デッドマンズN・A:『取り戻した』者の転生録   作:enigma

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第三十三話

Side:梶原泰寛

「{キュムキュムキュムキュム}・・・・・・・・・・というわけでホ、仲魔契約というのは一言でいえば『ニンゲンが悪魔にマグネタイトを供給する代わりに悪魔がニンゲンの命令に従う』という取決めだホ。これがお互いゴウイの上で出来ればそれで仲魔契約は成立だホ!」

 

お互いに自己紹介を終えた俺達は、ジャックフロストを仲魔にした場所から探索を再開しつつ、どうやって契約をすればいいかを聞いていた。

 

「「フムフム・・・・・・それで?」」

「それだけだホ。難しいことは何もないホ。」

 

なるほどねー、聞く限りでは確かに難しいことじゃないみたいだな・・・・・・それでだ・・・

 

「「どうやってMAG供給するの?」」

 

ここが一番大事な点なんだよな~。マグネタイトっていきなり言われても俺らそんなもん意識したことが無いからよくわからんし・・・

 

「ヒホ―?それは・・・・・・{キュピーン}オイラのやり方でもらっても・・・」

「「あ、やっぱ自分らで考えるわ。」」

「ヒホ?そうかホ?まあオイラはマグネタイトがもらえるのなら構わないけど・・・」

 

さすがにそこまで相手任せだとこの先嫌な事が起きる予感がする。幸い知識が無い訳じゃないしここはせめて自分たちで考えることにしよう・・・というか今のフロストの目の輝きが明らかにアウトだ。

 

「それとどっちがオイラと契約するんだホ?そのあたりはっきりしないと後でうやむやになるかもしれないんだホ。」

 

なるほど、確かにそれは重要なことだ。という訳で・・・

 

「矢島、よろしく!」

「・・・エ?」

「え゛!?いや待て!そこはせめてジャンケンで・・・」

「魔法の技術なし、デビルサマナーとしては心得を齧った程度、COMPも悪魔召喚プログラムもなし。そんな俺がむき出しの悪魔を家で匿えるわけないだろ。お前ならフェイト辺りから使い魔の作り方とか聞いたり自分でプログラム組んだりできるじゃん。適材適所ってやつだよ。」

「・・・・・・・・・ジャックフロスト、マグは渡すからちょっと明日まで契約待っといてもらえない?友達もまとめて契約できるくらいにはしておくから・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それはいいホ。けど約束だホ!」

「今の間はなんだ!不服か?そんなに俺が不服かこの野郎!」

「そ、そんなことはない・・・・・・・」

 

---チラッ チラッ

 

「・・・・・・・・・ないホ?」

「間が長い上に疑問形!?」

 

よし、それじゃあもう一度マグの収集方法を考えるか・・・マジでどうしよう・・・

 

「ヒホ―・・・そこまで慌てる必要ないヒホ。オイラたちはまだ外には出られないけど、この異界でなら漂ってるマグネタイトだけでも実体を保つくらいはなんとかなるホ~。それに二人からもらうんじゃなくても悪魔を倒した時に出るマグネタイトを吸収すればどうにかなるホ~・・・問題はオイラだけでどれくらい吸えるかだけど・・・」

「あ~、そうか。確か現界している悪魔って平たく言えばマグネタイトの塊だもんな。確かにその方法でやって行けば俺達からの供給手段が見つかるまでの繋ぎにはなるか・・・」

 

けど今の話からするとジャックフロストだけじゃあ吸収効率に限界があるってことか。まあもともと俺達だけでここを攻略するつもりだったし最悪後ろで待機しててくれればそれでいいとは思うが・・・・・・・・・あれ?これかえって足手まといが増えただけ?

・・・いやいやいやいや、ちょっと待ってみろ俺。よく考えてみろ俺。確かにジャックフロストは序盤に出てくる低レベルの悪魔。しかし一部のメガテンシリーズでは戦闘の中でレベルアップすることもあったし、その中で別の悪魔に変異するということもあったはず!希望を捨てるな俺!こいつだって育てばできる子になるはずなんだ!

