ダシマ式ラブライブ!「転生者・一丈字飛鳥」   作:ダシマ

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第45話「無茶は主役の華」

 

 

 音ノ木坂学院

 

「……」

「……」ニコォ

 

 帰ってから早々、飛鳥は理事長室に呼び出された。山田も雛子と同じく怖い顔をしている。

「浦の星女学院から連絡がありました。アナタが多くの女子生徒を救ったと」

「そうですか…」

「アナタのやった事は大変立派です。ですが、それを何故私達に報告してくれなかったのですか?」

「メールを送らせて頂きましたが…」

「確かに届きました。ですが、これは事後報告ですよね? 何故事前に報告してくれなかったのですか?」

「被害に遭った女子生徒の安否を気遣うあまり、報告を忘れました」

「今度からは事前に報告なさいッ!! あと、勝手に学校から出てはいけませんッ!!」

「申し訳ございませんでした!!」

 飛鳥が頭を下げた。

 

 1組教室

「えー…。そういう理由があって学校を抜け出しました。本当にご迷惑をおかけして、誠に申し訳ございませんでした…」

 飛鳥が深く頭を下げて謝罪をした。

「もう! 本当に吃驚したよぉ…」

「うん…。でも、本当にその女の子が無事でよかった」

「……」

 海未が俯いた。

 

「それはそうと飛鳥くん」

「何ですか?」

「…まだ、その子に会うつもりなの?」

 穂乃果がジト目で見つめる。ことりと海未も心配そうに見つめる。

 

「ヤキモチ?」

「ちがうよっ!!/////」

 穂乃果が頬を染めて否定した。

 

「一応次の休みで最後にするつもりです」

「どうして?」

「最後の決着をつけに。あの子のスクールアイドルライフの。最後まで見届けたくなりましてね」

「そ、そうなんだ…」

「……」

 その様子を見ていた深山が口角を下げた。

「一丈字くん」

「はい」

「それは構わないけど…。いくら何でも無茶し過ぎよ」

「申し訳ございません」

 飛鳥が俯いた。

 

「そうだよ! 出来る事があったら穂乃果達だって手伝うよ!?」

「気持ちは有り難いですが、高坂さんは冗談抜きで今度のテストを頑張ってください。まずはそこからです」

「……」

 寂しい気持ちになる穂乃果だった。

「飛鳥くん。文句言いたいのは穂乃果達だけじゃないからね」

「ええ。覚悟はしております」

 

 その様子をフォートリオが聞いていた。

「ど、どういう事だ!!?」

「何故Aqoursがこの世界に…」

「他の転生者が…」

 3人が顔を合わせると、下種な妄想を浮かべた。

 

(こりゃあいい! μ’sとAqoursのハーレムも捨てがたい!! μ’sは海未だが、Aqoursは梨子だ!!)

(μ’sでは絵里押しだが…Aqoursはマリー押しだ!!)

(Aqoursでは善子ですね。ですが、僕が彼女を従えますが)

 

 そうすると…。

 

(何としてでもあいつには消えて貰わねば!!!)

 と、飛鳥の抹殺を改めて誓った。

 

 

 その夜。飛鳥がのんびりしていると電話が鳴った。相手は千歌であると、飛鳥は確信して電話に出た。

 

「もしもし一丈字です」

「もしもし…」

 

 電話の相手は予想通り千歌だったが、元気がない。

 

「ああ。高海さんですか。一丈字で」

「何で急にいなくなったんですか!!」

 千歌が怒鳴った。

 

「……」

 飛鳥が黙っていると、千歌が涙を流した。

「…お礼、言いそびれたじゃないですか」

「お気遣いなく。それよりも、日曜日に向けて練習はちゃんとしていますか?」

「う、うん…あ、ちょっと待って。代われって」

「?」

「もしもし!? 飛鳥くん!? 志満ですけど…」

 千歌の長姉である志満の声がした。

 

「志満さん」

「その…千歌を助けてくれたって本当なんですか?」

「ご無事で何よりです」

「……」

 飛鳥の言葉に志満が黙り込む。

 

