デッドマンズN・A:『取り戻した』者の転生録   作:enigma

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えぇ~~~~~とですね・・・・・・大体半分くらいからグロ注意になるかもしれません。グロが嫌いだったり、無理という方は下半分から先は読まないほうが良いかもしれません。
それでは第四十五話、始まります。


第四十五話

===17:38 某下水処理場内の異界最奥===

 

 

「ずぇええりやぁああああああ!!」

 

---ズバンッ

 

奇襲を仕掛けてきた悪魔たちの中で最後の一体となったラクシャーサの斬撃を避けながら、見事一閃を決めることに成功する。

 

「ぐぅ!?おのれ・・・」ビュンッ

「フッ!なのは!」

 

相手の苦し紛れの反撃を避けながらなのはに合図する。

 

「まかせて!ディバインバスター、シュート!」

 

合図を受けたなのははレイジングハートをラクシャーサに向け、いつものピンク色の極太ビームを放った。

 

「・・・フハハ、貴様らが俺の・・・カルマだったか・・・・・アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」

 

ラクシャーサは何かを言いかけながら、断末魔を上げて消滅していった。南無南無・・・

 

「フゥ、これで全部かな?」

「少なくともこの場所の悪魔はこれで全部だろうな。さてと・・・」

 

一応周囲への警戒をしながら、矢島からもらった最後のマーカーを魔方陣近くの分かりにくそうな場所に置く。

 

「これでよし・・・なのは、今日の所は引き上げよう。いい加減親が心配する時間だ。」

「うん、そうだね。」

 

出来そうなことをほぼすべて終え、後はなのはとともに元来た道を戻っていく。

 

 

「あぁ~~~疲れた。さっさと帰って飯と風呂済ませてとっとと寝よう。」

「にゃはは、そうだね。私も結構疲れてきちゃったかも。」

「休憩挟みつつとは言え朝から働きっぱなしだったからな・・・!あぶね!」

「え?」

 

なのはを飛び越えながら勘が囁く方向に一閃する。

すると閻魔刀の柄に手応えを感じるとともに、血液のようなものをまき散らしながらメチャクチャでかい山羊の化け物が姿を現した。

山羊の怪物は悲鳴を上げながら、切り口から斜めに体がずれていく。

 

「な・・・なぜわかった・・・気配も・・・姿も・・・消したの・・・・に・・・・・・」

「勘と直感。」

「チ、チクシォオオオオオオオ・・・・・・・」

 

断末魔を上げながら、山羊の怪物はマグネタイトの光となって消えていく。

俺は重力操作でその光を手元に集め、なのはに見えないようアライブの内部に保管させる。

 

「・・・び、びっくりしたぁ・・・全然わからなかったよ、ありがとう泰寛君。」

「おう、まあ今のは分からんわなぁ。」

 

あの悪魔も言った通り姿形はおろか気配もろくに分からない状態だった。俺自身、次も同じような対応ができるかどうか怪しいものだ。

 

「とっとと退散しよう。長居は無用だ。」

「うん。」

 

なのはとともに異界化している通路を通り、出入り口に向かって戻っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

単純な移動のみになりそうなので、これを機に事件の犯人を捕まえてからのこれまでの経緯を大まかにまとめてみようと思う。

まず犯人に関してだが、なのはがたまたま出していたキング・クリムゾンの腕をうすぼんやりとだが視認していたことや、途中で何故か不機嫌になっていたアリスが乱入してきたりと多少の一悶着はあったものの、奴のCOMPをクリームの暗黒空間にダンクシュートして、俺のヘブンズ・ドアーの能力と矢島の時間ごと封印する結界によりほぼ完璧に近い形でアリスと元凶である女の全ての行動を封じることが出来た。なのはの方も最終的には何とか誤魔化すことに成功。

少し予定とは違ったが念願の第一目標をようやくクリアした、というわけだ。

 

そしてその次の行動についてだが・・・・・・必要な情報も手に入ってたし、これが簡単に改心するはずもないから捕まえた段階で矢島を家に返してから、この女をその場で始末するつもりだったんだがな。さすがになのはが加入してしまったからそれも無理になってしまった。

まあこれに関してはいまさら語っても仕方がないだろう。

 