 

「まあ仲魔として連れ歩く以上どっちにしろそこは考えなくちゃならないわけか、その・・・マグの供給手段は。はぁ~~、難儀だな。」

「「はぁ~~~~・・・」」

 

本当、悪魔の育成って難しい。

せめて何かいい方法はない物か。今すぐできて手軽なMAGの集め方・・・・・・・

 

「「・・・・・・・・・・・・・あ。」」

「?まだなにかあるのかホ?」

「「いや、ちょっと名案が・・・」」

(霧散しかけている途中のマグネタイトなら能力と並行してアライブの体内に圧縮して貯め込むことはできないか?スタープラチナがジャスティスを吸い込んだときみたいに・・・確かマグネタイトって色がついてたはずだし認識位は・・・)

(そうだよ。長いこと使ってなかったせいで忘れかけてたけど俺、特典でシミュレーション能力があるじゃん。これ使えば船作ったときみたいに・・・短期だから召喚プログラムとまではいかないけどマグネタイトを集めておくくらいはできるんじゃねえか?その程度ならほんのちょっと時間を掛ければ・・・)

 

矢島も何か思いついたみたいだな。まあいい、これである程度目処も立ちそう・・・

 

 

---バサッバサッバサッバサッバサッ・・・

 

「・・・梶原、ちょっと時間を稼いでくんない?今良いこと思いついたからよ・・・」

「心配しなくてもじっくりやってろ。俺もちょうど良いこと思いついたからな・・・」

「OK、即行で組み上げてやろうじゃねえか・・・!」

 

そう言うと矢島はバリアジャケットを解除してデバイスのプログラムと思われるものを展開する。

その直後、通路の角から鳥人間の様な悪魔が三体ほど姿を現した。

容姿からして・・・やつら、ハーピーか?

 

「あら?こんなところに人間がいるわ。」

「ホント、子供みたいだけどとってもおいしそう♪」

「ウフフ、ボクタチどうしたのかしら?迷子?」

「こっちへいらっしゃいよ・・・大丈夫、ヤサシクしてあげるわ・・・」

「ウフフフフ♪」

 

ハーピーと思われる悪魔たちは妖しい、危険な笑みを浮かべながらこちらに近づいてくる。

だが残念、俺はそんな誘いにはホイホイ乗らない。

 

(こいつらはまだサンプル候補にはないが・・・肝心の矢島があれだし、捕獲は後回しになるか。まあこの際丁度いいタイミングってことで・・・)

 

「{カチンッ}実験開始だ。」

「は?何をい{ズ・・・ズズズ・・・}・・・て・・・」

 

---ズルリ・・・ドサッ

 

「・・・え?あ、あんたどうし{ボトボト}・・・あ、あれ?」

「な、何で体が・・・いや、とまっ・・・」

 

---ドサドサドサドサドサ・・・

 

一閃の元に切り伏せた悪魔たちは自分に起こったことを知らぬままバラバラになって地面に転がる。そして・・・

 

---フシュォオ――――

 

残骸となった悪魔は見る見るうちに発光し出し、あっという間に全て緑色の光となる。

 

(思えば一回も悪魔を倒したことってなかったけど・・・あれがマグネタイトでいいんだよな?アライブ、アレをすべて集めろ。)

『了解シマシタ。アァアァア――・・・』

 

霧散しようとしているそれらをアライブが能力で集め始めると、マグネタイトはどんどんアライブの手のひらに集められていき・・・

 

『{キュィィ――――ン・・・}アアァァアァア・・・{グッ}・・・フン、コンナモンカネ・・・』

 

・・・全てが手のひらに集められた直後に集まったマグネタイトを握り潰す。

頃合いで手のひらを開けると、マグネタイトは飴玉サイズの小さな粒に圧縮された。

アライブに次の命令を出し、マグネタイトの塊を飲み込んでみる・・・うげ・・・

 

