UTX学院前
「ここがUTX学院…」
飛鳥、穂乃果、ことり、海未は下校途中、UTX学院前に寄り道しており、学校に設置されているモニターに3人の少女が映し出されていた。
「あの子達は?」
「さあ…」
「アイドル…でしょうか」
「……」
飛鳥は何もしゃべらなかった。というか、何をしゃべったらいいのかも分からなかった。
「もしかして出身校なのかな?」
「違うわよ。A-RISEよ」
「!」
4人が後ろを振り向くと、にこ・花陽・凛が現れた。
「にこ先輩! それに凛ちゃんと花陽ちゃん!」
「こ、こんにちは…」
「アンタ達。A-RISEも知らないでここに来たの?」
「凛も知らなかったにゃ。にこ先輩とかよちんの付き添いだから」
凛が首を傾げた。
「それにしても…そのA-RISEって人達、そんなに凄いんだ」
「凄いも何も、No.1スクールアイドルグループよ。正直言って彼女達目当てで生徒も沢山来てるんだから!」
「…そうなんだ」
(あ、これはターニングポイント来たな)
にこと穂乃果の会話を聞いて、飛鳥は何かを感じ取った。しかし、次の瞬間、状況が一変する。
「おい! まだ見つからないのか!?」
「?」
という男の声がしたので、飛鳥が横を向くと、何やら慌てている黒服の男たちがいた。
「早く見つけろ! A-RISEが誘拐されたなんて知られたら、大騒ぎになるぞ!」
(えええええええええええええええええ!!!?(大汗))
飛鳥は心の中で絶叫した。火事に続いて誘拐イベントもあったのだから。
『神様!! これはちょっとやり過ぎじゃないですか!!』
『……!!』
飛鳥が神様にテレパシーで伝えた。
『神様!!』
『…まさか』
神様がある事に気づいた。
『もう既に他のフォーが現れているのか!?』
『…そうとしか』
飛鳥が困惑した。そして、神様の発言からして状況はかなり悪いことも感じ取っていた。
『まあいい。今はそのA-RISEって娘たちの救助が先じゃ! ワシは原因を究明する!!』
『分かりました!』
その時、穂乃果達も『誘拐』という言葉が聞こえて、黒服の男達を見た。
「え…誘拐?」
「誘拐…」
「誘拐ぃぃぃぃぃぃぃ!!!!?」
穂乃果、花陽の言葉に続き、にこが絶叫すると、映像のA-RISEにかじりついていた生徒達もにこ達をみた。
「な、何だ! 君達は!!」
『そんなでかい声で言ったらそうなります』
飛鳥が心の中で突っ込んだ。
「あの!! 誘拐ってどういう事なんですか!?」
「A-RISE…誘拐されっちゃったノォ!!?」
「あ、だ、大丈夫だよ…今、警察が捜査してくれてるから…」
詰め寄る穂乃果達に、黒服の男たちは慌てて弁解する。モニターの中のA-RISEを見ていた観衆達もざわざわしていた。
『それでは間に合わぬ。飛鳥、場所が分かったぞ。場所は…』
神様が場所を伝えた。
『分かりました。で、神様…』
『ああ。μ’sを遠ざけてあげよう』
神様が魔法を使った。
「あ、それはそうと飛鳥くん。今日用事があるって言ってなかった?」
「え」
穂乃果が急に用事があると言いだしたので、驚く飛鳥。
「そうだよ。早く行ってあげて?」
「遅れるのは良くないにゃ」
(本当に色んな意味でゴメンね!!)
ことりと凛が心配そうに言った為、飛鳥は申し訳なさそうにした。
「あ、う、うん。また明日! 気を付けて帰ってね!」
「バイバーイ!!」
そう言って飛鳥はμ’sと別れた。
『神様! 場所を詳しく教えてください!』
『任せろ!!』
神様の指示の元、飛鳥は攫われたA-RISEの元へ向かった。
とある寂れた工場
「ちょっと!! 何なのよアンタたち!!!」
A―RISEのリーダー・綺羅ツバサが叫んでいた。A-RISEは綺羅ツバサ、統堂英玲奈、優木あんじゅの3名だが、3人共全裸にされて足は自由に動かせるが、手首は上に縛られている状態だった。
そして縛り付けているのは8人の女達だった。
「いきなり裸にしてどういうつもり!!?」
「どうしてこんな事を!?」
「…ていうか、君達、女性だよな?」
「アンタ達にはここで消えて貰いたいのよ」
主犯格と思われる女が口角を上げて言い放った。
「どうして!?」
「どうしてって…そんなの決まってるじゃない」
ツバサの問いに女は拳を震わせて言った。
「アンタ達がずっとNo,1に居座っていたせいで、私達の人気は落ちて、廃校に追い込まれたのよ! アンタ達さえいなければ学校は存続できたのに!」
「絶対に許さないわ!!」
と、完全に逆恨みだった。ツバサはあざ笑うように主犯格の女を睨みつけた。
「へぇ…それで私達をどうする気なの?」
「決まってるわよ。動画を公開するのよ。アンタ達「A-RISE」がスッポンポンになった動画をね!」
「!」
「大勢の人間に裸を見られて…大路を振って歩けるかしら?」
「歩けないでしょうね。行く所行く所変な目で見られて、最終的には発情した男達に襲われるのよ。助かったとしてもね」
「これでA-RISEは終わりよ」
ツバサが冷や汗をかいた。
「何、その顔。もしかして見られるのを想像して興奮してるのかしら?」
