デッドマンズN・A:『取り戻した』者の転生録   作:enigma

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すみません、こちらの説明不足があったために設定や本編を少し修正いたしました。



無印編
第三話:peace is also broken abruptly・・・


アリサ・ローウェル・・・だったか?あの少女の誘拐事件を解決してから約1年半ほど経過していた。

あの少女が俺のもとにたどり着けるとは考えていないが、あの日から妙に気が落ち着かない。

 

(やはり俺に関しては記憶を消しておくべきだったか?いやでもあそこまで真剣に言われたことを考えるとそれをするのもどうかと思うし・・・)

『結局ナンダカンダデ気ニハナルンデスネ?マア私トシテハアソコマデツレナイ態度ヲ取レルッテノモ考エ物デスガ・・・』

(・・・いいんだよ。これでたどり着けないのなら俺にとってはむしろ好都合だしな。それより今日の収穫の方が俺としては気になる。)

『マ~タソンナ事言ウンデスカラ・・・心配シナクテモチャント集マッテルハズデスヨ?ソコントコハアナタモヨク知ッテルデショウニ。』

(・・・それもそうだな。)

やれやれ、気にしてても始まらないか。

そろそろ帰りのSHRも始まるし、とっとと帰る準備でもしていよう。

 

 

 

 

 

「ただいまー・・・って今日は確か帰りが遅くなるんだったか?」

帰りのSHRを終え、特に用事もなかった俺はすぐさま自宅であるマンションに帰ってきた。

 

「さて、さっきハーヴェスト達を回収できたからすでに収穫の方は集まってるだろうな。今日はどんだけ集まってるかな~♪」

靴を脱いで廊下に上がりつつ、今日の収穫に期待を寄せる。

 

「ええと・・・確かこの間作ったクッキーの残りとチーズケーキが丸々あったはず。」

洗面所で手を洗った後、自前のお菓子を部屋に持っていくために冷蔵庫の扉を開ける。

・・・あれ?クッキーがない?それにチーズケーキもかなり減ってる・・・

「・・・確かこのへんに置いてたはずなんだけど・・・ん?この紙はなんだ?」

冷蔵庫の中に一枚の紙が入ってるのを確認し、その紙を手に持つ。

【愛しの息子へ♪あなたの作ったお菓子をデザートとして少し持っていきます♪勝手に持って行っちゃってごめんね(・ω<)今度はみんなで一緒に作るからそれで許してちょうだい(^∀^)/】

「・・・・・・まあ別にいいんだけどよ。それじゃあ残りを食うか。」

とりあえず残りのチーズケーキを皿に移し、フォークを戸棚から出して自分の部屋に向かう。

「さて、今日の収穫具合はどんなものかな~?お、結構集まってんじゃねえか。」

この分だとざっと三千円分くらいは集まってんじゃなかろうか。

「ククククク、ココ・ジャンボの倉庫を再び、いや前世の分も含めると三度か?まあどっちでもいい。

とにかく倉庫を活用できるようになってからずっと集め続けてきたからな。俺自身余り金は使わないから貯まっていく一方だ。」

この歳で今や貯金額は100万円を超している。これからももっと増えていくだろう。

あ、ちなみに貯めた金は親に見せてないよ?

そんなことしたらいくら家ではぽやぽやしているあの二人でもさすがに怪しんでしまうからな。

万札に両替した後で誰にも見つからない場所に保管している。そう・・・誰にも見つからない所にな・・・

「さ~てさっそく計算していくか。今回はどんだけ集まってるかな?」

ケーキを自分の机に置いた後、それを食いながらお金の置かれているところに座って何枚かずつ積み上げていく。

無論商品券なども、使えるものと使えないものを選り分けて分別していく。

「えっとこれがこれでこいつが・・・これは使えねえな。」

そうやって集まったものを整理していた。

 

 

