デッドマンズN・A:『取り戻した』者の転生録   作:enigma

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第五話:A dear friend・・・

---回想・・・

 

「・・・・・・・・・・・・なんだありゃ。」

公園に入り、メタリカの保護色+木陰に隠れながら爆音の鳴り響く方を探索していると、どこぞのAUOのような見た目と攻撃をしている奴と、その攻撃の中を掻い潜りながらどこぞの機動戦士の世界の誘導兵器と投影魔術のようなものを使いこなしている、パワードスーツの奴を発見した。

 

「・・・とりあえずこのままじゃ話が見えないな。勝手ながら一応確認はしておくか。」

鍵の宝石からディスクを取り出し、頭に突き刺す。

 

「アンダー・ワールド。」

腕から出てきたスタンドの腕で地面を掘り、その中から現れた実体化した映像を確認する。

 

「・・・・・・・・・・なるほど、転生モノによくありがちな踏み台と一般転生者のいざこざか。」

(見たところ・・・というか今のやり取りを見ていてもあの金ぴかが悪いのはわかった。金ぴかはともかくあのガンダムスタイルの奴はこのまま放っておくのも忍びないし、一応助けられるよう準備だけはしておくか。)

 

とりあえずアンダー・ワールドを取り出し、ディスクを三枚取り出して頭に差し込む。

 

(しかしどうしようか。このままいったらこの場にいない奴にまで俺の素性がばれかねないし、かといって放っておいたらあいつ死にそうだし・・・うん?)

 

・・・そんなこと言ってる間に佳境に入ってきたな。

 

ガンダムスタイルの奴が鎖に縛られた。このまま放っておいたらまずいだろう。

 

「ウェザー・リポート、キャッチ・ザ・レインボー。」

 

あの二人と俺を含めた周囲に雨を降らせ、その雨を固定して走る!

 

(ヤバイ!剣を振り下ろそうとしてる!)

 

あいつに降りかかってる雨を固定する。・・・よし、これで問題は回避できた。

 

これであとは駆けつけるだけだな。

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

そしてその後、ガンダムの格好をした奴を助け、俺は今そいつに姿をさらしている。

・・・正直どうするか。とりあえずこの距離なら装備しておいたヘブンズ・ドアーが効くから問題なく対処はできるし・・・

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

というかこいつ如何した?さっきから微動だにせず俺の方を見てるけど。

「・・・・・・俺の顔に何かついてるか?」

「!いや、そういう訳じゃないんだ。ただ・・・どっかでお前に似たやつを見たような気がして・・・」

「俺に似た奴?・・・まあ話を振っておいてなんだがその話題はひとまずおいとくぞ。」

「置いとくのかよ^^;」

「ああ、その前に{ドンドン}こいつの処分があるからな。」

俺は気絶している男を爪先で蹴りながら言う。

 

「・・・ああ、そういやいたな。とりあえずお互い地面に降りないか?ずっと空中にいるってのもおかしなもんだろ。」

「それもそうだな。」

相手方の提案により、俺達は公園の端っこの方に降りた。

 

 

「{パァ――――ッ}フゥ―――、疲れた<(; ̄ ・ ̄)=3・・・さて、さっきの返答なんだが、本当にそいつを襲わせないようにすることはできるのか?俺だけじゃなく俺の家族とかも含めてだ。」

 

「無問題だ。それこそ俺と同じことができる奴がいない限りは一生な。」

 

「(・・・バイタルサインに大きな変化はない。即興で考えた発言ってわけでもないか。)・・・・・・・・嘘はついていないようだな。分かった、とりあえずはお前を信じることにしよう。ただどうやってそれをするんだ?」

 

「こうするんだよ{シュババッ バァ――ンッ}『転生者、およびその親族に危害を加えることはできない。ただし正当なる防衛の場合を除く。』『今回の戦いに関すること、戦った相手の事は今後思い出すことはできない。』っと、これでお前から攻撃しない限りは大丈夫だ。」

 

「今のは・・・なんだったっけな、確か友達が見せてくれた漫画にあったような・・・ああすまん、助けてもらったのに礼も言ってなかった。」

少年は改まった感じで俺に向き直る。

 