・・・話を戻そう。まずこいつの処遇について以上の理由から俺達はお互いに話し合い(内容はほぼなのはの説得)、その結果、一先ずアイテムを全て没収して警察に出頭させることとした。

まあ当然ただ起こしてそのまま行かせるわけもなく、矢島が魔法を使えなくする方法と催眠術を使えるとなのはに言ってそれらしいことをしながら、俺がザ・ワールドで時間を止めつつヘブンズ・ドアーで記事に書き込みをした。

記入した内容は確か・・・

 

『次に目を覚ましたら近辺の警察署に出頭して自分のこの世界に来てからの罪を全て告白し、警察官の指示に従っておとなしく一晩過ごす。』

『一晩寝て過ごすまで誰にも危害を加えることはできない。』

『次に起きた時、正気に戻る。』

『自分の罪を償おうとせず、牢屋から脱出したり魔法などで周囲に危害を加えようとした場合、その時点で自らの精神活動の全てを停止する。』

 

以上の四つだったはずだ。

 

 

そしてこれらを書き込み、そのあと少しして警察署の隅の方で放置したところ・・・試みはうまくいった。

道の片隅で目が覚めた女はフラフラと警察署に入っていき、そのあと数分ほどして警察署は騒ぎになったのだ。

矢島のデバイスの機能で確認したところ、予定通り奴は捕まったらしい。(警察署から去る時、俺達三人ともがコンクリートの壁しかないはずの背後から『ありがとう』という声を聴いたらしくて、ゾッとしたのはここだけの話である。)

その後は・・・とりあえず異界をなくすための方法を矢島が考え、俺となのはがその間行ってなかった異界の力を削ぐために悪魔狩りを再開するという話になり・・・話がまとまった結果、現在の状況に繋がったという訳である。

以上が、俺達のここまでの経緯だ。

ハァ、ようやくここまで来たか・・・長い様で短い危機だったな。いや、もっと前から始まっていたことを考えたらやっぱり長い危機だったのか。まあどっちにしても、胸糞悪いことには違いなかったが・・・

 

 

 

 

 

 

「はぁ~、やっと出られたね。」

「まったくだ。」

 

幸いあれから、あの山羊もどきのような厄介な奴はあれ以降出てくることはなく、無事外まで出られた。

 

「さて、後は家に帰るだけだが・・・」

 

ポケットからPCを取り出し、矢島のデバイスにワンコール入れる。

すると数分後、俺達の目の前に蒼色の魔法陣が現れて強いフラッシュとともに魔方陣の中心から矢島が現れた。

 

「おいぃ~っすおつかれさぁ~ん。やっと終わったか。」

「おう、まあな。いやぁ~~ほんっと疲れた。何でたかが小学生がこんな苦労しなくちゃならないんだか・・・」

 

個人的には首を突っ込みたくない。でもつっこまなくちゃ世紀末。難儀な話である。

 

「あ、あはははは・・・・・でもこれで悪魔の活動は一先ず落ち着くんだよね?」

「前よりは多少な。少なくとも強い影響を及ぼし得る奴は粗方かたづいたし、悪魔が出るようになってから噂が定着しちゃって異界のある場所には大抵の奴は近寄らない。目立った被害は出なくなるだろうよ。」

「けどこんなの苦肉の策じゃね?主な原因の魔法陣は未だに稼働してて異界としての力を又蓄えていってるはずだろ。」

「で、強い悪魔がこれ以上来ない様にそれを俺達がチマチマ削りつつ、矢島があれを消し去る策を作り出すわけだ。責任重大だな。」

「まったく、こんな重大なこと俺みたいな奴に出来るわけねえじゃねえか。」

「いやいや、お前だからこそできるんだ。お前の並はずれたシミュレーション能力、これがあれば誰よりも早くアレを消すことができるんだ。」

「おいおいよせよ、俺じゃなくても博士がいるじゃねえか。そんな俺みたいな奴に任せなくても・・・」

「いやいや、お前こそ真に任せるにふさわしいんじゃねえか。」

「だぁ~かぁ~らぁ~・・・」

「・・・そうかそうか、残念だ。ならこの件は博士に任せ・・・」

「そこまで言うなら任されよう!!休みが終わるまでに必ず仕上げてやろうじゃねえか!」

「あ、あはははは・・・」

 

