not寝取りなのにNTRなのはタグで大体察せる筈(震え声
陳宮が漸く宝具5になった記念。
「さあイリヤちゃん? カメラの前で自己紹介をしてごらん? もちろん、笑顔でね?」
––––ここはとある森の中。おおよそ人の気配と呼べる代物が存在しない様な暗い場所で、一人の男が少女に向けてカメラを回している。
彼女の名前はイリヤスフィール・フォン・アインツベルン。クラスはキャスターであり穂群原学園小等部に通うごく普通の女の子、ひょんな事からサーヴァントとしてとあるカルデアに召喚されたのだが、今彼女は本来のマスターとは別の人物と共に居た。
この男は所謂自分のマスターの"フレンド"なのだが、何度も何度もイリヤは彼に対してある種の恐怖を味わされている為、目を合わせる事が出来ない。
しかしそのイリヤの態度は男に愉悦を与えるだけの代物でしか無く––––ニヤニヤとした顔をしながら右手の甲に刻まれたサーヴァントへの絶対命令権である令呪をチラつかせる。
それを見た彼女は諦観にも似た感情と共に作り笑いを浮かべながら言われるまま自己紹介を行った。…………抵抗は、無意味だから。
「わ、私は……イリヤスフィール・フォン・アインツヴェルン……です。た、誕生日は7月20日。し、身長は133cmで、体重は……29kgです」
「はい良くできました。じゃあ––––お薬、打とっか?」
「!? いっ、嫌っ!!」
薬と言う言葉を聞いた瞬間、彼女の顔には恐怖が浮かび、思わずと言った風に後ずさってしまう。
その行為が男を刺激する––––と言った事は特に無かったが、とある礼装に身を包んでいた彼は更に愉悦の表情を深めながらイリヤへ視線を合わせる様に彼女の前にしゃがんだ。
「そっか、嫌なんだ。お薬打つの、別にいいよ? 打ちたく無いなら打たなくても?」
「えっ? ほ、ほんと?」
「うん。––––その代わり、イリヤちゃんのお友達が酷い目に遭うかも知れないけど……それでもお薬は嫌なのかなぁ?」
『確か……美遊ちゃんとクロエちゃんだっけ?』そう耳打ちされたイリヤにはこの男の言葉に抗う術は無く。自ら『あやしい薬』を使用する。
薬の効果が十全に発揮された事を確認した男は満足そうな笑みを浮かべ右手の令呪を彼女の前へと構えた。
「––––令呪を以て命ずる。キャスター!! 宝具おなしゃす!!」
「ふむ。イリヤさん? 犠牲のない勝利はありません。よろしいですね?」
「自爆特攻はイヤー!!」
少女の叫びも虚しく、超小型の謎の装置をぶっ刺された彼女は敵陣のど真ん中で爆破されてしまった。
しかし、少女の災難はこれ一回切りと言う話では無く。先程打ち込んだあやしい薬の効果によって、ほんの僅かに体力が残った状態で生存してしまう。
ぷすぷすとデフォルメが効いた黒焦げになった彼女に追い討ちを掛けるかの如く、男はイリヤに近付いて行く。
「イリヤちゃん……俺だってこんなの嫌なんだ……でもね? 三度のPUでン万円掛けたのに一枚も来なかった俺の気持ちは止められないんだ!!」
「ただの私怨!? フレンドさんそれ私悪くないよね!?」
「レベル80/90。スキルレベルAll6で止まるマスターの所には行くのに? そんな理不尽あってたまるかよ!? だから決めたんだ!! 俺は他人の嫁サーヴァントをN(何度も)T(陳宮先生で)R(リリース)してやるってッ!!」
「そ、それは巡り合わせが悪かったとしか……」
「礼装アニバーサリー・ブロンド。騎士の誓い発動、対象はイリヤスフィール・フォン・アインツヴェルン!!」
「ふ、フレンドさん!? まって、もう一回は無理だから!! 私死んじゃう!!」
「ガッツ付与したからもう一回復活出来るでしょ? それにまだ令呪は二画残ってる。その命の一雫まで使い切れるよ、やったねイリヤちゃん!!」
「だ、誰か助けてー!!」
その後、種火集め〈槍・殺編〉に少女の悲鳴と何かが爆発する音が木霊したとかしなかったとか……。
「次はスト限とか言う悪い文明をぶっとばさなきゃ……」
星2キャスター陳宮。それはフレポガチャから排出される問題児であり––––様々な悪名を持つサーヴァントである。
明日は誰が彼の手によって自爆特攻させられるのか、候補はまだまだ沢山居るぞ!!
イリヤさん以外にもパイセンの目の前で旦那を爆殺する事をチラつかせながら、土下座屈服させたパイセンを射出する話と悩みましたが多分そっちは書かない。
理由? ネタが一発ネタだからです(震え声