「自己紹介がまだだったな。俺の名前は矢島 敬一郎だ。助けてくれてありがとう。」

 

「(あれ?どっかで聞いたような名前・・・まさかだよな。)どういたしまして。俺の名前は梶原 泰寛だ。」

 

俺がそういうと、目の前の矢島という少年はまたしても考え込むようなそぶりを見せる。

 

「・・・・・・まさか、いやでも・・・・なあ、お前転生者だよな?」

「もしかしなくてもそう思うんだろ?お宅もそのクチ?」

「まあな。いくつか尋ねたいことがあるんだけどいいか?」

「俺の戦力以外なら基本おk。」

「なら問題はないな。お前前世にどこに住んでたか覚えてるか?」

「どんな質問だよそれw 日本なのは確かだよ。」

「じゃあ次の質問・・・住んでた地域はT県S市、通っていた高校は公立のT県立城千高校、卒業するまで三人の同級生と一緒にパソコン部に入ってゲームを作り卒業後も機会があれば後輩や先輩たちと一緒にコミケやらなんやらに行ってた。イエスかノーで答えてくれ。」

「!!なんでお前がそんなことを!・・・お前・・・まさか・・・」

 

 

・・・・・・・・何かの冗談か?そんな・・・まさか・・・

 

 

「クックック、そうさ!そのまさかさ!お前と高校の三年間バカやってたあの矢部啓一郎様さ!フゥ―――ハハハハハハハハハッはははげほげほちょっとタンマ気管になんか・・・」

な・・・な・・・・・・

「な、何だってぇぇえ―――――――――――――――――――!!!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

衝撃の事実から1分後、公園を離れた俺たちは周囲にさっきのような監視の目がないかどうか確認しながら歩いていた。

そしてお互いに事情を話し合っていた。

 

「げっほげほ、よし、だいぶ落ち着いてきた・・・」

「はしゃぎ過ぎでござるなww・・・しっかし妙な巡り逢わせもあったもんだな。運命を語るのは信条的に好きじゃないけどこれはさすがに何かしらの意思を感じずにはいられないw」

「まったくだ。最初にお前を見て他人の空似かと思ったけど・・・名前を聞いてまさかと思ってあんなこと言ったけど・・・まさか本当に本人だとは思わなかったぞ。」

「矢部はそういや一文字違いだったな。」

「正確には二文字だけどな。お前に至ってはまんまじゃねえかwなぜそうなったしww」

「わからんwwけど・・・そうか、お前もこっちに来てたとは・・・やっぱり未来って何が起こるか分からないもんだな・・・」

「・・・だな。後はせめてここにあいつもいればな~~」

・・・あいつか・・・

「そうだな・・・あいつがいれば・・・・・・・・桃鉄99年とかできたのに!・・・クッ!」

「いやそっちぃ―――ッ!?てか99年は長過ぎワロタwww」

「いやぁそれほどでもww」

「いや褒めてねえwww」

「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」

 

・・・・・・・・なんというか、感慨深いものがあるな・・・

 

「梶原、お前の転生特典はやっぱりスタンドか?」

「いや、俺は・・・・・・・・・・そうだな。そんなところだ。お前は?」

「俺は高度な脳内シミュレーション能力とありとあらゆるものを創る能力と・・・投影魔術だな。」

「そりゃなかなかチートなものを選んだようで。・・・あれ?良く考えたら二つ目と三つ目が微妙にかぶってね?」

「ああ、それか。投影魔術は見たことのあるものしか構築できないからな。途中で気が付いて変えられなかったから二つ目を加えたんだ。これがないと俺のデバイスの装備が創れないし。それに・・・」

「それに?」

「ぶっちゃけいうとな、創る能力の方はその気になれば本来以上の性能の乖離剣(エア)を創れるくらいにかなり万能に近いんだけどその分どの創造も非常に時間がかかるんだよ。正直これじゃあ戦闘向きとは言えないだろ?だから戦闘用に三つ目を加えたってのもあるわけよ。」

