デッドマンズN・A:『取り戻した』者の転生録   作:enigma

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皆さんお久しぶりです。
五か月ぶりの投稿です!

モウミンナカラワスレラレテソウ・・・・


でも投稿します。こんなザマでも、エタらないと誓ってますから。


第六十九話

Side:矢島敬一郎

「・・・・・・・・・・・・・・スゥ~~~~~~、ハァ~~~~~~~・・・」

 

目の前に映し出された結果、あまりにも残酷すぎる結論に・・・・・・俺は一度背を向け、大きく深呼吸をすることで、この嘗てないほどに取り乱した精神状態を平静に保とうとする。

・・・・・・こんな結論、在っていいはずがない。だってそうだろう?去年までの3度に渡る終末級の危機を乗り越え、地球上における危機は山場を越えたはずなんだ。

俺たちの未来は、これから薔薇色のはずなんだ。俺はこれから先も、好きなアニメや特撮のアイテムを作ってそれで遊んだり、友達と盛り上がったりして楽しく過ごしていくはずなんだ。

梶原だってそうだ。あいつはあいつで、昔からスタンド能力を使ってコツコツと将来のために金を積み立てている。将来はこの金で気ままに暮らしていくとか大分クズいことを言っていた気がするが、少なくとも俺にとっては大事な友達だし、間違ってもこんな結末が相応しいなんて言えるような奴じゃないはずだ。

すずかやアリサだってそうだ。すずかは親の家業に興味を持って、将来機械工学を学んでその道を進むと言っていた。アリサは自分の大好きな親の会社を継ぐと言っていて、勉学に一生懸命励んでいる。なのはやフェイト、はやてなんかは将来時空管理局に就職して、困っている人を助けてやりたい、自分のような悲惨な目にあう人間を一人でも多く救いたいと言っていた。いくら何でもあんな職場に就こうという考えは正直どうかとも思ったが、それでも皆、自分の道楽以外特にやりたいことのない俺よりよっぽど立派でいい奴らだ。

今の親父や御袋だって・・・他の皆だって・・・・・・

 

『・・・・・マスター・・・』

「・・・・・・・・」

 

GUNDAMの電子音声を切欠に、俺はもう一度、さっきまで見ていた画面へと振り返る。

俺があの女神からもらった特典と、俺の持ちうる前世知識の総てを使って作り上げた、未来演算補助システム『ラプラスの瞳』。俺の持つシミュレーション能力を補助し、最大限まで効果を高めることによってあらゆる未来、可能性を予測することが可能だ。つい最近こいつに、今まで積み重ねてきたマグネタイトや悪魔召喚プログラムの技術を組み込み、最新のバージョンへとアップグレードさせた。

あの塔の異界がこれから齎すであろう、未来を予測するために。そしてこのシステムに、梶原や俺自身がこれまで手に入れてきたデータの全てを入力し、俺は演算を開始した。

 

 

そして弾き出された結果は・・・

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・どうして、こうなるんだ・・・・」

 

少なくともこれから6、7年先の未来で・・・あの塔の異界に世界が飲み込まれ、巨大な目のような構造体が現れた月が地上目掛けて落ちてくる光景だった・・・

 

 

 

 

Side:梶原泰寛

巌戸台における単独での調査を終えた日以降・・・俺の日常は、特にこれといったことはない穏やかなものだった。

現状俺の生活は、春休みの課題を休みに入る前にほぼ全て終わらせているため基本的には暇だ。

前年までなら同じようにさっさと課題類を終わらせて、その分の時間をぶらり全国飯屋巡りとかの自分の趣味や毎日のトレーニング、家事と少々の自主勉強に充てるという、割と充実感を覚える生活をしていた……のだが、残念ながらあの塔の存在を見過ごせなくなった今年の俺にそんな暇はない。

非常に不本意ながら、現在は趣味の時間はほとんど削っていつも以上にトレーニングと自主勉強に力を入れるとともに、巌戸台で自分でとってきたデータの分析作業や夜間の研究所の調査作業を追加している。

専門職にしかわからないような細かいデータの分析は矢島に投げるしかないが、それ以外の、あそこに勤めていた人間の記憶から研究所の目的・活動内容を読み解き、あの塔が生まれた経緯をより詳しく知ることができるからな。

その為この日以降は、ローウェルやなのは達からの遊びの誘いがきても、止む無く断って主に矢島との情報のやり取りとこの作業に力を入れざるを得なくなっている。

・・・正直なんで俺ばっかりこんなきっついことやってんだろうとか、こんなことするより前世でため込んだ積みゲー消化したいとか、外で楽しそうに遊んでいる同年代を窓から見てモヤっとした気分になったりとかしょっちゅうあるが、まあ平和だ。

 

===3月14日 PM01:13  ココ・ジャンボ内部===

 

