「千歌…」
千歌が俯いた。
「それがダメだったら…Aqoursの名前を使わせて頂けませんか!!?」
ダイヤ・果南・鞠莉の3人が驚いた。
「……」
ダイヤはどうしたらいいか分からなかった。
「本当にいいの? 千歌」
「え?」
果南が千歌を見つめた。
「本当に…もう一度やらせてくれるの? スクールアイドル」
「…うん!!」
鞠莉が口角を上げた。
「それじゃお願いするわ。アナタが逃げずに最後までやり切ったのに、ワタシ達が逃げたままじゃ、収まりがつかないもの。ダイヤ」
「……」
鞠莉がダイヤを抱きしめた。
「本当にいい後輩や妹を持ったじゃない。アナタ…いえ、私達は本当に幸せ者ヨ」
ダイヤの目から大粒の涙が溢れた。
「……!!」
μ’sの殆どのメンバーが貰い泣きした。飛鳥が口角を上げた。
その時だった。
パチパチパチ!
という拍手の音と共に、A、B、Cが現れた。
「Aさん!!?」
「B!!」
「Cまで…」
不敵な笑みを浮かべて堂々と現れた。警戒する飛鳥と穂乃果達だったが、飛鳥が何かぼそぼそと念じた。
「ここまでつけてたなんて…」
「どういうつもりよ!!」
と、にこが怒鳴ると。
「おっと怒らないでくれ。オレ達だって素直に祝福したいんだよ」
「そう。本当の意味でオレ達と君たちの関係も0から1に…」
飛鳥が超能力を普通に使って3人を痺れさせた。
「ぎゃあああああああああああああああああああ!!!!」
3人が倒れこむと、花陽がいた事に気づいた。
「かよちん!!」
花陽は縄で口と体をふさがれていた。
「お前ら…!!!」
山田が激昂した。そして飛鳥が指を動かすと、花陽を吸い寄せた。
「!!!」
助けられた花陽自身も何が起きているか分からなかったが、凛と真姫が目の前にいる事で安心しきったのか、大粒の涙を流していた。
「あ、飛鳥くん…!!?」
「……」
飛鳥は前に立った。
「て、てめぇ…!!」
フォー達が立ち上がると、飛鳥は穂乃果達の方を振り向いた。
「小泉さんを無事に助ける為には、こうするしかなかったんです」
「!」
飛鳥が口角を上げた。
「あとは私に任せてください」
飛鳥がAたちを睨みつけていた。
「な、なんだてめぇ!!」
「これ以上てめぇの良いようにさせるか!!」
「あなたの天下もこれで終わりです!!」
飛鳥はAたちの前に立つと、本気で超能力を使いはじめ、手から黒い影のようなものが出て、Aたちを拘束した。
「!!!」
「ぐわあああああっ!!!」
A、B、Cはなすすべもなく捕まった。
「く、くそぉ!!」
「ほどけねぇ!!」
「こ、こんな時こそ異世界で培ったチートを…」
「無駄だよ」
「!」
飛鳥はAたちに近づいてしゃがんだ。
「もうお前達はチートを使えない。神様も運営もお怒りだ」
「!!!」
穂乃果達もフォー達も驚いた。
「もうお前達は終わりだ。英雄ごっこはもうおしまい。現実の世界に戻る時が来たんだよ」
飛鳥がそう言い放つと、Aたちは青ざめた。
「ウソだろ…」
「そんな筈がねぇ!!」
「どうしてあなたが!!」
するとAが気づいた。
「待て!!! それだったらやっぱりお前は運営と繋がってたのか!!?」
「ああ」
飛鳥はあっさりと答えると、何やら念じた。
「飛鳥くん…」
穂乃果が話しかけたが、ショックを受けていた。
「さ、さっきから一体何の話をしてるの…?」
飛鳥が悲しそうに穂乃果達の方を見た。
「高坂さん」
「!」
飛鳥は静かに目を閉じた。
「ごめんなさい」
「!!?」
すると飛鳥とフォー達の身体が光り始めた。
「あ、飛鳥くん体が!!」
「飛鳥さん!!!」
と、皆が悲鳴を上げた。
「信じて貰えないかもしれないんですけど、私とフォーはこの世界の住人じゃないんですよ。別の世界から来たんです」
「え…」
何を言っているか信じられない穂乃果達だったが、今目の前で飛鳥はゲームのように消滅しようとしている。
「そ、そんな!! オレ達はどうなるんだ!!」
「嫌だ!! 現実の世界に戻りたくない!!」「
「このまま持て囃されてたい!!! 助けてくれぇ!!!」
と、フォー達は絶望し、泣き叫んでいた。その様子を飛鳥は見ていた。
「皆さん。本当にこの3名の悪行を今まで止めれなくてすみませんでした。ですが、もうこれで終わりです」
「……!!!」
穂乃果がショックを受けた。
「本当にどういう事なの!!?」
「ちゃんと説明してください!!!」
「……」
ことりと海未の言葉に飛鳥は目を閉じた。
「飛鳥くん!!」
「飛鳥さん!!」
という声がした。千歌たちも叫んでいる。
「皆」
希が言い放った。
「……!!」
希が飛鳥を見た。
「よう分からんけど…飛鳥くん。君がそいつらをやっつける為に色々頑張ってくれた事は分かった」
「東條さん…」
希は口角を上げて、飛鳥に近づいた。
「寂しくなるなぁ」
希は苦笑いした。