「なるほどな。よくわかった。・・・デバイスはデフォルトでついてきたのか?」

「デフォっつうか俺を転生させた神様がおまけでつけてくれたんだ。にしても・・・あれほどの美人なら玉砕覚悟で告白するべきだったかも。」

「そんなにか?まあ気持ちはわかる気もするけど。俺の時もかなりの美人が出てきたんだよ。ボーイッシュなとことか何気にぐっとくるものがあったし。若干残念な感じもあったけどそこもまた一つのポイントの一つってぇの?」

「お前がそこまで評価するとはwwよほどの美人さんが出てきたんだな。」

「ああ、あれほどの人とはめったに会えないだろうよ。」

まさか同じ神様が対応していたとは全く知らない俺たちなのであった・・・

それからも、俺達は取り留めのない話をしていく。

 

「・・・・・・あれ、そういやお前どこに住んでるんだ?学校では少なくとも見たことないけど。」

「ああ、俺今隣町に住んでるんだよ。学校は海鳴第二小学校に通ってる。そっちはやっぱり私立?」

「ああ、あの馬鹿がいたせいで少しばかり肩身が狭いけどそれ以外は問題なくやれてるよ。」

「さよか。・・・これからどうするよ?」

「せっかくだからうちに来ねえ?久々にいろいろ話してえし。」

「おk。」

 

 

 

 

 

 

 

 

矢部・・・いや、矢島に招待され、俺はキックボードにのりながらこいつの家に来た。

見た感じ普通にいい家だな。

「ただいまー。」

「おかえりなさい。あら、後ろにいるのはお友達?」

「こんにちわ、梶原 泰寛と言います。」

「フフフ、啓一郎と仲良くしてあげてね。」

「おーい梶原、早くこっちに来いよ。ちなみにゲームはスマブラだ。」

「DX?それともX?」

「Xだ。」

「ほほう、俺とカービィのタッグに敵うとでも?」

「フッ、その自信・・・俺とサムスの無敵の組み合わせで打ち砕いてくれるわ!」

「よろしい!ならば闘争DA☆」

 

 

『バルカンジャブ!オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!』

『させるか!回避してからのミサイル!』

『そらよ!』

『ビームサーベルでたたき落とした!?お前、こっちに来てからやりこんだな!?』

『答える必要はないw ホラホラホラホラホラァ――――――!』

『く・・・ククク、良いぞ!それでこそ戦い甲斐があるというもの!さあ、かかってこ{ドォ――――ンッ}・・・あ』

『矢島、俺の尊敬するキャラの名言にこんなものがある。・・・【止めを刺す時は謙虚に振舞え。】』

『何・・・だと・・・・・・』

 

結論、誰かとやるスマブラは楽しい(確信)

 

 

 

 

 

 

「なあ、ところで原作のリリカルなのはってどんな流れで進むんだっけ?(-ω-)皿」モグモグ

「は?おまいくらなんでもその質問は今さら過ぎね?自(-A-;)」チューーーー

「しゃあないでしょ、モグモグ・・・俺アニメ自体は全く見たことないですしおすし。たぶん俺が三年になったあたりに始まるってのと世界の危機は二度起こるのはおぼろげながら覚えてんだけどさ。」

何かが起こるということはわかっているのだからそれなりに情報は集めておきたい。原作知識なんて今を生きている俺達にどれほどの価値があるかは分からないが、何かしらの対抗策くらいは打っておきたいものだ。

ちなみに細かい部分はどうでもいい。下手に知り過ぎると却ってそれを過信してしまうからな。

「oi miす みsu ミス おいマジでそんだけかよ/(-w-;)しょうがねえなあ~それじゃあまずはどっから話せばいいもんか・・・・・・とりあえず最初に起こる事件から話してみるか。」

「頼む(;^_^)/」

 

 

「まずこの世界があのアニメの通りならって前提になるが・・・お前がさっき言った通りこの世界の危機になることが全部で二回起きる。そのうちの一つが俺達が三年生になった後に起こると思われるP.T(プレシア・テスタロッサ)事件。触れたものの持つ願いをかなえると言われるとある青石をめぐる事件だ。」

