ダシマ式ラブライブ!「転生者・一丈字飛鳥」   作:ダシマ

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第13話「崇められる者と蔑まれる者」

 

 

 

 それから、学園生活は続いていった。飛鳥は少しずつではあるが、女子からの評判は高まっていった。

 

 例えば調理実習。

 

「一丈字くん! すごーい!!」

「家で料理しますからね」

 

 この日の授業はケーキを作る事になっており、飛鳥はメレンゲを作っていた。ちなみにメレンゲはかきまぜるのにもテクニックがいるし、力仕事でもある為、色々大変らしい。

 

「あ、メレンゲすぐに立った!」

「あ、ギターやってて、ギターのストロークに似てるんですよ」

「ストローク?」

「ああ。弾き方の一つなんですよ。音の低い弦から音の高い弦に向けて垂直にかき鳴らす方法です」

「今度やってみせてよ!」

「機会があれば」

 

 4人1組のチームを組んで調理実習が行われていたが、飛鳥の争奪戦になっていた。絵里を助け出した事が大きいが、普段の飛鳥の授業態度からも信頼を掴み取り始めていたからだった。

 

 -回想-

 

「いい!? 勝ったチームが一丈字くんとペアを組めるのよ!」

「恨みっこなしだからね!」

「あのー…」

「一丈字くんは黙ってて!!!」

 

 飛鳥が何か言いだそうとすると、女子たちが一斉に止める。

 

「料理できないかもしれないんですよ?」

「いいの! 出来なくても私達がカバーするわ!!」

「やっぱり男子がいるとやりがいがあるわよねー」

 

 それを言ったら他の3人は一体どうなるのだろう。と、飛鳥は疑問に思いながらも、女子たちの争いを見守る事にした。

 

「いよっしゃああああ!!!」

 

 勝った女子生徒が雄叫びを上げて、一緒に組むチームメイトも喜んでいた。

 

「アンタ後出ししたでしょ!!」

「やり直しやり直し!!」

 

 負けたチームは抗議していた。これでは完全に自分がモテてるみたいではないかと、飛鳥は心の中で思っていた。

 

(神様…これ、やり過ぎでは)

(そう思うでしょう。だけど、女子高ってこういうノリみたいだぞ)

(そうですか…)

 

 最近の女子高生は元気だなー…と、飛鳥はそう思う事にした。

 

 

「完成ですね! ベイクドチーズケーキ」

「本当においしそう…」

 

 チーム外の女子生徒達が集まっていた。というのも、本当に店に出てそうなチーズケーキだったからだった。

 

「食べていい?」

「どうぞ」

 

 飛鳥がそう言い放つと、一部の女子達が飛鳥を見た。

 

(良い声…)

(それに落ち着いてるし…A組絶対悔しがってるだろうなー)

 

 一緒にチームを組んだ女子がケーキを食べた。

 

「おいし~!!」

飛鳥「そうですか?」

 飛鳥が向かい合って座っていた女子の顔を見て、口角を上げた。

「……//////」

 女子生徒が頬を染めた。そして周りの女子生徒も頬を染めた。それを見て、飛鳥は困惑した。え、オレ何かした? みたいな感じで。

 

「……(汗)」

『一丈字くん』

『何です?』

『笑っただけで異性を赤面させて惚れさせる力をよく転生者に与えているのだが…君は自力で会得しているようだな』

『何が言いたいんですか…。そんなんじゃないですから』

 

 飛鳥は若干恥ずかしくなった。思えばこれまでも、知人からそういう所があると突っ込まれていたが、認めてしまえば何かダメになってしまいそうだったので、これ以上は何も言わなかった。

 

「あー…一丈字くんはまともで良かった」

「もし私が彼らと同じことをしたらどうしますか?」

「追い出すけど…する予定あるの?」

「ありませんよ。絢瀬先輩の事もありますし…まあ、ちょっと色々ありましてね…」

 

 飛鳥が視線を逸らした。女子達は不思議そうにしていた。

 

「どうしたの? 私達に話してよ」

「山田先生からは「お前が最後の希望」だと言われました」

「うん、そりゃそうだよ」

「ですよね」

 

 飛鳥も女子生徒達も沈んだ。そりゃそうだ。あのフォー3人は女にモテる事しか考えてない猿野郎なのだから。神様の力を使って強制的に追い出してしまえば、一発で済むのだが…難しい話である。

 

「大丈夫だよ! 少なくとも今までの功績もあるし、多少は大目に見てあげるわ。でも、流石におイタが過ぎたらダメよ?」

(出来ませんよ。こちらには運営が見張ってるから)

 

 女子生徒の発言に飛鳥は心の中で突っ込んだ。

 

「それにしても一丈字くんがいるとこんなに楽しいなんて思わなかったなー」

「そうだよねー」

「……」

 

 1組の女子の純粋な笑顔を見て、飛鳥の涙腺が若干緩んだ。今まで同級生に嫌われることが多かったので、頑張った甲斐があると感じていた。

 

「…一丈字くん?」

「あ、いえ。何でもありませんよ。本当に受け入れてくれて、ありがとうございます」

 

 飛鳥が苦笑いした。

 

「ほら、沢山ありますからもっと食べてください」

 飛鳥が口角を上げた。

 

 

 また、とある時間の事。2組は体育の授業が行われていた。

 

 

(うっひょお!! μ’sの体操服姿…!! 最高だ!!)