さぁ~て、そろそろ時間もいい所だな。

 

「それじゃあ矢島、なのはの転送よろしく。」

「おう、行くぞなのは。」

「うん。またね、泰寛君。」

「おう、じゃあな。」

 

転移魔法で消えていく二人を見送り、俺も背を向けて自宅を目指した。

未だ残っている異界のこと、封印したままのアリスやビルにいるアリスの友達のこと、そしてなのはがスタンドを視認できた理由、考えなくてはならない問題は残っているが・・・・・・

 

 

「ファ~~~~~~~~~、マジで眠い・・・」

 

 

一先ず今夜は、枕を高くして眠れそうだ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・んぅ~~?あれ・・・どこ・・・ここ・・・・・・?」

 

確か私・・・そろそろ準備が整ったかと思って仲魔と一緒にこっちに来たはず・・・・・・

 

「・・・・・・なにここ?豚箱?」

 

うわぁ、寝てた場所警察んとこの牢屋じゃん。通りで背中が痛いと思ったら・・・ていうかなんであたしこんなとこにいるのよ?

 

「理由はよくわかんないけど・・・取り敢えずとっとと逃げよ。」

 

なんで捕まったかは訳わかんないけど、とりあえずこんな臭くて狭っ苦しいところに長居する意味もないし、早く出よ。あたしとしてはとっとと魔界化を達成したいしね。

COMPは・・・あるわけないか。けど魔法は使えるから問題ないし、とりあえずどこかに押収品として保管されているかもしれないからさっさと取りに行こう。そして今度こそ、仲魔の皆と一緒に魔界化を再開するんだ。

そう考えながら私は牢屋の鉄格子に向かって手をかざし、手のひらに魔力を集中させる。

 

「ふふふ、そう言えば警察相手にこういうことはしたことなかったなぁ~~~。いっちょ派手にやってみますか♪」

 

私はこれから起こることとそれによって警察官たちが行うであろう恐怖する顔を思い浮かべながらこれ以上ないくらいに笑みを浮かべ・・・

 

「ザンマ。」

 

鉄格子目掛けて中級の衝撃魔法を放つ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?

 

「あれ?」

 

呪文を唱えたはずなのに、手のひらに集中した魔力が霧散しただけで終わってしまった。

おっかしいなぁ、ちゃんと唱えたよね?

 

「?なんだろ、もう一回・・・や・・・・・・」

 

---ダンッ ドサッ

 

「あ・・・れ・・・・・・?」

 

おっかしいなぁ・・・・・・なんで・・・急に・・・・・・床が・・・近づく・・・の・・・・・・?

それに・・・・・・ナンダカ・・・・・ネム・・・イ・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

===?????????===

 

「・・・・・・・・・・ん?」

 

(あれ?さっき急に眠たくなって・・・それで床にぶつかって・・・)

 

意識がなくなったと思ったらまた不意に意識が戻った。

 

「・・・あれ?ここどこ?さっきまで牢屋にいたよね?」

 

辺りを見渡すと、今度は厳重そうな密室に閉じ込められていた。目の前の鉄格子のついた扉以外には周りには出口になりそうなものはまったくなく、ただ周囲の壁や所々に置かれた机や物置台などには自分も昔使ったことのある拷問器具とかがたくさん置かれていた。

 

「なんだろここ、どこかで見たような・・・・・・さっきからなんか変だなぁ、よいしょ{ガチャンッ}へ?」

 

立ち上がろうとして力を入れると、手足の末端から鎖の音がして動けなかった。

よく見てみると、自分の体と何時の間に座らせられていたのか、固定された頑丈そうな椅子にがっちりと自分が固定されていたことに今更気が付く。

ついでに、衣類や靴なども一切脱がされていて素っ裸になっているのにも気が付く。

 

「なにこれ、とりあえず{ガチャン}?」

 

魔法を使おうとした直後、鉄格子の扉を開けて複数の男女が入って来た。

全員が全員、私を怖い目(敵を見るようなっていうのかな?)で見ている。

 

「(魔法は・・・使えない?なんで?)えっと・・・何か用かしら?新手のストリップショー・・・な訳、ないよね?」

 

魔法が使えないことに若干焦りながら、入って来た人達に話しかける。

すると入って来た人たちの内、背の高い男が物置台から大きいペンチを取り上げてこっちにくる。

 

「(あ、これやばいふいんき)お、お~い、出来れば会話して・・・」

 

---ベリィッ

 

「あ・・・が・・・っ!!」

 

男はこっちの言葉を無視して、私の左手の親指の爪を思いっきり剥がした。

痛い・・・物凄く・・・痛い・・・ッ!!

