この異常能力者に祝福を!   作:嘘つき魔神

3 / 4
 前回のあらすじ:バイト帰りにギルドに行き、そこからクエストを受けたカズマ!死なずに帰れるか!?


第3話:この紅魔族の少女にご飯を!

------------------------------------------

 

「……うわぁ……」

 

 あの後、ジャイアントトードの出てくる場所を聞き、せっかくなので余ったエリスで剣を買い、そこから出没地に向かったのはよかった。だが、よく考えれば俺のスキルってまだ『覚醒の力』しかないし、武器も剣一本……ヤバい、どうしよう?しかも、ジャイアントと言うだけあって、多分、3メートルはあるんじゃないか?そんな巨体でのそのそ動いている……気持ち悪ぃ……

 

「うーん、目に見える範囲なら2体……でも、もうちょっといる可能性もあるよな……」

 

 多分、俺の力じゃ無理だ。『覚醒の力』ありとはいえ、武が悪すぎる。だけど、やるべきだよな!

 

「……うし、まず一匹から……!」

 

 そう言いながら隠れてた茂みを飛び出し、剣を抜きながら蛙に向かっていく。もちろんその音で二匹に気づかれた。だが、俺の今の足の早さなら、一撃いれるのに何ら問題は……!

 

「でりゃあ!」

 

 そう叫び、蛙の腹に剣を打ち込み……剣が滑り、蛙のタックルで吹き飛ばされた。力任せに振るったせいで、受け身もとれないままに吹っ飛ばされ、身を強かに打ち付けた。

 

「いっ……!」

 

 そもそも、考えてみれば分かることだった。蛙の体がヌメヌメしている可能性を。そのまま二匹は、俺に近づいてくる。このまま食べられて、俺は死ぬのか?冗談じゃない!化け物の口の中で死ぬなんて!だが、俺の体は動かない……痛い。慣れない鈍痛が、じわじわ体力を削いでくる。あぁ、死んだな……そう察し、俺は静かに目を瞑った……

 

 ……数秒後、凄まじい風圧に吹き飛ばされ、また強烈に地面に体を打ち付ける。ふと、前を見ると、蛙がいた場所には大きなクレーターができ、蛙なんか元からいなかったような。そんな光景が目に入った。

 

「……うぁぁ……」

 

 ヤバい。もしかして、俺を助けてくれたのかもしれないが、もし敵だった場合、こんな魔法を撃てるなら、俺一人簡単に……!

 

「逃げねぇと……!」

 

 だが、鈍痛に蝕まれた体は立ち上がることを拒否し、ならばと這ってもカタツムリよりは早い程度……終わった、今度こそ終わった……そう思い、再び目を瞑ろうとすると……

 

「ぷぎゅ」

 

 そんな声が聞こえた。目を開け、周りを見ると、ジャイアントトードが一匹、その口から誰かの足のようなものが……もしかして、俺を助けてくれた人……?

 

「ヤバい、なんとかしないと!?」

 

 流石に人、多分命の恩人を見捨てて逃げるなんて目覚めが悪すぎる!そう思いながら、震える足を無理やり立たせ、剣を構える。正直、どう勝ったもんか……あんな魔法が使えれば……そんなことを考えていると、蛙がいなくなっていた。そして、自分の影すら隠すような大きな影に覆われる。

 

「ヤバい……っ!」

 

 咄嗟に足を踏み出し、影から逃げる。少しして、蛙がその影に落ちてきた。あんなもん食らったらただじゃすまない……そもそも、スキルってどうやって覚えればいいんだ?ふと、そんなことを考える。蛙から視線は外さず、向こうからは見えないように隠れる。さて、スキルがないと、どうしようもない……蛙なら、電撃が効きそうだが……

 

「そう都合よくは……ん?冒険者カードに何か書いてる……」

 

 攻撃スキルがない現状を冒険者カードを見ながら嘆こうと取り出すと、何やら見慣れない文字が。

 

「……『習得可能スキル:初級魔法』?魔法!?」

 

 この世界にも魔法はあったんだな。そんなことを考えながら、雷っぽい魔法を探してみる。あった。

 

「『ライトニング』……!」

 

 スキルポイントもあるので『ライトニング』を取り、いざ行かんと足を踏み出し、蛙の前に立ったところで一番重要なことを思い出した。

 

「……スキルってどうやって使うんだ……?」

 

 そう、スキルの使い方がさっぱり分からない。そうこうしてる内にも蛙は近づいてきている。当然だ、進路を塞ぐ形で立ってるから。

 

「……あぁぁぁぁ!どうにでもなれ!『ライトニング』!」

 

 そう叫びながら蛙に手をかざすと、青白い光が蛙に向かい、蛙の腹をぶち抜いた……そのまま蛙はぐったり倒れてしまった……

 

「……殺っ、た……?」

 

 冒険者カードを見てみると、裏にジャイアントトードの名前と、1という数字が新しく刻まれている。つまり、あの蛙を俺は倒したんだ……!

 

「やったぁ……」

 

 それを知ったら、体から力が抜けてきた……ガチガチだった筋肉が緩んでいくような感覚だ……もう、俺寝ちゃってもいいよね……?

 

「……あ、蛙に食べられてた人忘れてた!?」

 

 そうだ!こうしてる場合じゃない!すぐに倒した蛙の口を開ける……

 

「……女の子……?」

 

 それも、いかにも魔法使いですみたいな格好の。あ~あ~杖もベトベトだし全身もベトベトだし……そっと、少女を蛙の口から出す。にしても、さっきの魔法はこの子が?だとしたら、アークウィザードとかか?

 

『くぅぅぅぅ……』

 

 ふと、お腹が鳴る……そういえば、この子、なんだかやつれてるような……

 

「……お腹空きました……」

 

 




 忌マワシキ者ノ母、淫猥ナル女、大バビロン。

 ナレバ、我ハ存在シ、シナイ者。故ニイット、ソレナノダ。

 ……なに言ってるんでしょうね?私は。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。