「・・・・・ハァ~~~~、またデータを纏めていかないと・・・」

 

そんなわけでこの平和な日々を壊されないために、今日もまたこうして、いつものトレーニングとパール・ジャム入り料理による回復を終わらせた後でまたデータの分析作業に入っていく。

 

「アライブ、倉庫よろしく。」

『OK。』

 

アライブに命令してさっそく倉庫の中へと入る。

内部に備え付けられている広めのテーブルには、昨日と同じく矢島から借りてきた録画機器が全部あり、机の足元には昨日も使った天国プッチ軍団の入ったホルマジオの瓶が3本並んでいる。

そしてその周囲には、メタリカで作ったパイプ椅子と簡単な鉄製の机が5組あり、それぞれに俺が前の人生で使っていたデスクトップパソコンと追加で買い足したパソコンが合計5台配置されている。

俺は置かれている瓶の中から一本取り上げ、蓋を取って中からプッチを5体取り出す。

 

「よしお前ら、今日も前と同じ命令でよろしく。」

 

俺がそういうと、プッチ達はそれぞれ録画機器を手に取り、自分はふかふかのクッションチェアに座って録画機器とパソコンを起動する。

録画機器の起動が完了すると、プッチ達はそれぞれ空中にホログラムの画面を投影し、操作して今日までに収集した出力した職員達の記録との質疑応答や、ヘブンズ・ドアーで本にした時のページの情報等を読み、それらをパソコンの文章ソフトを操作して纏めていく。それも、メイド・イン・ヘブンの能力を利用して通常の何十倍もの速さで。

・・・・・・正直な話をすると、未だにこいつらをこうやって運用することには不安がある。出した命令が万が一何かの拍子に解けた時のために、一応ゴールド・エクスペリエンス・レクイエムを装備して備えてはいるが・・・前のドット打ち程度ならともかく、あんまり高度な命令を出すとその穴を抜けて何かやらかしそうで・・・・・・・けど現状が現状なだけに、あまり悠長にしている時間もないと思う訳で・・・なんというか、ままならないなぁほんとに。前に一度考えたが、この不安を解消できない内は、前の悪魔事件のようなよっぽどのことがない限りカーズを捕まえて技術班結成、なんて案は控えておいたほうがいいのかもしれない。

・・・・兎にも角にも、一応現状は仕事が問題なく進められていることを確認し、彼らの作業風景を横目に今日までに纏められた分の情報に目を通していく。

矢島のデータ解析なども統合して、現状わかっていることを一通りまとめてみると・・・

 

・エルゴノミクス研究所におけるシャドウの研究は、桐条グループの先代総帥【桐条鴻悦】がシャドウの持つ時空に干渉する性質を利用した時間を支配する道具の研究・開発のために行われていたこと

・しかしその研究は総帥の心境の変化とともに徐々に変質していき、次第に世界を巻き込んだ破滅願望を叶える為のものになったこと

・最後に行われた十二体のシャドウの合体実験の際、ある科学者の決死の妨害によりかろうじで十三番目のアルカナのシャドウの完成が避けられ、それが原因による世界滅亡が今のところ避けられているということ

・その研究者は実験の失敗によって起こった爆発事故で亡くなられていること

・実験の失敗により生まれた十三番目のシャドウは強力な個体ではあったものの不完全体であり、合体し損ねた余りは十二体のシャドウとして四散し、今もなおこの世界のどこかで休眠し続けているであろうこと

 

以上の五点だ。

・・・・・最初にこれを知った時は、まさか俺が幼稚園ではしゃいでいる陰で世界が滅びかけていたなんて思わなくて正直戦慄していたものだ。矢島も、メールの文面で似たようなことを言っていたのをよく覚えてる。

同時になんて迷惑な話だ、とか、こうなる前に誰か止めとけよとか愚痴ったが・・・・・・・よくよく考えればこれを考え付いて秘密裏に推し進めていたのがあの世界有数の企業グループのトップだから、生半可なことでは覆しようがなかったのだろうととりあえずその時は納得しておいた。

実際資料を見る限りでは、こんな現実味のない話をまともに取り合って、なおかつ解決できるような伝手なんて誰も持っていなかったみたいだし・・・

 

とりあえず実験を失敗させてくれたこの【岳羽詠一朗】さんには、改めて感謝と尊敬の意を込めて黙祷を捧げ、資料の閲覧を再開する。

 

「・・・・・・・・ん~~~~~。」

 

さらに三時間ほどの経過した頃、そろそろ休憩しようかと思い、一旦自分の持っていた録画機器を机に置く。

・・・・・ここまでの情報収集で、あの異界が発生した経緯は凡そ掴めてきた。事故前の研究所から仕入れられる情報も人海戦術のおかげで思っていたよりもかなり早い段階で頭打ちになってきたし、ここからは徐々にその後のこと・・・事故当時、あるいはその後の情報そろそろ集め始めたほうがいいと思われる。

