デッドマンズN・A:『取り戻した』者の転生録   作:enigma

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明けましておめでとうございます!
せめて元旦にはと思ったのに…結局間に合わなかった(orz)


第三十九話

「う、ううう・・・」

(ここは・・・どこだっけ?あたし・・・確かいつものように・・・)

「くっ・・・・・・~~~~~~ッ!!いった――――い!」

(お、起き上がれない。全身が痛くて身動きが取れない・・・本当になんでこうなってるの、あたし・・・)

 

「うぐぐ、ここはいったい・・・俺ら確か・・・」

「・・・あれ?俺、生きてる・・・?」

「え?」

 

痛みに耐えながらゆっくりと顔を動かすと、管理局の服を着た見覚えのある男たちが自分の隣に並んで寝転がっていた。

ついでに周囲はよく見ると結界の張られたどこかの公園で、あたしたちはその地面に敷かれたマットの上に寝かされていることが分かる。

 

(この人たち・・・確か管理局員?どうしてこんなところに・・・!)

 

自分やこの人たちがなぜこうなったか思い出そうとして・・・ようやく思い出すことができた。

 

(そ、そうだ!確か何時もの様にあの闇の書の主を見張ってたらなにか変な声に誘われて、気が付いたらあの化け物たちが出てくる水路に・・・!)

 

それで・・・そうだ!化け物を倒しながら辿り着いた広場で、他の管理局員たちを見つけた後にいきなり現れたバッタの大群に追い詰められて、障壁を張ってるうちに誰かが助けにきて・・・駄目だ!ここから先がどうしても思い出せない!

 

「まったく、なんでこんなことに・・・・・・ん?」

「な、なのは・・・もう許してくれ!ほら!管理局の皆さんもうすっかり目を覚ましていらっしゃいますよ!は、早くバインドの解除をお願い・・・」

「フフフ、だぁ~め♪反省しないといけないんだからもうあと一時間はそこで正座してないと・・・」

「も、もう勘弁して・・・足の感覚が・・・もう・・・ジャックブラザーズ!ヘルプ!ヘァルプミ―――!」

『ドンマイだホ~!』

『耐え忍ぶんだホ、ケイイチ!これもまた試練なんだホ・・・!』

『『がんばれがんばれケイイチ!がんばれがんばれケイイチ!』』

「ぬぉおおおおおあああああああああ!この裏切り者がァアアアア!」

「・・・・・・・・・」

 

 

・・・・・・えっと、何あれ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぬぉああああああああ・・・ア、足がしびしびびびびびびび・・・」

 

酷い・・・何で俺がこんな目に・・・こんな善良が服を着たような人間である俺が、俺がいったい何をしたって言うんだよぉおおおおおお・・・

 

『異界もろとも皆まとめて吹っ飛ばしたホ。』

『敵味方関係なく異界ごと爆散しちゃったホ。逃げてたはずのなのはちゃんももれなく巻き込んだホ。』

「わざとじゃないんだ!ちょっと気分良く調子に乗っちゃっただけなんだアイタタタタタタタタタタタタタタタタ!」

 

ヤベェ!痺れるどころじゃねえ!筋一本動かしただけで激痛が走る!

くそ!確かにあの人たちを巻き込んだのはまずかったけど立てなくなるくらい麻痺させるのはどうなんだよぉ!

 

「ケイイチ君、あの人たちが話したいって言ってるよ。ホラ、早く行こう。」ズルズルズルズルッ

「あぎゃあああああああああああああああああああ!!あ、足があばばばばばばばばば!」

 

ひ、ひどい!ここまでされるようなことだったっけぇえええええええ!?

 

「ナムー、だホ。」

「ナムー。」

 

おのれジャックブラザーズめ!この恨み、ハラサデオクベキカ・・・!

