ダシマ式ラブライブ!「転生者・一丈字飛鳥」   作:ダシマ

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第47話「輝いてみせる!(後編)」

(緊張してるな…)

 強がっていても緊張しているのが分かっていたので、飛鳥はどう声をかけようか考えていたその時だった。

 

「千歌ちゃん♪」

千歌「?」

 

「がしっ!!」

 

 何という事でしょう。希は背後から千歌の胸を揉んだ。

 

「ぴゃ―――――――――――――――っ!!!/////」

「!!!/////」

「……」

 飛鳥は静かに目を閉じた。

 

「リラックスできた?」

「え、あ、え、えっと/////」

「ゴメンね。うちのバカが本当にゴメンね」

「にこっちに言われたないわ」

「誰が馬鹿だってぇ!!?」

 にこが謝罪するが、希が茶々を入れて激怒した。

 

「まあ、冗談抜きで頑張りや」

「は、はい!」

 その時だった。

 

「千歌ちゃん」

「!」

 

 曜、梨子の他に、ダイヤ、果南、鞠莉、ルビィ、花丸、善子が現れた。

(あれ? いきなり勢ぞろいだな…)

「連れてきたよ」

「……!」

 神妙な面持ちをするダイヤ。

「千歌さん」

「!」

 ダイヤと千歌が向かい合う。

 

「あなたがどれだけ本気か、見せて貰いますわ!」

 千歌が口角を下げた。

 

「はい!!」

 千歌が返事した。

「千歌…」

「信じましょう。彼女を」

 心配そうにする果南を鞠莉が諭した。

 

「それじゃ皆さん! 行ってきます!!」

 千歌が更衣室へ歩いていった。

「溺れんなよー!!」

「分かってる!!」

「……」

 ちなみに旅館は他の従業員に任せている。

 

「……」

 すると飛鳥も更衣室に向かって歩き出した。

「ちょい待ち。アンタはこっちでしょ」

 にこが止める。

「え、まさか覗きをするつもりじゃ…」

 穂乃果の言葉に皆が飛鳥を疑い出した。

 

「何しに静岡まで来てるんですか。私も出場するんですよ」

「え?」

 飛鳥が微笑んだ。

 

「千歌さんの2倍の20㎞コースで。山田先生には事前にお話ししています」

「全く…無茶すんなよ?」

 μ’sや曜達、美渡は驚いていた。

「ど、どうして遠泳すんの!?」

「アンタ! あの子の応援しないといけないんじゃないの!!?」

「それはそうですけど、もう一つ目的があるんですよ」

「?」

 

「千歌さんに教えるんですよ。突然起きたアクシデントの対応の仕方をね」

 飛鳥が口角を上げた。

 

「ま、結果的には千歌さんが20周泳げばいい訳ですから。それでは、行って参ります」

 そう言って飛鳥も去っていった。

「……」

 呆然とする穂乃果達。

 

 

 女子更衣室

「……」

 スクール水着に着替えた千歌は念じた。

「よし!!」

 絶対成功するようにと念じながら、千歌が外に出てきた。

 

「え…」

「……」

 しかし、出てきた矢先千歌の目の前には競泳水着に着替えた飛鳥の姿がいた。

 

「い、一丈字さん!!? 何で…」

「驚いた?」

 飛鳥が口角を上げた。

 

「一丈字さんが出場するなんて一言も…」

「いやね、スクールアイドルやるんだったら、予想だにしないアクシデントにも慣れて貰わないと」

「!」

「柔軟な対応力も必要だよ」

「……」

「それでは競技を開始します! 出場者はこちらに集まってください!」

「行こう」

「は、はい…」

 飛鳥が移動すると千歌もついていき、ゼッケンをつけられた。

 

 観客席

「…まさか飛鳥くんも出場するなんて」

「本当に私達や千歌さんの為に頑張ってくれてるんですね」

「……」

 他のメンバーも驚いていた。

 

(千歌ちゃん…)

 曜達も千歌を見守っていた。

 

「それでは、位置について!!」

「……」

「よーい…ドン!!!」

 

 そして飛鳥と千歌が泳ぐ時間帯のレースが始まった。この時午前9時である。

 

「高海さん。これは順位を競うものではないので、焦らないで行きましょう」

「は、はい!」

 飛鳥は千歌に並走していた。

 

「へ、並走なんてありなんですの!!?」

「ルール上、問題ないネ!」

「そうだよ。それに並走って言っても、あの子は千歌の2倍泳がないといけないんだから、寧ろあの子が大変だよ」

 曜も真剣な顔をした。

 

