前回までのあらすじ
浦の星女学院でのスクールアイドル活動を認めて貰うため、途中で投げ出さない事を証明する為に、遠泳大会に参加した千歌。しかし、参加直前に飛鳥が参加する事が発覚。戸惑う千歌だったが、そのまま大会が行われる事になった。
終盤に差し掛かり、体力が限界に近づく千歌だったが、ずっと併泳していた飛鳥の言葉、観客席からの曜達の応援により、活気を取り戻し、目標としていた10㎞遠泳を見事に成功させた。
千歌の成功を見届けた飛鳥は、自身のノルマである20㎞遠泳を成功させる為、千歌に別れを告げて、遠泳を続けるのだった。
「な、何だあいつ!! 滅茶苦茶早いぞ!!?」
「音ノ木坂学院の奴だ!!」
「な、何者なんだ!!?」
飛鳥が全速力で泳いでいたが、次々と選手を追い抜いていった。
「……」
μ’sは絶句していた。
「ち、千歌先輩がゴールした途端に凄く早くなってるずら…」
「うゅ…」
「な、何者なのよ…アイツ」
「善子ちゃん! 年上ずら!」
花丸、ルビィ、善子が驚きを隠せなかった。
「あ、飛鳥さん…」
「す、すごい…」
泳いでる飛鳥を見て、海未とことりは驚いていた。
「あ、でもよく考えたら飛鳥くん…体育ダメじゃなかったっけ?」
「だから競泳水着着とるんやん。肌を隠す為にな」
「!」
皆が希を見た。
「それに、今日はそんなにアツないやろ。暑過ぎたら棄権するつもりやったんちゃう? だけど、飛鳥くんの事やから…多分無理しとったやろうな。千歌ちゃんとうち等の為に」
「……」
穂乃果が飛鳥を見つめた。
「だけど、何で20㎞もやる事になってんのよ。肝心の千歌より10㎞多いし。確か20㎞完泳したらインタビューして貰えるんでしょ?完全に自分が目立とうとしてるだけじゃない」
皆がにこを見ると、希はため息をついた。
「な、何よ! ため息つく事ないでしょ!」
「ホンマに何も分かっとらんな。それでも宇宙No.1アイドルなん? 片腹痛いわ」
「全然痛そうに見えないわよ!」
千歌も遠くから見つめている。
「一丈字さん…」
そんなこんなで飛鳥は20㎞完泳した。
「終わった…」
飛鳥がプールから出てきた。
「おめでとうございます!! 20㎞運営完了しましたね!」
と、インタビュアーが出てきた。
「ありがとうございます」
「こちらへどうぞ!」
と、そのまま飛鳥はインタビュー場へ連れられた。
第1部・参加者全員の競技終了後…
「皆さん! 大変お疲れ様でした!」
司会者がマイクでアナウンスをした。
「それでは、20㎞を遠泳した参加者の方々にインタビューを行いたいと思います!」
と、飛鳥以外の20㎞を遠泳した選手にインタビューが行われていた。
そして飛鳥の番が来た。
「次は飛鳥くんの番にゃ!」
「うん…」
「おめでとうございます!」
「あ、はい…ありがとうございます」
飛鳥がインタビューを受けていた。
「20㎞を泳いだ感想は如何ですか!?」
「え、まあ…最後まで泳ぎ切れて良かったですね」
「バカ!もうちょっと明るく喋りなさいよ!」
飛鳥がやや冷めた感じにインタビューに答えていた為、にこがツッコミを入れた。
「ありがとうございました! 続いてなんですけど…」
(まだあるのか)
飛鳥は困惑していた。
「そういや一丈字さんは前半、女の子とずっと一緒に泳いでましたけど…」
「ああ。彼女の事ですか? 残念ながらスキャンダルになるような事はございませんよ。彼女は内浦にある「浦の星女学院」の生徒さんです」
「!」
千歌達が反応した。
「スクールアイドルを目指されてるんですけど、ご家族や周りの方が本当に出来るかどうか、ご心配されていたので、今回この遠泳を通じて本当に出来る事、最後までやり切れる事を証明する為に参加されたんですよ」