 

「あ、あの、大丈夫なのその子?」

「あ、はい。ほらケイイチ君、横になっていいから早く来て。」

「ううう、あんまりだ・・・・・・あ、もう大丈夫ですか?」

「え、ええ。体が痛いけどそれくらいよ。」

 

そんなことをいいながら、寝転がっている人たちの内猫耳と猫のしっぽが生えた人?が結構無理して起き上がる。

というかこの人あれかな?アルフみたいな魔導師の使い魔?

 

「あの、皆さんはひょっとして管理局の人だったり・・・」

(しまった!ここにきてることは誤魔化さないといけないのに・・・!)

 

なんだ今の「やっちまった!」て感じの表情・・・なぁ~んかこの人は怪しいな。目が泳いでるし、隠したいことでもあるのか?

 

いや、でもこんなあっさりと異界に入れられて悪魔に襲われてるような奴がこの事件に深く関わってるなんて考えづらいし・・・う~む、一応注意だけはしておくべきか。

 

「そ、そうなのよ。ここにはちょっとしたお仕事で来てたんだけど・・・」

「その途中でなぜかあの領域に迷い込んでしまったと・・・」

「そうだったんですか。とりあえず助かってよかったです。」

「あ、あはは。ありがとうね、えっと・・・」

「あ、私高町なのはって言います。こっちは私の友達の・・・」

「矢島 敬一郎です。」

「なのはちゃんに敬一郎君ね。あたしはリーゼアリア、本局の魔導師よ。ここにいる一同を代表してお礼を言わせてもらうわ。ホント、今回はありがとうね。」

「はい!どういたしまして!」

 

リーゼアリアさんにお礼を言われ、なのはは嬉しそうにそう返す。

うんうん、やっぱ感謝の言葉は聞いてていいな。

 

「なのは、そろそろ行こうぜ。まだやることは終わってないし。」

 

アサルトアーマーを使ったせいでだいぶ異界としての質は落ちたが、それでもまだなくなったわけじゃあない。

俺もデバイスの具合が若干悪いが戦闘自体には多分支障はないし、一応目的の場所の確認とマーカーの設置くらいはしておかなきゃね・・・

 

「え?でもこの人たちが・・・」

「私達なら大丈夫よ。近くの派遣部隊に連絡を入れれば回収してもらえるだろうしね。」

「いいんですか?」

「ええ。だからほら、事情はよくわかんないけど行ってきなさいって。」

「・・・はい!ケイイチ君、行こう!」

「えっちょっと待ってあだだだだだだだだだだだだ!!まだ足の痺れががががががががががが!?!」

 

リーゼアリアさんに後押しされたなのはは、俺の手を掴んで俺を引きずる。

痛い痛い!この子マジで容赦ねえ!

 

「お、お気をつけてあだだだだだだだ!!」

「・・・本当に大丈夫なのかなあ、あの子たちは・・・」

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「あ~酷い目にあった・・・」

 

管理局の人たちを置いて少しした後、俺達はあの大規模アサルトアーマーを使ったにも拘らずいまだに残っている異界へと逆戻りし、探索を再開した。

ナノハサンの容赦ない扱いに全俺が泣きましたよ、いやほんとマジで・・・

 

「自業自得だよ、本当にもう・・・」

 

しょうがないじゃないか、あれくらいしか一気に吹っ飛ばす方法が無かったんだからさぁ・・・

 

「それにしても・・・なんか所々壊れてはいるけど、けっこう歩きやすくなってるね。入ったばっかりの頃はなんていうか、こう、空気が澱んでたっていうか・・・ちょっと息苦しかったのに・・・」

「十中八九ケイイチのアサルトアーマーが原因だホ。あれのせいでここに溜まってたマグネタイトの大部分が吹っ飛ばされたんだホ。」

「おかげで悪魔にとっては厳しい環境になったホ~。マグが少なくて契約してなかったらまともに動けなかったところだホ~。」

「ほほう、なんだかんだで良い状況に持って行けたみたいだな。」

「そう言ってまたあんなのをやったらだめだよ。せめて事前にちゃんと言ってくれないと・・・」

「フヒヒwwwサーセンwwwww」

 

