ダシマ式ラブライブ!「転生者・一丈字飛鳥」   作:ダシマ

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第28話「男って愚か」

 

 

「海未! 君たちは騙されてるんだ!!」

「ああ!! 可哀想な絵里…。必ずそいつから取り戻してみせるからね!!」

「安心してください。必ずあなたを取り戻してみせます」

 

 と、フォートリオがそれぞれの推しに愛の言葉(笑)をかけた。飛鳥としてはもうげんなりしている。

 

(帰りたい)

 

 しかし、そう思っているのは飛鳥だけではなかった。しかもここは食堂で、周りに人がいる状態だ。このフォートリオの絶対的な自信はどこに来ているものかと、飛鳥は理解に苦しんだ。

 

「な、何なのこいつ等…」

「やっぱりきもいにゃ~!!!!」

「……」

 

 真姫、凛、花陽は完全にドン引きしていた。あの花陽ですら青ざめて引いているのだから、よっぽど気持ち悪かったのだろう。

 

「なんか頭痛くなってきた…」

「私も…」

「うーん…。こりゃ相当拗らせとるなぁ」

 

 にこと絵里は立ち眩みがして、希も流石に何とも言えなさそうにしていた。

 

「穂乃果達は騙されてないもん!!」

「そうだよ!!」

「騙されたとしても、誰があなた達の所に何か!!(大汗)」

 

 穂乃果やことりはともかく、海未は完全に拒絶反応を出していた。

 

「ってか…どんだけ、女の子に飢えとんねん」

「やめなさいよ。相当女子に嫌われたんじゃないの? 手を繋いだこともないんじゃない?」

 

「失礼な事を言うなぁ!!」

「こっちは何度も世界を救って、何度もハーレムを作ってきたんだぞ!!」

「そうです…。僕の計算に狂いはないんですよ」

 

 飛鳥は膝から崩れ落ちた。

 

「あ、飛鳥くん?」

 

 穂乃果達が飛鳥を見た。

 

「同じ男性として本当に情けない。ご迷惑をおかけして申し訳ありません…」ズーン…

「飛鳥くん!!?(大汗)」

 

 飛鳥のテンションが完全に落ちたので、穂乃果達が慌てた。

 

「そうやって同情を引いても無駄だぞ!!」

「そういうことやっといて、他にもエッチな事してんだろうが!!」

「男の風上にも置けませんね」

 

 AとBが叫んだ。Cに至ってはどの面下げて言ってんだと、皆思った。

 

「た、例えば?」

「穂乃果!!」

 

 穂乃果が聞くと、海未が突っ込んだ。するとAが目をカッと見開いた。

 

「下着とか、自分が選んだ奴をつけさせたり、はかせてんだろぉ!!!?」

 

 空気が止まった。飛鳥はAが何を言っていたのか分からなくなっていた。μ’sは完全にドン引きしていた。

 

「えっ!!? そ、そんな事してないよ!!!」

「してないしてない!!」

「な、何を言いだすのですか!!! 破廉恥です!!//////// あなた達は最低です!!///////」

 

 穂乃果とことりはそのままの意味で捉えていたが、海未は完全に理解していて怒鳴った。

 

「ヴェエエエエエ!!!! 本当に何なのよこいつら!!!(大汗)」

「気持ち悪いにゃ~~~~~!!!! かよちん!!! 絶対に近づいたらダメ!!!」

「え? あ、う、うん…(真っ青)」

 

 真姫と凛が絶叫し、凛が花陽をガードした。

 

「あー…もう、バカにつける薬ってないのかしら…」

「ウォッカでも飲ませて永遠に眠らせる?」

「絵里ち。それ殺人や。でも大人しゅうしてほしい気持ちはわかんで…」

 

 3年生組も完全に引いていた。

 

「でも大丈夫!」

 

 Aが言い放った。何が大丈夫なんだと飛鳥達は思った。飛鳥に至ってはもう変態発言のし過ぎで精神がすり減っていて、超能力で作った特大のエネルギー弾をぶつけたいと思っていた。

 

「下着ならオレ達が選んでやるよぉおおおおおお!!!」

「そんな出来損ないよりもセクシィィィィィィな下着をぉ!!」

「自信ありますよォ」

 