「その彼女とはどこで知り合ったんですか?」
「えーとですね…。これは一部あの子に口止めされていますし、話せば長くなるのですが」
「構わん。続けろ」
「良いんですか!? ていうか何で命令形!!?」
飛鳥のツッコミに笑いが生まれた。これにより、音ノ木坂学院と浦の星女学院の知名度が上がったのは言うまでもない。
「飛鳥くん…」
「何て言うか…凄く喋るの上手いわね。慣れてるのかしら…」
絵里と真姫が呆れていた。
「…そういう訳で、彼女…高海さんをサポートする事を理由に参加させて頂きました」
飛鳥が真剣な顔をした。
「そうですか…」
「まあ、これで彼女の方は大丈夫でしょう。約束もちゃんと守りましたし」
「……」
鞠莉が口角を上げて、立ち上がった。
「!」
鞠莉が両手で大きく○を作った。
「大丈夫でしたね。後はちゃんと話をするだけですね」
飛鳥が千歌を見た。
「あ、沢山時間を割いて頂いてありがとうございました」
「あ、はい…ありがとうございましたー!!!」
こうして、インタビューは終わった。
そして…
「……」
「……」
千歌、曜、梨子とダイヤ、果南、鞠莉が向き合っていた。それを飛鳥達が囲んだ。
「そういやかよちんは?」
「…トイレだって」
花陽だけいなかった。
「千歌さん」
「はい…」
ダイヤは静かに目を閉じた。
「今でも正直に言えば、スクールアイドルにかける知識や情熱に関しては、私から見てまだまだ未熟です」
「はい…」
「ですが…」
「!」
ダイヤが千歌を見た。
「今回の頑張りは…素直に認めざるを得ません。よく頑張りましたね」
「ダイヤさん…」
「それじゃ…!!」
「ただし!!」
「!?」
ダイヤが声を張り上げて、千歌を睨む。
「…やるからには、浦の星女学院の名前を背負っている事を自覚して、途中で投げ出さないように!」
千歌が口角を下げて、真剣な顔をして返事をした。
「千歌…」
凛とした顔つきを見て、果南は口角を上げた。
「それで良いんですわ」
ダイヤが苦笑いした。
「そう言えば黒澤さん達はこれからどうするんですか?」
「え?」
飛鳥がダイヤに質問をすると、ダイヤは飛鳥を見た。
「Aqoursは解散したって聞いたんですけど…」
「やらないんですか!?」
ダイヤ、果南、鞠莉の3人が顔を合わせた。
「わ、私達はもう3年ですし、受験もありますから…」
飛鳥が口角を下げたその時、
「嘘ばっかり!」
「!」
ルビィが口を開いた。
「お姉ちゃん…嘘ついてる! 本当はまだスクールアイドルをやりたいんでしょ!」
「ルビィ…」
ルビィが口角を下げる。
「まさか…自分達が前にやった失敗がまだトラウマになってるんですか?」
「そ、そういう訳では…」
ダイヤが視線を逸らした。
「映像があったので、見せて頂きましたよ。あのライブが最後でしたよね?」
3人が反応すると、ルビィが千歌を見た。
「千歌先輩!」
「?」
ルビィが千歌に頭を下げた。
「お願いします! お姉ちゃん達にもう一度スクールアイドルをやらせてください!」
ルビィが頭を下げた。
「お姉ちゃん…ずっと千歌先輩達に厳しい事を言ってましたけど、本当はAqoursの事も忘れられなかったんです! 一丈字さんが言っていたように、千歌先輩達がスクールアイドルをやる事で、Aqoursが消えるんじゃないかって…」
ルビィの声が段々涙声になると、花丸が肩を抱く。
「あ、その事でダイヤさん達に話があるんです!」
「?」
千歌がダイヤ達を見た。
「ダイヤさん達も一緒にやりましょう!! スクールアイドル!!」
「!」
つづく