『・・・一応コレデ終ワリマシタヨ。シカシ・・・コウ言ッチャアナンデスガチョット気持チ悪イデスネ・・・』

 

「た、確かに。特に喉越しとか・・・」

 

なんかドロッというか、ゴロゴロっていうか・・・見た目にあわな過ぎる感触というか・・・い、いや!喉を通る過程で若干の違和感こそあったがマグネタイトが漏れる心配もなさそうだし・・・

 

「おい、さっそくだけど吐き出してくんない?」

『了解。ウエェー・・・・・・・・・デキマシタヨ。』

 

アライブは命令すると、いつものように少し声を漏らした後さっきのマグネタイトの塊を手のひらに吐き出した。

 

「ジャックフロスト、これでいいか?」ポイッ

「ヒホ!?{パシッ}いきなり投げちゃダメだホ・・・でもこれでさっき使った分のマグネタイトは補充できるホ!」

 

ジャックフロストは投げ渡したマグネタイトを口に入れ、うれしそうにそう言った。

よし、特に問題らしい問題もない。実験は完了だ!

 

「えっとここがこうなって・・・ここをこう・・・あ、いや違う・・・」

 

矢島はもう少し時間がかかりそうか・・・ん?

 

---ザワザワ・・・ザワザワ・・・

 

「オイ、コッチデナニカ物音ガシナカッタカ?」

「ナァンダァア?ニンゲンノニオイガスルゾォォオ?」

「ゲゲゲ、ニンゲェン・・・ニンゲンノニオイ・・・ウマソウナニオイガスルゥ・・・ヒヒヒヒヒ・・・」

 

曲がり角の方からまた威圧感と声がする。次の獲物(おかわり)が来たか・・・

 

「こっちがこうなって・・・よし、後はここをこうして・・・ああ違う!ここはこうしてここがこうなって最後に・・・・・・よっしゃ完成!梶原、すぐに再起動し終わるから今から来るの倒しといてくんない。」

「わかった・・・と、おいでなすったかい。」

 

---ザワザワ・・・ザワザワ・・・

 

数秒ほど経った辺りで曲がり角からゾンビやスライムたちが現れる。あれは切り捨てても問題ないな。

 

「イタァ!ヤッパリニンゲンガイタゾォオッ!」

「ウマソウ・・・コイツラまぐガイッパイ・・・トテモウマソウ・・・」

「クワセロ・・・クワセロォッ!まぐヲクワセ・・・」

「うるせえな・・・消え失せろ。」

 

アライブの腕を出して悪魔たちに空間斬りを放って粉微塵にし、霧散しようとしているマグネタイトをまた手のひらに集める。

扱いが酷い?序盤の敵なんてどこいってもこんなもんだろ。

 

「・・・さっきから攻撃してること以外さっぱりだホ。さいきんのニンゲンってみんなこんなのばっかりなのかホ?」

「いや、それはさすがにない。それとまあ気にするな、俺もあいつの剣の軌道とかさっぱりわからんから・・・」

「そうなのかホ?それじゃあやっぱりヤスヒロがとびぬけてつよいのかホ?」

「・・・何だろう、間違ってないはずなのにはっきりと言われて湧き立つこの黒い感情・・・」

(年期に天と地ほどの差があるんだから当たり前だろ。)

 

これで元とはいえパンピーに劣るなんてことになったらそれこそ俺の方が泣くわ。

 

『マスター、システムの再起動を確認。MAGコントローラーは正常に動作しております。』

「おっと、さすがに早いな。よしGUNDAM、マグネタイトの回収頼む。」

『了解しました、マスター。』キィーン

 

矢島のデバイスから魔方陣が展開され、俺が集めていたマグネタイトがあっという間にその魔方陣に吸い込まれていく。

 

『{シュォォオオ――}・・・・・・大方のマグネタイトの吸収を確認しました。今回は通常時に霧散しているものまでは対象としませんでしたがよろしいですか?』

「OKだ、御苦労さん。これでマグ回収の目処は立ったな。」

「ああ、これで心置きなく先に進める。」

「ヒホ―!皆でここを攻略するホ!二人とも、こっちに次の階の階段があるホ!」

「「わかった!」」

 