最終的には異界そのものを消したいところだが・・・まあそこんとこは別に策があるし、それに今は完全に消すと元凶の足取りがつかめなくなるかもしれないからまだある程度は放置しておかなくてはならない。

少なくとも管理局の皆さんがこの近辺を本格的に調べ始めるまではな。まあそれも今回のことで時間の問題となっただろうが・・・

 

「どうしたのケイイチ君?」

「ん?いや、ちょっと考え事をしてただけだ。」

「そっか・・・ところでさ、リーゼさん達を襲ってたあのバッタの大群って結局なんだったのかな。」

「あ~あれか。GUNDAM、さっきのバッタの映像とデータプリーズ。」

『了解しました。』

 

GUNDAMに命令して、さっき俺達を襲ってきたバッタの映像を空中に出してもらう。

 

「おー!すごいホ!今更かもしれないけどケイイチの道具ってSFチックでかっこいいホ!」

『ありがとうございます、ジャックフロスト。』

「なのはちゃんもこういうのができるんだホ?」

「うん、レイジング・ハートもできるよ。ね?」

『もちろんです。私たちくらいのデバイスにかかればそれくらいのことは朝飯前と言えるでしょう。』

 

「ヒホ~、人間の技術って昔とは想像もつかないくらい進んでるホ。」

「魔法が使えるレベルのデバイスはこっちじゃまだまだ先になるだろうけどな。さてと・・・」

(このバッタ、改めて見るとやっぱり普通じゃねえよな。マグネタイトの量とか結界を食い破りに来る力とか凶暴性とか。)

 

デバイスを見てはしゃいでいるジャックブラザーズとレイジングハートをほめられて嬉しそうにしているなのはを尻目に、俺はデータの分析に移る。

 

(先ず表面的な観察だが・・・見た目はかなりでかいサイズのトノサマバッタみたいだな。しかもこの体色、通常のバッタに見られる孤独相じゃなくて一か所に大量のバッタが集まった時に見られる群生相だ。)

 

サイズはけた違いだが、昔教育テレビとか海外のニュースとかでこの色のバッタが大量に現れて、畑の作物を広範囲にわたって食い尽くしながら移動しているのを見たことがある。

あれ見た時は結構怖かったんだよな、本当に太陽を覆うくらい名一杯現れるんだもの・・・

 

(さぁ~て後は俺の厨二力を発揮するだけだ。振り絞れよ俺・・・!)

 

先ず悪魔や神は、昔の人たちが自然現象を象徴化したものといわれている。

大量のバッタによって発生する自然現象と言えば、さっき言った作物がバッタに喰い尽くされる蝗害。俺の記憶が確かなら、それを象徴する悪魔がキリスト系の伝承であったはず・・・

 

「・・・・・・・・・・・・・・そうか!」

「うわ!?き、急にどうしたの?」

「いや、バッタが暴れてた原因に心当たりが有る。ちょっと急ぐぞ!」

「え!?あ、待ってよ!」

「ちょ!おいて行かないでほしいホ!」

「待ってホ―!」

 

いやはや、もし予想通りならとんでもないのが出てきてるぞこれ・・・こんなのが表に出るようになったらとんでもないことになる!

 

「えっと、ここはこっちに行って、あそこを左に曲がって・・・」

 

空中に投影された異界の水路の地図を見ながら、目的地であるマグネタイトの一番濃い場所を目指していく。

 

「よし、後はここをまっすぐ進むだけか。」

 

ほどなくして、俺は目的の場所と思われる所の手前まで辿り着いた。目標の場所は扉が派手に壊れた入口の先にあり、エネミーサーチを見るとこの先に強い悪魔がいることを示している。

一応なのはたちが追い付く前に再度チェックしておくか。

 

(えっとマガジンは・・・残り10か。デバイスの損傷率も・・・よし、さすがにあの規模のアサルトアーマーは無理だが全然許容範囲だ。武装もほとんど使ってなかったから十分いける。)

「待ってよケイイチ君―!」

「酷いヒホ―!オイラたちそんなに早い方じゃないのに―!」

 