「しかも急にいなくなるやなんて、君ホンマに女泣かせやで」
「東條さん…」
希が飛鳥にハグしたが、静かに涙を流した。
「ホンマに…今日までありがとうなぁ…」
「……」
すると飛鳥は千歌を見た。
「高海さん」
「!!」
飛鳥が口角を上げた。
「今の貴方ならもう大丈夫。私はもういなくなるけど、あなたには渡辺さん達がついてる。そして…水泳大会。とても輝いてました」
「……!!」
千歌が大粒の涙を流した。そして飛鳥は穂乃果達を見た。
「高坂さん。そして、皆さん」
「!!」
「急にこんな事になって、本当にゴメンなさい。名残惜しいですが、ここでお別れです」
「そ、そんな!! 嫌だよ!!! 飛鳥くんがいなくなったら穂乃果達…」
「それも大丈夫です」
「!」
飛鳥が口角を上げた。
「私がいなくなっても、皆さんも沢山の人達がいてくれて、皆さんがあなた達を愛してくれます。だから悲しまないで」
すると飛鳥を包む光が強くなった。
「皆さん」
「!」
「短い間でしたがお世話になりました。本当にありがとう」
そして飛鳥とフォーは消えた。
「……!!!」
穂乃果達は涙を流していた。
「飛鳥…くん…」
そして
穂乃果「あっという間だったねー」
千歌「そ、そうだね…」
Aqoursとの別れの時、音ノ木坂の関係者がバスに乗り込もうとしていた。
穂乃果「Aqoursも9人体制かー」
花丸「まあ、オラは運動は得意んじゃないけど、面白そうだし…」
善子「……」
スクールアイドルをやりたがっていたルビィ、付き添いで花丸と善子が加入した。
曜「また遊びに来てね」
ことり「うん!」
梨子「頑張ってね」
海未「ありがとうございます」
μ’sとAqoursの交流が深まって、飛鳥が口角を上げていた。
絵里「それはそうと、飛鳥くん今日も大活躍だったわね」
飛鳥「それは違いますよ。絢瀬さん」
絵里「え?」
希「せやで。今回凄く大活躍したんは…千歌ちゃんや」
千歌「えっ!!? そ、そんな事は…」
飛鳥「あるよ。高海さんが途中で投げ出さずに、最後までやり切ったから皆の心を動かしたんだ。オレの心もね」
飛鳥が口角を上げた。
飛鳥「あ、今だから言うけどね高海さん」
千歌「?」
飛鳥「途中で「やめる?」って聞いたでしょ」
千歌「はい」
飛鳥「で、君はやめない、最後までやるって言ったじゃない」
千歌「はい…」
飛鳥「あの時の顔がね、一番輝いてたよ」
千歌「そ、そうでしょうか…」
飛鳥「勿論。だって本当に確信したよ。君なら出来るって。その気持ちをずっと持ち続けるんだよ」
千歌「は、はい…」
飛鳥「あ、でもね」
千歌「?」
飛鳥「本当にダメだったらやめてもいいんだよ。君は頑張り屋だから、無茶するだろうから。あと、もう一人じゃないから、渡辺さん達にも頼って良いし」
穂乃果「ちょっと待って飛鳥くん。めっちゃ喋るね!!」
穂乃果が突っ込んだ。
飛鳥「まあ、そんな頻繁に会えなくなるから、言いたい事を全部言っておこうかなって」
希「にしてもめっちゃ喋るやん。何でなん?」
飛鳥「まあ、それだけ高海さんに夢中になってたって事ですかね?」
飛鳥が冗談っぽく言い放った。
飛鳥「高海さん、今回の事で、多くの人達を魅了出来る事も出来るし、輝ける事も分かりました。だから、自信を持って頑張って…って、高海さん?」
千歌「……」
千歌は顔を真っ赤にして、絶句していた。
飛鳥「おーい。高海さーん。聞いてるー? あと、こういう時は「気持ち悪い」とかツッコミを入れてもいいんだぜ…」
飛鳥が近づこうとすると、
千歌「ひ…ひゃああああああああああああああああ/////////////」
千歌が果南の後ろに隠れてしまった。
飛鳥「…多分聞いて無いだろうから、伝言をお願いします」
曜「わ、分かった…」
飛鳥「それじゃ、そろそろ行きましょうか」
山田「お、おう…」
山田も若干呆気に取られていた。
飛鳥「さ、バスに乗り込んでください」
「う、うん…」
希以外のメンバーは言われるがまま、乗り込んでいった。
千歌「あ…」
そして飛鳥だけになった。
飛鳥「それじゃ浦の星女学院の皆さん、志満さん、美渡さん。お世話になりました」
志満「ありがとう」
美渡「また遊びに来いよー」
飛鳥が千歌を見た。
飛鳥「千歌さん」
千歌「!」
飛鳥が微笑んだ。
飛鳥「またな」
そう言って飛鳥もバスに乗り込んでいき、そのまま発車していった。
「さよーならー!!」
千歌達が手を振って、バスが見えなくなるまで見送った。
「……」
そして静寂が残る。
曜「…行っちゃったね」
梨子「うん…」
千歌「……」
千歌が口角を上げた。
曜「千歌ちゃん?」
千歌「……」
すると千歌は倒れた。
曜「ち、千歌ちゃん!!!?」
梨子「しっかりして!!!!」
志満「あーあ。完全にあの子に惚れちゃったわねー」
美渡「ていうか…何か神様みたいじゃなかった? あの子…」
つづく