そんなこんなで二度目の準備が整い、俺達はジャックフロストに案内されて先へと進む・・・

 

side out

 

 

 

 

 

---ここでひとまずの場面転換・・・

 

 

===高町家===

『・・・そういうわけでね、私の裁判が思ってたよりも早く終わりそうなんだよ。』

「!よかった、フェイトちゃんももうすぐ自由なんだね。」

 

所は変わって高町家・・・なのはの部屋にて部屋の主たるなのはは、とある友達から送られてきたDVD・・・今は遠いミッドチルダにいるテスタロッサ一家から送られてきたビデオレターを見ている。

そこには彼女たちの元気そうな姿が、かつてともに協力し合った仲間たちとともに映っていた。

 

『かなり前のこととはいえ一部の不正が丸々ばれちゃったおかげで管理局の方もてんてこまいなのさ。むしろそっちの責任がどうたらで忙しいのなんの・・・ま、アタシらにとっちゃどうってことでもないんだけどね!』

『うんうん!元はと言えばあの人たちがお母さんに散々無茶なことをさせてたからこんなことになったんだし、あれくらいは当然のことだよ!』

『もう、アルフも姉さんも・・・』

『フフフ。そう言うことだからなのはちゃん、再来週あたりにユーノ君も含めて四人ともそっちに行くと思うわ。心配はいらないと思うけど娘たちと仲良くしてあげてね。』

『なのは・・・皆で一緒に遊べるの、楽しみにしてるから!』

「そっか・・・もうすぐみんなに会えるんだ・・・」

 

なのはは画面の向こうで楽しそうに微笑みながらそう言う皆の姿に、近いうちに起こる友達の来訪を期待する。

『なのは、皆で会えるの楽しみにしてるからね。それと・・・』モジモジ

 

「?どうかしたのかな・・・」

 

なのはは急に顔を伏せ、妙な素振りをし始めたフェイトに疑問を抱く。

 

『なのはちゃん!ヤスヒロやケイイチたちによろしくいっておいてね!特にフェイトが、ヤスヒロと会うのすごく楽しみにしてるから―!』

『ファア!?ね、姉さん!?』

『ついでに翠屋のシュークリームもよろしく―!』

『アルフも!?あ、ちょっと待って姉さぁ―ん!』

「あ、あはははは・・・」

 

画面の向こうではしゃぐフェイトとアリシアの二人に苦笑するなのは。

アリシアの言ったこととフェイトの反応に、自分でも気が付かない程度ではあるがざわめきを感じながら、彼女はその光景を見つめる。

 

『プレシア、少しだけこの場を借りてもいいか?』

『ええ、そう言えばあなたも話があったわね。』

 

すると今度は、フェイトたちが座っていた辺りに一人の少年が・・・かつてなのは達が世話になった管理局の高官であり、アースラの乗組員であったクロノ・ハラウオンが顔を出す。

 

『なのはちゃん、私達からの近況報告はおおよそここまでよ。後は・・・クロノから少し真面目な話があるから聞いてちょうだい。』

『そう言うわけだ、なのは。まずは折角の楽しいビデオレターを使ってこんなことを伝えること、心から詫びさせてもらう。本当にすまない。』

「?いったいなんだろう。」

 

なのはは神妙な表情でそう言うプレシア達に疑問を抱き、自分も真剣になってその話を聞き始める。

 

 

『なのは、このビデオレターを送る数日ほど前から、君たちの周辺に位置するいくつかの次元世界で不可解な現象が起こっているんだ。』

「え・・・?」

『原住民が住んでいる町ごと行方不明になる、生息している動植物が急激に減少する、空間が謎の変質を遂げるなど・・・主に人の住んでいる地域を中心に確認されている。管理局も調査員を送って調査を進めているんだが・・・肝心の調査員まで行方不明になってしまう始末でな、今のところ有益と言える情報は掴めていない。』

