SNSサイトにて、ツイ廃と化したガラルジムリーダー総勢一名   作:暁刀魚

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オニオンくんに祝福を

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

ボクには憧れのトレーナーが三人います。一人は、ダンデさん。ガラルの誰もが憧れる無敗のチャンピオン、これは自然な話だと思うのですが、ガラルの子どもたちは、自分が育ったときに一番強かったチャンピオンにあこがれてトレーナーを目指します。

 

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

かくいうボクも、ダンデさんに憧れてポケモンに関わろうと思いました。ボクは臆病だったので、相手がポケモンでも、正面から声をかけることができなかったのです。それを、あの人が背中を押してくれることで、克服できました。

 

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

多分、ダンデさんはその時のことを覚えていてくれると思います。あの人は記憶力がすごいのと、トレーナーが新しく羽ばたくことが大好きなので、その時一緒にポケモンを貰った子のことも、覚えていると思うんですよ。

 

(オニオン これからも強くなるために さんがポケRTしました)

ダンデ これからもガラルをよろしくな!@DANDEONE

ポテトくんとキャロットちゃんだろう! もちろんの覚えているとも、三人にはじめてのポケモンを送った時、一番目を輝かせていたのは、一番臆病だった君だということも、俺は覚えているぜ! 二人は元気でやっているかな!

 

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

はい、ふたりとも学校ではとても良くしてくれます。ボクみたいなずっと仮面をつけていないと人前に出られないような人間の、一番の親友です。ポケモンバトルのことは、あまり話はしないんですけど……

 

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

ボクは強くなりたいです。ボクが他人に誇れるものはポケモンバトルだけだと思っています、だから、それを証明するための強さがほしい。傲慢だとは思いますが、その生き方を間違っているとは思いません。ボクはボクだから。

 

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

もうひとりは、カントー四天王のキクコさん。現役最高齢のゴーストタイプ使いで、非常に長い間、四天王を続けていられるすごい方。ボクにとっては、あの人こそが一つの到達点である、と思います。なんと言っても、あの凄みは、直接お会いしたときにほとんどお話できなかったことで強く感じました。

 

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

ダンデさんに連れて行っていただいたんですよね。あの人は、ボクたちを他地方まで連れ出して、その地方のすごいトレーナーの方とバトルをさせて、お話もさせてくれます。アレのおかげで、ガラルのジムリーダーの平均が上がっているところはあります。

 

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

ボクがキクコさんと会った時の思い出は……バトルをしているときに、その時初めて、怖いと思ったこと。ボクは確かに臆病ですが、バトルの最中は違います。それなのに、普段のような臆病さが出てしまうくらい、キクコさんは怖かったです。

 

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

でも、それはキクコさんが長い人生の中で身につけた、戦うための強さで、本当のキクコさんはすごく優しいんです。ちょっと遠回しなところはありますが、会ってからずっと、キクコさんはボクのことを気遣っていてくれました。

 

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

キクコさんのすごいところは、未だなお、まだまだ強くなろうとしていることだと思います。あの人は常に強さを求めて、試行錯誤して、ボクみたいな若輩相手にも、成長のきっかけを見出してくれるんです。

 

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

いやまぁ、だからといってどうすれば強くなるか聞かれても、ボクには答えられないんですけど……

 

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

どうしてそこまで強くなろうと思えるのか、その答えは、解りませんでした。聞いてもはぐらかされてしまいましたし、ダンデさんも苦笑してましたし、いつかわかる日が来る、とだけ言われました。人それぞれ違うってことなのかな?