チェックが終わった直後に、なのはたちも追いついてきた。ちなみにジャックブラザーズはなのはに捕まって飛んで来ている。

 

「いやぁ悪い悪い。結構やばい予感がしたからさ。それよりもこの先今までよりも結構強い悪魔が出るかもしれんけどOK?」

「え!?そうなの!?」

「・・・そう言えばなんか背筋がゾクゾクするホ。」

「この先・・・何かいるホ~。」

「そ、そっか・・・よし、がんばらなくちゃ!」

 

なのはは状況を理解したようで、表情が引き締まる。

 

「さ~て皆、きつい戦いが予想されるけど覚悟の程はいいか?準備OK?」

「うん、大丈夫だよ・・・!」

「オイラタチはサマナーについて行くホ!」

「ここまで来たらやったるホ―!最強のジャックフロストになるために!」

「うんうん、皆やる気十分で非常によろしい・・・それじゃあ行くぞ!」

「「「うん(おうだホ)!!」」」

 

皆の意志を確認し、俺達は目標の場所へと進む。

そして、タイミングを合わせて一気に入口へと入り・・・・・・・・・・

 

 

 

 

「!?またこれかよ・・・」

「ひっ!?な、なにこれ!」

 

・・・・・・そこでなのはには出来れば見せたくなかった光景を、全員そろって目の当たりにしてしまった・・・

地面に染みこんだ夥しい血の跡と、そこで起こったことを決定づけるかのように放置された人骨の山を・・・

 

「(やっべ、この可能性をすっかり忘れてた・・・!)なのは、集中を切らすな!ジャックブラザーズ!些細な変化も見逃すなよ!」

「!う、うん・・・」

「「ラジャーだホ!」」

 

顔が青くなっているなのはに声をかけ、両手にビームライフルを持ってセンサーと並行して周囲に目を凝らす。

 

(しっかし改めて見てもひどいな・・・)

 

俺はバリアジャケットのフィルターのおかげで臭い自体は軽減されているが、それでもこの充満した鉄臭さとTHE・グロテスクと言わんばかりの光景はたかだか小学三年生の小学生に見せて良い代物ではないことは間違いない。

 

(・・・しかし妙だな。エネミーサーチはさっきからずっとレッドアラートになっているのに肝心の悪魔が出てこないってのは・・・)

 

悪魔の反応も、ここに入る少し前から部屋全域に変わってしまったし・・・こちらの出方を窺っている?だとしたらちょっと面倒臭い話だな。

 

(クソ!待ちはあんまり得意じゃねえってのに・・・ん?)

 

嫌な予感を感じながらも辺りを見渡していると、血糊と骸骨が特に目立つ部屋の中央で微かに何かが光っているのを見て、そこを別画面にズームして映し出す。

 

(何だこりゃ・・・何かの図形か?)

 

血糊に紛れてわかりにくいが画像に映っていたのは微妙な光を放つ円形状の図形だった。

しかもそれだけじゃない。よく見るとあそこだけ他の場所とはマグの流れや雰囲気が違い過ぎる。

 

「(そう言えば異界の原因って何かの術式だって・・・)まさかあれが・・・!?」

「危ない!!」ドドドドッ

「うごお!?」

 

それをよく見ようとした瞬間、なのはから突然魔法を食らって踏ん張る間もなく吹っ飛ばされてしまう。

その次の瞬間・・・

 

 

---グォッ ガキィ―ンッ!!

