・・・

ああ、それと明日からは奴が術式を組んだ場所を追っていく必要があるな。

なに、アンダー・ワールドがあればいくらでも追える。ハハハハハ・・・

「・・・・・・・・・・は!」

・・・なにが怪異は夜の方が出易いだ・・・!!当たり前だろうが!もし真昼間からそれが出るようになったら・・・それはもう取り返しがつかないところまで来てるってことだろうが!!

「・・・時間は・・・七時ちょい前か。」

とりあえず台所に行って簡単におにぎりを作り、それを持ち歩けるようにする。

後はいつもの装備を整えて、戸締りもしっかりして・・・これで良し。

 

「さてと、まだまだ集合時間には早いが・・・まあ別にいい。」

 

---ジャキンッ

 

少々フライング気味ではあるが・・・矢島には特に力を温存していてもらう必要があるからな・・・!サンプルで博士を釣るためにも!

 

 

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