 

「(。 ・ω・))フムフム」

 

「この石はジュエルシードと呼ばれる、ロストロギアっていうこことは違う次元の世界で大昔作られた文明の遺産なんだけどこれがまたかなり厄介でな。持ち主の願いを必ずしも本人の期待通りに敵えるわけじゃないんだよ。むしろほとんどが災害レベルの歪んだ形でかなえられるもんだから性質が悪い。おまけにこの石の中で生成された魔力が一定以上になった状態で暴発すると、次元震って言う空間そのものに起こる災害が発生して規模によってはその世界そのものが崩壊する・・・と言われてる。」

 

「そんでまあこれを集めようとするのが主人公の高町なのは、事件の名前のもとになったプレシア・テスタロッサ、その実質的な実行者であり娘であるフェイト・テスタロッサとその使い魔のアルフ、そして数多くの次元世界を統括する時空管理局の局員である次元航空艦『アースラ』の職員たちだ。」

 

高町・・・?え?あいつも関わることになるのか?そういや題名になのはって・・・これは久しぶりに会うことになるのだろうか・・・あの人等少しは(良い意味で)変わっていてほしいな。

 

「( ̄∧ ̄)(_ _)ホウホウ あれ?でもなんでそんなもんがこの海鳴市に落ちる羽目になったんだっけ?もともと地球にあったわけじゃないんだろ?」

 

「そのことか。あれはこことは別の次元世界にあったのを遺跡発掘チームが見つけ出して、それを管理局に届けようとしてたのを原因不明の事故によってこの世界に全部落としちまったんだよ。で、その発掘チームのリーダーだったユーノは責任感を感じて地球まで一人で来ちまったってわけよ。」

 

「もしかしてその事故ってジュエルシードの暴発とかじゃないだろうな?・・・何だってそんなもんを発掘チームだけで運ぼうとしてんだよ。そういう時こそその管理局ってところの出番ってものでしょ。」

 

「そこは俺も詳しくは知らん。というかジュエルシードが暴発したらユーノ達消えてなくなってるからwwここに落ちる前はちゃんと封印処理してたらしいよ?」

 

「・・・なるほどな。けど一ついいか?」

 

「なんだ?」

 

「プレシアっていったな、なんでそいつはジュエルシードを探してんだ?手に入れたとしても本当に望みどおりに叶うってわけでもないんだろ?」

 

「それは相手側も分かってることだろうけどな。重要なのはジュエルシードじゃなくてそれが作られたといわれる世界なんだよ。」

 

「・・・なるほどな。それほどのものを作れる技術があればちゃんと自分の願いをかなえられる何かもあるだろうって腹積もりか。」

 

「ああ、奴さんは昔自分の娘を失っていてな。フェイトはその子を元に作られたクローンなんだよ。・・・・・・本人はアリシアと思えずに結局凶行に走り、アリシアを生き返らせるためにフェイト・テスタロッサを地球に向かわせる。けどな、このジュエルシードが作られたといわれる世界、アルハザードっていうんだけどこの世界はとっくの昔に手出しができないような状態になってんだわ。おまけに本人はかなり末期の病気になっててゆっくりしてる暇もないときてる。」

 

「・・・・・・既にいろいろとなりふり構っていられない状態ってわけか。有り難う、おかげで大体訳は理解できた。」

 

俺自身の立ち回りは・・・まあ始まった時にでも考えるか。にしても死者蘇生か・・・俺も自分のことがあるだけに根っから否定しきれるものじゃないな。

 

「んじゃまあそろそろ帰らせてもらうよ。そろそろ夕飯もできるだろうし。」

「おお、またなんかあったらお互い連絡でもとりあおうや。」

こうして、世界を越えたこの奇妙な邂逅は幕を閉じた。

・・・これからどうすっかなぁ~~

 

 

 

 

 

「それと今度はもうちょっと訓練積んどいたほうがいいんじゃないか。あれお前ならやり方次第でどうにかなったろ。」

「・・・考えとく〈(;;^_^)」

 

 

 


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