 そしてその後、飛鳥と千歌はずっと泳ぎ続けた。

「……」

「高海さん。後もう少しだ!」

「は、はい…」

 15周目にさしかかった所、千歌の体力は限界に近づいていた。

「ハァ…ハァ…」

 千歌は力が入らなくなっていた。

 

(つ、辛いよぉ…苦しいよぉ…)

 と、千歌は何とか手足を動かして耐えていた。それににこ達が気づいた。

 

「あ、あいつら止まってるわよ!」

「体力が限界に近づいとるんやろうな」

「千歌ちゃん!!」

 と、皆が慌てだした。

「どうすんのよ! あのまま止まってたら失格なんでしょ!!?」

「千歌ちゃん…」

 曜が歯軋りして、立ち上がった。

 

「!?」

 曜が息を大きく吸い込んだ。

 

「千歌ちゃーん!!!!!!」

 

「!?」

 飛鳥と千歌が曜を見た。

「全速前進!!!!! ヨーソロー!!!!」

 と大声で叫んだ。手や足を豪快に振って応援していた。

「曜ちゃん…」

「……」

 千歌と飛鳥が曜を見ると、ルビィたちもそれぞれ顔を合わせて立ち上がった。

 

「頑張るずら~~!!!!!!」

「が、頑張るビィ~~~~!!!!!」

 花丸やルビィも応援すると、皆も続いて応援し始めた。

 

「みんな…」

 飛鳥が口角を見た。

「千歌」

「?」

 千歌が飛鳥を見た。

「やめる?」

「え?」

 

「皆が応援してる。だけど、本当に無理しなくてもいい。やめる?」

「……!」

 千歌が口角を下げる。その時だった。

 

「バカチカー!!!!」

「?」

 美渡も立ち上がっていた。

 

「根性見せろー!!!!!」

「……!」

 志満も千歌を見ていたが、美渡と同じ気持ちだった。

 

「さあ、どうするんだ? やめるか?」

「やる!!!」

 千歌が叫んだ。

 

「最後までやるよ!! 行こう!! 一丈字さん!! 0から1にする為に…私はやるんだ!!!」

 千歌の表情を見た飛鳥は確信した。

 

「行こう!!」

「うん!!」

 飛鳥と千歌が再び泳ぎ出した。

 

「……!!」

 ダイヤは昔の事を思い出した。舞台で呆然と立ち尽くして何もすることが出来なかった自分達の姿を。

 

「ダイヤ」

 後ろから果南が抱きしめた。周りの皆が不思議そうに見つめる。

 

「もう千歌にスクールアイドルをやらせてあげようよ」

「!」

「私達がいけなかったんだよ」

 果南が涙を流した。

 

「逃げずにちゃんと続けてれば良かったんだよ。自分達に甘えないでさ」

 

「果南さん…」

 ダイヤの目から涙が溢れ出た。

「お姉ちゃん…」

 ルビィが心配そうに見つめる。

「カナンの言う通りヨ。ダイヤ」

「!」

 ダイヤが鞠莉を見た。

「アスカも言ってたでショ。自分達の勝手な都合で、他の子のアイドル活動を邪魔するなって。そんな事をやってるからいけないんだって」

ダイヤ「……!!!」

 ダイヤはそのまま嗚咽した。

 

「頑張れ!! もう少しだ!!」

「はい!!」

 飛鳥と千歌は最後まで一緒に泳いだ。どんなに少しずつでも、ゴールに向かって…。

 

「……!!」

 μ’sやヒフミトリオも感動して泣いていた。

 

 そして最後の周。

「行くぞ。高海さん」

「うん…」

 飛鳥と千歌が顔を合わせて進み、ラインを割った。

 

「20周クリアー!!!!」

 事前に配布された腕時計が千歌の分だけ光っていた。千歌がクリアしたのを分かると皆が喜んだ。

 

「やったぁ!!! 20周泳ぎ切ったよ!!」

「やったやったー!!!」

 μ’sも自分の事になって喜んでいた。

 

「志満姉…!」

「ええ。本当に最後までやったわね。これなら…」

 志満が口角を上げた。

 

「それにしても美渡」

「何?」

 志満が美渡の顔を見てクスッと笑った。

 

「応援に凄く気合が入ってたわね」

「…千歌には内緒で/////」

 美渡が頬を染めた。

 

「やったよ!!」

「おめでとうございます。ゆっくり休んでください。他の人の邪魔になるから出口の方に」

「…あれ?」

 千歌がある事に気づいた。

「一丈字さんの時計がなってないよ?」

「ええ。だって私、まだ半分ですもん」

「え?」

 飛鳥が口角を上げた。

 

「高海さん、本当にお疲れ様でした」

 そう言って飛鳥は泳いでいった。

 

「え…ええええええええええええええええ~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!?」

 

 

つづく

 

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