 

「な!?」

 

俺たちがさっきまで立っていた場所にいつの間にか真っ黒い穴が開いていて、その中心で頭に不格好な白い二枚羽をはやした真緑色の頭が俺達のいた場所に食らいついていた。

ちなみになのはは、ジャックブラザーズを掴んでとっくに上空に回避していた。

畜生この差は一体・・・

 

「チィッ!あとほんのちょっとだったというのに、運の良い奴ら・・・!」

 

ブースターを吹かせながら体勢を立て直していると、現れた悪魔はそう言って悔しがっていた。

 

「ケイイチ君!大丈夫!?」

「おう!良いのをいっぱいもらったおかげでこの通りピンピンだ!そっちこそ大丈夫だよな!」

「うん!こっちは大丈夫!」

「アワワワ、ちょっと足の裏が掠った時はだめかと思ったホ・・・」

「ありがとうだホ、なのはちゃん・・・」

 

なのはの手を離れ、俺の傍に来たジャックブラザーズを庇うように立ち、俺達はこっちを睨み付けている悪魔を睨み返す。

さ~てマガジンマガジン・・・

 

「忌々しい人間に下っ端悪魔どもが、今ので食われておけばせめて苦しまずに済むものを。」

「いやお前相手に苦しまないはねえだろ、黙示録の堕天使アバドン。」

「・・・ほう、アナライズもせずに私の名を暴くか。」

「あの大量のバッタを見て偶々出ただけだ。蝗害を象徴する悪魔でお前ほどメジャーなのもいないしな。」

関心している悪魔・・・アバドンに俺はそう返す。

・・・本当はもう一体くらいいた気もするけどそっちはいいや。

 

「・・・ふん、まあいい。実は先ほど私の使役していた使い魔がな、この場所を巻き込む強い魔力波とともにかなり死に絶えてしまって少々消耗していた所なのだ。折角そこらの雑魚悪魔や人間を食らって力をつけたのにこれでは散々というもの・・・・・・」

 

---ビリビリビリビリッ

 

「「「「!!」」」」

 

相手の殺気で空気が震える・・・そろそろ来るな。

まあそれはさておきっと・・・・・・よし、準備OK。

 

「だが貴様らが来たおかげでそれもどうにかなりそうだ。精々泣きわめきながら、私と我らが・・・」

 

---ポイッ

 

「ん?なんだこr・・・」

「話が長いんだよ馬鹿野郎!」

 

---カチッ ドグォオオ―――――――ンッ

 

「ぐぶぁあああああああああああ!?」

「「「えええええええええええええええええええ!?」」」

 

ぐだぐだと騒いでいるアバドンの頭上に、俺は起爆コードをつけた魔力カートリッジ入りのマガジンを投げつけ爆破した。

さすがマガジン一本分、驚きの威力と言わざるを得ない(キリッ

あ、ちゃんと防壁は張ってるからね。巻き添えくいたくないし。

 

「ちょ、ケイイチ君・・・さすがにセリフの途中でそれは・・・」

「なのは、慈悲の心で接していい悪魔は仲魔だけなんだよ。だからそれ以外の悪魔に情けとか容赦はしちゃいけない、いいね?先制一発は当然の権利なんだよ。」

「え、ええ―――・・・?」

 

さてと、さすがにあれだけで終わるとは思わんが・・・ああいたいた。あれでまだ原形を保てるとはさすが魔王というかなんというか・・・もう二本くらい投げときゃよかったか。

まあいい、先手は取れた。後はシミュレーション能力とアナライズを並行して必ず倒す。

 

「こ、この・・・グガギ・・・」

「全員戦闘態勢!ジャックランタンとジャックフロストはカジャで支援!俺となのははひたすら攻撃だ!」

「わかった!行くよレイジングハート!」

『イエスマイマスター。』

「この・・・このゴミどもがァァアアアアアアアア!地獄を味あわせてやるぞオオオオオオオオオオ!!」

「散開!」

 

アバドンの怒鳴り声とともにそう叫んで全員が散らばる。

 

『Divine Buster.』

『Put the aims of all weapons together.』

「先手はもらうよ!ディバインバスター、シュート!」

「こっちもOK!食らえ悪魔!」

 

なのはと俺は斜め上二方向に飛び、それぞれ遠距離攻撃を撃ち込む。

 

「ぐぉおお・・・舐めるなよ貴様ら!」

「やばい!間に合え!」ビュオンッ

「『マハブフダイン』!」

「え、ちょっと・・・「させるかぁ!プロテクション!」ヒホ!?」

 