 

 転生者Aは下衆な目で海未を見ていたが、それを見透かされていて、ほぼ全員からゴミを見る目で見られていた。ちなみに海未はジャージの上を着ている。

(しかしジャージが邪魔だな…)

 

「よーし。それじゃ早速2人1組になれ」

「園田さん! 僕と」

「お前は私とだ!!」

 

 山田はイライラしながら叫んだ。というのも、転生者Aが飛鳥に暴行したことで、完全にAに対する信頼はゼロになっていたからだ。それでも生徒として接さなきゃいけない為、本当にイライラしていた。

 

 そしてそれを遠くから見ていた1組の面々。美術で写生大会をしていた。担任の深山も同行している。

 

 

「……(汗)」

「見事に嫌われてるわね…」

「かける言葉が見つかりません…」

 

 飛鳥が深山とともに困惑した。

 

「はー…2組はこれから地獄になるのね」

「かわいそー…」

 

 1組の女子生徒達も、2組に同情していた。そりゃそうだ。あの性欲の権化がクラスにいるのだ。

 

「ここだけの話ね、成績上位者が一丈字くんと同じクラスっていう話が浮上してるのよ」

(やり過ぎやろ)

 

 そんなにフォーが嫌いか。ていうか、そんなことして大丈夫なのかと飛鳥は思っていた。

 

『問題はない』

『あるだろ!! 一体どこにそんな学校があるんだ!!(大汗)』

『ここにある!!!』

『えー…(汗)』

 

「え、マジで!!?」

「うっそー!!!」

(いたり尽くせり…)

 

 本当に全部知られたらえらいことになるぞ…と、飛鳥は心底喜べなかった。

 

「うぅ…何でこんなことになったのよォ…」

「もうダメだぁ…おしまいだぁ…」

「まさに地獄よ…」

 

 ヒフミトリオをはじめ、2組のテンションは完全に地に落ちていた。

 

(うぅぅ…。やっぱり変な目で見てくるよぉ…)

(…怖いです)

(……)

 

 怖がることり、海未に対し、穂乃果はイライラしていた。

 

(完全にテンションが落ちているが…まあいい、あいつもいないから少しずつ回復すればいいさ)

 

 全く懲りていなかった。もう頭の中は穂乃果達をメロメロにして、セックスする事しか考えてなかった。

 

「……あ!!」

 

 その時、穂乃果が遠くにいる飛鳥に気づいた。

 

「どうしたの? 穂乃果ちゃん」

「あそこに1組がいる! 飛鳥くんもいるよ!!」

「え!?」

「ホント!!?」

 

 他の生徒も飛鳥達を見た。

 

「おぉぉぉーい!!!!」

「助けて――――――――――――!!!」

「あなたが2組に来て―――――――――――!!!!」

 

 と、ヒフミトリオが叫ぶと、他の生徒も声を上げた。

 

「…何か助けてって言ってるんだけど」

「もしもうちに最初からあいつがいたら、私達があんな事になっていたのか…」

 

 1組の女子生徒達は心の底から2組(A除く)に同情していた。あんな変態がクラスメイト、教え子なんて冗談じゃないと。

 

「…頼んだわよ、一丈字くん」

「…はい」

 

 深山の呼びかけに飛鳥も答えたが、2人ともげんなりしていた。飛鳥に至っては、冗談抜きで同じ男性として恥ずかしいし、申し訳ないと思っていた。

 

 というかもう、転生センター閉鎖した方がよくね? と考えていた。

 

「山田先生も言ったけど、アナタが最後の希望よ」

(山田先生も止めない辺り、本当に追い詰められてるな…あ、Aさんがこっち睨み付けてる)

 

 また邪魔しに来たのか…とAが醜い顔で飛鳥を睨み付ける。本当にイケメンがしていい顔ではなく、不細工がイケメンに嫉妬する顔だった。

 

「あいつ、こっち睨み付けてる~!!」

「きもーい!!!」

「一丈字くんに嫉妬してるのよ! 行きましょ!」

飛鳥「え、おっと…」

 

 1組の生徒数名が飛鳥を退散させた。

 

「一丈字(飛鳥)くーん!!!!!(泣)」

 2組の女子生徒が悲鳴を上げた。

 

「一丈字の事なんかほっといて、早く授業やろうよ!」

「は? 一人でやってなさいよ」

 

 転生者Aがにこやかで話しかけたが、女子生徒がゴミを見る目でAを睨んだ。まだ自分がモテると思ってんのかこいつ。と言わんばかりに。

 

「先生。Aくんだけ特別メニューでお願いしまーす」

「そうだな…」

 

(何でだ…何でこんなに冷たいんだよ…!! 全部あいつのせいだ…!!)

 

 と、自分が殴ったことで信頼をゼロにしたのにも関わらず、転生者Aは飛鳥を憎んだ。

 

(ていうか去っていくとき、おっぱい当たってたよな!!? チクショオオオオオオオオオオオオ!!!!!)

 

 

 Q. 実際どうでした?

 

「いや、そんな事ないよ」

「え、私そんなにちっさい?」

「…ん?」

 

 

つづく

 

 

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