 

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

ちょっと長く話しすぎてしまった気がします。いくらボクがPoketterではリアルと違って饒舌だからって、こんなに長く話すことはないです。いつもあんなふうに長文でつぶやきをして、リアルでも同じくらい口の回るアリシアさんは、よくわかりません。

 

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

よくわからない、といいましたが、ボクの憧れる三人のトレーナー、最後の一人はアリシアさんなんです。

 

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

凄まじい量のやめとけリプとどうかしちゃったのという心配リプが届いていますが正気です。っていうかそんなこと言って、みんなアリシアさんのファンであることは知ってるんですからね。

 

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

失礼な。

 

(コメ付きポケRT)

ビート その時はまだちょっと先ですよ@Beats_pinkpinkpink

大丈夫ですか? オニオンさん、アリシアさんに変なことされてませんか? ボクはアリシアさんにバタフリーのしびれごなジュースというものを振る舞われたことがありますよ。

 

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

本人は喜んで呑んでいそうなのがたちが悪いですね。ねむりごなは普通に睡眠薬になりそうなので色々とまずい辺り解ってやっています。

 

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

というか、今アリシアさんがPoketterにいないことは把握していますよ。いきなりこんな話したらうざ絡みされることだって解ってます。最悪しばらくブロックした方がいいでしょうけれど、まぁそれは内容を話しきってから。

 

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

Poketterにいないのはいいんですが……なんでこんな企画やってるんでしょうね?

(アリシアの、ワイルドエリアでミノムシ状態で放置されたらどうなるか配信 という動画のURL。

ちなみに現在進行形で簀巻きにされたアリシアが、目の前にやってきたゴーリキーたちに自慢の筋肉を見せつけられている。アリシアに傷は一つもない)

 

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

罰ゲームならわかります。アリシアさんなら罰ゲームにこれを設定すれば間違いなくやります、あの人はそういう人です。でも素面でいきなり何の前触れもなく配信が始まったと思ったら、開幕からこの状況で、もうわけが解りません。

 

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

まぁこの配信の実況は後に回すとして、先程名前を上げたときから、リプライの中には真面目に疑問に思う声もいくつかあります。「接点がなくないか?」と。たしかにそのとおりです。

 

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

実は、サイトウさんに同じように憧れの人を聞くと、マスタード師匠、ダンデさん、カントー四天王のシバさん、そしてアリシアさんが上げられます。ちなみにお父さんは上げないそうです、このことをサイトウさんのお父さんに話すと崩れ落ちるので秘密ですよ。

 

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

ともあれ、サイトウさんは解ります。だってジムチャレンジでバトルした、一番年の近いジムリーダーだったんですから。最も近い先輩であり、最も越えなければならないライバルです。アリシアさんにとって、これはルリナさんが相当します。前に話をしていましたね。

 

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

でも、ボクは違います。ボクがジムチャレンジをした時、アリシアさんは絶賛大不調のスランプ状態で、ジムチャレンジ中、一切ボクと接点がなかったんですから。

 

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

トレーナーが憧れを持つ対象は、三つの種類に分かれると思います。一つは大きな目標。いつか、遠い未来で越えたい壁。ボクの場合はダンデさんです。もう一つは遠い向こう側の話。直接自分に関わりがなく、純粋に憧れと尊敬を抱ける対象。キクコさんのことです。

 

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

そして最後の一つが目の前の目標。越えなければいけない今、そこにある壁。これから突破するのではなく、今突破しなくては先に進めない目標。そこには憧れと、そして向上心が潜んでいます。ゴーストダイブしたゴーストタイプポケモンみたいに。

 

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

ボクの一番の目標になるのは、この場合サイトウさんだと思います。もっとも近く、そしてもっとも激しく競い合う相手。アリシアさんは、今のボクではちょっと届かないステージの強さを持っていて、それを越えるためにも、サイトウさん越えは必須。でも、サイトウさんは違います。

 

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

ボクがサイトウさんに負けたと思ったことはないからです。だってボクは仮にもゴーストタイプのジムリーダーなのだから、負けられません、勝つまでやって、強さを証明してみせます。そこに憧れは一切なく、純粋なライバル関係だと、ボクは思います。

 