「違うわ。アンタ達って本当に可哀想ね」
「何?」
犯人グループの表情が歪んだ。
「学校が無くなったのは同情するけど…それで自分達を見失ったら何もかもお終いよ。全部が無くなった訳じゃないじゃない」
「うるさい!!」
「アンタに私達の何が分かる!!」
「自分達の状況を理解できているのかしら…」
「まあいいわ。予定よりも早いけど、今すぐショーを始めるわよ。アンタ達の大事な所、大っぴらに見せてやるんだから! カメラの準備!!」
「ええ…。もう準備できてるわ」
「っ!!」
と、ツバサ達は目を閉じた。
「その体を是非観客たちに…って、あれ?」
犯人の一人がカメラを操作していて、異変に気付く。
「どうしたのよ」
「カメラが壊れてる!!」
「予備があるでしょ」
カメラの予備を確認する。
「無駄だ。超能力でカメラは故障させて貰ったよ。警察も呼んでおいた」
『手際良いな。お前さん…』
『…誰かさんのせいでね』
飛鳥が困惑した。
『ところで神様。あの女たちは…』
『間違いない…フォーじゃ。どうやらこの世界に転生した時には、モブ中のモブに転生してしまったようじゃな。で、A-RISEを失脚させて自分達がその座に居座ろうと…』
『そういうのもあるんですね』
『ああ。バアさんから聞いたんじゃが、女の承認欲求は男の数百倍じゃ』
『……(汗)』
その時、飛鳥が何かに突き飛ばされて、女たちの前に現れた。
「!!?」
「…いたた」
飛鳥が起き上がった。
「あ、あんたは!!」
「もしかして警察!!?」
「…じゃなさそうね。一人だし」
「何しに来たのよ」
女たちが飛鳥達を見た。ツバサ達は唖然としていた。
「そんな事、アナタ達が一番分かってるでしょう」
「!?」
飛鳥がハッタリをかました。
「警察にも通報したわ。もう逃げられないわよ!」
「警察に!!?」
狼狽える犯人グループ。飛鳥が女言葉で喋っている事には誰も突っ込まなかった。
「ハッタリよ。分かる訳ないわ」
「なら、何故私がここにいるのかしら?」
「フン…。知られたからには大人しくして貰うしかないわね」
と、フォー達が転生の力を使って、飛鳥を始末しようとする。
「逃げて!!」
「……」
ツバサが叫ぶと、飛鳥が目を閉じて口角を下げた。
「アンタ達!! あいつを捕まえるのよ!」
「おう!!」
「悪いけど…悪く思わないでね!」
犯人グループは全員で8人いて、そのうちの4人が飛鳥に襲い掛かった。近接格闘タイプらしく、拳や脚を強化して、飛鳥に打撃を与え、一撃で気絶させようという作戦だ。
だが、飛鳥はその4人の攻撃を見抜いてかわして、手刀一発を当てて、地面に沈めた。
「!!!?」
「あまり手荒な真似はしたくないわ。大人しく自首して頂戴」
飛鳥が凛とした顔で犯人グループのリーダーを見つめる。
「くっ…やりなさい!!」
と、残りの3人が光の矢を使って飛鳥の心臓を打ち抜こうとしたが、飛鳥は左目を光らせ、その3人を気絶させた。
「!!?」
「何をしようとしたかは分かりませんが…させないわよ」
「な…な…!!!」
そして主犯格の女には金縛りをした。
「な、何…!? 体が…!!」
「さて…」
飛鳥はツバサ達を見たが、ツバサ達は全裸で丸見えだった。そして飛鳥は3人に近づいた。
「解放してあげますので、動かないでくださいな」
「う、うん…」
と、女の口調でツバサに問いかけると、ツバサは返事した。そして3人の縄を超能力で解いた。
「さてと…」
飛鳥が犯人グループのリーダーを見た。
「この人達の服、どこですか?」
「そ、そんなの燃やしたわよ!!」
「燃やしたぁ!!?」
ツバサ達が驚いた。
「それだったら私達、どうやって家に帰ればいいの…?」
「裸で帰る訳にもいかないしだろ…」
ツバサ「今伸びてるあの人達から借りればいいんじゃない?」
「え」
飛鳥が指をさした先には、気を失ってる女たちがいた。
「やられたらやり返せじゃないですけど。どっちにしろもうすぐ警察も来るみたいだし、何とかなるわよ」
「そ、そう…」
英玲奈は苦笑いした。
「そ、それよりもこれ…本当に動けないんだけど…!!」
「ご冗談を」
そして警察がやってきた…。いずれも女性警官であり、女達は捕まった。飛鳥はどさくさに紛れて、A-RISEから逃げた。
『神様。後処理お願いします』
『ああ。あの女たちはパトカーに乗せた後、地獄に送る』
『…あ、そういうシステムなんですね』
と、心の中で会話をした。
「助かったー」
と、あんじゅがつぶやいた。
「……」
「どうしたツバサ」
ツバサが考えていたので、英玲奈が話しかけた。
「あの人…。本当に女の人なのかしら? 声が低かったし…」
「ああ…。何か喋り方でごまかしてたような気が…」
空気が止まった。
「…男の人だったらどうしよう//////////」
「い、言うな////////」
「全部見られちゃった~//////////」
ツバサ達は顔を真っ赤にして恥ずかしがった。
『ところで、アニメの女の子の裸を見た感想は?』
『座長(小説の主人公)なのでノーコメントでお願いします』
つづく