「そんな・・・いったい何が・・・」

『ひょっとしたら一刻を争う事態になるかもしれない。そこで今回、上からの命令で僕達はアースラの乗組員として、また君たちのいる地球に向かうことになる。丁度フェイトたちが地球に向かう、再来週にな。』

『私も本当はまだそっちに行けないはずなんだけどね、今回そっちに行かせてもらえる理由はそれなのよ。その調査での働き次第で、ジュエルシード事件で犯した罪をある程度軽くしてくれるっていう話を上層部から持ち出されて・・・で、私はそれを了承したのよ。』

『出来る事なら民間人である君を僕達の仕事に巻き込みたくはないが・・・事がいつ君たちのいる世界に起こらないとも限らない。身の周りだけでいい、僕たちがそっちに行くまでの間警戒していてくれると助かる。』

「うん、わかった・・・!?」

 

クロノの話を聞いて緊張した瞬間、不意に窓の方から嫌な気配を感じたなのははすぐさまその方向を見て、恐る恐るカーテンを開いた。

 

「・・・・・あれ?」

 

しかしその予感に反して、窓の外には夜の静けさと街灯による光しかない。

感じていた気配もカーテンを開いた直後にはなくなっていた・・・

 

「・・・なんだったんだろ、気のせいかな・・・」

何か引っかかるような、言いようのない感覚を持ちながらも、彼女はとりあえずテレビの前に座り直す。

 

『それじゃあなのはちゃん、再来週にまた会いましょう。』

『楽しみにしているよ。』

 

なのはが座りなおした直後、クロノ達がそういってビデオレターは終わった。

彼女はビデオを再生し終えた画面を見ながら、先ほどクロノが言ったこととあることを思い出す。

 

「謎の現象かぁ・・・そういえば最近、なんだか変な噂とか事件が起こってるよね・・・」

 

それは現在彼女の身の周りで広まっている不可解な噂や、テレビなどで報道されている行方不明事件のことだった。

ひょっとしたら、それらの根幹にクロノが言ったその現象があるのではないか・・・そんな考えが彼女の脳裏に過ぎり・・・

 

「・・・・・・こんな時、泰寛君たちならどうするかな・・・こんな時、私は・・・」

 

 

一抹の不安とともに、かつて(一人除いて)共に戦った、地球の仲間のことを思った・・・

 

 

 

 

 

 

 

『ギギギギ・・・ニンゲン、ウマソウナニンゲン・・・ヒヒヒヒヒヒヒ・・・』

 

 

 

 

 

 

 

一方そのころ廃ビルでは・・・

 

 

 

---スパパパンッ ドシュドシュッ

 

「オラオラオラオラァ!邪魔するならまとめて消し飛ばすぞッ!」

『ギルァララララララララララララララァッ!』

 

---ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴッ

 

「「「「「アギィヤァァアアア!?!」」」」」

「コ、コノニンゲンガ!ジ{グオォッ ゴシャアッ}ガペ!?」

「イ、イヒカァ―――!?オノレ!ナンナンダコノ人間タチハ!?」

 

 

 

「アギ!」

「マハザン!」

「ジオ!」

「おっとプロテクション。{ガガガガガガガッ}・・・ジャックフロスト、今の内にマハブフで連中の動きを止めてくれ。」

「分かったホ!ヒィ――・・・ホォ――――!!」

---ビキビキビキビキビキビキビキ・・・

「げぇ!?う、動けない・・・」

「クソォ!マタアノ攻撃ガ・・・ヒ!?」

---ガチャンガチャンッ キィ―――ンッ

「チャージOK。ターゲット、マルチロック・・・前方の敵影全てへの照準完了。」

「ヒ!?マ、待テ!モウ我ラハ降参・・・」

「一匹残らず・・・狙い撃つ!」

---ドドドドドドドドドドドッ

「「「「「イギャァアアアアアアア!?!」」」」」

 