 

「この・・・調子に・・・{ベリッベリッベリッ!!}ああああっ!?」

 

反撃しようにも椅子も鎖もびくともせず、今度は人差し指、中指、薬指と次々に剥がされていく。

 

「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!イダイイダイイダイ!!」

 

爪を付け根に押し込むように剥がされたせいで、手首まで皮が剥がれるものもあり、大声を上げて叫ぶ。入って来た人間たちはそれを、まるで痛快だと言わんばかりに笑って見ていた。

「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」

 

小指の爪まで剥がされたところで、男の動きがいったん爪を剥ぐのを中断する。

 

「ハァ・・・ハァ・・・ちょ、ちょっと待って、アンタたち、何でこんな・・・」

 

言葉を続けようとしたところで急に視界が暗くなった。何か顔にかけられたみたいだけど・・・

 

(目隠し?なんでこんな・・・)

 

---バリッ! 

「ああ!!?」

そんなことを考えようとした直後、右手と左脚の方から爪を剥がす音と鋭い痛みを感じた。

視界が封じられている分、余計に他の感覚が鋭敏になって痛みも強烈に感じる。

 

「痛いか・・・痛いだろう?私は昔、お前にこうやって痛めつけられ・・・そして最後に殺された。」

 

痛みにひたすら悶えていると、耳元で誰かが囁いてくる。

 

「{バリッ}痛かった・・・{ベリッ}辛かった・・・{ベリッベリッ}苦しかった・・・{ベリィッ!}楽になりたかった・・・他の何を放り出してもただひたすら、この痛みから逃れたいと願い続け・・・・・・・・・・・・・・・でもそれは結局敵わず、私達はお前の前で、ひたすらのた打ち回るしかなかった・・・」

「ア゛ガア゛ア゛ア゛ア゛!やめでぇ!!いたい!いだいよぉ!!」

 

何か囁いてきているように感じたけど、痛みのせいでそれどころじゃなかった。

私はこの苦痛から逃れたいがためにひたすら懇願する様に叫んでしまう。

 

「悔しかった・・・お前が苦しむ私たちの姿を嘲笑っていたことが・・・!恨めしかった・・・我々をこんな目に遭わせたお前が、ただ首をつって死ぬまでのうのうと笑って生き延びていたことが・・・!!」

「それだけじゃないぞ・・・コイツは死んだ後も同じことを繰り返していた。私達はただ家族と平和に暮らしていただけなのに・・・あの日の深夜、この女が目の前で私の妻と息子を嬲り殺しにして、そして私もッ!!」

「ぼくは・・・おまえに手足を輪切りにされた後、へんな注射をいっぱい刺されて・・・からだがグズグズになって死んだ!」

「アタシは体中の皮膚を少しずつ剥がされて、骨を徐々に粉砕されながら死んだわ・・・」

「私ははぐれた娘を探していて・・・娘がいた後の血の跡を辿っているうちにこの女に・・・お前に娘の亡骸を見せつけられながら四肢をグチャグチャのミンチにされ、内臓を切り刻まれて殺されたぞ!!」

「私は変な薬を毎日飲まされて・・・酷い言葉を聞かされながら絶望して死んでいったわ・・・」

「俺は夜遊びしているときにお前に背後から襲われて眠らされ・・・連れ込まれた密室で、全身の神経を刻まれながら痛みのあまり死んだ・・!!お前にやられた、実験と言う名の拷問のせいで・・・お前のせいでッ!!」

「ぼくは手足を縛られて、目を潰された後氷水の入ったお風呂に逆さ吊りにされ、色んな所をズタズタに裂かれたり、いろんなごみを体に突っ込まれながら死んだ・・・」

 

何・・・何なの?誰の声よ・・・痛みで全然ワカラナイ・・・・・・・

 