---ビュォォオオオオオオオッ

 

「ぐぉおおおおおおお!」

 

俺はお返しと言わんばかりに繰り出された部屋全体をも凍りつかせる氷結魔法がジャックランタンに届く前に追いつき、かろうじでプロテクションを使ってジャックランタンを守る。

 

「きゃあああ!?」

「ヒホ―♪とっても心地いいホ♪」

 

なのははかろうじで防ぎ切り、ジャックフロストは耐性のおかげで逆に元気そうだ。

 

「ありがとうだホケイイチ。『ラクンダ』!」

「いいってことよ。」

 

というかマジで防げてよかった。今のはジャックランタンには明らかにオーバーキルだ。

『マスター、アナライズの結果を表示します。』

 

そんなことを考えていると、デバイスの声とともに目の前に奴のデータが表示される。

 

 

 

魔王 アバドン

Lv.40 DARK-CHAOS

HP.?????

MP.?????

力-50 知-45 魔-53 体-48 速-36 運-32

物-  銃-耐 火-耐 氷-耐 電-耐 衝-耐 破-無 呪-反

 

 

 

やっぱり結構な強敵だな。魔王というだけあって弱点らしいものもほぼねえ。

 

「ランタン!フロスト!支援の後は回避と防御に集中だ!」

「オッケイだホ!これはお返しだホ――!」

 

ジャックフロストの声とともに、体に力が漲る。

ラクカジャがかかったようだ。

 

「行くぜなのは!二撃目だ!」

「うん!アクセルシューター・・・」

「ターゲットマルチロック・・・」

「「シュート!」」

 

---ドガガガガガガガガガガガガガガッ

 

「ぐ、ぐぐぐ・・・!」

 

なのはのアクセルシューターと俺のオールレンジ攻撃がアバドンを撃ち抜いていく。

 

「このゴミどもがぁああ!調子に乗りおって!」

---ゴォッ!!

「がはぁ!」

「きゃあ!」

「ヒホー!?」

 

攻撃が終わった瞬間、目に見えない力が放たれて全員がふっとばされてしまう。

 

「くそ、さすがに少々足りん・・・マグが足りん、このままでは・・・まずいかもな!」

(!ヤバイ・・・!)

 

攻撃を耐えきったアバドンは苦しそうな表情をしながら体勢を立て直しているジャックフロストの方を向く。

まずい、何かしかけてくるつもりか!

 

「まずはお前からだ・・・『アソビスの穴』」

 

---ズォオオオオオオオオオオ・・・

 

「ヒ、ヒホォォ――――!?」

「ちょ!?何その技!」

 

アバドンがそう言いながら口を開くと、強い吸引力とともにジャックフロストが吸い込まれていく。

 

「なのは!止めるぞ!」

「う、うん!アクセルシューター、シュート!」

「止まれこの野郎!」

 

吸い込みに巻き込まれないよう遠距離からフルパワーで撃ちまくる。

 

「{ガガガガガッ}グゥ・・・無駄だぁああ!!」

 

---ズォオオオオオオオオオオ・・・

 

「ヒホ―!!た、助けて・・・」

 

---ガブゥッ ゴクンッ

 

「ククク、まずはひと「死にさらせこの野郎!{ドグォオン}ぐぼぁああ!!」

 

技が成功して悦に浸っているアバドンを容赦なく撃つ。

 

「・・・っていい加減にしろゴミ虫が!さっきからセリフの最中に攻撃してきよって!」

 

「やかましい!これが俺に戦いの極意を教えた奴の戦法じゃあ!俺の仲魔吐き戻してとっととくたばれ!」

 

今でも思い出す・・・あの隙を一切見せずオールレンジ攻撃をしのぎながら俺を追い詰めてきた梶原の眼光を・・・やばいときはマジでちびりそうだった。

というか大丈夫なのかジャックフロストは!早く吐き出させないと・・・!