「えっとこれはこっちで・・・よし、ざっとこんなもんか。」

電卓を取り出して金額の計算をする。

「えっとこれで合計は・・・現金が1700円と使いかけの図書カードが数百円分、駄菓子の引換券が数個分ってところか。」

(駄菓子の引換券は明日までか。しかも確かこれが使える店舗は隣町まで行かないとなかったはず。・・・しかたない、幸い明日は土曜日だから行ってみるか。目立たない様に・・・)

そう考えながら食いかけのチーズケーキを口に運ぶ。うん、うまいな。

一先ず残った時間は、家族が帰って来るまでにある程度夕飯の下準備をすることにした。

 

 

 

 

 

 

 

「お父さんお母さん、行ってきます。」

「ああ、いってらっしゃい。」

「気を付けてねぇ~~~~~」

親に見送られ、俺は自分のキックボード(ホイール部分にショックアブゾーバーをつけた高品質の一品)にのって隣町を目指す。

 

 

「さて・・・・・・行きますか!ヒャッホ―――――――――――――ッ!」

 

---ドゥンッ!!

 

掛け声とともに、スタンドの足が出て地面を蹴りつける。

 

---ギュォォオオオオオオオオオ―――――――――――!!

 

スタンドの補助のもと、スピードはそこら辺の自動車なんかよりもよっぽど早い!

人が!町が!景色が!次々と俺の後ろへと流れていく!

今日俺は・・・風になるんだぁ―――――――――――――ッ!!

 

「この世の理はすなわち速さだと思うんですよ物事を速くなしとげればそのぶん時間が有効に使えます、遅いことなら誰でも出来る、20年かければバカでも傑作小説が書ける!有能なのは月刊漫画家より週刊漫画家、週刊よりも日刊です、つまり速さこそ有能なのが、文化の基本法則!そして俺の持論でさ-------ァ!」

 

ヒャッハ――――――――――――・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

「すみませーーん、これと交換してください。」

「はい、ありがとうございます。またいらしてくださいね。」

「はい、それでは失礼します。」

隣町までかっ飛ばすこと53秒、駄菓子屋のある店舗に来てソースカツを三つとベビースターラーメンを三つと交換した。

さっきのノリ?下車と同時においてきましたがなww

 

店を出た後は、キックボードを押しながらゆったりと自分の家に向かう。

「{モグモグ}やっぱソースカツは旨いな。これだけでもわざわざ来た価値はある。」

何より元手がタダってのがいい。

懐に痛手を感じないあたりが実にな。

まあもともと俺の手持ちの9割以上がほとんどタダで手に入れたようなものなのだが(ちなみに残り一割弱が親からの小遣い)

「さて、町まで帰ったらあとは・・・波紋の訓練は今朝5キロ走りながらやったから鉄球の訓練でもしとくか。」

 

いやはや・・・しかしホントに平和だな。

 

原作はあと大体半年後に始まるしまたしばらくは来るつもりはないけど・・・そうだな、闇の書だったっけ?その事件が終わったらまた翠屋のシュークリームを食いに行こう。

高町の兄と親父さんは正直うっとうしかったが、それを除けば翠屋の料理は確かにうまい。特にシュークリームとかのスイーツ類は相当なものだ。

 

とまあそんなことを考えながら暫く歩いていると、俺はいつの間にか、途中にあった公園あたりまで来た。

 

(いやぁ~~ホント平和平和。実に最高だね、こういうのは!)

 

 

 

 

---ズァァアアアアアアアア――――――ッ!!

「ッ?!なんだこれ!?」

公園を通り過ぎようとしたあたりで、世界の色彩が変わる。

(今のは・・・公園の方から広がったようにも見える。何があったんだ?まさか原作が予定よりも早く始まったとかじゃあないよな・・・)

一応万が一のことも考えて確認だけはしておこう。

アライブに鍵を吐かせて、中からメタリカのディスクを引き抜かせる。

 

「{ズブズブ}よし、これで準備完了だ。」

 

体に細かい砂鉄を纏い、周囲の景色と同化する。

 

---ドォ―――――ンッ

 

「・・・てっとり早く済ませるか。」

 

一先ずキックボードを倉庫の中に入れ、慎重かつ迅速に公園の中にはいっていった・・・・・・

 


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