「・・・前方、側方、共に敵影なし・・・いや、廊下の向こうから追加が来ているな。ジャックフロスト!さっきみたいに引き続きよろしく!」

「OKだホ!あ、でもジャックランタンは撃っちゃダメだホ。ひょっとしたらオイラの友達かもしれないんだホ。」

「わかっとるよ。ほら、マハブフよろしく。」

「ガッテンだホ。ヒーホー!」

 

「ヒィィイイ!?ナ、ナァンダコイツルァアアア!?」

「タ、タダノ人間ガイルッテ聞イタカラ・・・ワザワザココマデ食イニ来タッテノニ・・・何デ俺達ガコンナ目ニ「ウシャアアアッ!!」ガ・・・ア・・・!?」

「コ、コロンゾ―――ン!!」

「WRYYYYYYYYYY!!弱い!弱すぎるぞぉ――!こんなもんで、俺達が倒せるものかよぉ――――!!」

「サァーチアァーンドデェースッ!サァーチアァーンドデェースッ!」

「「かかってこいや!悪魔どもぉ―――――ッ!!!」」

「「「「「イィィィィヤァァァアアアアアアアア!!」」」」」

 

 

「・・・・・・・・・・{ポリポリ}ついてきて本当によかったけど・・・凄い光景だホ。オイラ、場違いもいい所だホ。」

「ジャックフロスト―!追加のマハブフよろしく―!」

「あ、分かったホ―!」

 

 

・・・・・・・そんなことは無意味と言わんばかりに大暴れしていた・・・

なんだかんだでこの男たち、ノリノリである。

 

 

 

 

 

 

 

Side:梶原泰寛

「{スゥー―・・・カシンッ}ふう、倒した倒した・・・それにしても、質はまだまだだが階を跨ぐごとに数が増えてやがるな・・・」

 

一つの階につき平均で十体・・・合計で七十体くらいか?出てきた数は・・・今更だけど異界だからって多すぎない?ここ・・・

出てくるのも性格がDARK属性なヒャッハーしてる奴ばっかりだし・・・マグやサンプル回収に支障が出ない範囲なのはいいけどここまで来ると面倒臭くなってくるな・・・

 

『{スォォ―――}・・・吸収ト圧縮ヲ完了シマシタ。後ハドウシマスカネェ?』

「これだけ倒した上に慣れてきたおかげでほぼ丸ごと手に入ったんだ。道中は矢島もかなり手に入れてたしこれくらいは俺たちの方で持っておこう。」

 

いつ何時マグネタイトが要り用になるとも限らないからな、俺の方でも少し位持っておいて損はないと思う・・・喉越しは非常に酷いけど。

 

「お~い梶原、こっちも終わったぞ~。」

「早く次の階に行くホ~。時間もあんまりないんだホ~。」

「あいよ~。」

 

矢島とジャックフロストに呼ばれてあいつらのもとに集まり、次の階・・・八階への階段を登り始める。

 

「全く、ランタンはどこまで隠れに行ったんだホ?次でオイラが登れる限度の階に来ちゃうホ。」

「あれ?このビルって案外低かった?なんか拍子抜けだな・・・」

「いや、単にそれ以上の階のことを知らないだけじゃないのか?」

 

あくまでもジャックフロスト並みのレベルの悪魔が登れる範囲というだけでまだ先があるとか・・・いや、次で終わってくれた方が面倒じゃなくて済むんだけど多分次もあるだろうなぁ・・・

 

「その通りだホ~、一番上にはメチャクチャ強くてオッカナイ悪魔が住処にしてて、滅多に近づけないんだホ・・・・・・アレ?なんか床が揺れてるホ!?地震かホ~!?」(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

「いやそれお前が震えてるだけだから!メッチャ震えてるだけだから!」

「よっぽど強い奴がいるんだな(^^;)あ、階段終わった。」

 

この階層もずいぶん広そうだな。廊下の端が見えないんだけど・・・

 

「なあ、ちなみに見たこととかは・・・」

「あるわけないホ~。偶に下の階まで怖い感じが伝わってくるからほとんどの悪魔はこの辺りでくすぶってるホ~。」

「なるほどね・・・・・・「{ガタンッ}やっちまったホ――!」・・・おい、またお客さんらしいぞ。」

 

前方左側のドア、数は・・・一匹か。

 

(どうする梶原、大事をとってヤっとくか?)