 

「フロストをさっさと返すんだホ!『ラクンダ』!」

「なのはぁ―――!弾幕は良いから威力が高いのバンバン撃て!」

「う、うん!ディバインバスター!」

 

---ドゴォオオオオオンッ

 

「!皆、攻撃が来るから回避に専念しろ!」

「こ、このゴミどもが・・・『冥界破』!」

 

こっちの攻撃の合間を縫って、アバドンが顔を出している空間の隙間から赤黒い波動が周囲に放たれる。

 

「プロテクション!」

 

---ビキビキビキッ バキィーンッ!

 

「え!?きゃあああ!」

「ちょ!これはまずい!」ドヒャアッ

 

なのははそれをプロテクションで防ごうとして吹っ飛ばされ、俺は傍にいるジャックランタンを掴んで全力で回避行動をとる。

 

「な、なんとか避けられた・・・」

「目、目が回るホ~。」

「我慢しろ!」

「このゴミどもが・・・だがもう一匹捕まえたぞ!」

!マズイ、あいつさっきの吸い込みをなのはにするつもりか!

 

「とりあえず『ラクンダ』!後は任せたホ!」

「言われずとも!{ガシャコンッガシャコンッガシャコンッガシャコンッ}ドラグーンのリミッター解除!」

『了解しました。搭載中のドラグーンのリミッターを解除、射出します。』

 

---バシュバシュバシュバシュッ ギュオンッ

 

「(こいつ急に動きが・・・!)だがもう遅いわ、『アソビスの穴』」

 

---ギュォオオオオオオオオオ・・・

 

「す、すごい力・・・きゃああああああああ!」

 

ヤバイ!なのはが吸い込まれていく!

 

「{ガシャンッ}クソ!間に合えこの野郎!」

 

俺は両手のライフルを連結させ、奴の周囲に配置したドラグーンとともにカートリッジを使った最大出力の砲撃魔法を放つ。

 

「おおおおおおおおおおおお!」

 

---ギャギャギャギャギャギャ・・・

 

「ぐおおおおおお・・・まだだ!この小娘さえ喰らえば私の・・・」

 

チィッ!!まだだ!まだ出力が足りん!

 

「{ガシャコンッガシャコンッガシャコンッ}これが限界だ!持ってけこのやろおおおおおおおおおお!」

 

---ギギギギギ・・・ドォ――――――――ンッ!!

 

「ぐ・・・あああああああああああああ!?」

 

!吸い込みが緩んだ!

 

「なのは!今だ!体勢を立て直して思いっきりぶつけてやれ!」

「うん、分かった!」

 

なのははアバドンの吸い込みが緩んだのを見逃さず、一気に加速してアバドンの真上まで上がる。

 

「行くよレイジングハ―ト!」

『イエス、マスター。』

 

この魔力・・・一気に決めるつもりか!それなら・・・

 

「{ドンドンドンッ}ふざけるな、ぐ・・・こんなゴミ風情に私が・・・くそ!『マハジオダイン!』」

 

「させるかよ!」ガシッ

「ヒホ!?」

 

魔法が発動する前にジャックランタンを掴み、ドラグーンを集めながらなのはの近くまで飛んでプロテクションを張ってガードする。

 

「ケイイチ君!」

「心配するな!それよりも自分のことをしろ!」

「・・・うん、分かったよ!」

「それじゃあオイラは最後のラクンダだホ。」

「ぐぉおお・・・なぜだ、なぜ私がこんなゴミなんぞに・・・」

 

よし!このまま一気に押せるぞ!