アンダー・ワールドで事故当時の記録を掘り起こすのが一番手っ取り早そうだが、その掘り起こした記録があの塔や異界とどんな化学反応を起こすかわかったもんじゃないからそれは迂闊には出来ない。最悪どっかで眠っている十二体のシャドウを目覚めさせることになり、そのまま人類終焉のカウントダウン・・・なんて話になりかねないからな。

となると、当時の事故の生き残りを探し出してそこから情報を拾っていくか、桐条グループに忍び込んで探っていくか、現在の桐条の総帥の記録を掘り起こしてそこから芋づる式に情報を抜き取っていくか…

・・・一番早くて身バレの心配がなさそうな3つ目にしておくか。

それにしても、本当にアンダー・ワールドは便利な能力だな。ダンジョンの世界では有効利用出来そうな罠の記録を出す以外、そこまで使う機会は基本的にないが、現実ではある意味でどのスタンド能力よりもよっぽど出番があるぞ。

因みにトップはハーヴェストとシンデレラだ。この二つだけはほぼ毎日使っている。おかげで将来の為の積み立てが捗r…ゲフンゲフンっ!

まあそれはさておき、また今夜も巌戸台にお邪魔することになるな。今度はいったいどんな情報が出てくることやら・・・

 

---ピロリロリンッ♪ ピロリロリンッ♪

 

「ん?矢島か?」

 

そろそろ資料の閲覧を再開しようと思った直後、スマホから通話の着信音が響く。

また矢島が新しい発見をしたのか?どれどれ・・・

 

「{ピッ}もしもし?」

『おう、俺だ。今大丈夫か?』

「ああ・・・で、どうかしたの?」

『・・・・・・まあそうだな、とりあえずお前が持ってきてくれた情報のおかげで大分進展があったわ。まだ大分憶測が混じってるけど、あの異界の全容や向かう先も凡そ掴めてきた・・・』

「さっすが!で、どうだった?」

 

憶測が大分、というのが少々気になったが、あいつのことだからいい加減なものではないだろうと考えて聞き返してみる。

 

『あー、うん、まー、そうだなぁ・・・・・・あ!それよりも梶原、頼みたいことがいくつかあるんだけどいいか!?』

「???内容によるけど、なんだ?」

 

唐突な話題転換に戸惑いながらも聞き返すと、矢島は早口でそれに答えていく。

 

『とりあえず一つ目は、お前が持ってきてくれた情報にあった十三番目のシャドウを含む十三体のシャドウの行方の調査。それと、爆発事故当日の詳細な情報収集、あとは…そうだな、探せたらでいいんだけど、エルゴノミクス研究所で使われていた黄昏の羽を探しといてほしいんだよ。』

「シャドウの行方と黄昏の羽・・・」

 

黄昏の羽は・・・ああ、前に研究所の人間の記録で見たな。あの人間の精神からシャドウを抽出するのに使われていた鳥の羽みたいな形の物質か。

とりあえずやることを纏めたメモ帳に、黄昏の羽の入手を追加する。

因みに分散したシャドウの行方の調査はすでに記載済みだ。俺もそっちは気がかりだったからな。

 

「わかった。こっちでも調べとく。」

『よし。黄昏の羽は手に入ったらすぐにくれ。いろいろと調べたいことがあるからな。』

「あいよ。じゃあ切るぞ。」

『おう、またな。』

 

そのやり取りを最後に、通話を終了した。

・・・・・・・・調査結果の方もできれば聞いておきたかったんだが、あの強引な話題の替え方から察するに今回は今まで以上にやばいんだろうなぁ・・・

まあいい。本人も憶測が大分入っていると言っていたし、もっと確かな情報が揃ってから改めて聞くことにしよう。

 

---ピロリンピロリンッ♪ピロリンピロリンッ♪

 

「?なんだ?」

 

そろそろ晩飯前の風呂を済ませないと、そう考えていた矢先に今度はメールの着信音が鳴り響く。

何かと思って画面を立ち上げ、メールを開いてみると・・・文章と、画像データのファイルが一緒に表示される。

文章データをタップして表示してみると・・・

 

【さっき言い忘れてたけど、実は最近俺達とは別にあの塔を調査している人間がいることがわかったぞ。昨日データの整理してる時にドローンが撮影した映像がたまたま見つかっちゃってよ・・・・画像データを添付しとくからそっちもついででよかったら調査しといてくんない?】

 

・・・・・・・・・・・だってさ!(半笑い)

いやいや待て待て、これ撮ったのいつ?3月9日・・・・・・・あ、俺この時いたわ。

 

 

 

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