「皆・・・皆お前のせいで絶望しながら死んだんだ。絶対に許さない・・・お前だけは、絶対に許さない・・・おや、爪は全部剥がし終わっちゃったか。君、目隠しを取っちゃって。」

「うん、わかったよ。」

 

爪を剥がされる感覚がなくなったかと思うと、目隠しが誰かに取られる。

 

「ハアハアハアハアハアハア・・・ヒィッ!?」

 

痛ずぎて過呼吸状態になりながら辺りを見渡すと、自分の足に大きな鉈が添えられていた。刃の部分は妙に赤黒く、よく見ると錆だらけでボロボロになっているように見える。

 

・・・まさか・・・・・・!!

「さあ、次に行こうか。私はね、こうやって君に爪を剥がされた後・・・」

 

「ま、待って・・・そんなもの使ったら・・・・・・」

 

 

---ドシュッ

 

「ガア゛ガア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ガア゛ア゛ア゛ア゛!!」

「{ゴリゴリゴリ}こんな風にね・・・こんな錆びた大鉈で、足先から少しずつ、敢えて苦しむ様にじっくり切り刻まれていったんだ。痛いよね?痛いだろう?処刑台で首を吊った時の達成感や充実感なんて微塵もない、ただただつらく苦しいものだろう?」

「ア゛ア゛ア゛ア゛!!ア゛!ア゛ア゛ア゛ア゛!!」

 

---ガシュッ ゴリゴリゴリゴリ・・・バキバキッ ドシュッ

 

イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ!!

 

「ハハハハハハ、そうかそうか!そんなに痛いのか!ハハハハハハハハ・・・・・・ああ、あらかじめ言っておくが痛すぎてショックを起こすとか、気を失って逃げられるとか、そんな都合のいいことはここじゃ起きやしないよ。ここはとある勇気ある若者が、君を逃さないために仕掛けた暗示を元に作った精神世界だ。ここでは君は絶対に気を失うことはない。痛すぎて気が狂うこともない。身体が傷つきすぎて壊す部分が無くなったとしても我々の心一つで最初からやり直すこともできるんだ。」

「おもしろいだろ?今までお前が俺達にしてきたことが、ここでは俺達がお前に好きなだけできるんだぜ?お前の精神力が限りなくゼロに近いからこそ、俺達みたいなただの思念の残滓でもここまでできるんだ。笑えるだろ?笑えるよなぁ?なぁ・・・」

 

---ゴキッ

 

「ゴハッ!」

「笑えよ!!今度はお前が味わえるんだぜ!この絶望をよぉ~~~~~~!!ハッハッハッハッハッハッ!!」

「ウ、ウオエエエエエエエエエ!!」ベチャベチャ

「きったねえな~、吐いてんじゃねえよクソが!!」ドガッ

「ガハッ!?」

痛い・・・痛い・・・痛い・・・い、いやだ・・・何で・・・私が・・・こんな、こんな・・・!!

 

「おいおい、まだ私の番は終わってないだろ?」

「ははは、すまねえな。」

「まったく・・・まあいい、我々は気がすむまで相手をしてもらえるんだ・・・なぁ?」

 

---ドズンッ ゴリリッ ブジュンッ

 

「アアア・・・ア・・・い・・・いや・・・」

「ふむ、どうも輪切りにし始めたころから聞こえていないみたいだね。まあいいさ。その手の絶望も我々は味わった・・・・徐々に君にも教えてあげよう・・・・・・」

「イギィ・・・ァグ、アアアア・・・・・・」

 

 

イヤダ・・・コンナツライダケノハイヤ・・・

 

 

イタイ・・・イタイ・・・ダレカ・・・ダレカ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「気絶することも、狂うことも、慣れることも、壊れることも、絶対に許さない・・・」

「僕達の受けた痛みを・・・」

「私達の感じた恐怖を・・・」

「俺達の受けた悲しみを・・・」

「我々の受けた屈辱を・・・」

「僕達の恨みを・・・」

「私達の憎しみを・・・」

「俺達の妬みヲ・・・」

「僕達ノ怒りヲ・・・」

「絶望ヲ・・・」

「失望ヲ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

『我々ノ受ケタ全テヲ・・・オ前モ味ワエ・・・!!』

 

 

 

 

 

 

 

アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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