 と、完全に勝てると余裕があるのが、下種な笑みを浮かべて近づく3人。すると飛鳥は穂乃果達を見た。

 

「…って言ってますけど」

 

 μ’sの回答は

「いいよ!! 自分で選ぶから!!!(大汗)」

「イヤー!!」

「は、破廉恥です!!!///////」

「……(泣)」

「いらないにゃ!! それよりもかよちんに近づくな!!!」

「ちょ、ちょっとあなた何とかしなさいよ…!!」

「本当にキモッ!!!」

「こりゃアカンな…」

「そんなの認めないわぁ!!!(大汗)」

 

 当然答えはNOだった。

 

「ふひひ! そんな釣れない顔をするなよぉぉ! オレは君達の王子様なんだぜぇぇ!」

「君達の愛しのダーリンがそのクソガキの洗脳から君達を解放してあげるよぉぉ。だからそんな怖い顔をしないでくれよぉぉ」

「君達は僕を愛すべきなんだよぉぉぉぉぉぉ」

「……(汗)」

 

 気持ち悪い顔で笑いながら一歩一歩μ'sに近づく馬鹿3人。恐怖におびえるμ’s。そして飛鳥がふと目を閉じた。そして体に電流が帯びる。

 

「もういい」

 

 飛鳥がそう呟いた。

 

「おっ、何だ。諦める気になったのか?」

「分かればいいんだよ」

「さあ真姫。僕達の所に来なさい」

 

 と、完全に勝ちを確信するフォー。

 

「あ、飛鳥くん!!」

「ちょ、まさかとは思うけど、にこ達を見捨てるの!!?」

「そんな筈ないじゃないですか」

「!」

 

 飛鳥が穂乃果達を見つめた。

 

「ただ…。私も少々我慢の限界が来てまして、それ以上の顔はちょっと見られたくないんですよ…。高坂さん…皆さんを連れて、少し離れてくれませんか?」

「え? あ、うん…」

「ちょ、何をする気なの!?」

「にこちゃん!」

 

 穂乃果がにこを見つめた。

 

「皆、少し離れよう」

 

 と、皆が飛鳥とフォー達と距離を取った。

 

「ありがとうございます」

「ちょ、てめぇ!!」

「オレ達とやろうってのか!!」

「分かりました。それではお望み通り、あなたをここで始末します!!」

 

 と、フォー達がチート能力を使おうとしたが、何も出なかった。

 

「!!?」

「な、なにも出ない!!?」

「何故だ!! 貴様!! 一体何をし…」

 

 その時、飛鳥の周りに禍々しいオーラが放たれ、飛鳥は目を閉じる。

 

「!!?」

 

 次の瞬間、食堂でとてつもない殺気が放たれた。そして地響きもする。

 

「ひぃいいいいいいいいいいいい!!!!(泣)」

 にこ・凛・花陽が身を寄せ合って涙目になり、震えていた。

 

「な…な…!!!(大汗)」

「なんだおまえは!!(大汗)」

「そんな…ばかな…!!(大汗)」

 

 フォー達は完全にしりもちをついて、飛鳥を見上げたが、飛鳥の顔はよく見えなかった。しかし、完全に「獲物を殺そうとしている獣の目」をしていた。何も言わず、A達を睨み続ける。

 

「ひ、ひぎ…」

「そ、そんな面しても怖くねぇぞ!!」

「ふ、二人とも!! 今こそあの必殺技を!!」

「バカ!! あれはμ’sが対象でこいつには…」

 

 その時、飛鳥が更に殺気を強めた。衝撃波のようなものが発生し、周りにいた人間を震撼させる。

 

 そして…

 

「……(泣)」

 

 A、B、Cはそのまま気絶し、涙を流しながら失禁と脱糞をしていた。

 

「……」

 

 飛鳥はというと、我に返って俯いていた。暫くして、穂乃果達の方を振り向いた。

 

「…終わりました」

「……!」

 

 飛鳥が目を閉じた。

 

「本当にご迷惑をおかけしました。失礼します」

 

 そう言って飛鳥は去っていった。

 

 

つづく

 

 

 

 


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