(相手次第だな、一応こいつの友達以外はサーチ&デスの方針で行ってるわけだし・・・)

(・・・あれぇ~?なんかどっかで聞いたような声だホ~・・・)

 

取り敢えず戦闘のフォーメーションは取っておくか。近接戦闘は俺の方が得意だから・・・

 

「とりあえず俺が先行するからさ、二人とも「ヤスヒロ、ちょっと待ってほしいホ。」どうした?」

 

扉に近づこうと足を踏み出した直後、ジャックフロストに呼び止められて俺は足を止める。

 

「ひょっとしたら・・・ランターン!オイラだホ!ジャックフロストだホ~!」

「・・・そ、その呼び方と声は・・・ひょっとしてフロストかホ~!?」

 

ジャックフロストが扉に向けて呼びかけると、急に扉が開いて中から悪魔が飛び出してきた。

魔法使いのような恰好をして、昔のランプを持ったハロウィンのカボチャみたいな頭の悪魔が・・・

 

 

・・・・・・あれ?まさかあれがジャックランタン?

 

「フロスト~!今までどこに行ってたんだホ~!?上は相変わらずおっかないし、下はすっごく強い人間が来たとかで大騒ぎだし、オマエの傍には変な奴らがいるし、心配したんだホ~!」

「ごめんだホ~、でも大丈夫だホ!この二人が一緒に戦ってくれたおかげでここまで無事に来れたんだホ!ついでに今までよりも強くなれたホ!」

 

ジャックフロストは(多分力瘤を作ろうと)右腕を曲げながらそう言う。

 

「そうだったのかホ~?確かに今までよりもタクマシイ気がするホ。」

「そうだホ!それに今はオイラ、最高のフロストになるためにこの二人と一緒に修行をしてるホ!」

「ヒホ~、それはすごいホ!」

 

ジャックフロストの話を聞いて、ジャックランタンは俺たちを真剣に見始める。

 

---ジィ~~~~

 

・・・俺を見てる時間の方が長い気がするのは気のせいだろうか・・・

 

「・・・ちなみにフロストのサマナーはどっちだホ?」

「ん、一応俺だよ。名前は矢島敬一郎。」

「俺はデビルサマナーとしての技量がまだないから矢島にやってもらてるんだ。」

「分かったホ。それじゃあケイイチロウ、オイラと契約してもらえないかホ?」

「おう、いいぞ。と言っても俺、召喚プログラムはまだ持ってないから今回はマグを渡すだけの仮契約になるけど・・・それでもいい?」

「え?う~~ん・・・後でちゃんと契約してくれるのかホ?」

「当然。明日準備が出来たら改めて契約を申し込みに来るよ。」

「・・・分かったホ!それでいいホ!」

「よし!契約成立!」

 

話がまとまったみたいだな・・・{ピピピッ ピピピッ}あ、探索終了のタイマーが・・・

 

「矢島、今日はもうここまでだ。」

 

「みたいだな・・・それじゃあ二人とも、夜も遅いし俺達は帰らせてもらうぞ。これは今日の分と先払いの分ね・・・」

 

矢島はデバイスからマグネタイトの塊を出し、それを二人に渡す。

 

「「じゃあまた明日。」」

「「また明日だホ~~。」」

 

その後、二人に別れを言って俺達は矢島の転移魔法を使ってビルから離れた。

はぁ~~~、なんか眠い・・・やっぱり深夜の行動は子供の身にはきついね・・・

 

 

 

 

「・・・・・・あれ?ひょっとして今の二人、下で騒がれてた強いニンゲン?」

「ランタン・・・それすごい今更なセリフだホ。」

 

 

 

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