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

これはまぁ、ビートさんの目標がボクではないように。マリィさんの目標がビートさんではないように。珍しいことではありません。でもだからって、あまり接点のなかったアリシアさんが、ボクの目標なのか。

 

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

ボクが昇格し、アリシアさんが敗北した、メジャー昇格戦がありました。ちょうど今年のサイトウさんとマリィさんのように、どちらかが勝てばどちらかが落ちる。そんな試合でした。見ている方は多かったと思います。

 

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

今年も、謎仮面がなかったら一番盛り上がってたのはあの試合だと思います。どうでもいいですけど謎仮面はボクにとって割と営業妨害なのでもう出てこないことを祈っています。まぁあの試合に負けて引退したので公式戦にはもう出ないでしょうけど。

 

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

アリシアさんの場合、二代目とかベータとかVer2.0とかいって再登場するので、あんまり意味はないんですよね……

 

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

ともあれ、その時の話です。あの試合、ボクは勝利しましたが、正直、運だったと思います。どっちが勝ってもおかしくはなくて、そして実力的には、アリシアさんの方が上でした。そりゃあまあ、あの後一気に調子を取り戻して、次の年はプロリーグとシングルカップを取ってしまうわけですから。

 

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

ポケモンバトルの強さは一日にしてならず。たまに初期値が凄まじい人がいますが、強くなるスピードというのはある程度一定だと思います。だからボクが勝ったあの時も、強かったのはアリシアさんの方だと思います。

 

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

それでも、ボクが勝ちました。理由はアリシアさんの不調で、ココぞという場面にあの人が弱かったからだと思います。そうでなければ、ボクは順当に負けていたはずです。

 

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

ポケモンバトルの強さって、大一番での勝負強さに現れると思います。バトルがどれだけ大事な勝負になるかの度合いで「番狂わせ」が起きる可能性って減るんです。弱いとされる方が強い方に勝っても、それは実力による勝利です。負けに不思議の負けはなし、です。

 

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

そりゃあダンデさんやユウリさんっていう例外はいますけど、基本的にバトルにおいて敗北というのは必然です。何度も何度もバトルしていれば、負ける回数は一桁ではすみません。去年のプロリーグ、トップのアリシアさんだって二桁負けています。

 

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

そして、その後のタイトル戦では当然といえば当然ですが、無敗だったんですから、勝負強さって、大事です。

 

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

ボクのほしい強さって、多分勝負強さなんです。ここぞっていうときの強さなんです。それって、いうなれば挑戦を恐れない心だと思います。実力が伯仲している場合、勝つのは賭けに勝つ方です。そして、賭けに勝つのはだいたい、大事な場面で勝負に出れた人です。

 

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

実力者ほど、これが如実に出るんです。だから、ボクはその強さがほしい。もっと言うなら、

 

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

ボクが勇気が欲しくて、その勇気を一番持っているのが、アリシアさんなんです。

 

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

いやまぁ……

 

オニオン これからも強くなるために@onion_ghostland

多分、これ蛮勇っていうんですけど……

 

 

(同時刻)

 

「あああああああ! だれか! だれか助けてくださあああああい!!」

 

 目の前で、アリシアは無数のキテルグマに囲まれていた。そして、囲まれた状態で特に何もされずに観察されていた。キテルグマに表情はないが、明らかに困惑しているのが見て取れた。

 しかし、それはそれとして、アリシアにとってキテルグマはトラウマである。

 

 アリシアのやかましさが増すたびに、キテルグマたちはどこか怯えた様子で、一歩後ずさる。この場を支配しているのは、実はアリシアの方だった。

 

 その時だ。

 

 誰かが、スーパーヒーロー着地でアリシアの前に降り立つ。

 

「あ、あなたは……」

 

 逆光から、アリシアの目の前に現れた彼は、一言アリシアにこういった。

 

 

 ウホ。

 

 

「ご、ゴリランダー……さん……」


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