 

「こいつを食らえマヌケ面!」

 

プロテクションを解き、ドラグーンと連結したライフルの限界を超えた出力のビームをアバドンに放つ。

 

「ガァアアアアアアア!?い、いかん・・・出てくるな、まだ消化すら終わって・・・・・・うおぇええええええええええええええ!!」

「うおお!?」

 

こっちの攻撃が直撃したアバドンが突然呻きだしたと思ったら、いきなり地面にゲロをぶちまけやがった。

あれ?ていうかあそこ・・・

 

「ヒ、ヒホ~~。ひどい目にあったんだホ・・・てクサッ!」

「ちょ!?ジャックフロスト!」

 

幸か不幸か、ジャックフロストがその吐瀉物に紛れて脱出出来たみたいだ。

良かった、マジで無事でよかった・・・

 

「ヒホ~~!!ジャックフロスト~~~~!!」

「ヒホ!?その声はジャックランタン・・・てここはやばいホ!」

「に、逃がしてたま「黙ってろこのポンコツ!{ドドドドドッ}」ぐあああああ!?」

 

ジャックフロストは俺達と自分の状態に気が付いたみたいで、ドラグーンに邪魔されて動けないアバドンから逃げるように俺たちの方に駆けつける。

 

「皆ぁ~~!とっても怖かったホ~!」

「よしよし、よく生きてたなジャックフロスト。ついでにちょっと臭いから引っ付くなよ。」

「良かったホ~、飲み込まれた時はどうなったかすごく冷や冷やしたホ。あ、でもちょっと臭うから触らないでほしいホ。」

「二人ともひどいホ~!こうなったら熱い抱擁で一気に距離を縮めるしかないホ!」

「ぎゃー!やめるんだ!お前所々にゲロついてるだろうが!」

「そ、そうだホ!さすがにそれは勘弁してほしいホ!」

「みんな遊ばないの!」

「「「ちぇー。」」」

「なんでそこだけ息ぴったりなの!?」

 

そこになのはがいるからさ!

 

「ぐ、おおお・・・認めん、認めんぞ・・・」

「あん?」

 

下を見ると、アバドンが限界まで使い過ぎてぶっ壊れたドラグーンを頭にのせて満身創痍になっている姿が目に入った。というかライフルの方もヤバい。さっきからグリップが凄く熱い。

 

「何故だ・・・なぜこの私が・・・悪魔の長たる魔王の私が・・・こんなゴミどもに手も足も出ない・・・なぜ負ける・・・なぜ・・・」

「そりゃあお前、良く知りもしない敵なのに見下して油断しまくってたからじゃね?」

 

まあそのおかげでこっちは勝ててるんから全然OKなんだけどね。むしろもっと舐めプでいいのよ?(チラッチラッ

 

「・・・・・・ふん、結局私も弱かったということか・・・」

「いや、多分そうじゃなくて・・・うん、もういいや。やっちゃえなのは。」

 

説明するのがめんどくさいから、なのはにとどめの一撃を要請する。

 

「うん、行くよレイジングハート。」

 

ふう、これでここは制圧完了・・・とはいえさすがに疲れたな。武器交換も踏まえて今日は一度家に戻るって手も・・・

 

 

 

 

 

 

『Yes,sir.Starlight Breaker.』

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

(・・・・・・うん?スターライトブレイカ―?)

 

・・・・・・あれ?どういうこと?スターライトブレイカ―?

 

「・・・・・・{チラッ}」

 

---キィ――――――――ン・・・

 

「・・・・・・あっるぇ~~~~?」

 

・・・実はずっとなのはのチャージだけは見てなかったけど・・・・・あれ?これってヤバくね?ここ一応屋内みたいなもんなんだけど・・・え、ちょっと待ってこれマジで!?確かに全力でぶつけろと言ったけど屋内でそれはさすがにやり過ぎで!

 

「「・・・・・・ケ、ケイイチ?」」

 

「そ、総員退避――――――!!」

 

ジャックブラザーズを引っ掴んで部屋の外を目指す。

背中でガタガタ言ってるブースターよ!もう少しだけもってくれ!

 

「これが私の、全力全開!スターライト・・・・・・」

「お、おい待て!敗北した身とは言えこれはあまりにも・・・」

「ブレイカァアアア――――――――!!!」

「ま、待って・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

この日、地下の異界で四つの悲鳴とともにピンク色の奔流が満ち溢れた・・・

同時に、俺達の心に大きなトラウマを残すこととなってしまった・・・・・・

 

 

 

 

 




それでは皆さん、これからの一年もよろしくお願いします。
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