東方片道切符 遭難登山者ラスボス撃破チャート   作:ほよ

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初投稿


金髪の子を追いかけてみよう! とムービー

 

 

 山奥でひっそりコソコソ暮らしていた鈴木は、ある日森の中で一人の美しい少女を見つけました。

 金髪の幼い魔女を見た鈴木は思いました。

 

 そうだ、あの子の家をつきとめよう、と。

 

 完全に不審者です。本当にありがとうございました。

 

 さて、魔理沙を発見しました。

 しかし金髪の子は箒に乗って空を飛んでいき、すぐに見えなくなってしまいました。ではどうするのかというと。

 

 

 ◾︎「追跡する」

 >既に標的を見失っている。それでも追う? 

 ◾︎「進む」

 

 

 はい、追いかけます。

 NPCを見かけた時や別れる時、こうして相手を追いかけることができます。

 基本的には街中で犯罪者を追跡したり、野生動物を探したりするのに使います。ネームドの相手にやるとバレた時の疑惑値上昇が怖いのであまりやりませんが、今は距離も離れているので遠慮なく追いかけます。

 

 しかし既に見失っているとまともな追跡はできません。

 それでもNPCが向かった先に進む確率は上がるので、追跡しておくのは大事です。

 

 さあどんどん歩いていきましょう。あとは向かっていった先に魔理沙の家があれば最高や。

 森を歩いても霊力は上がりませんが、かわりに魔力が上昇します。今後のために魔力も必須なので上げておいて損はないですが、まだ妖怪の山で山籠りしていた方が上がり幅はデカイです。三ツ葉ちゃんの訓練のこともあります。

 なので、そう長居するつもりはありません。魔理沙の住所を特定したらニチャァと笑って一時撤退します。

 

 魔理沙ちゃんどこかな〜? 

 おじさんと一緒に遊ぼうよ〜。

 

 

 ◾︎「進む」

 >奇妙な森の中を歩いていく。転びそうになったが、あなたの持つ杖が未然に防いでくれた。

 

 

 あっ? 

 画面が暗転した……あっ(察し)

 

 

 

 ♣︎ ♣︎ ♣︎ ♣︎ ♣︎ ♣︎ ♣︎ ♣︎ ♣︎ ♣︎ ♣︎ ♣︎ ♣︎ ♣︎ ♣︎ ♣︎

 

 

 

「こりゃひでえ……」

「人斬りだ。なんて惨い……」

「なんてこった、この人……骨董屋の主人じゃないか?」

 

 

 あ、ムービーシーンに入りました。案の定ボイスはないので喋ります。

 ちなみにこの殺された骨董屋というのはただのイベント用のモブです。霖之助ではないのでご安心を。

 

 

「刀傷だ……しかもまだ温かい。白昼堂々とやりやがった」

「路地裏とはいえ、こんな時間に……」

「妖怪の仕業か?」

「いや、わからんが……昼間だ。それに、間違いない。こいつは刀だよ」

「食われているわけでもない……金も取られていない?」

 

 

 人里で殺人事件が起きた、というイベントムービーです。

 これは幻想郷のどこにいても発生するもので、一定の条件が整えばすぐに発生する強制イベです。

 鈴木には今なにが起きているのかなんてわからないでしょうが、プレイヤーはこうして幻想郷の状況を把握できるわけです。

 

 初見さんも気付かれていると思いますが、これはメインストーリーの序章になります。

 今回のプレイでは、御剣くんがやらかしたというパターンですね。

 

 

「ちょっと、どいてくれ……通してくれ……ああっ、そんな!」

 

 

 はい、立ち絵登場。このいかにも悲しげな顔で現れた青年が御剣くんです。

 銀髪オッドアイに独特な赤と黒の着物を身につけた刀使い……右手には何故か包帯が巻かれています。

 

 ……か、カッケェエエエエ! 

 

 

「おやっさん……チクショウ、どうしてこんな……!」

 

 

 はい。すごい悔しそうな顔してますけど、この殺人をやらかしたのは御剣くんです。

 迫真の演技だぁ……。

 

 

「あんたは……最近退治屋で話題になってる、御剣さんか?」

「……ああ、そうだ。俺がその御剣だ」

「おお……骨董屋の旦那とは?」

「最近、よくしてもらっていた。世話になって、恩もあったのに……そろそろ稼ぎも増えて、ようやく恩を返せるってところだったのに、なんで……」

 

 

 なんでやろなぁ……。

 

 

「下手人はわかっとらん。正直言って、人間か妖怪かもはっきりせんのだ」

「……妖怪なら、俺が絶対にゆるさねえ。いや……人間でも、野放しにはできない」

「その通りだ。いいお人だったのに、どうしてこんな……」

「……まて、よく見てみろ。旦那、なにか荷物を隠してないか?」

「ん? おお……本当だ。まるで何か、大事なものを下に隠しているような……」

「……動かしてみよう。すまんな、旦那。失礼するぞ……」

「……これは、小さいが……いや、何か書いてあるぞ。なになに……“紅魔館”。紅魔館だって!?」

「紅魔館っていや、あの紅霧の時の! 妖怪たちのいる館じゃないか!」

「骨董屋の旦那、そこへ届けるはずだった荷物をかばっていたのか……」

「真面目なお人だよ、本当に……」

 

 

 ちなみにこの荷物を仕込んだのも御剣くんです。人間の屑がこの野郎……。

 

 

「……紅魔館、霧の湖のそばにある……危ないって有名な、あの館のことか」

「御剣さんも知っておったか。そうだ、多分これは、そこ宛の荷物なんだろう。しかし、里の外は危ないし、紅魔館ともなると……」

「なら、俺が届けに行ってやるさ」

「なんだって!? 危険だ!」

「大丈夫。平気さ、俺はこう見えてそこそこ腕が立つからね……それに、おやっさんには恩があるんだ。むしろ……頼む。これが最期の機会になりそうなんだ。おやっさんの仕事の手伝い、俺にやらせてくれ」

「御剣殿……ああ、危ないが、頼まれてもらえるか」

「任せてくれ。なーに、当然のことさ。こういうのは……力ある者の義務だからな」

 

 

 か……カッケェエエエエ!! 

 

 と、まぁはい、そういう感じでムービーが終わりました。

 

 人里で殺人事件が発生するという、ショッキングなものですね。

 裏話をしますと、骨董屋の主人が隠していた荷物は、もともと紅魔館に納品するものでした。

 御剣くんはそれをどこかからか聞きつけて、隙を見て骨董屋の主人を殺害。

 少し遅れて事件発見現場に居合わせ、主人と仲が良かった風を装い荷物の配送を請け負い、紅魔館へ向かう……そういうシナリオです。

 

 御剣くんの目的は、紅魔館に行くこと。そして紅魔館の人たちに恩を売ったり、信用を稼ぐことにあります。

 そのためにこの配達を買って出たわけですね。

 

 荷物の中身は高級なティーポットだそうで、これを届けたことによって御剣くんは紅魔館のメイド、十六夜咲夜さんに気に入られます。

 そこから彼は、段々と紅魔勢に取り入ってゆくわけですが……。

 彼が更に事件を起こすまでは、もう少し時間があります。

 まだ鈴木が焦る場面ではないですね。

 

 しかし問題は、このイベントが起きた後の霊夢と魔理沙の動きです。

 

 里で異変が起きたと聞きつけ、二人は動き出すのですが……。

 

 ……このままだと明日の三ツ葉ちゃんとの訓練、間に合いそうもないですね。

 

 

 

 


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