ダシマ式ラブライブ!「転生者・一丈字飛鳥」   作:ダシマ

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第34話「凡骨! 転生者C!」

 

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおん!!! 女にモテてぇよぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!(泣)」

「絵里達に膝枕…いや、絵里達とセックスしてぇええええええええええええ!!!」

 と、転生者AとBが泣きながら転がっていた。

 

「ふっ、無様ですね…」

 と、転生者Cが遠くであざ笑っていた。

 

「僕はあの二人のようには行きませんよ」

 眼鏡をクイっとあげて、その場を去っていった。

 

 

 ある日の事

「飛鳥せんぱーい!! 今日時間空いてるにゃ?」

 と、星空凛が飛鳥に話しかけてきた。凛の同級生である小泉花陽と西木野真姫も一緒である。

「特にないけど、何か用?」

「先輩はラーメン好きにゃ?」

「まあ…そうだね。好きな方かな」

 凛の問いに飛鳥は答えた。

「それだったら今日の放課後、みんなでラーメン食べに行くにゃ!」

「ラーメン…」

 飛鳥が凛を見た。

「な、何にゃ? 女の子がラーメン好きで悪いにゃ?」

「いや、そんな事ないけど」

 その時だった。

 

「そんな事ないはずないじゃないですか」

 と、Cが現れた。

「Cさん」

 飛鳥が名前を呼ぶと、凛、真姫がゴミを見る目でCを見た。

(こっわ)

 飛鳥が心の中で突っ込むと、温厚な花陽ですら、ちょっと嫌そうにしていた。

(もうよっぽどだぞ)

 

「いきなり出てきて何なのよ」

「彼は女がラーメンを食べてはいけないと考えてるんですよ。差別も甚だしいですね」

「女の子にしかいい顔しないあなたよりかはずっとマシだと思うけど?」

 真姫が痛い所をついた。

「何? 私がダメだったから、凛に乗り換えたの?」

「節制がないにゃ」

「り、凛ちゃん…それを言うなら、節操がない。だよっ」

 花陽が凛の言い間違いを訂正したが、飛鳥は静かに目を閉じてこう思った。

 

(やっぱり女の怖さはどこに行っても同じなんだなぁ…)

 

 と。

 

「まあ、そういう訳だから。あっち行って」

「ぐっ…!!」

 真姫がしっしっと手で払うと、Cは飛鳥を睨みつけた。

「ちょっと来なさい!!」

「!!」

 Cが飛鳥の手を引っ張って、連れて行こうとした。

「な、何するにゃ!!」

 凛が飛鳥にしがみついた。

「ぼ、僕は彼とちょっと話を…」

「どうせ凛たちに近づくなって脅す気にゃ!! 此間A先輩が飛鳥先輩を連れ出して、殴ったから信用できないにゃ!!」

(クソ…!! 余計な真似を!!)

 と、CはAに対して舌打ちしたその時、凛の胸が飛鳥の左腕に当たっている事に気づいた。

「!!!!」

 Cが目を見開いた。

「あの、離して戴けませんか?」

 飛鳥は気づいてない様子。

 

(このぉぉぉぉぉ~~~~~!!!! 転生ならではの羨ましいイベントが何故僕じゃなくてこいつに降りかかるんだ!! 主役はこの僕なんだ!!!)

 

 なんて思っていた。

「とにかく飛鳥先輩は渡さないにゃ!!」

 凛がそう強く引っ張ると、余計に凛の胸が飛鳥の腕に当たる。すると、花陽と真姫が気づいて頬を染めた。

 

「ちょ、ちょっと凛!!//////」

「凛ちゃん!!//////」

「にゃ?」

 

 凛が花陽と真姫を見た。

 

「ちょっと胸!!」

「え…」

 凛が胸元を見ると、飛鳥の左腕が当たっているのに気付いた。

「……!!!///////」

 凛は顔を真っ赤にした。

 

「にゃ―――――――――――――――っ!!!!!/////////」

 

 凛はものすごい勢いで飛鳥を引っ張って、Cの手を振りほどいた。そしてすぐさま飛鳥も離した。

 