「…志満さん」

「一丈字くん…」

「?」

 志満は口元をつぐませて、泣くのを堪えている。

 

「本当に何てお礼を言えばいいのか…」

「お気持ちだけで結構です。今は千歌さんのケアと、日曜日に行われる遠泳大会の応援をしてあげてください」

「……」

 志満がまた黙り込んだ。

 

「志満さん」

「な、何?」

「浦の星女学院がどうなるって…まだ聞いて無いですよね」

「聞いて無いわ」

「そうですか…」

 志満が口元を噤んだ。

 

「…ゴメンなさい。美渡がちょっと代わってくれって」

「分かりました」

 飛鳥が美渡に電話がかわるのを待った。

 

「もしもし」

「もしもし」

 美渡の声がしたが、ちょっと怒っていた。

「アンタ…千歌を助けたんだって?」

「ご無事で何よりです」

 志満と同じような言葉を言うと、美渡が息を大きく吸った。

 

「このバカ!!! 無茶してんじゃないわよ!!!」

 美渡が怒鳴った。

「…申し訳ございません」

「ホントに…もし、アンタの身に何かあったら、アンタの親御さんに申し訳ないわよ…」

「あ、はい…」

「お父さんとお母さんに何か言われなかった?」

「いや、僕1人で暮らしてるので…」

「あ、1人暮らしなんだ。実家にいるんだね?」

 

(神様。そういや私って家族居ない設定でしたっけ)

(天涯孤独だ)

(なのにこの生活!!?)

(ラブライブの世界だ。いる筈ないし、お前の父親と母親は1人ずつだけだろう)

(そうですけど…)

 飛鳥が困惑した。

 

「…あ、はい」

 飛鳥が苦し紛れに答えた。

「…そう」

(絶対家族居ないって思われてるー)

 飛鳥は心の中で両親に謝った。殺してごめんなさいと。

「ま、まあとにかく! 千歌さんが無事だったらいいじゃないですか。それで」

「良くない!!!!」

 美渡が怒鳴った。

 

「それはそうとアンタ…日曜日こっち来るのよね。千歌の応援の為に」

「はい」

「土曜日って予定ある?」

「今の所はないです」

「だったら来なさい。宿代とかサービスするから」

「……」

「何? 嫌なの? 断る権利あるのかしら」

 美渡が威圧をかけた。

 

「いや、宿泊に関して、志満さんに少し質問があるのですが」

「アタシでも良いわよ」

「あの、土曜日の空き部屋ってどれくらいありますか? もしかしたら10人程泊めて頂く可能性があるんですけど」

美渡「10人!!? 流石に全員分サービスすんの無理よ!」

「いや、全額ちゃんとお支払いしますので…」

「恩人に金取れるか!! 10人って確定じゃないのよね!?」

「ええ。私一人でそちらにお伺いするかもしれません」

「ちょっとちゃんと確認してきて! 人数によるから!」

「分かりました…」

「あ、念の為もう1回言っておくけど、アンタは土曜日に来て泊まりなさい! 色々聞きたい事あるから! 分かったわね!」

「予定が入ってなければ…」

「分かった。アンタの学校の偉い人に言っとくから」

「行きます」

「じゃ、宜しくー」

 と、美渡が電話を切った。

「……(汗)」

 

 翌朝

「えー、そういう訳なので、行きたい方は今日中に返事ください」

 飛鳥がμ’sにメールを送ると…

 

 その夜

「志満さん。部員全員でそちらに伺います」

「分かったわ」

 飛鳥が電話で報告した。

 

 千歌の部屋

「……」

 あれから、協力的になってくれた曜の指導の元、千歌は遠泳の特訓を受けていた。

 

 そんなこんなで土曜日がやって来た。

「やって来た! 静岡―!!!」

 μ’sが内浦に降り立った。飛鳥が頭をかいた。

 

「それにしても…この時期に遠泳をやるなんて」

「海でやるのではなくて、新しく出来るプール場でやるんですよ。そこで延々と泳ぎ続けるのです」

 真姫の言葉に飛鳥が説明した。

 

