天界
「聞いたか? 羅城丸様。地球人にフォー退治を頼んだらしいぜ」
「一体どういうつもりだろうな」
と、とある宮殿の中にある食堂で、天使たちが話をしていた。
「やる気を出させようって魂胆だろどうせ」
「だよなぁ。でも、無理なもんは無理だっつーの」
相変わらず若い天使達はやる気がない様子だった。しかし、ザキラが現れて空気が一変した。
「やべっ! ザキラだ…」
「あいつにキレられたら、一たまりもない…」
と、皮肉を言っていた天使達は口をつぐむ。そう、ザキラは若手の天使で一番強く、権威もあった。おまけに機嫌も悪い為、先ほどの発言をすればどうなるかは目に見えている。最悪、上の天使に言いつけて、自分達の立場を更に悪くすることだってあり得るのだ。
「兄さま…」
ザキラの後ろをついて来ていた白い髪の美少女の名前はコロロ。ザキラの妹であり、天使見習いである。最近ずっと機嫌が悪い兄・ザキラを心配していた。
ザキラ(一丈字飛鳥…!! 何故あの者が…!!!)
ちなみに声は「ポケットモンスター」のコジロウの声をしている人でお願いします。間違っても「ドラゴンボール超」のザマスではありません。ザマスを知っている人からしてみれば、シャレになりません。
ところ変わって音ノ木坂学院。昼休憩になり、飛鳥は移動しようとしたが、穂乃果達に呼び止められていた。
「飛鳥くん!」
「何だい?」
飛鳥が穂乃果を見た。
「今日は空いてるよね!?」
「いや、理事長に呼ばれてるんだ。だから理事長室で昼食」
「もう! いつになったら時間空いてるの!? って理事長室!? 何で!?」
「今回の火事の件で、更に話したい事があるみたい。それじゃ、行ってくるね」
そう言って飛鳥は去っていった。
「ホントに凄いよねー。飛鳥くん」
「うんうん」
「今じゃ、音ノ木坂のヒーローだもんね」
同行していたヒフミトリオが飛鳥を絶賛すると、陰で見ていたAが面白くなさそうに歯軋りをする。
「…それに比べて」
「な、何の事かなー…? あははははは。僕もちょっとお昼食べてこよーっと」
そう言ってAは去っていったが、何人かは思った。もう帰って来るなと。
そして掲示板前
「……」
転生者トリオは穂乃果達が掲示板の前に来るのを待っていたが、来なかった。そう、本来であれば、廃校の張り紙が張り出されて、穂乃果が気絶するところから物語が始まるのだが、全校集会で理事長が、廃校はないと言ったのだ。当然来る筈がない。
「何でこうなるんだよ!!!」
「そんなのオレが知るか! どうして廃校しないんだよ!!」
「一丈字が何かしたみたいですね」
その頃穂乃果達はというと、理事長室の前にいて、穂乃果が盗み聞きしようとした。
「ちょ、ちょっと穂乃果!」
「それはダメだよ~」
「…ちょっとだけ」
海未とことりが慌てて制止しようとするが、穂乃果は止まらず、理事長室の扉に耳を当てた。
理事長室。飛鳥と理事長が向かい合って座り、飛鳥は理事長が用意した高級弁当を食べていた。
「…すみません。お昼頂いて」
「いえ、これくらい当然です。食べなさい」
飛鳥は高級弁当を食べていた。
「さて、今朝の話の続きをしましょうか」
「……」
理事長が飛鳥を見つめた。
「無茶をしたことについては、大人として諫めないといけませんが、アナタの行動には、こちらも頭が下がるばかりです。全校集会が終わった後、音ノ木坂学院に対する称賛の声もありました」
「電話でですか?」
「ええ。その事もあって、元々決まっていた入学希望者も減らずに済みました。このままだと本当に廃校を防げます」
飛鳥が口角を下げる。廃校を何とかするのは自分ではなく、μ’sなのだから。
「今後も、我が校、いや…人として模範となるような生徒でいてください」
「…分かりました」
飛鳥としてはただ、μ’sやこの世界の住人たちを守る事だけを考えていた。
「ところで一丈字くん」
「何でしょう」
「前も聞いたと思うけど、うちの娘について…どう思う?」
「ことりちゃんの事について聞いてるね」
「ぴっ!!?」
穂乃果の言葉にことりがドアに張り付いて、耳を立てた。穂乃果は苦笑いしていた。
「またそのお話ですか?」
「母親としても気になるのよ。たまにあなたの話をするのよ。あの子」
飛鳥が苦笑いした。
(絶対に変な事喋らないで…!!!)
と、穂乃果達は休憩時間が終わるまで張り付いていたという。
その頃…
「結局来ませんでしたね…」
「あのクソ丈字が!!」
「どこまでも舐めやがって!!!」
Cの言葉にAとBが憤っていた。舐めてるのはお前らだと言いたい。
昼休憩後…
『神様』
『何だ』
飛鳥と神様がテレパシーで会話をしていた。
『よくよく考えたら…今日、廃校が発表されて物語が始まる日じゃありませんでしたっけ?』
『そうだが?』
『…大丈夫なんですか? 彼女、普通に教室にいましたけど』
『大丈夫だ、問題ない』
飛鳥としては本当にどうなるか予測もつかなかったが、神様の言葉を信じることにした。
午後の授業を普通に受けて、あっという間に放課後になり、飛鳥は帰ろうとしていた。
「さて、帰るか…」
「飛鳥くん!」
穂乃果が教室にやってきて、飛鳥を呼び止めた。
「何です?」
「今日予定ある?」
「特にありませんけど…」
「良かった! 今日一緒に帰らない?」
飛鳥は少し驚いた。
「それは構わないけど…」
その時、陰から見ていたAが阻止しようとした。
「(そんな事させるか!) おー…」
Aが割って入ろうとしたが、1組の女子達に通せん坊される。
A「あの、ちょっと」
飛鳥(相変わらずガードされてんなぁ…)
「分かってんのよ! 穂乃果と飛鳥くんが一緒に帰るのを邪魔しようって話でしょ!」
「もういい加減にしてよね!」
「さっさと諦めなさいよ! しつこいなぁ!」
「もう罵声のネタ尽きかけてるんだから、ちょっとは我慢しなさいよ!」
「そんな事考えてたの!!?」
女子達のカミングアウトに飛鳥が突っ込んだ。
「飛鳥くん。今のうちに!」
「あの、高坂さん?」
穂乃果が飛鳥の腕を絡めた。それを見ていたことりと海未が赤面する。
「ホ、ホノカチャン!!/////」
「は、破廉恥です!!」
「え? 何が?」
穂乃果は何も気づいておらず、きょとんとしていたが飛鳥は静かに目を閉じた。
「穂乃果だいたーん!」
「うん…」
「当ててるの?」
「え?」
穂乃果は何のことか分かっていなかった。しかし、ヒロインのおっぱいが恋敵の体にあたっていたので、Aは唖然としていた。
「あの…帰っても宜しいでしょうか」
「あ、飛鳥くんまでどうしたの!?」
「どうもしないよ」
「とにかく離れなさい!!////////」
海未が飛鳥と穂乃果を引き離した。飛鳥は穂乃果の天然ボケに呆れていた。その時だった。
「い、一丈字こらぁ!! どういうつもりだ!!」
と、Aが憤慨しだした。お前がどういうつもりだと、周りの生徒達は思った。
「行こっ! 飛鳥くん」
「え、あ、うん…」
と、穂乃果達が飛鳥を連れて行った。Aは追いかけようとしたが、1組の女子達に足止めされ、そのまま罵声を浴びせられた。
つづく