「……」

 飛鳥は困惑しながら凛を見た。飛鳥の脳裏では、絶対自分のせいにするだろうなと思った…。

 

「ご、ごめんなさいごめんなさい!! わざとじゃないにゃ!!!/////// 凛はえっちな子じゃないにゃ!! それだけは信じて欲しいにゃあ!!/////」

 まさかの女性側が謝るというパターンだった。

 

『言っとくが、ワシは何もし取らんからな』

「……」

 

 そして花陽と真姫も飛鳥達に近づいた。

「ホントに気をつけなさいよ!!/////」

「ご、ごめんにゃあ…/////」

 真姫が注意すると、凛も謝った。

「ま、まあまあ…。一丈字先輩も奪還出来たんだし…////」

「そ、そうにゃ!! ここは早くずらかるにゃあ!!」

「ま、待ちなさい!! 話はまだ終わって…」

 するとクラスメイト達が塞いだ。

 

「ここは私達に任せて!!!」

「あ、ありがとにゃあ!! 一丈字先輩!!」

「え? あ、ああ…」

 と、飛鳥は凛に引っ張られてその場を後にした。

 

 

 そして…

「……//////」

「……」

 飛鳥と凛は見つめ合ったものの、凛は恥ずかしそうに上目遣いで唇を尖らせていた。それに対して飛鳥は困った顔をしている。真姫と花陽も頬を染めて困惑している。

 

「あの、星空さん…」

「分かってるにゃ。分かってるから何も言わないで!!//////」

 飛鳥が一息ついた。

「じゃあ最後に一言だけ。さっき起こったことはお話しませんし、忘れますから」

「……//////」

 凛が飛鳥を見つめた。

「一丈字先輩」

「何でしょう」

「その、先輩は…/////」

 凛がとんでもない事を言いだした。

 

「先輩は女の子のおっぱいは大きい方がいいにゃ? それとも小さい方?」

「え」

 飛鳥が驚いた。そして凛は自分の胸元を抑える。

 

「えっとね。星空さん」

「にゃ…」

「ノーコメントで」

 飛鳥が即答した。

「な、何で!?」

「いや、答えづらいから」

「そ、そりゃそうよね…」

 真姫も納得した。

「け、けど…//////」

 凛が視線を逸らした。

「でも…凛がおっぱい当てても、先輩…興奮しなかったにゃ/////」

「星空さん。それ所じゃなかったんだよ。Cさんの目がアレだったから」

「そうね。あいつの目、本当にヤバかったから」

「だからそんな事気にしなくていいんだよ」

 飛鳥が何とか話を逸らせようとするが、

「で、でもでも!! 凛の事、ちゃんと女の子として意識してるかどうか心配で…」

「星空さん」

 飛鳥が困惑した。

 

「それはひょっとして…プロポーズ?」

 空気が止まった。

「にゃ…//////」

 凛がさらに顔を真っ赤にして涙目になった。

 

「これだけ言っとくね。今は誰とも付き合えないけど、ちゃんと女の子として意識してるよ。だってこんなに可愛いもの」

 飛鳥が苦笑いした。

「小泉さんもそう思うでしょ?」

「は、はい!! もちろん!! 抱きしめちゃいたいくらいかわいいです!!//////」

「だから大丈夫。自信持って」

 飛鳥が凛に目線を合わせて口角を上げた。

「さて、オレはそろそろ行かなきゃ。ラーメンの話はまた今度にしようか。Cさんが何してくるかわからないし」

「!!」

 飛鳥が去っていこうとすると、凛たちの方を振り向いた。

「あ、そうだ星空さん。これだけは覚えといてね」

「?」

 飛鳥が口角を上げた。

 

「女の人はね、誠実さと愛嬌があれば絶対に大丈夫だから。じゃ!」

 そう言って飛鳥が去っていった。

 

(なんか本来の話とズレた気がするけど…まあいいや)

『お前さん…中々才能あるのう…』

『いや、まさか』

 

「……//////」

 凛はうずくまった。

「り、凛ちゃん…/////」

「何も言わないでほしいにゃ…//////」

 

 

 ちなみにCは女子達にボコボコにされてました。

 

 

つづく

 


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