「飽きないかにゃー」

「だからこそ、今回のテストにもってこいなんですよ。同じ事を続けられるかどうかを試すには。それはそうと…」

 凛の言葉に飛鳥が答えると、怪訝そうにある人物を見た。

「まさか山田先生が顧問として来られるとは…」

「不満か?」

「いや、本当にやって頂いて良かったんでしょうか?」

 山田が引率者になっていた。ちなみに深山よりも先に申し出ていた。

 

「おーい!!!!」

「?」

 美渡が現れた。

「こっちこっちー!!」

「美渡さん!?」

 飛鳥が美渡を発見し、そのまま近づく。

「音ノ木坂学院ご一行様ですね?」

「はい。宜しくお願い致します」

 

 山田がそう答えると、美渡は飛鳥をチラチラ見ていた。

「…何かずっと見られてるわよ」

「ナンデデショウ」

 にこが飛鳥に近づいて話しかけると、飛鳥が片言で返事した。

「そりゃ浦の星と千歌ちゃん家を救った英雄様やもん」

 希がそう答えた。

 

「それじゃご案内しまーす。貸し切りバスに乗ってください。あ、そこの男の子は私の隣に来るように」

「……(汗)」

 

「……」

「……」

 バスの中、隣同士になった美渡を見て、飛鳥は冷や汗をかいた。

 

「それはそうと楽しみだねー」

「そ、そうだね」

「穂乃果。ちゃんと勉強道具は持って来たでしょうね?」

「持ってきたよ。ノートと鉛筆!」

「教科書は?」

「……」

「分かりました。こんな事もあろうかと、私がテキストを持って来ています。それ使いましょう」

「あああああああああん!!!!」

 飛鳥が困惑した。

 

「それはそうと飛鳥くん」

「はい」

「此間はうちの妹を助けてくれてありがとう」

「はい」

 山田が反応した。

 

「先日はうちの生徒がご迷惑を…」

「いや、もう本当にとんでもありません。お宅の一丈字くんが来てくれたお陰で、最悪の事態を免れました。他の親御さんも一丈字くんにお礼を言いたいと仰ってるくらいなんですよ」

「そ、そうですか…」

「ええ。うちの妹、とてつもなく恥ずかしい下着を着せられてて、行為に及ぶ前に止めてくれたんです」

「……」

 

(あぁ、下着を見た事に関して追及されるな)

 飛鳥が横を見る。

「そ、その…とてつもなく恥ずかしい下着というのは…」

「えっと、ピンクのブラジャーにガーターベルトをしてたって言ってたわね」

(それ、喋って大丈夫なの!!?)

 空気が止まった。

 

「は…はははははは破廉恥です!!!//////」

「と、とってもえっちにゃ!!!/////」

「これからお会いしますけど、本人の前では絶対に話さないように」

「あ、それはそうと飛鳥くん」

「?」

 美渡が口角を上げた。

 

「アンタに下着姿を見られたことに対してね」

「裁判起こすって言ってました?」

「言ってないわよ!! ただ、あの後自分の下着姿を鏡で確認してたわよ」

「それ喋って大丈夫なんですか!!?」

「大丈夫よ。ていうかあの子、今までそんなに下着とか気にした事無かったのに。やっぱり男の子に見られて、少しは気にするようになったんじゃない?」

「……」

 

「私も学校を追い出される時が近づいてるようです」

「それは無いから安心しろ」

「女の子の下着姿を見るのは流石にえっちにゃ!」

「美渡さん。私、野宿しますのでどこか寝れる所紹介してください」

「それはそれで悪いよ!!!」

 

 こうして、飛鳥達は高海家の宿に近づいていった。

 

 

「間違いない…高海美渡だ」

「ああ…」

「……」

 フォートリオもついてきていたが、いかにも気持ち悪い目つきと舌なめずりを見せていた。

 

 

(μ’sとAqoursをまとめていただきまーす!!!)

 

 

つづく

 

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