ある日の職員室
「もういやです…」
と、山内がしくしくと泣いていた。
「頑張りましょうよ!! 山内先生!!」
笹原も山内を支えていたが、笹原自身も泣きたい気持ちでいっぱいだった。そんな様子を山田と深山は不思議そうに見ていた。
「あの…何かあったんですか?」
深山がそう言うと、笹原と山内は涙目で睨みつけた。
「あ…ごめんなさい。聞くまでもありませんでしたね」
と、深山は謝った。
「深山先生」
「だから何度も言ってるじゃないですか。一丈字くんは学年が違うから…」
「違います」
「あ、そうなんですか?」
笹原の発言に深山は驚いた。
「担任交換して!!!」
「あーそう来ましたかー。無理ですー。猶更無理ですー」
と、笹原のとんでも発言に深山は突っ込んだ。
「最近悪さをしてないとはいえ、もうあんなギスギスしたクラスいや…(泣)」
「私もです…(泣)」
何とも言えなさそうにする深山。
「深山先生」
山田が深山の肩を抱いた。
「な、なんですか? 山田先生」
「いくら払ったんですか」
「いくらって…?」
「いくらで一丈字を買い取ったんですか!!? パイロット版では私が担任だったのに!!!」
「パイロット版とか言わないでください!!!(大汗)」
「いいじゃねーですか!! もうメタ発言もしなければやってられませんよ!!!」
「いや、あの山田先生!! 落ち着いてください!!(大汗)」
山田を諫めようと、深山が叫んだ。
「いいですよねぇ…!! 深山先生のクラスとっても楽しそうじゃないですか…!!」
「羨ましいです…(泣)」
と、笹原と山内にも問い詰められる。
「い、いや。そんな事言われましても…」
「本音は?」
「とっても幸せ…じゃなくて!!!(大汗) ああああああああああああああ!!!」
と、深山の断末魔が聞こえた。
そしてそれをBが聞いていた…。
(何でだ!! 何でオレはこんなにも嫌われて、あいつだけあんなに好かれるんだよ!! 一体どんな能力を持ってやがるんだホントに!!)
運営が味方です。
「絵里に近づこうとすれば、ガードされるし…どうしてオレの思い通りにならねぇんだよ!!」
と、廊下を歩きながらBはぶつくさ言っていたが、通り過ぎる女子生徒達はゴミを見る目でBを見ていた。
「だがこんな事でオレが諦めると思うなよ。必ず絵里もμ’sもオレのものにして、ハーレムを作ってやる! そして全員がオレに尻を振って求めるんだ…!! ぐふふ…ぐふふのふ…!!」
と、気持ち悪い笑みを浮かべていた。
それと同じころ、飛鳥は自分の教室で希と話をしていた。希の後ろにはにこ、絵里がいる。
「え…?」
希から言われた言葉に飛鳥が困惑した。
「せやからね。今度の休み、飛鳥くんにもお泊り会に参加してほしいねん。にこっちや絵里ちの家族の話もあるし」
「は、はあ…」
飛鳥は相槌を打った。
「…済まないわね。下の子がどうしてもあんたに会いたいって聞かなくて」
と、にこが困った顔で言い放った。
「うちも何かしてあげられたらなーって」
「いや、それはお気遣いなく…」
「そういう事やから、ええか飛鳥くん」
「か、畏まりました…。私で宜しければ」
と、飛鳥は承諾した。
「おっしゃ! 流石飛鳥くんやで。楽しみになってきたなー」
「そうね…」
希の言葉に絵里が答えると、にこが難しそうなお顔をした。
「どうしたのにこ」
「いや、こういう時、Bたちがついて来ようとするから…」
「そんなのかたくなに断るわよ」
「聞かれてなかったらいいんだけど…」
飛鳥が超能力で聞こえないようにしていたが、Bが飛鳥達の光景を見ていた。
(な、なんだ!!? 何で一丈字と絵里達が話をしている!! 絵里め~。オレ以外の男に浮気するなって言ったのに。まあ、一丈字が絶対洗脳してるからどろうが、オレからはん魏えられないヨ♪)
そう言って、Bは鼻息を荒くしながら様子を見ていたが、近くにいた女子生徒に強制退場させられた。
「はなせぇえええええええええええ!!! オレは絵里の彼氏なんだ!! 本当なんだ!! だから離せぇええええええええええええええええ!!!」
(…案の定盗み聞きしてた)
(致し方ない奴じゃ)
と、飛鳥と神様が心の中でツッコミをしていた。
「これで約束も取り付けた事やし…。ほな、うち等はもう行くわ」
「あ、はい。分かりました」
と、にこ達が教室に出た。
「……」
これからどうしようと考える飛鳥だった。
そして…
「失礼します」
と、飛鳥が入ってきた。
「一丈字(くん)?」
「2年2組の一丈字ですが、深山先生はいらっしゃいますか?」
「あ、ごめんね。今、深山先生いないのよ」
「あ、そうなんですか」
職員室にいたのは山田、山内、笹原だけだった。この時、山田たちは飛鳥が輝いて見えた。
「分かりました。ありがとうございます」
飛鳥が笹原に一礼した。
「本当に礼儀正しい子…」
「それな」
笹原の問いかけに、山田があっさり返答した。
2年1組教室
「ねえねえ飛鳥くん」
「何です?」
穂乃果が2組の教室からやってきて、飛鳥に話しかけていた。
「今度の休み、予定ある?」
「ありますよ」
「あるの!!?」
驚く穂乃果達。傍で聞いてたことりと海未も穂乃果と同じく驚いていた。
「よ、予定って誰と!!?」
「あ、矢澤さんと絢瀬さんのご家族です。私の事、気にかけてくださって…」
「そ、そう…」
「悪い人じゃなくて良かった…」
穂乃果はそう安心した。
「で、何しに行くの?」
「ちょっと顔合わせがしたいと仰っていましたね…」
「そ、そうなんだ…へー…」
と、穂乃果は笑顔で振りまいたが、青筋が経っていた。
「穂乃果達も参加できないかな?」
「ほ、穂乃果!! 図々しすぎます!!」
海未がそう諫めると、穂乃果は泣く泣くあきらめた。
「本当に矢澤先輩たちが来るのですよね?」
「そうですね」
飛鳥が口角を上げた。
「じゃあ全員誘ってくれてもいいじゃ~ん」
「…色々話したい事があるんでしょう」
と、飛鳥がそう言うと、今日の晩御飯は何しようか考えるのだった。
「このままで終わると思うなよ一丈字…。何が何でもお前から絵里を奪ってみせる!!!」
と、Bは拳を突き出して誓ったが、それでも女子生徒の冷たい視線は変わらない。
「チクショォオオオオオオオオオオオオオオオ!! 女にモテてぇえええええええええええええええええええええ!!!!」
つづく